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vol.1-4:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは【ひらけ!ブラックボックス】

2014-01-18 12:00 投稿

前回までの3回にわたり、世の中にあるブラックボックス的なサービスや商品などをご紹介しつつ、スマホゲームにおける「2つ」のブラックボックスについて説明してきました。ゲームエンジンやミドルウェアといった、ゲームをつくるうえでの「道具」にはどんなメリットがあるのか、また、それらがなぜブラックボックスだと言われるのかについても触れてきました。

さて、いよいよ完結編となる今回は、さまざまなブラックボックスに共通する本質について迫ってみたいと思います。

スマホゲームの主流が「買い切り型」から「F2P」になっていくほど、ゲームのチューニングやリッチな表現手法の追求、ユーザビリティやUXの向上といったものが、「アプリのリリース」という時点をもって完結するものではなく、プレイヤーの評判や反応を見ながら試行錯誤を繰り返し「継続的に追い求めるもの」へと変わっていきます。

実際に、当社のミドルウェアも、これまではゲーム開発のスタート前か開発序盤で導入の検討を頂くことがほとんどでしたが、最近では、アプリのリリース直前に導入が決まったり、さらにはリリース済みのアプリの機能向上のために事後的に導入されるという事例も出てきています。

映画『マトリックス』のクライマックスで、救世主である主人公”ネオ”が、新たな力に目覚め、既存の常識や物理法則を完全に打ち破る「ある行動」をします。大ヒットした映画なので、どのシーンのことを言いたいかはきっとお分かり頂けると思います。観客(=コンテンツの受け手)というのは、いつもオドロキや発見を期待するものです。実際、この映画の続編2作においても、まさに、そんな超人ネオの大活躍がさらにド派手に描かれています。

ちょっと大げさかもしれませんが、ボクがミドルウェアを人に説明するときは、いつも、この「救世主ネオの活躍」のイメージがアタマに浮かびます。OSの制約や、既存の手法・技術では実現が難しかったことを、”カンタンに”かなえるような技術。「えっ?この機種でこんなことまで実現できちゃうの?」って感じで、ハードウェアの制限すら超越してしまうようなオドロキを”カンタンに”創りだす技術。それがミドルウェアなのかなぁ、と。実は、この「カンタンに」って部分が大事で、道具やパーツとしてのミドルウェアは使いやすさが命。どんなに凄いことが実現できる技術も、使いにくかったり、あまりにも高度なスキルを要求するものでは絶対に利用してもらえません。

もちろん、最終的にプレイヤーにオドロキや感動を与えるものは、コンテンツそのものです。ゲーム開発者が思い描いている「すごいアイディア」が、技術的な理由で諦めなきゃいけなかったり妥協しなきゃいけない、なんてことが無いように、ボクらは「餅屋」として、ゲーム開発者にとって美味しいお餅を追い求め続けていくことで、間接的ではあるけれど、プレイヤーと繋がっていきたいと願っています。


ブラックボックス」という言葉を知らなかったという方もすでにご存知だった方も、「黒い箱」という、何となくとっつきにくくて不気味なだけだったイメージが少しずつ変わってきて、チョットだけ親近感が湧いてきませんか?

冒頭にご紹介した飛行機のブラックボックスは、実はオレンジ色でしたよね。なぜオレンジ色なのにブラックボックスって呼ばれるのか不思議に感じますよね。きっと、そこに記録された録音データやフライトログなどの情報にアクセスできる機関や人が国際的な取り決めによって厳しく決められていて、誰でもチェックできるものではないことから来ているのかもしれません。秘密のベールに包まれたこの絶対に壊れないこの「黒い箱」は、より安全な空の旅を実現するために世の中に役立っています。

また、事例に挙げた格安ホテル予約サイトや福袋は、事前にホテル名が分からなかったり袋の中身を知ることができない「デメリット」と引き換えに、安さというコミットメントを提供しているブラックボックスです。もちろん人によっては、ここにワクワク感というエンタテインメント性もブラックボックスの魅力として映るでしょう。

そして、ゲームエンジンやミドルウェアといったブラックボックスは、そのメカニズムや要素技術を意識することなくカンタンに「実現が難しかったこと」をかなえるものです。

それぞれに性質や特徴は違いますが、ボクらはたくさんの「ブラックボックス」に囲まれて生きています。どんなところに、どんなブラックボックスが潜んでいるか、そんな視点で世の中を眺めてみるのも面白いかもしれません。

このブログでは、そんな視点で世の中を眺めながら、ゲームに限らず、できるだけいろいろなブラックボックスをご紹介していければと思っています。

中身を見ることはできないけれど、オドロキや感動を人に与えたり世の中の役にたっていたりする、そんなブラックボックスの「ヒミツ」にちょっと近づいてみる。

見るな!って言われたものって見たくなるし、気になって仕方がなくなるのが人情ですよね(笑)。だからといって、いろんな「ひみつ」のタネ明かしをしていこうというわけではありません。だってほら、マジックだって、タネ明かしをした瞬間に感動は消え失せて台無しになってしまうじゃないですか。だから、ちょっとだけ「ヒミツ」のヒミツを覗いてみたり、勝手に分析したりしながら、その魅力に迫っていきたいと思います。ぜひ、末永くお付き合いください!

