メギド72攻略まとめ

メギド72『メギド72』TGS2019ゲーム大賞受賞記念特別企画!喜びから今後の展望まで・宮前P&福島氏に週刊ファミ通 林編集長が直撃取材

メギド72の攻略記事

『メギド72』TGS2019ゲーム大賞受賞記念特別企画!喜びから今後の展望まで・宮前P&福島氏に週刊ファミ通 林編集長が直撃取材

2019-10-02 19:20 投稿

受賞の喜びをインタビュー!

2019年9月12日、DeNAより配信されている『メギド72』が日本ゲーム大賞2019の年間作品部門・優秀賞を受賞した。

今回、その喜びを直接聞き出すべく週刊ファミ通 林編集長が、『メギド72』プロデューサーである宮前公彦氏(文中、宮前)と『メギド72』の開発を行っているメディア・ビジョンの社長・福島孝氏(文中、福島)にお話を伺った。

受賞後の率直な感想から、これまでの苦労話や『メギド72』の魅力、今後の課題や展望など多岐にわたる話を聞くことができたので、ぜひ最後まで目を通してほしい。

メギド_20190917ゲーム大賞インタビュー (1)

▲左から宮前氏、福島氏。インタビュー中もおふたりは表情が明るく、受賞の喜びに溢れていた。

なお、宮前氏は東京ゲームショウ2019の“ファミ通×ゲームの電撃”TGSスペシャル生放送にも出演。

こちらでも受賞の喜びを語っているので、こちらもチェックしておこう。

【東京ゲームショウでの生放送の様子はこちら】

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受賞の報せは突然に

 日本ゲーム大賞の年間作品部門、その優秀賞に『メギド72』が選出されました。率直なご感想はいかがですか?

宮前 もう、驚きとうれしさしかないですよね。朝出社したら、会社の子が僕のもとに封筒を持ってきて、「おめでとうございます」って言ったんですよ。何のことかな、と思って中を見たら“優秀賞”と書いてあって、いま僕は43歳なんですけど、40歳を超えたなかでもいちばんうれしかったんじゃないかというぐらい、ひとりでテンションが上がっていました。

メギド_20190917ゲーム大賞インタビュー (2)

 その直後にメディア・ビジョンさんに連絡を?

宮前 しました。朝に結果を見てから、まわりに「まだ言っちゃいけないらしいんだけど、じつは……」って言ってたりして(笑)。福島さんにはどうお伝えしましたっけ?

福島 第一報はメールでいただきました。そのメールの件名が“やりました”だったので、最初は何をやったんだろうと思いましたね(笑)。

 確かにそれだけだと何のことやらですね(笑)。

福島 それでメールを開いたら、ゲーム大賞を受賞しましたという話と、ゲーム大賞のロゴなどが入った資料が添付されていて、本当にびっくりしました。ゲーム大賞にスマートフォンのゲームが選ばれるということ自体、私自身考えてもいませんでしたから。しかも『メギド72』はオリジナルタイトルというのもあって、本当に驚きました。

メギド_20190917ゲーム大賞インタビュー (3)

 福島さんも、その後メディア・ビジョンのスタッフの方々にお伝えしたのですか?

福島 はい。『メギド72』の開発スタッフだけに、朝礼でゲーム大賞の優秀賞を受賞しました、と伝えたところ、みんなすごい拍手をして大喜びでした。これまでも一生懸命作ってきましたが、これから開発を進めるうえでの大きなモチベーションアップにつながったんじゃないかなと思います。

 年間作品部門に選ばれた、というのはうれしいですよね。

宮前 それに『メギド72』は、スマートフォンのいわゆるヒットタイトルのなかでは、DAU(デイリーアクティブユーザー)がそんなに多くないですし、セールスランキングの1位になるようなタイトルでもなかったので、正直まったくノーマークでした。僕らが選ばれるとは本当に思っていなかったので、すごくうれしかったです。

 今回『メギド72』が受賞できた理由として、ここが評価されたのかな、というポイントはありますか?

