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【ひらブラ vol.12】行動変容の春だから…「人生をゲーム化してみよう」

2014-04-04 12:00 投稿

新調したくなる春

今週は4月最初の週ということで、読者の皆さんにおかれましても、入社式や入学式など新たな門出を記念するイベントが多かったのではないかと思います。当社CRIでも入社式が行われ、3名のフレッシュな人材がボクらの仲間になりました。

社員が増えたのを記念して、毎年、全社員で集合写真を撮影するのが恒例行事なのですが、広角レンズを使ってもなかなか全員がフレームに入りきらない様子を見ていると、たった数人ではじまったCRIもずいぶん仲間が増えたんだなぁ…なんて、しみじみと思いに耽ってしまいました。

会社の近くにある大学では入学式が行われていました。ランチには、いつも行っているパン屋さんに行くと、お目当てのパンどころか、棚にはほとんど商品が残っておらず…(汗)、まるで嵐が過ぎ去った後のような状況。この時期は、サクラの開花や通勤通学のラッシュのように、日常のさまざまな出来事から春を感じることができるものです。

▲全社員あつまって拍手とともに新入社員をお迎えしました

いろいろと新たな気持ちにさせてくれる「4月」ですから、服を新調したり手帳やノートを買い替えたり(スマホがあっても紙の手帳を手放せない人は多いと思います)、部屋の大掃除をしたりする方もいらっしゃるでしょう。また年度が切り替わる会社も多く人事異動のシーズンでもあるので、仕事面でも新たな組織に配属されたり、新プロジェクトが始まったりという方も多いかと思います。

ボクは、ここ1年ほど愛用している「ウェアラブル・デバイス」を新製品に買い替えてみました。Jawbone社の『UP』というリストバンド型のデバイスです。

ゲーム業界やIT業界で働いている知人のなかでも流行っているデバイスなので、このブログを読んで頂いている方のなかにも、すでに使っている方やご存知の方も多いかもしれません。

旧製品では、バンドを取り外してスマホのヘッドフォン端子に繋いでデータの同期をする必要がありましたが、新製品のUP24ではBluetoothでスマホと常時同期ができるようになったので、(実は電池寿命はちょっと短くなってしまったのですが)使用感や機能性は格段に向上しました。

いかにプロセスを「楽しめるか」がポイント

ご存知でない方のためにカンタンに説明すると、『UP』は腕にはめているだけで、毎日の活動量(歩数計がベース)と睡眠時間(睡眠の質の分析を含む)を自動計測することができるものです。UPは、スマホを経由してクラウド(サーバ)上にデータを蓄積し、過去からのトレンドをグラフなどでひと目でチェックすることができます。

さらに、付加機能として、UPに内蔵されたバイブレータを使った目覚まし機能(定刻どおりの目覚ましだけでなく、ユーザの眠りを分析し、定刻前で最も目を覚ましやすいタイミングで起こしてくれるオプションもあります)や、ストップウォッチ機能、カラダを長時間動かしていないときにアラートしてくれる機能なども用意されています。

▲UPの最新型『UP24』ではBluetooth Smartを搭載しワイヤレスでスマホと逐次接続が可能になりました

他社のヘルスケア機器や各種サービス、さまざまなSNSとの連携もよく出来ていて、WithingsというWiFi機能を搭載した体重計の計測データをUPアプリで確認できたり、twitterやfacebookの友だちのなかでUPを使っている人たちと、UPによるアクティビティをタイムラインで共有できたりします(睡眠時間や体重を他人と共有することに抵抗があるのは当然ですので、それぞれのデータに対して公開可否を設定することが可能です)。

