【ひらブラ vol.51】ボク流「タイムラプス撮影」活用術

2015-01-16 12:00 投稿

iOS8で対応した「タイムラプス撮影」。機能があるのは知っていましたが、実際に使ったことはありませんでした。最近、facebookのタイムライン上でもこの「タイムラプス」を使って撮影した動画を目にする機会が増えてきたこともあり、気になってはいたのですが…。

すでにご存知の方も多いかと思いますが、「タイムラプス撮影」とは、カメラが一定間隔で自動的に撮影を行い、その写真を繋いで実際の経過時間よりも「はやい」時間の流れで再生できるようにするものです。

植物の成長過程や花の開花する様子、天気がめまぐるしく変わる風景、交通量が変化する道路など、だれでも一度は「タイムラプス」で撮影されたシーンを観たことがあるのではないかと思います。蝶がサナギから羽化する様子も、タイムラプスで撮影されているととても感動的ですよね。

この「タイムラプス」を手軽にiPhoneで撮影できる、しかも、ハードを買い換えずともOSのアップグレードで。良い時代になりました。

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▲タイムラプス撮影画面(iPhone5S)

パノラマ撮影やスローモーション撮影は試したことが合ったのですが、「タイムラプス」は未体験。遅ればせながら、今回、初挑戦してみました。

※今回の記事には「爬虫類」が登場します。苦手な方は、念のため、下記より閲覧注意にてお願いします。

タイムラプス撮影のきっかけは「爬虫類」

そもそも、今回なぜ「タイムラプス」に興味を持ったかというと、最近飼い始めた“新しいペット”がきっかけでした。ちょっと回り道ですが(汗)まずはそのへんからお話ししたいと思います。

もともと我が家では、インコ2羽(オカメインコとウロコインコ)とモモンガを飼っています。鳥類と哺乳類。熱帯魚(魚類)も一時期ハマっていましたが、今はいません。

かねてから「爬虫類」へのあこがれがあったこともあり、年末年始の休暇中、いくつかのペットショップを見てまわりました。漠然と爬虫類が飼いたいと思っていましたが、実際にお店を見てみると、その種類と奥深さ、そして価格の“ピンキリ”度合いに驚くばかり。

店員さんに相談すると、爬虫類が初めてという方に大人気のペットがいるとのこと。それが「ヒョウモントカゲモドキ」でした。

愛くるしいその表情と、ハンドリング(手乗り)である程度のスキンシップが可能なこと、動きが比較的ゆっくりで飼いやすいこと、紫外線照射が不要なこと、長寿(7〜10年以上)であること、太い尻尾に栄養分をたくさん蓄えておけるので一定期間留守をしても大丈夫なこと、等々、サラリーマンでもわりと飼いやすい条件が揃っていたので、新しい家族としてお迎えすることを決意しました。

※実は即決というわけではなく、2時間ほどの家族会議を経て、飼育を決めました。なぜ会議が必要だったかは、記事の最後に書きます…(汗)。

じつは名前に「モドキ」が入っているペットをお迎えするのは人生で二度目。以前「スッポンモドキ」という水棲のカメを飼っていました。だから、ヒョウモントカゲモドキにも、なんとなく親近感があったというのもあります。ちなみに、スッポンモドキは絶滅危惧種としてワシントン条約にも指定されてしまったため、今では入手が困難になっているそうです。ボクが飼っていたのは、それより前でした。

おっと、脇道に逸れてしまいましたね…。話を、ヒョウモントカゲモドキに戻します。

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▲我が家のチェナちゃん(ヒョウモントカゲモドキ)

どんなペットであっても、我が家に連れてきてからしばらくは、いろいろと不安になります。我が家の環境に慣れてくれるだろうか?温度管理は適切だろうか?エサは食べているか?体重は落ちていないか?病気ではないか?…心配は尽きません。

鳥や魚であれば、これまでの経験もあるのでだいたいのことは分かるのですが、人生初の爬虫類。飼育本やウェブの情報、ペットショップの店員さんの言葉など、いろいろな情報ソースを総動員して飼育に臨みます。