宮前 地道に運営ができているところじゃないかな、と思います。ブラウザゲームとして流行った、当時のいわゆるソーシャルゲームに比べるとイベントの本数は少ないかもしれないですけど、ひとつひとつストーリーをちゃんと作って、イベントも楽しめますし、メインストーリーも更新しています。

なので、触って瞬間的におもしろいというより、数ヵ月経ってもおもしろくて、続きが気になって、新しいメギドが出てきたら使ってみたくなる。そういうトータルでの運営ができているところが、プレイヤーの皆さんにおもしろいと感じていただけたのかなと思います。

システム面を評価してもらえたことがうれしい

 『メギド72』に投票してくださった方々の投票理由、ご意見などにも目を通されたと思いますが、どのような声が印象的でしたか?

宮前 メギド(キャラクター)が好き、運営がいい、などさまざまなお声をいただいたのですが、僕はバトル部分のおもしろさ、プレイして飽きないことを意識して作ってきたので、そういった部分を褒めていただいているコメントをいただけたのは、よかったなと思います。

福島 いただいたご意見について触れる前に、全体として印象的だったのが、女性の割合が非常に多かったことですね。これまでのリアルイベントなどでも女性の方が多くいらっしゃっていて、ある程度女性が多いことはわかっていたつもりだったのですが、今回の投票で改めて女性の多さを感じました。

いただくコメントなどから、ゲームシステムの面でも深く愛してもらえているのを感じますね。

メギド_20190917ゲーム大賞インタビュー (4)

 ゲーム大賞の投票フォームを見つけて能動的に投票する、そういった熱量の高いファンが多いというのはすばらしいですよね。

福島 そうですね。投票のご意見を読んでいてうれしかったのは、やっぱりバトルシステムが新しい、というお声をたくさんいただけたことですね。『メギド72』の開発中に、宮前さんとよく「○○みたいなゲームだね」と言われないゲームを作りたい、という話をしていたんですよ。オリジナルタイトルなら、やっぱりオリジナリティのあるものを作りたい、と。

 その新しさがまさにプレイヤーの皆さんにおもしろいと思われた。

福島 今回のご意見を見て、そこがしっかりと伝わったんだなと感じられて、すごくよかったです。

 今回に限らずアンケートなどで女性プレイヤーの声が多い『メギド72』ですが、実際の男女比はどのように捉えていますか?

宮前 イベントの応募やアンケートに熱心に応えてくれる方は女性の割合が高いかなと思っているのですが、実際のプレイヤー数としては7割ぐらいが男性じゃないかな、という印象ですね。

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 もちろん人にはよりますが、女性のほうがアンケートなどに対して熱心という傾向があるかもしれないですね。この女性プレイヤーの声の多さ、みたいなところは開発中の想定とは違いましたか?

宮前 ぜんぜん違いますね。開発中はよく、『メギド72』はコーエーさんの戦略ゲームと『ウイニングイレブン』みたいなサッカーゲームみたいなところに近い、という話をしていたんですよ。戦いの前にメンバーや編成を考える戦略性と、実際の攻略がおもしろいゲームだと。

 準備段階でシミュレートしたものが実際に通じるか、というような。

宮前 そうです。同じ選手でチームを組んでも、フォーメーションによって動きかたが違う、みたいな感じですね。僕らの世代だととくに、女性でそういうゲームをする人はあまりいない印象だったんですよ。『信長の野望』をやっている女子とかはまわりにいなかったので(笑)。

なので、『メギド72』も男性が遊ぶゲームになるだろうと勝手に思っていたのですが、実際は女性の方にもすごく遊んでもらえて、PvPが強い女性プレイヤーの方もたくさんいて……。そういうところでも、男女という考えかたは捨てたほうがいいんだな、と思いました。

2Dから3Dへの大英断

 今回の受賞にいたるまで、さまざまな苦労があったと思います。開発中にとくにたいへんだった、ここを乗り越えたからこそのいま、という思い出はありますか?

宮前 開発中で言えば、やっぱりバトルを2Dの球からメギドたちを3Dで動かす形に変更したことですね。当時のバトルもルール自体はおもしろいと思っていたんですけど、そこから3Dにしたからこそ、いまがあると思います。

この決断をしたときは、メディア・ビジョンさんにも申し訳ないし、会社にもプラス数億円くださいという話をしましたし、そこは苦しかったですけど、やってよかったと思います。

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▲東京ゲームショウのファミ通ブースで行われた放送でも触れられた、球から3Dへの変更。バトルシーンの見た目が現在とは大きく異なっていた。