使い方は人それぞれだと思いますが、わかりやすく、ボクの1日の出来事のなかで、このデバイスとどういう感じに付き合っているのかをご紹介してみようと思います。

【ある1日におけるボクとUPとの付き合い方】

【起床】バンドの振動で起きる
・・・設定時刻までの30分以内で最も眠りが浅い時に起こしてくれます


【朝食】食べたものを入力する
・・・食材名や商品名を入力するとだいたいのカロリーとともに記録されます


【通勤(徒歩)】ひと駅先まで早歩きでウォーキング
・・・ストップウォッチ機能で能動的な運動を通常の歩数とは別個に記録可能


【通勤(車内)】昨夜の眠りの「質」をチェック
・・・睡眠時間だけでなく眠りの深さや寝入りまでの時間がトラッキング可能

【仕事】デスクワークのし過ぎをアラート
・・・アイドル機能で一定時間うごかず同じ姿勢をしていたらストレッチを励行


【昼食】サプリメント服用のアラート
・・・食べたものを記録するとともに食後のサプリ服用を思い出させてくれます

【コーヒーブレイク】コーヒーの量と種類を記録(by UP Coffee App)
・・・カフェイン摂取と睡眠の関係を調査中(実験)


【帰路(車内)】遠距離通勤なので疲れたときは少し仮眠
・・・パワーナップ機能で最適な仮眠時間を狙います(笑)

【帰路(徒歩)】朝同様にひと駅分をウォーキング
・・・1日の目標に対する達成率をチェックしながら歩く距離を調整

【夕食】消費カロリとのバランスを確認
・・・1日の合計燃焼量をチェックしながら夕食の量に配慮


【就寝】目標設定時間に就寝できるよう努力
・・・就寝準備開始のアラートを目安に寝る準備、バンドを就寝モードに切替

このように、まるで優秀な秘書のように、自分では気付けないことや忘れてしまいがちなことを補完してくれます。

もちろん、ただ何もしないよりは手間が増えているのは事実ですが、こうして日々のライフログを蓄積していくことで、自分の生活リズムや習慣を見直すきっかけになります。

ライフログなどのヘルスケア系のデータに限ったことではありませんが、ログは蓄積するだけではあまり価値がありません。それを人間が見て「ひと目」で理解できるように視覚化したり見える化することで初めて意味を持つのです。

『UP』でも、自分の生活習慣の傾向を、さまざまな観点からアプリ上で視覚的にチェックすることができます。また、その傾向に応じて、アルゴリズムに基づいたアドバイスメッセージが届いたりもします(残念ながら現バージョンではこの機能は英語のみとなっています)。

▲UPアプリの「トレンド」表示と「ライフライン」表示で、自分の生活習慣を視覚的にチェック!

人間、なかなか一度カラダに染み付いてしまった習慣やクセを変えていくのは困難なものです。気付きや発見、見える化によって、自分の行動をより望ましいものに自らの意思で変えていこう、こういう動きを『行動変容』と呼んだりします。

「現状の問題点や課題が分かれば、その改善のために人間は行動変容を起こせる」

・・・うーん、はたしてそうでしょうか。。。

確かに論理的にはそのとおりなのですが、もっと感情的でフクザツなのが人間という生き物。課題が視覚化されただけではなかなか習慣を変えるのは難しいものです(のっぴきならない病気に罹っていたり、そのリスクが切迫しているような状況はまた別でしょうが…)。その瞬間は行動を変化させることができても、またすぐに戻ってしまい、続かなくなってしまうかもしれません。

では、何が大事なのでしょうか?

ボクは、誤解を恐れずに言うと、「ゲーム感覚」なのかな、と思っています。もう少し丁寧に言うと、「ゲームを遊んで楽しむ感覚と同じように生活することを楽しむこと」がポイントなんじゃないかなぁ、と。

楽しくないと続かないし、ライフログそのものが苦痛になってしまいます。行動変容によってもたらされる「結果」をユーザが明確に想像できれば良いのですが、それもなかなか難しいですし、プロセスが苦痛では続きません。ほら、ゲームでも単なる経験値稼ぎのための戦闘を繰り返すのは苦痛じゃないですか(笑)。やっぱり、プロセスを楽しめるかどうか?、が大切なのだと思います。
その楽しさの先に行動変容があることで、真の良循環が生まれるのだと思います。

ライフログは「ナラティブなゲーム」?

