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【ひらブラ vol.21】ゲーム実況について語ってみる

2014-06-06 12:00 投稿

はやいもので、このブログの更新も今回で21回目。21って、ボクが大好きな数字のひとつ。

うまく理由を説明できないのですが、一見「硬そうにみえて実は柔らかい」雰囲気のする数字のイメージだからです。生まれて初めてトランプを手にした動機が「マジック」だったのは置いておいて(笑)、トランプゲームで最初に覚えたのはババ抜きでも7ならべでもポーカーでもなく、ブラックジャックでした。ブラックジャックといえば「21」ですよね。また、昔は、未来のメタファーといえば「21世紀」でした(もう21世紀になって久しいので若いかたはそんなイメージも無いのでしょうけど…)。

そんな21回目の今回は、ゲームのプレイ動画にまつわるニューカルチャーについて触れてみたいと思います。

相次ぐプレイ動画サービス企業の買収劇

プレイ動画の共有やいわゆる「実況プレイ」はけっこう以前からありました。ニコニコ動画ではジャンルの1つになっていますし、YouTubeやUstreamでも大量のプレイ動画や実況プレイが掲載されています。

かつては一部の限られたユーザにとっての楽しみ方だったゲーム動画ですが、その裾野がどんどんと広がっています。コンテンツの受け手(=視聴者)としてだけでなく、コンテンツの発信者(=配信者)になるためのハードルが日々低くなってきているのがポイントです(このへんは後述)。

なかでも、ゲームエンジンの雄であるUnity社による「Applifier」社の買収、そして、Google社による「Twitch」社の買収交渉の報道には驚きました。いずれの企業も、ゲームプレイ動画に特化したサービスと技術を提供しています。

Unity Technologies、Applifier 社を買収
Everyplay(エブリプレイ)動画共有サービス と GameAds 動画広告を Unity に統合へ
http://japan.unity3d.com/blog/press/2014/03/14/unity-technologies%E3%80%81applifier-%E7%A4%BE%E3%82%92%E8%B2%B7%E5%8F%8E/

(Unity Technologies ニュースリリース/2014年3月14日)

米グーグル、ゲーム実況配信のTwitchを買収か
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK20011_Q4A520C1000000/

(日本経済新聞/2014年5月20日)

Unity社主催の開発者向けイベント「Unite 2014」では、基調講演の際にApplifier社の買収の件に触れ、同社のプレイ動画共有サービス「Everyplay」のUnityへの統合を大きく発表しました。

▲Everyplayについて説明するUnity社(元Applifier CEO)ユッシ・ラーコネン氏

ボクもとても興味のある発表だったので、その詳細を知るために、UniteでのApplifier社のCEOを務めたユッシ・ラーコネン氏のセッションに参加しました。

Everyplayをスマホアプリに組み込むと、ユーザのゲームプレイが動画データとして自動的に録画されます。面白かったのは、ゲームをプレイしているユーザの顔を、スマホの内側(画面側)にあるカメラ(インカメラと呼んだりします)で動画として撮影する機能。実際に動画をサーバにUPするときは、ゲームプレイ映像とともに、プレイヤーの表情が記録されるというわけです。

当然プライバシーに対する配慮が気になるところ。セミナー終了後の質疑応答では、インカメラ撮影が強制機能なのかという質問もなされていました(もちろんオプション機能)。

▲プレイ中のユーザを映すインカムを使った機能も

技術的な観点からは、動画のキャプチャにはそれなりの端末性能を必要とするので、この機能のためにどれくらいCPU負荷が発生するのかといった点も重要になります。なるべく低負荷で組込みやすいことも普及の大事な鍵になりそうです。Unityとの統合は追い風であることは間違いないでしょう。

▲Everyplayの盛り上がりを示す実績の数

当時(2014年4月7日)の状況で、Everyplayは、300のゲームに対応、月間60万回もの再生、850万人の登録ユーザだそうです。その大半は、まだ日本国外での実績だと推察しますが、今後Unityとの連動で日本でどこまで普及するか、そしてもちろん、グローバルでの拡がりも注目です。

でも、そもそもプレイ動画サービス企業がプラットフォーマーの注目を集める理由は何なのでしょうか?

