【ひらブラ vol.47】ウェアラブル『はじめます』のでパートナー募集!
2014-12-12 12:00 投稿
ウェアラブルが44%!?
スケジュール帳(実際にはスマホですけど…)を眺めながら、ここ3ヶ月ほどの自分の予定の「仕分け」をしてみました。すると、面白い傾向が見えてきました。
円グラフを見ていただくと一目瞭然ですが「ウェアラブル関連」が一番多く、次いで「スマホゲーム関連」となっています。
ボクは現在、CRIでは特定の事業部には属さず、社長直轄の「商品戦略室」という”独立独行”の部門に所属しています。
ボクのミッションは「未来を創ること」。
誰にとっての「未来」なのか?
どんな「未来」なのか?
どうやって「未来」を創るのか?
…ひとことで「未来を創る」といっても抽象的すぎてイメージが湧かないかもしれません。
もう少し「会社っぽく」表現すると、新規事業開発や新規市場調査といったものが近いかも。事業のフェーズで言うと、リサーチとかフィジビリティスタディとか事業パートナー開拓とかいうステップを主に手がけています。
過去にも、まだフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)全盛の頃(6年以上前)に、『世の中のケータイのほとんどはスマホになる』とか『ゲーム人口の多くがスマホ上でプレイするようになる』と強く主張しつつ(当時は、社内外ともになかなか信じてもらえなかったのですが…汗)、スマホ向けのミドルウェアのプロトタイプ開発や新規事業開発などを手掛けたりしました。
まだブラウザゲームが主流で、さらにUnityが日本ではほとんど知られていない頃にも、『今後のスマホゲームはネイティブアプリが主流になる』『ゲームのネイティブアプリ開発はUnityを中心としたゲームエンジン前提の開発が主流となる』という自説を強く持っていました。
これらの仮説はいずれも的中し、スマホ向けのミドルウェア事業は当社事業の大きな軸足となるほどに育ってきています。(詳しくは筆者プロフィールをご参考ください。)
ウェアラブル領域で「目指すこと」
『世の中の変化』に、誰よりも素早く反応し、それらへの「適応」や「挑戦」の足掛かりとなるような役割が、自分の使命だと(勝手に!?)捉えています。
さて、そんなボクの最近のスケジュールに「ウェアラブル関連」が目立ってきているのは、もちろん結果論ではなく、狙ったものです。
当ブログ『ひらブラ』でも、たびたびウェアラブル関連の話題を書いています。
【vol.36】ネーミングによる期待感の創出(Apple Watch や Destinyの話)
【vol.27】ウェアラブルで生活してみたよ(休日編)
【vol.26】ウェアラブルで生活してみたよ(平日編)
【vol.12】行動変容の春だから…「人生をゲーム化してみよう」
【vol.9】目にみえないデータの恐怖と魅力(Unityオーディオの独自強化)
ウェアラブルの領域で、どんな技術やサービスを提供していくのか?
すでにいくつかの「試み」を始めていますが、まだ案件としてココに書くのは早過ぎるので、いつか、ご紹介できる日を楽しみにしたいと思います。
現在「ウェアラブル」の領域ですでに事業展開されている企業様や同領域に興味のある企業様などとお会いしてお話をしつつ、「ウェアラブル」に必要な技術的要件やそのニーズ(潜在ニーズを含む)について、目下、猛勉強中です。
IoTという概念も含めると、ウェアラブルの領域は、B2C(コンシューマ市場)だけでなくB2B(業務利用分野)やB2B2Cなどとても幅広く、お会いする企業も、今までCRIがお付き合いしたことのないような企業様がほとんどです。
一方で、ゲームなどのエンタテインメント領域での盛り上がりは、正直に言うと「まだまだこれから」という感じ。Oculus Rift や Project Morpheus といったハードウェアの影響で「VR(Virtual Reality)」の領域はずいぶん盛り上がってきている印象がありますが、「ウェアラブル」という観点では様子見の状況。でも、おそらく年明けの「AppleWatch」の発売によって、一気に変わっていくことが予想されます。
さて、今回のブログの本題です!(前置きが長くてゴメンナサイ)