前回の記事「ナラティブ」ついて詳しくご紹介しましたが(詳しくは前回記事をご参考ください)、この「プロセスを楽しむ」という点についても、このナラティブ的なアプローチが適用できそうです。

ライフログは、ログひとつひとつの連続性や順番を意識することは珍しいですし(その日に食べた3食をすべてしっかりと記憶している人はまれですよね)、自分ではランチや夕食を控えようとしても、急に上司や同僚に誘われたり客先との飲み会が入るなど、突発的な要因で予定通りにいかないことのほうが多いものです。さらに、ライフログには基本的に明確な終わりというものが存在せず、プロセスとログの結果とそれによる行動変容(もしくは変容後の行動の維持)のサイクルを、繰り返しつづけることになります。

これらは、「ナラティブ」の特徴とまさしく合致すると思いませんか。ログの対象となるのは、自分自身の行動の結果であったり、自分の身体そのものから得られるデータであるという意味では、「主人公への感情移入」どころの話ではありません。主人公は自分自身にほかなりません。

ウェアラブルデバイスを用いたライフログ、それに付随するアプリやクラウドサービス、見える化やデータに基づくアドバイス(コーチ)システムなどが、実はナラティブな考えに基づいたゲームだった!、そんなふうに捉えてみるとなんだか随分と面白くなってきます。

ちょっと飛躍しすぎ!って思うかもしれませんが、ゲームという概念をもっと懐の広いものとして捉えてみてはいかがでしょうか。プロセスを楽しむには、ゲームのような存在として捉えることが、きっと近道になるはずです。

製品やサービスの提供者側の視点からは、こういった考え方を「ゲーミフィケーション」と呼んだりしますが、ここでは、あくまでユーザ側の捉え方の工夫でライフログのプロセスをゲーム化してしまおう!という提案です。

スマホはケータイユーザの大半を占めるまでに普及し、クラウドサービスはエンドユーザにとっても身近で当たり前のものとなり、最近では「IoTInternet of Things」や「M2MMachine to Machine」という言葉に代表されるように、本来はネットワーク接続機能を備えていなかった「モノ」がいよいよインターネットに繋がりはじめています。

こうした背景からも、まもなく、技術的にもアイディア的にもより優れたウェアラブルデバイスやライフログサービスが増えていくでしょうし、ユーザが工夫をしなくても、はじめからもっとゲーム感覚に優れた「楽しい」サービスが提供されるようになっていくことは間違いありません。ヘルスケア業界とゲーム業界がコラボしたり、時には競争や切磋琢磨しながら、ゲーミフィケーションの考え方をもっとユーザにとって馴染みやすい形で具現化したようなライフログサービスが、続々と提供されるようになるでしょう。

このときに、大事なポイントになるのが「ナラティブ」的な考え方だと思います。一般的なゲームって終わりが付きものですよね。明示的な終わりがなくても、飽きという終わりが到来します。ライフログや人生や、健康でありたいと思う気持ちには終わりがありませんし、飽きたからといって放棄できるものでないことは、ご存知の通りです。

だからこそ、こうした「汽水域」に産み落とされるゲーム(あるいはゲーム的なライフログサービス)というのは、ユーザに委ねられる(依存する)部分が大きいものになるはずです。

そういう新たなサービスを、ボクもはやく見てみたいし体験してみたいです(もちろん、そうしたサービスを作っていくことにも興味があります)!

ライフログデバイスの魅力と課題

自分の意志の弱さを露呈するようでちょっと恥ずかしいのですが、ここで、自分の経験談を書きたいと思います。

実は今回『UP』を新調するにあたり、それまで使っていた旧バージョンのUPが壊れてしまったために、直近2ヶ月ほどは『UP』の無い生活をしていました。

その結果、運動量は減り、摂取カロリーは増え、睡眠時間は減り、体重も増えてしまいました。これほど如実に影響が出たことに、自分でも驚いています。

結果の見える化だけでなく、プロセスとしてログを記録することそのものが実は楽しく、それがモチベーションに繋がっていたことを再確認しました。

ボクが、このライフログデバイスを1年間ほど使い続けて深く印象に残ったのは次の3点です。

【ライフログデバイスを1年間使い続けて印象に残ったポイント】

1.ライフログが視覚化されることによる発見のインパクト
2.日々のモチベーションの維持に与える影響の大きさ
3.ハードウェア機能がソフトウェアの更新で進化する利便性