ラーコネン氏は上記セッションの冒頭で、ゲームをインストールするきっかけは「友だちから”面白いゲームがあるぜ!”とオススメされる」ことが最もインパクトが強いと説明していました。アプリ名を伝えるだけでなく、自分のスマホやタブレットにインストールされたゲームを実際に起動して友だちに見せる。この一連の流れを、動画技術とソーシャルによって実現したのがEveryplayだというわけです。

▲Applifier独自の調査結果。北米3000人のモバイルゲーマーを対象にゲームをインストールした動機ランキング

AppStoreやGoogle Playのアプリランキングの上位はもはや「メジャーリーグ」化し、なかなか新規IPや中小規模のタイトルがそこに継続的に居座ることが難しくなっています。広告によるプロモーションも、競争の激化によりますます「まとまった」予算がないと難しい状況になっています。

そうしたなかで、ゲームそのものの楽しさをストレートに伝えるための手段としてのプレイ動画によるコミュニティ形成やバズ・マーケティングは、ある意味でとても古典的でありながら、効果的な手法であることは間違い無さそうです。

でも、ユーザ側にとっては、どうなんでしょうか?

こんなブログを書いておいてアレですが、ボク自身は実はあまりゲームのプレイ動画を観ることも発信することも、今まであまりやっていませんでした。

幸い、社内にも友人にも、こうしたプレイ動画の受発信に積極的な人がいるので、いろいろとヒアリングしてみました。企業側の狙いだけでなく、ユーザ側の心理についても迫ってみたいと思います。

ビビりな独り暮らしでもホラーゲームが遊べる!?

CRIで入社2年目のS君(ミドルウェア開発&サポート担当)。自他共に認める、生粋のゲーマー。彼と会話していて印象的だったのが「実況プレイなら、独りでは絶対に怖くて遊びたくないホラーゲームも遊べるんです!」というセリフ。

そこまでしてホラーゲームを遊ぶ必要があるのか?という疑問は置いておいて(笑)、この視点はとても新鮮でした。というのも、プレイヤーが他人との接点を感じられるのは、オンラインモードのあるゲームやソーシャルゲームだけだと思い込んでいたからです。

たとえスタンドアロンのゲームであっても、それをリアルタイムに実況プレイすることで、他人との接点が発生する。「人目が生まれることで、単にダラダラとクリアするのではなく、より綺麗に、よりカッコよく、よりハイスコアでクリアしてやろう!という別のモチベーションが出てきます」と、熱っぽく語るS君。なるほど。

思い出してみると(注:ややオッサン臭い話になりますw)、ファミコンがまだ学校のクラス全員にまでは普及していない頃、友人の自宅に遊びに行って「スーパーマリオ」を”代わりばんこ”に遊んでいました。もちろん、そこにいる友人の人数が多ければ多いほど自分がプレイできる回数は減るわけですが、そんなことは関係なしに、ひとつのTV画面をみんなで食い入るように見つめて、皆で一喜一憂していた楽しさは、今もハッキリと脳裏に焼き付いています。

S君は、年齢的にも、もちろんそんな体験はしたことないとは思うけれど(汗)、でも、実況プレイの楽しさの根幹は、この昭和時代の「みんなで集まってワイワイ代わりばんこプレイ」の楽しさに他ならないことに気付きました。

実際、S君は、まったく知らない人とではなく、実際の友人や知人との間で実況プレイをしているとのこと。リアルグラフが前提のプレイ画面の共有は、まさに友だち同士で集まったファミコン大会の現代版というわけです。

でも、リアルグラフでのコミュニケーションだけでは、昨今のプレイ動画の盛り上がりを説明できません。実際、ネットにはリアルタイムな実況プレイよりも、圧倒的に多数の「プレイ動画コンテンツ」がアップロードされています。

当然、同じゲームなのに、人気のプレイ動画とそうでない動画があります。人気のあるプレイ動画に注目が集まる理由は、単にゲームをより上手にプレイしているから、というわけではありません。S君いわくUP主のトークの面白さや、動画コンテンツとしてのつくりの出来がポイント」とのこと。特に、いかにも企業が依頼をしたように見える「やらせ」や「ステマ」に感じるものは、嫌われる傾向にある、とも。

S君の意見ばかり紹介してしまいましたが、プレイ動画もひとつの動画コンテンツである以上、やはりというか当然というか、コンテンツとしての魅力や主張ポイントが存在することが大事だということが分かりました。