福島 球から3Dへの変更に踏み切ったのは、『メギド72』にとっても非常に大きなターニングポイントとなった時期だったのですが、メディア・ビジョンとしても、自分たちが培ってきたノウハウのなかで、いちばん得意な部分で勝負をしたいという思いがあったんですよ。

そこで、宮前さんと相談させていただいたなかで、2Dではなく3D、いまの『メギド72』のバトル体制だね、という話になって、最初はソロモンくんを5人並べて画面を見てもらったんです。そこで宮前さんもそれがいいと言ってくれて、予算や時間を確保してくれたんです。

変更はもちろんたいへんでしたけど、宮前さんがプロデュースしてくれたからこそ、いまの『メギド72』があるのだと思っています。

宮前 確保したと言っても、時間は相当少なかったですけどね(笑)。

 ある程度作ってきた2Dのシステムを一度捨てて3Dに、というのは英断ですよね。

福島 球の状態でベータテストもやっていましたからね。でも、ソロモンが5人並んで動いているのを実際に見たときに、やっぱりこれがいい、これならいけるな、というのはすごく感じました。

ゴールデンウィークの大改修

 リリース後にも正念場を迎えられたお話はこれまでにも何度か伺っていますが、改めて当時のことで思い出に残っているのはどんなことでしょうか?

宮前 リリースした後で言うと、やっぱりゴールデンウィーク前後ですね。当時、不具合もあったのですが、同じようなタイミングでチュートリアルを改修して、運営体制も変えて、ゴールデンウィークにそれらの変化を反映したら、リアクションが一気に変わったんですよ。

ご意見やお問い合わせで、「すごくいい!」というお声をいただくようになり、プレイヤーの皆さんがまわりに勧めるようになっていったんですよね。そのタイミングで、『メギド72』はきっと大丈夫だな、と考えられるようになりました。

メギド_20190917ゲーム大賞インタビュー (6)

 改修に対していい反応が得られた。

宮前 そうですね。リリース直後は、ドラフトフォトンがおもしろいという自信がありすぎた部分もあって、そのおもしろさに気づいてくれた方がいた一方で、システムがむずかしいという声もあったんですけど、「わかる人に伝わればいい」なんて考えていたんです。

ただ、それに加えて不具合が出てしまって、データミスの調整なども必要となり、内部からも「なんてことをしてくれたんだ」ぐらいに言われてしまって、すごく慌てました。

 社内的にとてもきびしい時期があった。

宮前 そうですね。本当に『メギド72』がそこで終わりになるかどうか、というのがゴールデンウィークのタイミングでした。そこで数字の話になったのですが、僕は売上ではなくKPI()を議論の主軸とさせてもらい、継続率で判断してほしいと言ったんです。

KPI:キー・パフォーマンス・インディケーター。組織の目標達成の度合を測るための評価指標。

継続率が一定数を超えないと、広告を出しても人が入ってこなくなるので、正直その数字は絶対に超えないといけない、と思って出したら、ゴールデンウィークで数字が一気に跳ね上がったんです。チュートリアルを直したことで継続率も上がって、プレイヤーも楽しんでくれるようになって、これで乗り越えられる、と思いましたね。

 メディア・ビジョンさんから見て、運営中にたいへんだった部分などはありますか?

福島 『メギド72』も、リリースするまではコンシューマーゲームと同じ作りかたで、マスターアップに向けて作っていったんですよ。運営が始まってからの不具合もいろいろとありましたが、いちばんたいへんだったのが、そのときの運営をしながら新しいものを作って、なおかつ改修も進めていくという部分ですね。

現状の作業を進めつつ、プラスアルファで作業が発生していくので、コンシューマーゲームの開発とはまったく別物になるんですよ。そこに合わせて体制を整えて、しっかりと現場が回っていくようになるまでは時間もかかりましたし、たいへんでした。

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 リリース後は運営と開発、改修を並行して進めていく、というのはコンシューマーとスマートフォンとで大きく違う部分ですね。

福島 あとは、宮前さんのおっしゃっていたチュートリアル部分ですね。先ほどお話しした通り、これまでにないゲームのおもしろさを作りたい、という気持ちで開発を進めて、それは実現できたと思います。ただ、その新しいおもしろさを伝えるには、どんなチュートリアルが最適なのか、という部分はリリース後にすごく考えさせられました。

これは宮前さんともすごく話しましたし、メディア・ビジョンでも別プロジェクトのスタッフに『メギド72』をプレイしてもらってアンケートを取ったりして、どういう部分がわかりにくいかなどを調査したりしていました。それがゴールデンウィークにいい結果を迎えることができて、すごくうれしかったですね。

スマートフォンだけど、コンシューマーの匂いがする

 宮前さんもメディア・ビジョンさんも、コンシューマーゲームの開発に長年携わってきていますが、『メギド72』はスマートフォンのゲームということを意識されたのか、それともゲームとして新しいものを、という意識だったのか、この点についてはいかがでしょうか?