上記の3「ハードウェア機能がソフトウェアの更新で進化する利便性」は、特にUPを使っていて感動した点です。具体例をひとつ、挙げてみます。

『UP』では、これから寝るぞ!というタイミングでバンドのボタンを長押しして「就寝モード」に切り替える必要があります。同様に、起床したら「就寝モード」を解除しなくてはいけません。でもこれ、けっこう忘れちゃうんですよね…。ライフログにとって、データの欠如が多発してしまうのは傾向分析の結果を歪めてしまうので、なるべく避けたいところです。

発売当初は、このモード切替を忘れてしまったときは、手動で睡眠時間を追加する必要がありました。ユーザとしては自動で記録されていると思い込んでいるのでモード切替を忘れたことになかなか気付けません。気付いた時には、就寝時刻や起床時刻の記憶が曖昧になってしまっていることもしばしば…。そもそも手動の追加は面倒臭いものでした。

その後、アプリのバージョンアップがあり、この「モード切替忘れ」を救済する機能が追加されました。ボタンを押し忘れてしまっても、ユーザのライフログデータから推測して、ユーザが寝ていたであろう時間帯を「寝ていましたか?」と尋ねてくれるのです。些細な機能ですが、デバイスそのものとの接し方や使い勝手を大幅に向上してくれるナイスなバージョンアップだと感じ、感動のあまりお礼のメールまで送ったことを覚えています(笑)。

▲睡眠モードに切り替えるのを忘れても、ログを分析して睡眠時間を推測してくれる

スマホやゲーム機でも、OSやファームウェアを更新することで、ハードを買い換えることなくその機能や性能を向上させることができますよね。そういう意味では、こうした体験は珍しいことではなくなってきています。

ハードは「売ったらそれで終わり!」というものではなくなり、継続的に機能やユーザビリティを高めていくことで市場の拡大と既存顧客の満足度向上を両立させることができるようになりました。

視点を変えれば、ハード(デバイス)単体ではサービスや機能が完結せず、スマホアプリやクラウド上での解析システムなどと連動することで、初めて製品として成立するという事例が増えてきたとも言えます。

発売後も継続的にサービスやハードの機能や性能向上(場合によってはバグフィックスなども)を行えるという点では、企業側にとってもユーザ側にとってもメリットが多いのですが、一方で、そのサービスが不幸にもスケールしなかったときには問題になります。

何事も、便利な側面があれば、解決すべき課題もあるものです。そこで、下記に、ボクが考える、ユーザ視点からみたライフログデバイスが現時点で抱える課題や問題点をまとめてみました。

【ライフログデバイスの現時点での課題や問題点】

1.サービスや事業のサステナビリティの問題
2.ライフログデータの帰属や可搬性の問題
3.プライバシー/ソーシャルハッキングの問題

1は、先にも触れたとおり、ライフログサービスが停止したり、何らかの事情で提供企業が事業撤退してしまうといったリスクです。ハード単体で動作するならばそのハードの寿命が尽きるまでは使い続けることができるのですが、クラウドが前提となっているサービスではそうはいきません。

2は、1とも関係するのですが、自分が蓄積してきたデータが誰のものか?という問題です。所有権の帰属というよりは、ライフログのデバイスやサービスを乗り換えた際に、その膨大なライフログデータを「引き出し」たり、次のサービスに「読み込ませ」たりすることができるかどうかが問題になります。

これらは、今後の標準化や規格化によって解決する可能性もあります。ただ、企業にとっては、そのサービスを利用する全ユーザのライフログデータそのもの(ビッグデータ)が大きな付加価値を有するという側面があるので、一般的には、そのサービスを継続し続けることでユーザは最大のメリットが享受できるようにサービス設計されています。