ただ、モバイルか家庭用ゲームかを問わず、実況プレイやプレイ動画のキャプチャ&配信には専門的な機材や複雑なオーサリングシステムが必要だったり、特別な技術やテクニックが必要だったことが、この「文化」を限られた人たちのものにしていたのでしょう。

先に紹介したUnityのEveryplayやTwitch、カヤックさんのLobiといったミドルウェアやサービスの浸透(ユーザだけでなくゲーム開発者に対しても普及が必要)によって、こうした「発信者側」になるための技術的障壁がなくなっていき、いっそうプレイ動画というゲーム発祥のニューカルチャーが一般的になっていくのかもしれません(もちろん、それでも、より多くの人を魅了するコンテンツを作るためには、センスや企画力が必要なのは変わらないでしょうが)。

発信者人口を増やすという点で、機能のコモディティ化は不可欠です。そのためには、その機能が「手軽」であり「簡単」であり、そして何より「分かりやすい」必要があります。技術の進化とUX(ユーザ体験)の再設計が、今後のプレイ動画という新しい文化の運命を左右するはずです。

そんななか、とても驚いたのが「PlayStation4」の新機能でした。

「SHARE」ボタン搭載、ワンストップ共有の衝撃

PlayStation4(以下、PS4)のコントローラにはSHARE」ボタンが搭載されていることは、ご存じの方も多いと思います。ちょうど左手の親指で押しやすい、いわば「一等地」にSHAREボタンはレイアウトされています。

このSHAREボタンを使うと、「プレイ動画の録画/編集/SNSへの投稿」、「スクリーンショットの撮影/SNSへの投稿」、「プレイ動画のブロードキャスト(生配信)」ができるようになります。

▲SHAREボタンを押すと表示される選択画面
▲Live from PlayStationでは他人のプレイ動画を視聴可能

技術的な点でボクがとっても驚いたのは、これらの機能を実現しながら、ゲームアプリケーション側のリソースを一切使わないというハード設計。つまり、ゲームの処理を犠牲にするというバーターをゲーム開発者やユーザが負担することなく、(専門的な詳しい話は省きますが)このSHARE機能を思う存分、使うことができるという点です。

言い換えれば、このSHARE機能を実現するために、PS4には、それ専用と言っても良いハードウェアやシステムが搭載されているということなのです。

いかにソニーが、このSHAREという機能を重要視しているかがお分かり頂けるかと思います。

そして、この機能がどれだけ実際のユーザに受け容れられたか?は、諸外国でPS4が発売されて、わずか1週間程度で650万件ものコンテンツが「SHARE」されたという発表からも分かります。

▲最近のUpdateで追加されたばかりのSHARE FACTORYを使えば動画編集も思いのまま

ボクも、実際に「inFAMOUS Second Son」というゲームでプレイ動画の編集やSHAREを試してみました。動画の編集もPS4上で出来てしまいます。最近追加されたSHARE FACTORYという機能を使うことで、かなり高度な動画編集が可能です。

自動的にゲームのタイトル名やハンドル名が挿入されたり、カメラやカメラ内蔵のマイクを使うことで、アフレコスタイルで実況を録画/録音し、ゲーム内のウインドウにインポーズすることも出来てしまいます。

まさにワンストップ

PS4が1台あれば、ワンボタンで録画、編集、SNSへのシェアや実況まで、全て出来てしまうというわけです。

正直、ボクはこれまでゲームのプレイ動画やプレイ実況には興味があまり無かったのですが、これだけユーザ体験がわかりやすくなると「自分もやってみようかな?」という気分になります。

最近のあらゆるソーシャルサービスは(ちょっと古い表現ですが)いわゆる”ROM(リードオンリーメンバー)”だけではコミュニティとして成立しないため、いかに情報発信者を増やすために快適かつシンプルなUIUXを提供するかにしのぎを削っています。その点で、プレイ動画の共有のためのこうしたイノベーションは、発信者の数をドラスティックに増やすきっかけになるかもしれません。

ボクの業界内でのお友達のひとり、「テイルズオブヴェスペリア」などのプロデュースを手掛けられ、現在は、株式会社タイトーでデジタルコンテンツ事業戦略に関わられている郷田努(ごうだつとむ)さんと以前、このSHARE機能についてお話したことがあります。