いちばん悩んだのが、ケージ(=飼育ケース)のレイアウトでした。

ヒョウモントカゲモドキを飼う環境について、大事なポイントが2つあります。

1.温度勾配

2.湿度管理

1の「温度勾配」とは、ケージのなかに“温度の高いところ”と“温度の低いところ”を作ってあげることを指します。ご存知の通り爬虫類は変温動物なので温度管理が重要です。

一見難しそうに感じますが、パネルヒーター(爬虫類専用のものが市販されています)を使うことで、温度勾配は比較的簡単に作ることができます。つまり、ケージの底全体にパネルヒーターを設置するのではなく、一部(ペットショップの方は3分の1くらいが良いと言っていました)のみが温まるようにするのです。すると、ケージのなかに温度差が生まれ、ヒョウモントカゲモドキは自分の好みに応じて選べるようになるというわけです。

2の「湿度管理」は、読んで字の如し。ただ、蒸れてケージ全体が湿気で曇るような状態はダメですし、かといって、乾燥し過ぎると、「脱皮不全」といってうまく脱皮ができないトラブルが起こることがあるそうです。

そこで「ウェットシェルター」という、いわばケージ内に高湿な「隠れ家」を作るための道具が売られています。素焼きのドーム形状の陶器で、上部に水を溜められるようになっています。この水が少しずつドーム内に浸透し、一定の湿度を保持してくれる仕組みです。

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▲我が家のウェットシェルター

「隠れ家」は、ウェットシェルターだけでなく、別にもう一つ用意したほうがよい、というアドバイスもありました。温度勾配と同様、湿度にも「勾配」を設ける、という意図だと思います。また、ウェットシェルターは角丸であっさりとしたフォルムなので、表面がゴツゴツした「ロックシェルター」と呼ばれる自然界の岩に模したものを別に用意することで、脱皮時に皮を引っ掛けやすくする効果がある、という方もいらっしゃいます。

実際に、パネルヒーターを設置し、ウェットシェルターとロックシェルターをレイアウトした直後、大きな疑問点にぶつかりました。

それは、上記「1と2」の相関関係です。

・シェルターは、パネルヒーターの上に置くべきなのか?

・シェルターの種類によって、パネルヒーターの有無を分けたほうが良いのか?

・シェルター内にパネルヒーターの当たる部分とそうでない部分を用意したほうが良いのか?

これらの点については、飼育本にも明確な記載が見つけられず、飼育者の方々のブログやYahoo知恵袋の回答を見ても、意見が分かれていました(滝汗)。

…まぁ、ヒョウモントカゲモドキを飼い慣れた方にとっては「考えすぎ」と笑われてしまうことかもしれませんが(汗)、なにぶん、初めてのペットなもので…。

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▲悩む飼い主をじっと見つめるチェナちゃん

そこで、総当たりで、すべてのパターンを試してみることにしました。そのなかから、チェナちゃん(注:我が家のヒョウモントカゲモドキに付けた愛称ですw)が気に入ったものを採用しよう、と。

…ん?

…まてよ?

…そもそも、どうやって「気に入った」かどうかを判定するんだ???

…前置きが長くなりました。

こうした経緯で、「そうだ!タイムラプス撮影だ!」と相成りました(笑)。

実際に撮影してみた!

チェナちゃん(注:我が家のヒョウモントカゲモドキ)がどんな行動をしているかをチェックするにあたり、いかに長時間にわたる行動を効率的に確認するか、がポイントになりました。ビデオ撮影でも良いのですが、再生にも同じ時間が掛かってしまいます。早送り再生でも良いのですが、撮影データそのものの容量が大きく、ストレージサイズや取り回しの悪さも課題になります。

そこで思いついたのが、iPhoneの「タイムラプス撮影」でした。

スマホ向けの三脚マウントを使って、画角とピントポイントを決めます。あとは、iPhoneのカメラを起動し、画面をスワイプして「タイムラプス」モードにし、録画ボタンを押すだけ(録画ボタンの形状がいつもとはちょっと変わるので分かりやすいです)。長時間にわたる撮影の場合、電池が切れることもあるので、電源に繋いでおいたほうが良いかもしれません。

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▲タイムラプス撮影中!