3は、ライフログデータが人間の行動や身体と密接な情報であるがゆえに、問題となる点です。プライバシーを含むライフログデータそのもののセキュリティが担保されるのは当然のことですが、ソーシャルハッキングの問題は、ユーザそれぞれのITリテラシや危機意識にも関わってくるので難しい問題です。

実際にあった話なのですが、ボクがよく行く飲食店に勤めている女性の店員さんに、オススメのライフログデバイスについて尋ねられたので、詳しく説明したことがありました。もともと興味があったこともあり、その店員さんはすぐにそのデバイスを購入し使い始めたそうです。数週間後、彼女のアカウントは削除され、そのデバイスを使うのをやめていました。

不思議に思ったのでその理由を尋ねてみると、お客様のひとりが、彼女がデバイスを装着しているのを発見し、「同じものを使っているからぜひ友だちになろう!」と強く迫られ、断りきれずその申請を許可してしまったのだそうです。

ライフログデバイスでは、その人の生活習慣が細かくリアルタイムに共有されてしまいます。…この先は、みなまで書かなくても、想像して頂けるかと思います。ライフログの、ちょっと怖い側面でもあります。

FacebookやTwitterなどのSNSや数多くのソーシャルゲームが多くの人々の心を掴んだのと同様に、ライフログやフィットネスも他人とステータスを共有し繋がることでその魅力が向上しますし、モチベーションも高まります。

ただ、つぶやきなどのテキストとは異なり、ライフサイクルや生活習慣を共有することのリスクは常に念頭に置いておく必要があるでしょう。

※補足ですが、UPでは、自分のログデータをまとめてcsvでダウンロードする仕組みが用意されています。また、ライフログの友だちとの共有設定は細かくオプションが用意されており、もちろん全く共有をしない設定も可能です。

※自分が使っているデバイスだからこそ実体験をお届けできるという思いから、今回は『UP』を中心にご紹介しました。こうしたウェアラブルなライフログデバイスは、Nike社の「FuelBand」や、Fitbit社の「Flex」、POLAR社の「LOOP」、ドコモ・ヘルスケア社の「ムーヴバンド」など、各社からいろいろと発売されています。それぞれ製品やサービスの特徴も異なるので、自分にあったものを選ばれると良いかと思います。

ゲームとライフログ

今回は、とくに肌身に付けるライフログデバイスについて触れてきましたが、「ライフログ」って、実はゲーム業界ではけっこう古くから採り入れられてきた考え方なんです。

ゲーム機であれば「トロフィー機能」とか「アチーブメント機能」を、スマホのゲームであれば「Game Center」のようなSGPSocial Gaming Platformをチェックすると、どのゲームをどれくらい遊んだか、ゲームの進捗状況やさまざまなゲーム内の課題の達成率などが、ひと目で分かります。それを友人と共有することもできます。

プラットフォーム側が提供する機能以外にも、それぞれのゲーム内で独自にユーザのプレイログを蓄積することは広く行われています。オプションやコンフィグなどで、総プレイ時間やクリアまでにかかった時間、ジャンプ回数や銃撃数、敵を撃墜した回数なんてものまで確認できるゲームもあります。

最近では、そのゲーム機でプレイヤーがどのような行動をしたかをすべてロギングし友だちと共有できる「アクティビティ機能」や、ゲームプレイ中の動画やそのゲームをプレイしている自分の動画を録画してカンタンに共有/公開できる「シェア機能」なども充実してきています。

日本で発売されたばかりの「PS4」でそうした機能に実際に触れてみると、ゲームにおけるライフログがもたらす「新たな楽しみ」を実感することができます。

スマホのゲームやソーシャルアプリは、サーバに接続して遊ぶものが主流となり、その結果、運用や運営の良し悪しゲームの面白さや価値、そして、ゲームビジネスの成否を左右する大きな要素になりました。F2P(Free to Play)型課金モデルゲームの数が急増したことも、運営の重要性が高まった理由のひとつです。