先週予告をしたとおり、特定非営利活動法人 ウェアラブルコンピュータ研究開発機構の講演会で、ボクが行った講演の内容を少しだけご紹介したいと思います。
ちなみに、講演会の当日のプログラムはコチラ(下写真参照)。
今回の講演は、ウェアラブルコンピュータ研究の第一人者である、神戸大学の塚本昌彦教授からのお声掛けがきっかけでした。
塚本先生に初めてお会いした際、ボクの趣味のひとつである「マジック」をお見せし、それを大変気に入ってくださったご縁で、同NPO法人の主催で行われるイベント後の懇親会では何度かウェアラブルデバイスを使ったマジックを僭越ながら披露させて頂きました。
そうした経緯もあって、CRIの講演テーマは『CRIのウェアラブルマジック(仮)』という、塚本教授から授かった不思議な「仮称」になっています(笑)。
ほんとうは講演当日までに「正式な」講演テーマを提出しなければならなかったのですが、なんとなく、この「仮称」が気に入ってしまいまして(笑)、このまま当日を迎えました。
せっかくの「ウェアラブルマジック(仮)」なので、実際の講演でも、実はマジックをお見せしました。でもその部分は、今回は割愛させて頂きます。観たい方は、個別にご要望ください(笑)。
では、当日使用したKeynoteスライドからの抜粋で、ご紹介していきたいと思います。
講演会場では、下記のデモをご覧頂きました。
【ADXのウェアラブルへの応用メリット】
・各種センサデータを圧縮、生データに近い形で保存
・処理負荷が低く、消費電力の削減に貢献
・デバイス側の限られたストレージを有効活用
ウェアラブルデバイスにとっての大きな課題は「消費電力」つまり電池の持ちと、データ量。クラウドやスマホ内のストレージは今や問題にならないほど大容量化が進んでいますが、ウェアラブルデバイス側は別です。限られたストレージでやりくりしなければならず、通信前提のためにデータサイズもなるべく小さくしたい。さらに、消費電力を抑えるために無駄な処理は省きたい。
こうしたウェアラブルデバイスの「特殊事情」のニーズにCRIWAREがお応えできるのではないか?というご提案です。
いろいろな事情でせっかくウェアラブルのセンサで取得した「生の情報」を捨ててしまっているデバイスやサービスも多く、解析「前」のデータは次々と消えてしまっているのがウェアラブルの実情です。こうした状況に当社の技術がお役に立てるのでは…と。
先ほど触れた「センサ取得データの圧縮」以外にも、いくつかのウェアラブル領域でのご提案をしてみました。
その1つは、「Force-Feedbackのデザインと制御」。ウェアラブルデバイスは、人間の肌身に付けるという性質上、ディスプレイが無かったり、画面がとても小さかったりします。こうしたデバイスで重要になるのが「振動」の存在。
振動も、じつは、音(波)の一種。当社の「音」関連の知見とノウハウを活用し、振動などのForce-Feedback系の「デザイン(設計)」と「制御(振動パターンデータの圧縮や保存など)」にお役立て頂く、という提案です。
さらにもう1つは、こちらも歴史が長いウェアラブル領域ですが、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)での「重畳表示(現実世界とCGや動画等のオブジェクトを重ねあわせて表示すること)」に、当社のアルファムービー(透明値・半透明値付きムービー)技術がお役に立てるのでは?というご提案もしました。
これ以外にも、いろいろとウェアラブルやIoT領域での当社技術の活用や応用の「仮説」はあるのですが、、、お時間の関係もあり、今回の講演では、これらに絞ってご紹介しました。
ウェアラブル領域は、CRIにとっては、まだまだ新しい未知の領域。そこで、課題を共有しながら事業開発をしていくパートナー企業を探しています。上記スライドにも書きましたが、「ぜひ!」という方からのご連絡をお待ちしていますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
実際の講演では、この後、スマートウォッチを使った「マジック」をやりました(笑)。
未来は「嘲笑/猛反対」を経て創られる!?