今回は、創刊記念号ということで、全4回に分けてお届けしました。次回からは、各回よみきりのスタイルでお届けしていく予定です。

Vol.0 のジコショーカイ編でも少し触れましたが、CRIは、ゲーム開発者向けのミドルウェアを20年以上にわたって開発・提供してきました。ゲームミドルウェアに特化した専業企業としては、たぶん、世界中でもいちばん”老舗(しにせ)”の会社だったりします。長年、家庭用ゲーム機(PSとかXboxとかWiiとかVitaとか3DSとか…)を中心に事業展開してきましたが、やっぱり最近は、スマホ向けのミドルウェア提供がどんどん増えています。

 

家庭用ゲーム機を遊んだことのある方なら、ゲームの起動画面に「CRIWARE」ってロゴが表示されるので、ひょっとしたら見たことがあるかもしれません。全世界で、なんと2500種類以上のゲームに使って頂いているんですよ、凄い!(自画自賛w)

でも、スマホゲームの世界では、実は、まだまだ無名の新参者(涙)。スマホのスペックがどんどん上がってきて、家庭用ゲーム機で培ったいろんな技術が応用できるようになってきたし、スマホで使いやすいように最適化や改良もどんどん進めて、UnityやCocos2d-xにも対応してたりするんですが、今はまだ、ソーシャルゲームやスマホゲームの開発者の方々には全然知られていないんです(号泣)。

今後、この場を借りて、そうしたスマホ向けのCRIの技術やミドルウェアについても、いろいろとご紹介していきたいと思っています。すでに製品になっているものだけじゃなくて、実験的にプロトタイプとして開発中の技術やこれから開発しようと目論んでいるミドルウェアの情報も(会社をクビにならない程度にw)こっそりお伝えしていきたいと思います。

このブログをきっかけに、スマホゲームの開発者のみなさんとお近づきになれたらいいなぁ。

ファミ通Appという、ゲームを愛する多くの方が見ている素晴らしい場所にせっかくブログの機会を頂けたので、ゲーム開発者の方々だけではなく、ゲームのプレイヤーのみなさんにとっても、「なるほど」「そうだったのか」「すごい」って思ってもらえる内容を目指したいと思います。

だからこそ、あまり難しい技術用語を使わずに、専門知識がなくても読んでもらえるように心がけます。開発者の方が読んだら「そんなこと知ってるよ」って内容もあるかもしれませんが、そんなときは、ぜひ温かく受けとめて頂けたら幸いです。

最後に、Vol.0でも書いたのですが、改めてアンケートのご協力をお願いしたいと思います。前回、回答済みの方は同じアンケートなので今回はスルーして頂いてOKです。まだの方は、ぜひお願いします。

3クリック程度で終わる完全匿名のアンケートです。「モバイル業界ではまだまだ無名のCRI」とお伝えしましたが、現状の知名度と、少しだけ未来の知名度を、比較してみたいと思っています。ゲーム開発者の方も、プレイヤーの方も、それ以外の方もぜひご協力ください。

▲アンケートはこちら 

次回は、ゲームエンジンとミドルウェアの併用でどんなゲーム演出が実現できるようになるのかをご紹介したいと思います。第一弾は、Cocos2d with CRIWARE です。お楽しみに!

【バックナンバー】

※vol.0:創刊準備号ということでジコショーカイ【CRI幅朝徳のひらけ!ブラックボックス】

※vol.1-1:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは【ひらけ!ブラックボックス】

※vol.1-2:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは【ひらけ!ブラックボックス】

※vol.1-3:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは【ひらけ!ブラックボックス】

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幅朝徳(はば とものり) 株式会社CRI・ミドルウェア 商品戦略室 室長、CRIWAREエヴァンジェリスト。学習院大学卒業後、CRIの前身である株式会社CSK総合研究所に入社。ゲームプランニングやマーケティング業務を経て、現CRIのミドルウェア事業立ち上げに創業期から参画。セガサターンやドリームキャストをきっかけに産声を上げたミドルウェア技術を、任天堂・ソニー・マイクロソフトが展開するすべての家庭用ゲーム機に展開。その後、モバイル事業の責任者として初代iPhone発売当時からミドルウェアのスマートフォン対応を積極推進。GREE社やnhn社といった企業とのコラボでミドルウェアの特性を活かしたアプリのプロデュースも行う。近年は、ゲームで培った技術やノウハウの異業種展開として、メガファーマと呼ばれる大手製薬会社のMR(医療情報担当者)向けのiPadを使ったSFAシステムを開発、製薬業界シェアNo.1を獲得しゲーミフィケーションやゲームニクスの事業化を手掛ける。現在、さらなる新規の事業開拓や未来のサービス開発を担当する傍ら、ますます本格化するスマホゲームのリッチ化を支援するためにモバイルゲーム開発者におけるミドルウェア技術の認知向上のためエヴァンジェリストとしての活動に注力中。

 

趣味は、映画鑑賞とドライブ、クロースアップマジック、デジスコによる野鳥撮影、コンパニオンバードの飼育、そしてもちろん、ゲーム。

CRI・ミドルウェア ウェブサイト
http://www.cri-mw.co.jp/

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