こうして撮影したのが、下記の動画です。

画面内、向かって右側が「ウェットシェルター」、左側が「ロックシェルター」です。

タイムラプスで撮影した映像をチェックしてみると、いろいろなことが分かりました。

・ウェットシェルター内にいる時間が長い

・ロックシェルターの内には入らないが、上部にはよく乗っている

・ウェットシェルターへの水の浸透スピード(底紙への水染みの面積の変化から)

・お気に入りの周遊コースがある

何度か条件を変えて「タイムラプス撮影」をしていると、ある疑問が頭に浮かびました。

「何秒間隔でシャッターが下りているんだろう?」

どうやら、iOSの「タイムラプス」は、撮影時間に応じてフレーム数(≒撮影間隔)が自動的に変化するようです。9TO5Macさんの記事ITmediaさんの記事によると、実撮影時間が10分以下なら秒間2フレーム(つまり1秒に2枚撮影)で、ここから、実撮影時間が長くなるに従って、フレーム数が減少していくとのこと。

つまり、難しいことを考えなくても、ただ録画ボタンを押すだけで「タイムラプス撮影」ができるよ!というUXになっているわけですね。いかにもAppleらしい、素晴らしい設計だと思います。

ただ、今回のボクのような目的の場合、自分で撮影間隔を設定したい気持ちもあります。どこかに「タイムラプス撮影」の詳細設定があるかどうか調べてみましたが、残念ながらiOSにはそうした設定画面はありませんでした。

そこで、AppStoreを訪ねます。

サードパーティ製のアプリも試してみる

AppStoreで『Timelapse』で検索すると複数のアプリがヒットしました。どれをインストールしようか迷いましたが、検索上位に表示されたのと、設定画面がシンプルだったので、xxster.net 社のTimeLapseというアプリを試してみました。

自分のお好みの撮影設定に名前を付けて、プリセットとして保存しておける便利な機能があります。さっそく直球ですが「ヒョウモントカゲモドキ」というプリセットを作成します。かなり細かな設定が可能ですが、「写真の間隔:30秒」で設定完了。簡単です。

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▲プリセットを作成

iOS標準のタイムラプス機能で撮影したときとまったく同じ環境と機材で、アプリだけを「TimeLapse」に変えて撮影したのが、下記の動画です。

この動画では、ヒョウモントカゲモドキ特有の、ある重要な行動特性を知ることができました。

それは、チェナちゃんが「活動的」になるタイミングです。

ヒョウモントカゲモドキが夜行性であることは知っていましたが、夜といっても、夕方なのか、夜なのか、真夜中なのか、明け方なのか、それが分かりませんでした。うちのモモンガも夜行性ですが、日没直後というよりは、午前0時前後、真夜中ごろに活動的になります。

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▲App「TimeLapse」によるタイムラプス撮影の様子

上記のタイムラプス映像をチェックすると、動画の後半で、しだいに暗くなっていくのがお分かり頂けると思います。日没とほぼ同時にシェルターから出てきて、激しくケージ内を移動する様子を見ることができます。(あとで気付いたのですが、時計も一緒に撮影すると尚良かったですね…)

…いや〜、タイムラプス、すごい!

今回の「タイムラプス撮影」による調査の結果、我が家のチェナちゃんについては、当面、下記のような環境で飼育することになりました。

・ロックシェルターとウェットシェルターを併設

・パネルヒーター上にロックシェルターを設置

・ウェットシェルターのごく一部にのみパネルヒーターを設置

とはいえ、今は一年でいちばん寒い時期でもあるので、気候の変化に応じて臨機応変に見直していこうと思っています。温度勾配の確認のために、秘密兵器(サーモチェッカー)も入手しました!