スマホの黎明期と同様に、ウェアラブルやIoTなどをリサーチしたり、こうした講演やお客様との打ち合わせを重ねていると、社内や社外でも「ウェアラブルってどうなの?」という質問をされることが多いです。
そういう質問の多くは、「来るの?」「来ないんじゃないの?」、というものがじつは多いです。
「来るか?来ないか?」は、ハッキリ言って、誰にも分かりません。
でも、世の中のさまざまな動向や「目立たないけれど確実な傾向」を観察していると、確信に近い未来が「見える」ことがあります。リスクとチャンスは表裏一体ですから、そのバランスがとても難しいところ。
スマホの爆発的普及やネイティブアプリの主流化のときもそうでしたが、参入タイミングやシフトチェンジタイミングの見極めは、どなたにとっても、非常に難しいテーマです。
そうした状況で、ボクが大事にしているのが「好きになること」。やっぱり対象に誰よりも興味を持ち、自分自身も使ってみて「好き」になることがすごく大事だと思います。「好き」は強い原動力になりますからね。
ボクが「未来を創る」対象として考えているのは、もちろん「ウェアラブル」だけではありません。どんな対象や市場、テーマであっても「自分が好きになれること」や「夢中になれること」を必ず選ぶようにしています。もともと興味はなくても、さまざまな方と出会い、その深淵を知るうちに、いつのまにか大好きになってしまったり(笑)。
先日、facebook経由で読んだ記事のなかに、とても印象深いものがありました。
81歳創業者はなぜトイレを素手で磨くのか?イエローハット、世界のトイレ掃除に挑む!
http://toyokeizai.net/articles/-/54721
東洋経済オンライン/2014年12月9日
この記事に登場する鍵山秀三郎さんが、哲学者のショーペンハウエルの言葉を引用しています。
物事が成功するまでには3段階ある。第1段階は「嘲笑される」。(中略)第2段階は「反対される」。誰もやれと言っていないのに抵抗するのです。その段階でバカバカしくなり、やめてしまう。こんなことやったってしょうがないという気持ちになる。 でも、そこを乗り越えると、第3段階は、笑いものにしたり、反対したりしていた人がいつの間にか「同調する」。そんなこと、とっくにわかっているよ、と。そうして初めて物事は成功するとショーペン・ハウエルは言っています。
東洋経済オンライン/2014年12月9日 同記事から引用抜粋(一部中略)
英語版はこちら↓
All truth passes through three stages.
First, it is ridiculed.
Second, it is violently opposed.
Third, it is accepted as being self-evident.
by Arthur Shopenhauer
出典:http://izquotes.com/quote/164749
素人の翻訳で恐縮ですが、日本語にしてみました。
あらゆる真実は、3つの段階を経ていくものである。
第一段階では、「嘲笑される」。
第二段階では、「暴力的なまでに反対される」。
第三段階では、「まるで当然のことのように受け容れられる」。
アーサー・ショーペンハウエル
…未来を創るのって、「嘲笑」と「猛反対」を乗り越えて、さらにその未来が訪れても、皆から「そんなの当たり前じゃん!」って言われることを、グッと我慢することなのかも!?
それだけ、強い信念が必要ということであり、まさに、自分との闘いとも言えます。うーん、心に響く言葉ですね。
…というわけで、今週のひらブラはここまで。
それでは、また次回の更新でお会いしましょう!
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※vol.1-4:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-3:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-2:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-1:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
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幅朝徳(はば とものり) 株式会社CRI・ミドルウェア 商品戦略室 室長、CRIWAREエヴァンジェリスト。学習院大学卒業後、CRIの前身である株式会社CSK総合研究所に入社。ゲームプランニングやマーケティング業務を経て、現CRIのミドルウェア事業立ち上げに創業期から参画。セガサターンやドリームキャストをきっかけに産声を上げたミドルウェア技術を、任天堂・ソニー・マイクロソフトが展開するすべての家庭用ゲーム機に展開。その後、モバイル事業の責任者として初代iPhone発売当時からミドルウェアのスマートフォン対応を積極推進。GREE社やnhn社といった企業とのコラボでミドルウェアの特性を活かしたアプリのプロデュースも行う。近年は、ゲームで培った技術やノウハウの異業種展開として、メガファーマと呼ばれる大手製薬会社のMR(医療情報担当者)向けのiPadを使ったSFAシステムを開発、製薬業界シェアNo.1を獲得しゲーミフィケーションやゲームニクスの事業化を手掛ける。現在、さらなる新規の事業開拓や未来のサービス開発を担当する傍ら、ますます本格化するスマホゲームのリッチ化を支援するためにモバイルゲーム開発者におけるミドルウェア技術の認知向上のためエヴァンジェリストとしての活動に注力中。
趣味は、映画鑑賞とドライブ、クロースアップマジック、デジスコによる野鳥撮影、コンパニオンバードの飼育、そしてもちろん、ゲーム。
CRI・ミドルウェア ウェブサイト
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