宮前 僕は100%スマートフォンのことを考えていました。運営して、いかに長く遊んでいただくか、ということは考えていましたね。

あと、スマートフォンで遊ぶ場合、通勤などの隙間時間で遊ぶイメージがあったので、当時メディア・ビジョンのディレクターさんには、ラーメンを食べながら遊べるゲーム、みたいなことはよく言っていました。

なので、アクティブタイムバトルではなく、ターン制にする。『メギド72』ならではのスマートフォンでのプレイスタイルについて、よく話をしていましたね。

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 なるほど。でも『メギド72』も一度触り出すとなかなか終わらないですよね(笑)。

宮前 攻略チケットを使った贈り物集めぐらいだったらすぐに終わりますから(笑)。

福島 『メギド72』は本当に、メディア・ビジョンとDeNAさんとの共同開発という形になっていて、運営の部分は宮前さんに意識してもらって、メディア・ビジョンとしてはコンシューマーらしさみたいな部分を意識しているんです。

アンケートなどでも、「昔PlayStation2で出てましたよね」みたいによく書かれているじゃないですか(笑)。

 SNSでもよくそんなネタがありますね(笑)。

福島 メディア・ビジョンらしさも含めて、シナリオやサウンドなど、本当にこだわって作る人が多いので、そのこだわりをスマートフォンに乗せて皆さんに遊んでもらいたい、スマートフォンのゲームなんだけどコンシューマーの匂いもする、という部分を出したいとはすごく思っていました。

それを宮前さんが上手いことスマートフォンに適した形としてアレンジしてくれた、そんな感じがしますね。メディア・ビジョンのいい部分を宮前さんが形にしてくれた、という風に思います。

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 100%スマートフォンのゲームなんですけど、本当にコンシューマー的な部分もあるというか、不思議なゲームですよね。ずっと遊べるゲームなんだな、という感覚があります。

宮前 継続して遊ぶというイメージはあって、プロデューサーレターなどにも書いていますが、マイペースでいいからずっと遊んでほしいと思っていて。そこは意識したつもりです。

意見をしっかり言い合える制作現場

 ゲームを作っていくうえで、こだわりの詰め込みとスピード感との折り合いがポイントになると思いますが、そこはどのように決めているのですか?

宮前 開発の段階で、月にどの程度コンテンツを追加できるかはだいたいわかるので、ひと月に追加するメギドが4~6体ぐらいでもおもしろいと思えるバトル設計にしよう、みたいなことは当初から考えていました。シナリオも序盤は読み飛ばす人もいるので、システムとゲームサイクルだけでおもしろいものを作ろう、という話はしていましたね。

ライターさんには、数タップである程度進むようにしてほしいという話はしつつ、読む人は絶対に読むし、途中でどうしてこのキャラクターたちが戦っているのか、と読み返す人もいるから、そのときのためにちゃんとおもしろくしておこう、ということも伝えていました。

 ストーリーの内容もある程度は開発中に固めていたのですか?

宮前 4章ぐらいまではリリースの前から方向性は決まっていました。5章、6章くらいは、タップ数を気にしないでいいから、こういう方向性でおもしろい感じに書き上げて、という話をしていたんですけど、6章がさすがにちょっと長くなりすぎちゃったんですよね(笑)。

なので、最近はもう少しペースを調整して、7章は文字数も少なめで、2ヵ月に1回くらいは更新できたほうがいいね、という話をしています。なので、そのあたりのスピード感については、やりながら調整している感じですね。

メギド_20190917ゲーム大賞インタビュー (23)メギド_20190917ゲーム大賞インタビュー (22)

▲歯応えたっぷりなバトル同様、多彩な展開を見せるストーリーも『メギド72』の魅力。

 作業の優先順位はどのように決めているのでしょうか?

