『メギド72』דJOYSOUND直営店”コラボキャンペーン第5弾が2月22日より開催決定。東京・愛知・大阪の3店舗にカラオケコラボルームがオープン
2024-02-16 20:06
DeNAから配信され、昨年12月には配信1周年を迎えた『メギド72』。
特許を取得した独自の戦闘システムはもちろん、いわゆるソーシャルゲーム的なデザインとはひと味違うデザイン性も人気の作品だ。
今回は、そんな『メギド72』のデザインチームに所属する中山祐治さん(文中:中山)と米倉実穂さん(文中:米倉)を直撃し、『メギド72』のデザインにおけるこだわりを聞き出した。
インタビュー内容はもちろん、メギドのラフデザイン画など、貴重なデザイン資料も掲載しているので、ぜひ最後まで目を通してほしい。
――まずはおふたりの自己紹介をお願いします。
中山 『メギド72』のメインアーティストの中山祐治と申します。アートチームのリーダー的なポジションで、キャラクターデザインやアートディレクションをやらせていただいています。
米倉 米倉実穂と申します。『メギド72』ではイラストレーターとして、メインキャラクターのデザインや衣装イラストの制作、あとはNPCのデザインなどを行っています。
――さっそくですが、『メギド72』ではどのような流れでキャラクターのデザインが決まっていくのでしょうか?
中山 制作のスタートとしては、DeNAと共同で『メギド72』を運営しているメディアビジョン様からキャラクターの特徴やバトルでの役割などの情報をもらい、イメージを作ります。チャットやミーティングを実施して、どのようなキャラクター性がいいかをすり合わせながら方向性の確認をして制作を進めていきます。
――オーダーに沿ってデザインを進め、できあがったデザインに対して修正が入ることもあるのでしょうか?
中山 そうですね。基本的に2Dのデザインに関してはDeNA側で作成するのですが、戦闘に参加するキャラクターは3D化するので、3D化したときに映えることもポイントになってきます。3Dで見たときに少し物足りないよね、というフィードバックをいただいて、それに対する修正をいれることもあります。
――2Dで完結するのではなく、3Dに起こすデザインならではの苦労や、意識されていることはありますか?
中山 2Dでデザインする場合、とくにメインキャラクターたちについては星3、星6と作っていくのですが、僕らは絵の構図でクオリティを見ていくんです。でも、3Dの場合は構図というものがそもそもないので、2Dとはまた見えかたが変わってきますよね。なので、パーツが全体的に細かかったりすると、ギラギラしてしまってあまりよくなかったりします。
米倉 イラストを作るときには3Dになってどう動くのか、という部分も意識しています。細かすぎると視認性が悪いこともあるので、このパーツはなくてもいいね、あるいはこういうデザインを入れたら3Dで動きが映えるね、という考えかたで作っていますね。
――ちなみに、3Dモデルを起こす際に、衣装のパーツを間引いたりすることはないのでしょうか?
米倉 ないんですよ。本当に描いたままをそのまま受け入れていただいています。若干見せかたを変えるようなことはあるんですけど、デザイン自体を間引いたりなくしたり、ということはないですね。
中山 服のリブ生地のような、本当に細かい線のようなものは取ったりしますけど、基本的にデザインとして盛り込んだものは、柄の位置まで同じになるようにしてもらっています。
――以前、宮前Pのインタビューでは、たとえばトルーパーであれば槍系の武器を持たせる、など性能面からデザインが決まるものもあれば、デザイン先行で進むキャラクターもいる、と伺いました。そういった場合はある程度自由に描かれているのでしょうか?
米倉 そうですね。いまはそういう流れがあります。先ほどフローの話がありましたけど、まず性能面をDeNAとメディアビジョン様とで決めて、そこからイラストを作成、そのあとに性格などを肉付けしていく、という感じなのですが、私たちが関わるのは基本的にイラストの部分だけですから。
中山 たとえば、真メギドのなかでは、サキュバスやシャミハザがデザイン先行で生まれたキャラクターになります。どういう経緯で生まれたかはちょっとお話しできないんですけど(笑)。ただ、性能面からデザインの方向性が決まった場合も、どうやって攻撃をするか、などは意外とキャラクターのデザインができあがってから決めることが多いと思います。
――そのメギドが持っている武器の形状などによってアクションも変わってくる。
中山 そうですね。たとえば銃であればどこから弾が出てくるのかなど、ギミック面も細かく考えながら作っています。
米倉 あとは、バトル性能を決める前に、ある程度設定的な要素でグルーピングをして、共通モチーフなどをつけてデザインを進めていたこともあります。現在は重要ではなかったり、変更になったりしているので公にはしていないのですが、スタイルなどはいったん置いて、デザインを先行させて進めた部分ですね。
――ギミック面なども考えられるということですが、メギドの動かしかたなどについて、おふたりからリクエストを出すこともあるのでしょうか?
