【ひらブラ vol.45】ふしぎなブラックボックス
2014-11-28 12:00 投稿
いきなりですが、今回はみなさんに「マジック」をお見せします。
月日が経つのは本当にはやいもので、当ブログの連載を始めてから、もうすぐ1年になろうとしています。『ひらけ!ブラックボックス』という奇妙なブログ・タイトルの謎については初期のエントリでも触れましたので詳しくはそちらをご一読頂ければと思いますが、世の中のさまざまなブラックボックス=ひみつについて迫っていくような内容にしたい!という気持ちを込めてつけたタイトルです。
もちろん、CRIが扱っている「ミドルウェア」という技術がブラックボックスであることにも関係があります。
このタイトル、けっこう気に入っています。「【vol.5】ギョーカイ用語は「言葉」のブラックボックス」でもご紹介したとおり、このブログ・タイトルには、実は「名付け親」的な方がいらっしゃいます。ボクのお友達、クロースアップ・マジシャンの前田知洋さんです。
先週、その前田さんと、久しぶりに都内でお会いする機会がありました。ボクは、マジックを観るのも(ちょっとだけ)演じるのも、大好き。そしてこの日、前田さんからステキなマジック・グッズをプレゼントしてもらいました。「このマジックは、“ひらブラ” にピッタリですよ!」と、前田さん。
手渡されたのは、掌に載るくらいのサイズの小さな「黒い箱」でした。
さっそく前田さんに、このマジックを実際に見せてもらいました。
…不思議すぎる…
どんなマジックか、気になりますよね?
というわけで、(前田さんのように上手に演じることはできませんが…汗)、ボクが演じたものを、僭越ながら「動画」で掲載させて頂きます。
「『ひらけ!』ブラックボックス」ですから、この謎めいた「黒い箱」を、ちゃんと“ひらいて”います(笑)!詳しくは下記の動画をぜひ観てくださいね。
いかがでしたか?
動画が(今すぐ)観られない方のために、このマジックの現象を簡単に説明しておきます。
動画のなかでもご紹介しているとおり、色には「膨張色」と「収縮色」というものがあります。ここにあるのは、黒い箱と赤い箱。
人間の目には、膨張色である赤い箱のほうが、黒い箱よりも大きく見えます。
大きく「見える」だけではなく、赤い箱に、黒い箱はスッポリと入ってしまいます。つまり、赤い箱のほうが実際に黒い箱よりも大きいことが分かります。
でも、不思議なことに、今度は、黒い箱に、赤い箱が入ってしまうのです。
すり替えも、CGも、動画編集も(神様に誓って)行っていません!まるで、自由自在に「箱」の樹脂が変化し、サイズが変わっているように思えます。
このマジック、実は、演じているボク自身もとっても不思議に感じるところが、面白いです。
〜〜〜〜〜〜〜
作家のアーサー・C・クラークが遺したとされる言葉のなかに「高度に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」というものがあります。
まさにその通りで、長年ミドルウェアのビジネスをやっていると、お客様から「どうしてそんなことができるの?」とか「魔法みたい!」と言われることがあります。そして、それらはエンジニア冥利に尽きる最高の賛辞であり、お客様に心から喜んでもらえるマジックを無事成功させた“マジシャン”の気持ちに近いかもしれません。
「できるはずがない!」
そんな思い込みや、既存の常識や前提を覆すような「ミドルウェア」や技術で、これからも世間のお役にたてたらと思います。最初は「不思議」でも、次第にその技術が普及し広まっていくことで「当たり前」になっていく。そのときはまた新たな技術や機能で、新鮮な「不思議」や「驚き」を提供していけたらと思います。
CRIこと、私たち 株式会社CRI・ミドルウェア は、みなさんのご支援と多くの方のご協力により、昨日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場しました。ニュースリリースにも記載のとおり「驚き・感動を、より多くの人に伝えるため」という思いをよりいっそう強く持ちつつ、新たな未来をみなさんと一緒に創っていきたいと思います。
…ちょっと堅苦しくなっちゃいました。
最後に、2つほど告知を。
当ブログでもたびたび取り上げているので、すでにご存じの方も多いかもしれませんが、ボクは最近、ウェアラブル関連の動向を積極的にリサーチしています。
来年はAppleWatchの発売が控えていることもあり、今後いよいよウェアラブル関連の分野が盛り上がっていくことは間違いありません。この領域で、どのようなビジネスを展開していくべきかどうか、日々思索を重ねております。
そんななか、下記のイベントで講演の機会を頂きましたので、謹んでご案内差し上げます。ショートセッションになりますが、ウェアラブルの第一線で活躍されている方々や企業様に混じって、僭越ながら、少しだけお話させて頂きます。
ウェアラブル系に興味のある方はぜひご参加ください!