ボクが説明するまでもありませんが、こうしたゲームは、プレイヤー操作のほぼ全てがサーバ上に蓄積されているといっても過言ではありません。プレイヤーの満足度を保ちつつ、いかにして事業としての成功を実現するかを、運営(企業)側は、つねにプレイヤーの一挙手一投足を確認し、仮説を立て、実施し、検証しながら、ゲームを「育てて」いくわけです。

課金部分の調整をしたり、新ステージを追加したり、期間限定イベントを企画したり、新たなアイテムを投下したり、メニューのレイアウトを変えたり、場合によっては、ゲームルールを変えたりもします。

とあるソーシャル系のゲーム会社のディレクターは、そのプロセスを「プレイヤーと対話をしながらゲームを育てている感覚」であり「この感覚はこれまでのゲーム開発では体験できなかったもの」だと話していたのが印象的です。

もちろん、ソーシャルゲームの運営は試行錯誤の連続で本当に大変なお仕事なのですが、運営を「ユーザとの対話」として捉えて、まさに「プロセスを楽しんでいる」企業のゲームは、結果的に大きなヒットへと繋がっている感覚があります。

カートリッジやディスクメディアでしかゲームを提供することができなかった時代は、プレイヤーとゲームクリエイター側とをつなぐパイプといえば、「アンケートハガキ」が主流でした。でも、アンケートハガキの戻り率って(もちろんゲームにもよりますが)1〜数パーセントに過ぎないと言われています。つまり、クリエイターが受け取れるのは、ごく一部のプレイヤーの声だけだったというわけです。

今は、プレイヤーが積極的にゲームについて意見をしなくても、ゲームを楽しくプレイしているだけで、クリエイター側と対話が出来ていると言えます。もっと極端な言い方をすれば、そのゲームを遊んでいる全てのプレイヤーがゲームクリエイションの一部になっていると言っても良いかもしれません。

つまり、ゲームプレイヤーの遊び方が、ゲーム企業側のクリエイターの「行動変容」を産み出しているというわけです。

ゲームをプレイするとき、そんなことを少し考えながら遊んでみると、また違ったゲームの魅力を発見できるかもしれませんよ!? そして、ゲームを「つくる側」に興味が湧いてきてしまうかもしれません。

さて、今日のブログはここまで。

また、次回の更新でお会いしましょう!

 

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※【ひらブラ vol.10】ゲームとムービーの歴史を振り返ってみよう!(最新の動画演出とUnity)
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※【ひらブラ vol.2】 LEDで無重力をつくる話
※vol.1-4:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-3:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-2:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-1:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.0:創刊準備号ということでジコショーカイ

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幅朝徳(はば とものり) 株式会社CRI・ミドルウェア 商品戦略室 室長、CRIWAREエヴァンジェリスト。学習院大学卒業後、CRIの前身である株式会社CSK総合研究所に入社。ゲームプランニングやマーケティング業務を経て、現CRIのミドルウェア事業立ち上げに創業期から参画。セガサターンやドリームキャストをきっかけに産声を上げたミドルウェア技術を、任天堂・ソニー・マイクロソフトが展開するすべての家庭用ゲーム機に展開。その後、モバイル事業の責任者として初代iPhone発売当時からミドルウェアのスマートフォン対応を積極推進。GREE社やnhn社といった企業とのコラボでミドルウェアの特性を活かしたアプリのプロデュースも行う。近年は、ゲームで培った技術やノウハウの異業種展開として、メガファーマと呼ばれる大手製薬会社のMR(医療情報担当者)向けのiPadを使ったSFAシステムを開発、製薬業界シェアNo.1を獲得しゲーミフィケーションやゲームニクスの事業化を手掛ける。現在、さらなる新規の事業開拓や未来のサービス開発を担当する傍ら、ますます本格化するスマホゲームのリッチ化を支援するためにモバイルゲーム開発者におけるミドルウェア技術の認知向上のためエヴァンジェリストとしての活動に注力中。

趣味は、映画鑑賞とドライブ、クロースアップマジック、デジスコによる野鳥撮影、コンパニオンバードの飼育、そしてもちろん、ゲーム。

CRI・ミドルウェア ウェブサイト
http://www.cri-mw.co.jp/

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