米倉 ありましたね。ネルガルというメギドを作ったときに、仕様書では機械を腕や脚に装着している、という風になっていたのですが、そういうキャラクターは巷でも多いかな、と思ったんです(笑)。なので、ちょっと新しいモチーフにしたいと思って、土台の上に乗っているというものにしました。
中山 メギドやハルマといったキャラクターに限らず、幻獣などでも提案をすることはあります。僕がデザインしたオロチという大幻獣がいるのですが、これについては攻撃のギミック案などを何パターンか提出しています。
――かなりしっかりと提案内容が描き込まれていますね。これは企画チームからの要請に応えて描いたのですか?
中山 いえ、自発的に描きました。あまり企画側から言われることはなく、動きなどは自由に任せてもらっているので、こちらから提案することが多いですね。
――見た目だけでなく、動きの面までデザインされるんですね。
中山 全部が全部、こちらで提案するというわけでもないですね。メディアビジョン様の各担当スタッフの方もすごく発想が豊かで、アイデアをたくさん出していただけるので、基本モーションや表現についてはお任せすることが多いです。各パートのアイデアが詰め込まれて、ひとつのメギドやオーブ、幻獣が出来上がります。
――メギドにはいわゆる人間の姿であるヴィータ体と、悪魔としての姿であるメギド体がありますが、デザインはやはりヴィータ体から作るのでしょうか?
米倉 そうですね。同時進行で作ることもありますが、基本的にはヴィータ体の星3のイメージを固めて、そこからメギド体を作っていくことが多いと思います。
中山 ヴィータ体とメギド体をバラバラに作ってしまうと、ふたつを重ねたときに構図や色合が映えなかったり、齟齬が発生しやすいんですよ。なので、どちらもイメージは最初に決めますね。
米倉 公式Portalなどでもそうですが、ヴィータ体とメギド体、それに枠やエフェクトなどを全部1枚のイラストに収めるので、構図や配置のバランスに気を付けてポージングなどを決めていました。
中山 実際にデザインを決めていくときには、ホワイトボードにイメージを描いていって、コンセプトを決めてから、メギド体はどんな風にするか、ということを決めてから本格的にデザインを作っていきます。
――メギド体とヴィータ体をいっしょに見せるうえで、意識されていることはありますか?
中山 ふたつを重ねて見せても、それぞれ単体で見てもよく見えるように、それぞれに特化して作っていますね。
米倉 星3まではヴィータ体の立ち絵とメギド体、という感じでバランスよく配置できるのですが、星6になるとヴィータ体も動きのある絵になるので、そのときにメギド体の顔が隠れないように気を付けています。
中山 あとは、メギド体は奥義を撃つときの演出として、イラストをベースに3D空間での演出を作成しています。そのため、動かしやすさと構図とを合わせて意識していますね。リジェネレイトのマルコシアスのメギド体は横向きなので、槍を撃つ動きをさせるのが難しかったりするんですけど、なるべくそういう苦労がないように気を付けています。
――先ほど、ヴィータ体は星3の姿から作るというお話がありましたが、最初に作るのは星3なんですね。
米倉 そうですね。描き下ろしは星3と星5、星6で、流れとしては星3、星6、星5の順番で作っています。
――星5よりも先に星6を作るんですか。
米倉 はい。なぜかというと、3Dで必要なのが星3と星6なんですよ。メディアビジョン様側では3Dモデルを作られるので、先行してお渡しするためにその順番で作っています。細かいことをお話しすると、メディアビジョン様の3Dモデルは星6のものから作られているんですよ。
――『メギド72』は世界観を大事にされているタイトルですが、メギドをデザインするうえで、これをやってはいけない、というルールはありますか?
米倉 あります。たとえば、世界観としては中世ファンタジーに近いので、直線的で光っているものなど、SFっぽい衣装は避けています。全体的にトライバル模様というか、曲線を多用していますね。
中山 なので、先ほど出たネルガルは、そういう意味では特殊なメギドなんですよね。彼女は設定自体が研究者というか発明家みたいなものなので、あくまでそういうタイプもいる、という風に思っていただければいいかと思います。基本的に、あの世界には独自の文化があると考えているので、あまり中世にしすぎない、というのも大事にしています。
米倉 たとえばカスピエルなど、現代的な服装のメギドも多いですよね。そこはデザインする人の作家性にお任せしている部分もあって、ある程度自由に作っています。
――自由に作りつつも、現代的すぎると修正が入ることもありますか?
中山 そうですね。たとえばフードがあったり、ライダースっぽい服だったり、というのもありますが、それでも見た目の印象として現代風ではない、となることを大事にしています。
米倉 ただ、衣装で季節感のあるモチーフのものを作ったりする場合は、現代要素が強くなることもあります。
――衣装は番外編というか、遊びがある感じですよね。
米倉 そうですね。遊ぼう、という感じです(笑)。
――メギドの姿ですが、星1から星3あたりまでは通常のヴィータ、人間的な姿ですが、星5や星6になると、メギド、悪魔的な姿に変わっていきますよね。
米倉 そうですね。どんどん見た目が豪華になって、進化するごとに着込んでいくというのは珍しいですよね。
中山 『メギド72』は特別、セクシー路線がNGというガイドラインを敷いているわけではないのですが、幅広い年齢の方に遊んでもらえるように、過度な露出は避けています。
――露出というと、むしろ女性メギドよりも男性メギドのほうが身体を見せる割合が高いですよね。
中山 多いですよね(笑)。
米倉 男性のほうが脱いでいますね(笑)。腹筋もみんなが同じ腹筋ではなくて、メギドごとに質感が違うんですよ。鍛えてつけた腹筋だったり、少し脂肪の乗った肉付きであったり、隠れマッチョがいたり、逆にガリガリですごく細いものがいたりします。
――質感については3Dモデルでもこだわっているようですが、これはデザインチームからそういった要望を出されているのですか?