■ウェアラブルコンピュータ研究開発機構 〜定例会〜
【日 時】2014年12月1日(月)14:00〜18:00
【場 所】リクルートテクノロジーズ アカデミーホール(最寄駅 / 東京駅・京橋駅・日本橋駅)
【講演企業】ブリリアントサービス、ウエストユニティス、アルプス電気、セイコーエプソン、CRI・ミドルウェア、ガートナージャパン、ジョリーグッド、ユニックスデザイン、JINS、ほか
【詳細申込】http://www.teamtsukamoto.sakura.ne.jp/news/2014/141201.html
また、上記イベントには参加できなくても、ウェアラブル系の領域で情報交換にお付き合い頂ける方からのご連絡もお待ちしていますので、ぜひぜひ!
また、今回ステキなマジックをプレゼントしてくれたクロースアップ・マジシャンの前田知洋さんが、ちょうど新著を発売されたばかりなので、ぜひご紹介したいと思います。
■タイトル『前田知洋の女性のためのマジックレッスン』
■著者: 前田知洋 角矢幸繁
■発行: 東京堂出版
■価格: 1600円+税
特設サイト:http://h3m.jp/lesson/
まるで、オシャレな料理本のような装丁。実は、中身もすごくオシャレ。制作スタッフも全員女性だったそうで、まさに料理本のように仕立てられた、今まで見たことのないようなマジック本になっています。
書籍のタイトルには『女性のための〜』とありますが、男性の方もご遠慮なく!書籍の「帯(オビ)」の部分で、前田さん自身が吹き出しで語っているとおり、『男性もどうぞ!』なのです。ボクも無事に書店で購入できたのでご安心を(笑)。
共著の角矢幸繁さんもボクのお友達なのですが、まさに前田さんと角矢さんのお人柄があらわれた、スタイリッシュだけどアットホームな、そんな不思議な魅力のある本です。ずばり、オススメ!
…というわけで、今週のひらブラはここまで。
それでは、また次回の更新でお会いしましょう!
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※【ひらブラ vol.43】続:Google社のゲーム「イングレス」でダイエットしてみた(その2)
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※vol.1-4:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-3:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-2:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-1:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
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幅朝徳(はば とものり) 株式会社CRI・ミドルウェア 商品戦略室 室長、CRIWAREエヴァンジェリスト。学習院大学卒業後、CRIの前身である株式会社CSK総合研究所に入社。ゲームプランニングやマーケティング業務を経て、現CRIのミドルウェア事業立ち上げに創業期から参画。セガサターンやドリームキャストをきっかけに産声を上げたミドルウェア技術を、任天堂・ソニー・マイクロソフトが展開するすべての家庭用ゲーム機に展開。その後、モバイル事業の責任者として初代iPhone発売当時からミドルウェアのスマートフォン対応を積極推進。GREE社やnhn社といった企業とのコラボでミドルウェアの特性を活かしたアプリのプロデュースも行う。近年は、ゲームで培った技術やノウハウの異業種展開として、メガファーマと呼ばれる大手製薬会社のMR(医療情報担当者)向けのiPadを使ったSFAシステムを開発、製薬業界シェアNo.1を獲得しゲーミフィケーションやゲームニクスの事業化を手掛ける。現在、さらなる新規の事業開拓や未来のサービス開発を担当する傍ら、ますます本格化するスマホゲームのリッチ化を支援するためにモバイルゲーム開発者におけるミドルウェア技術の認知向上のためエヴァンジェリストとしての活動に注力中。
趣味は、映画鑑賞とドライブ、クロースアップマジック、デジスコによる野鳥撮影、コンパニオンバードの飼育、そしてもちろん、ゲーム。
CRI・ミドルウェア ウェブサイト
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