その内容がとても印象的だったので、ご本人の許可を頂きましたので「シェア」させて頂きます。

▲株式会社タイトー 郷田努 氏

SHARE機能は特筆すべき新機能。

隣に友人がいると「いいかっこC」でがんばるのは、大きな動機の一つ。

そのために毎日ゲームをプレイして腕を磨く、誰も見つけていない隠しステージを見つけたい、いち早く攻略して自慢したい。

そういうやつをいつでも喚起できるシステムがたったボタン一つで、しかも世界中の人たちに見せることができる。

これはゲームを継続することを大きくプッシュする。

そして、テレビの前に座らないとプレイできなかったという場の縛りからリモートプレイで解放したのだ。

ゲーマーだったけど、テレビの前に座ってゲームができない。

クリアすることは無理だろうと思って遠のいていくことを解決する大きな前進だ。

もちろん両者ともに万能の杖ではないが、そこへむかっていく小さいが大きな一歩なのは間違いない。

思うにコアゲーマーについてはスマフォゲームから離れ、コンシューマ機へと回帰するというストリームが起きる可能性が高いと思う。

コアゲーマー以外についていうと専用ゲーム機から、スマフォ、タブレット、ファブレットへという流れは今後も加速することと思う。

最終的にはクラウドゲーミングによって、デバイスが何であるかは無関係になる。

そうした時にゲームコンテンツサービスとして優良なものを提供できるクリエイター、組織、企業は今のそれとは必須条件が大きく変わっていく。

何かが変わる時、そこにイノベーションの大きな機会があるので楽しみ。

株式会社タイトー 郷田努 氏

「自慢」って、人間にとって、すごくプリミティブな本能ですよね。

ゲームがボクのなかで、孤独な「作業」になってしまったのは、いつの頃からだろう・・・。見守られている、という感覚は、正直、アチーブメントやトロフィーよりも、はるかにゲームに取り組む継続的なモチベーションを喚起するのに役に立つ気がします。(確かにコレクション要素は大きな動機付けになりますが、ボクみたいなヘタレゲーマーはすぐにコンプを諦めちゃうのですw)

コンシューマ機もスマホアプリも経験された郷田さんだからこそ見える、コアゲーマーのコンシューマ機への回帰と一般ゲーマーのスマデバへのシフトという予言。そういうプロセスを一旦は踏むとは思いますが、ボクも以前のブログに書いたとおり、最終的には「デバイスの区分そのものが無意味になる」時代がやってくると思っています。

なお、まだ日本発売前なので今回は触れませんでしたが、もちろん「Xbox One」にも同様の機能が搭載されています。発売されたら、ボクも実際に試してみるのが楽しみです。

ユーザvsメーカの対立構造からエコシステムへ

ゲームのプレイ動画を語るうえで、避けて通れないのが「著作権」のハナシ。今さらボクが説明するまでも無いかもしれませんが、プレイ動画の配信や実況って、著作権法的に「グレー」なまま浸透していった背景があります。

権利侵害という側面のほかに、コンテンツのセールスやマーケティングという視点では、ネタバレの問題があります。そういう意味では、ゲームのジャンルによって、毒にも薬にもなるのがゲーム実況というわけです。

ここでいう毒とは、プレイ動画を見ただけで満足してしまったり大きなネタバレに触れて購入意欲が減退してしまうこと、つまり、ユーザがお金を使わなくなってしまうという意味です。また薬とは、プレイ動画を見ることでゲームの魅力を発見したり他社とのコミュニケーションのために自分もそのゲームを購入したくなるということ、つまり、ゲームのプロモーションとして貢献するという意味です。

動画って、ナローバンド時代はあまりネットコンテンツとして主人公にはなりえなかった存在ですが、ブロードバンドの普及で一気に浸透していきました。Youtubeも、そこにUPされるコンテンツをめぐって、当初は著作権に関しては多くの問題を抱えてきたことは誰でも知っていることです。でも結局は、共存共栄の今のかたちに至っているわけです。

歴史的にも、面白いものやユーザ側に支持された文化というのは、規制や禁止というアプローチが難しいことが分かっています。つねに法律は「現状」と「少し未来」を想定して制定されているものなので、技術や文化の変化にフレキシブルには対応が難しい側面もあります。

そうしたなかで、今回のPS4のSHARE機能は、本当に画期的です。先ほど、誰でも発信者になれるUXのことを書きましたが、画期的なのはそれだけではありません。ネタバレや動画シェアに「適さない」と思われるコンテンツは、ゲーム開発者側でコントロールできるからです。しかも、ゲームごとにSHAREの可/不可を指定するというザックリとしたものではなく、特定のシーンや特定のコンテンツをSHAREの対象外に指定できるというわけです。