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▲サーモチェッカーで温度確認

なお、今回ご紹介したヒョウモントカゲモドキの飼育方法等については、筆者が独自に書籍やペットショップ店員、ウェブ等で集めたものであり、その方法を推奨するものでは一切ありません。文中にも記載したとおり、飼育環境については諸説あるものもありますし、生体の個体差もあるかと思います。これらについては自己責任にて宜しくお願いします。また、なにぶん筆者もまだまだ飼育ビギナーですので、異論反論アドバイスなど大歓迎です(笑。

※以下余談(やや閲覧注意)。

爬虫類のなかでも「飼いやすい」とされているヒョウモントカゲモドキですが、ペットショップで「飼うかどうか?」について、2時間にもわたる家族会議が行われたのは、先述のとおりです。

その理由は…

じつは、ヒョウモントカゲモドキの「エサ」にあります。

代表的なのが「コオロギ」と「ミルワーム」、「ピンクマウス」です。コオロギとミルワームは生きているものを与えます。つまり、これらの餌としての生体を、自宅で飼育や繁殖する必要があります。また、“クル病”の発症を避けるために、カルシウム粉末をエサにまぶして与える、という一手間が不可欠です。ピンクマウスは産まれた直後のハツカネズミで冷凍したものが売られています。

我が家の先客ペットたちは、エサのハードルは低めです。インコたちはシードやペレットが主食ですし、モモンガもペレットやゼリーをよく食べてくれます。

…しかし、ヒョウモントカゲモドキは別。というか、別格。

家族全員、虫が大の苦手なのです…。ピンクマウスに至っては、実物も見ましたが、ほとんどホラー(汗。

お迎えしたかぎりは、きちんとお世話していきたいし、天寿もまっとうさせてあげたい。一度飼いはじめると、10年以上の付き合いになりますから、とても重い判断です。

冷凍やドライのコオロギや練り餌も開発されていますが、食べてくれるかどうかは個体差があり、やはり生き餌がベストだということで、避けて通れません。

ペットショップの方に「この仔はコオロギを食べてくれますか?」と確認すると「よく食べます」とのこと。では、まずはコオロギから頑張ってみよう!と決心し、ヒョウモントカゲモドキの飼育機材とともに、コオロギ飼育のための虫カゴも買って帰りました。

飼い始めて今日で10日ほどになりますが、コオロギにもだいぶ慣れました。小さなそのクチでたくましく自分の頭のサイズと同じくらいのコオロギにかぶりつく様子を見ていると、なんだか不思議な感動すら覚えるようになりました!

唯一の悩みは、インコたちがコオロギの「鳴き声」をすっかりマスターしてしまったことです。コオロギって、鳴くんですね(泣)。。。

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▲コオロギ飼育中、大合唱中(汗

…というわけで、今週のひらブラはここまで。
それでは、また次回の更新でお会いしましょう!

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幅朝徳(はば とものり) 株式会社CRI・ミドルウェア 商品戦略室 室長、CRIWAREエヴァンジェリスト。学習院大学卒業後、CRIの前身である株式会社CSK総合研究所に入社。ゲームプランニングやマーケティング業務を経て、現CRIのミドルウェア事業立ち上げに創業期から参画。セガサターンやドリームキャストをきっかけに産声を上げたミドルウェア技術を、任天堂・ソニー・マイクロソフトが展開するすべての家庭用ゲーム機に展開。その後、モバイル事業の責任者として初代iPhone発売当時からミドルウェアのスマートフォン対応を積極推進。GREE社やnhn社といった企業とのコラボでミドルウェアの特性を活かしたアプリのプロデュースも行う。近年は、ゲームで培った技術やノウハウの異業種展開として、メガファーマと呼ばれる大手製薬会社のMR(医療情報担当者)向けのiPadを使ったSFAシステムを開発、製薬業界シェアNo.1を獲得しゲーミフィケーションやゲームニクスの事業化を手掛ける。現在、さらなる新規の事業開拓や未来のサービス開発を担当する傍ら、ますます本格化するスマホゲームのリッチ化を支援するためにモバイルゲーム開発者におけるミドルウェア技術の認知向上のためエヴァンジェリストとしての活動に注力中。

趣味は、映画鑑賞とドライブ、クロースアップマジック、デジスコによる野鳥撮影、コンパニオンバードの飼育、そしてもちろん、ゲーム。

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