米倉 じつはこちらから何かを言っているのではなくて、メディアビジョン様のほうで汲み取って反映してくださっています。
――お互いのこだわりが出ているんですね。
米倉 こだわりのぶつかり合いみたいな感じですね(笑)。
――メギドをデザインするうえで、こだわっている点、意識されている点を教えてください。
中山 いちばん大事にしているのは、まさに“多様性”ですね。いま、110体ぐらいのメギドがいて、みんながイケメンや美女というのではなくて、若い子から年をとったメギド、機械っぽい子もいれば獣までいて、そういう多様性、それぞれの個性が活きることを大事にしています。
米倉 真メギドに関しては、たとえばユフィールがナース、祖メギドでいうとサレオスがお坊さん……、じゃなくて渡し守ですね(笑)。そういう風にそれぞれ職を持っているモチーフで作っているので、見た目が本当にさまざまで、そこもおもしろい部分かなと思っています。
――新しいメギドはどんな姿のものが出てくるのか、というのが毎回楽しみですよね。
米倉 本当にいろいろなメギドがいるので、ぜひ注目してほしいです。
中山 これからも個性的なものがいっぱい出てくるので、楽しみにしていてください。
米倉 あと、ゲーム内だと枠に隠れて見えなかったりするんですけど、足元にもけっこうこだわっているんですよ。
中山 しっかり描くんですけど、それを最後にマスクをかけて消していくという(笑)。そこはぜひ3Dでよく見ていただければと思います。
――これまでに登場したメギドで、「そうきたか!」と思ったものはありますか?
中山 僕はウヴァルがすごく好きなんですけど、まさか星6に進化して、頭に〇〇がつくとは思わなかったですね(笑)。
米倉 私はベヒモスですね。獣形態になるんだ、というのはびっくりしました。これまでにはなかったですからね。じつは、ベヒモスはけっこう設定が深いんですよ。
中山 そうなんです。デザインを決める前から詳細な設定が決まっていて、けっこう深いところまで考えられているんですよ。いまはまだ言えないんですけど(笑)。
――ご自身がデザインされたなかで、とくに思い入れがあるメギドは誰でしょう?
米倉 好きなのは、リジェネレイトしたハーゲンティですね。もともとハーゲンティ自体がとてもお金を大事にしているキャラクターなので、トレジャーハンターというコンセプトがすぐに浮かんできました。
中山 思い入れがあるメギドはたくさんいるのですが、なかでも担当させてもらったリジェネレイトしたレラジェですね。和風というコンセプトでいこう、という話にはなっていたのですが、レラジェは緑のイメージがすごく強かったんですよ。そこから大きくイメージを変えたのは挑戦だったので、プレイヤーのみなさんに愛着を持ってもらえるとうれしいですね。
――リジェネレイトしたレラジェは、あそこまで和風なデザインが出てきたのにもびっくりしましたね。
中山 いままでにはなかったですよね。
米倉 敢えて避けてきた部分ではありますよね。ただ、弓を使うメギドなので、ここで和風モチーフを出すのがいいんじゃないか、という話になりました。登場したのはお正月のころですけど、とくに時期を意識したわけではないですね。
中山 弓道の精神をどうしても取り入れたい、というコンセプトがあったんですよ。洗練された西洋風の装飾もありつつ、和の大事なところもいれて、全体的に洋風のデザインが多いので、そこに溶け込むように、バランスには気を使いました。
――いま登場しているメギドのデザインで、先ほど話されていたグルーピングのような小ネタをいくつか教えていただけますか?
中山 わかりやすいところだと、カスピエルとインキュバスですね。あのふたりは頬にハートマークが入っていますよね。あとはガープ、アマイモン、ジニマル、コルソンの4冥王なども共通点をつけたデザインにしています。
――グルーピングされているメギドたちの関係性は今後のストーリーで明らかになっていくのでしょうか?
米倉 明らかになるかどうかは……、どうでしょう(笑)。
中山 僕らも今後のストーリーをある程度は知っているのですが、「あいつが出てくるのか」、という部分もあって、すごく楽しみです。
米倉 まだ登場していないメギドもたくさんいるので、それぞれ出てくる日を私たちも楽しみにしています。
今回は既存のメギドを中心に、メギドのデザイン全般に関して聞くことができた。
後編では、いわゆる着せ替え要素である衣装や、幻獣のデザイン、そして新たに登場したリジェネレイト体のリリム、アガリアレプト、サキュバスのデザインなどについての話をお届けする。
最後まで悩んだという別デザイン案なども掲載する予定なので、こちらもぜひチェックしてほしい。
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