プラットフォームレベルでシェア文化を推奨しているわけですが、それに相応しくないと思う場合は、権利者がそれを制御できる。もちろんユーザ機材を使った実況や配信を規制できるわけではありませんが、それは今後はそれほど大きな問題にはならなくなるでしょう。

権利紛争という視点から離れて、一気にユーザを巻き込んで「共存共栄」のエコシステム文化を目指そう!というムーブメントは、今後の展開がとても楽しみでもあります。

そんな流れのなかで、とても興味深い事例を2点、ご紹介したいと思います。

ひとつは、5/27の夜に、任天堂のTwitter公式アカウントから発信されたツイートです。

▲5月27日に任天堂アカウントから配信されたツイート(下から時系列)

少し理解しにくいかもしれませんが、要は、任天堂の著作物が映った動画による広告収益の一部を受け取れる、新しいアフィリエイトプログラムを準備している、ということです(Youtube映像に関して、というツイートになっています)。

著作物の動画での利用の可否という視点ではなく、もっと歩を進めて、利用を前提にその動画による収益をユーザを含めてシェアしましょう!という発表。

PS4とのアプローチは違いますが、プレイ動画の発信や共有というゲームの「ニューカルチャー」の立ち上がりを強く後押しする発表であることは間違いなさそうです。続報に期待ですね。

そして、この発表にちょっと似ているのですが、もうひとつが、ファミ通(このブログのプラットフォームでもありますが)と電撃を擁するKADOKAWAさんが発表された「ゲーム実況エクストリーム」という企画。

ゲーム実況エクストリーム」は、ゲーム実況動画を題材にしたYoutubeのチャンネルネットワーク。ゲーム実況を行っているユーザ(KADOKAWAは「動画クリエイター」と表現しています)がここに登録することで、ファミ通&電撃の公認動画となる、というもの。さらに、実績によって報酬が支払われる仕組みもあるそうです。

同サービスのFAQサイトには、興味深い内容も。

「Q7, メーカーからクレームがきたらどうしたらいいですか」
クレーム対象とならないような動画作りの方法論などを、適時アドバイスさせていただきます。また、クレームが来た場合などはゲーム実況エクストリームの運営側で対応策を検討します。お気軽にご相談ください。

ゲームメーカーとの関係性も濃く、距離感も近いKADOKAWAさんから、直接、こうしたアドバイスを頂けるのはとっても心強いですね。なお、ゲーム実況エクストリームは、YouTube公認(YouTube CERTIFIED)のチャンネルとなっています。

▲動画クリエイター登録は無料なので実況チャンネルを持っている人は応募してみては?

ますますひろがる「ジブン動画」の共有カルチャー

今回はゲームのプレイ動画の話題を中心にお届けしましたが、ユーザクリエイションによる動画の共有カルチャーって、実はゲーム以外の分野でもどんどん広がっています。

Woodman LabsのGoProや、ソニーのASシリーズ、PanasonicのA100のような「アクションカムコーダ」と呼ばれる、ウェアラブルカメラも、じわじわと普及してきています。

こうしたカメラは、防水防塵性能が高く、内蔵電源で比較的長時間の連続録画ができるので、これまでの動画撮影とは「ちょっと違う」ユースケースが生まれています。

自動車の外装や自転車のハンドルなどに設置して迫力の車載動画を撮影したり、水中用のハウジングケースに入れて手軽にダイビングやシュノーケリング時の撮影をしたり。なかには、ペットの首輪に取り付けて、ペット目線の動画を撮影しちゃうなんて強者も…。

ボクのお友達のひとりで、とあるパノラマ撮影家の方は、GoPro複数台を放射状にマウントして長い棒の先端に取り付け、手軽にHDパノラマ動画を撮影するシステムを作られています。そのシステムで撮影された動画を観たときは、本当にビックリしました。

本来なら、何千万円クラスの高価な専用機材が必要だった映像を、民生用の機械とアイディアで実現できてしまう。まさにイノベーションだなぁ、と。

▲こんな映像みたことないですよね!

スマホのインカメラの標準搭載もそうですが、カメラや撮影関連の技術の進化と低廉化によって、いわゆる「自撮り」を高品質にかつ手軽にできる時代になりました。ソーシャルの浸透もあってか、自撮り動画をネットにUPすることに対する抵抗感がだんだん少なくなってきている気もします(海外はとくにその傾向が強いようです)。

Facebookも動画のUpload機能が日々強化されていますし、タイムライン上の動画が自動的に再生される機能も搭載されています。Instagramもすでに動画に対応しています。画像系のSNSが次々と動画のシェアに対応し、録画という行為のコモディティ化と相まって、動画の共有がどんどん身近なものになってきています。

このブログでたびたび取り上げている「narrative clip」も、そのひとつです。もちろん、このウェアラブルデバイスは静止画しか記録できないのですが、30秒ごとに一日中、自動的に撮影がなされるので、それらの写真を連続して「再生」すると、それはもう、まるで動画のようなものになるんです。

実際、narrative clipのアプリは、サムネイルの上に「再生マーク」のアイコンが表示されており、それをタップすると、自動的に静止画がつぎつぎと再生されるようなインタフェースになっています。

▲narrativeのアプリ画面。膨大な数の写真を動画風に再生可能

一日の終わりに、このアプリを起動すると、その日の自分の出来事をダイジェストで振り返ることができるというわけです。電池やストレージ、クラウドへのアップロード容量などの諸問題はあるものの、後継機では動画撮影の対応にも期待したいところです。でも、だんだんドライブレコーダーみたいな製品になってしまいそうな気もしますが(笑)。

意外と身近になりつつある、動画シェアというニューカルチャー。みなさんも、身の回りにどんな動画シェアのサービスがあるか、ちょっと意識してみると面白いかもしれません。

いろいろな種類のユーザクリエイション動画がありますが、もっとも手軽に作れるのが、ゲーム動画だと思います。凝り始めるとキリがありませんが、ゲームをプレイするだけでコンテンツが出来上がるのですから。

最初はちょっとドキドキするかもしれませんが、ぜひ一度、みなさんも試してみてはいかがでしょうか。

なお、この話題は今後もこのブログで取り上げていきたいと思っています。特に、ボクがちょっと気になっているのが「プレイ動画は本当にユーザの購入意欲に影響するのか?」という点。エコシステムのキモである「プロモーション効果」の部分について、もっと詳しく調べていきたいと思っています。

ぜひ、ご意見やご感想をお寄せください。お待ちしています。

では、次回の更新でお会いしましょう!

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※【ひらブラ vol.3】ドラクエの起動画面のひみつ(続・Cocos2d-xとCRIWAREの話)
※【ひらブラ vol.2】 LEDで無重力をつくる話
※vol.1-4:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-3:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-2:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-1:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.0:創刊準備号ということでジコショーカイ

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幅朝徳(はば とものり) 株式会社CRI・ミドルウェア 商品戦略室 室長、CRIWAREエヴァンジェリスト。学習院大学卒業後、CRIの前身である株式会社CSK総合研究所に入社。ゲームプランニングやマーケティング業務を経て、現CRIのミドルウェア事業立ち上げに創業期から参画。セガサターンやドリームキャストをきっかけに産声を上げたミドルウェア技術を、任天堂・ソニー・マイクロソフトが展開するすべての家庭用ゲーム機に展開。その後、モバイル事業の責任者として初代iPhone発売当時からミドルウェアのスマートフォン対応を積極推進。GREE社やnhn社といった企業とのコラボでミドルウェアの特性を活かしたアプリのプロデュースも行う。近年は、ゲームで培った技術やノウハウの異業種展開として、メガファーマと呼ばれる大手製薬会社のMR(医療情報担当者)向けのiPadを使ったSFAシステムを開発、製薬業界シェアNo.1を獲得しゲーミフィケーションやゲームニクスの事業化を手掛ける。現在、さらなる新規の事業開拓や未来のサービス開発を担当する傍ら、ますます本格化するスマホゲームのリッチ化を支援するためにモバイルゲーム開発者におけるミドルウェア技術の認知向上のためエヴァンジェリストとしての活動に注力中。

趣味は、映画鑑賞とドライブ、クロースアップマジック、デジスコによる野鳥撮影、コンパニオンバードの飼育、そしてもちろん、ゲーム。

CRI・ミドルウェア ウェブサイト
http://www.cri-mw.co.jp/

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