宮前 基本的に、運営として成り立つものと、待たれているものを優先にしています。ビジネスではあるので、盛り上げるところは盛り上げようと、たとえば今年なら最初にメギドの日と2周年のタイミングにいろいろとやることを決めて、その手前でシステム的な改修や新しい機能を入れる、ということを決めています。

月々のイベントに関する細かいディティールは、ほとんどプランナーに一任する形で進めていますね。

福島 いまは週に2、3日DeNAさんとミーティングを開いていて、宮前さんやディレクターさん、現場のスタッフが話し合いをしたりはするんですが、それ以外でも同じ場所にいるので、打ち合わせはかなり密に取っているんですよ。

ちょっと前まではメディア・ビジョン社内にDeNAさんのスタッフ用の席があって、毎週というかほとんど毎日、現場に入っていっしょに仕事をしてもらっていたので、本当にコミュニケーションはよく取れていると思います。

現場のスタッフからもいろいろな意見が出てくるので、私からはひとつ、「宮前さんの最終的な判断には従いましょう、でもそれまでは自分たちでこうしたほうがいいと思うなら意見は言いなさい」と伝えています。

メギド_20190917ゲーム大賞インタビュー (10)

 そのおかげでキャッチボールが上手く進んでいる。

宮前 そうですね。僕からも言いたいことは言ってほしいと伝えているので、本当に同じ会社のスタッフぐらいの距離感です。作業のことだけでなくて、ビジネス的な伝えかたのスキルとかも含めて教えることもあったりしますね(笑)。

作業の優先順位に話を戻すと、継続率やご意見の内容を見ながら、飽きないための施策を優先するか、プレイの快適性を優先した改修を優先するかを議論しながら進めています。

福島 そういった判断に関しては、スタッフもそうだと思うのですが、プレイヤーの方々が何を求めているか、みたいな心理的なツボのような部分に関しては宮前さんがよく把握していらっしゃるという印象ですね。結果としてプレイヤーの皆さんに喜んでもらえているので、そこは本当に信頼しています。

宮前 そこについても、僕だけの力ではないですけどね。メディア・ビジョンのスタッフの皆さんが、「絶対こっちのほうがいいですよ」と強く主張されて、「じゃあそうする?」みたいになっているケースもありますから(笑)。

 そこまではっきりと意見を言えるからこそいまの『メギド72』ができているのかもしれないですね。

変化に合わせていくゲーム作り

 ちなみに、リリースから数年間のスケジュールみたいなものは立てていらっしゃったと思うのですが、現状そのスケジュールと実際の進行とはどれくらい一致しているのでしょうか?

宮前 月に1回更新したいという話だったので、6章の実装に関しては大きく崩れてしまいました。もともとの設計では、イベントクエストとメインクエストを月々の大きな更新にしていくイメージでした。お客様に伝えていた内容が守れず、申し訳なく思っています。

メインクエストをクリアーしていない人はそちらを進めて、メインクエストが終わってやることがなくなったらイベントクエストもやってね、というイメージで進めていく予定でした。ただ、僕がシナリオを書くのにかかる時間をちゃんと把握できていませんでした。

いまは、この程度のボリュームだとこれぐらいかかる、というスピード感をなんとなく理解しているので、ライターさんと話をして、2ヵ月くらいで終わるぐらいのものにしていこう、という風にはなってきています。

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 テキスト量なども調整しつつ。

宮前 そうですね。キャラクター、メギドの作成はある程度予定通りのペースでできてきて、シナリオが少し遅れてはいるものの、プレイヤーの方々の声や継続率としては大きな問題が出てきていないので、よかったのかなと思っています。ただ、このままだと飽きられる可能性もあるので、メリハリは付けていこうと考えています。

 メディア・ビジョンさんとしては、『メギド72』が実際に動き始めてから、想定と違った部分はありますか?

福島 我々としてはこんなに長く運営をさせていただくのが初めてなので、そこで思うのは、タイミングによってプレイヤーの方々が求めるものが変わってくる、ということですね。なので、流れていく時代に合ったものを作らないといけない、というのはすごく感じています。

逆に言うと、過去に決めていたものにこだわるのではなく、流れのなかで変更したほうがいい部分も出てくるので、そこは反応も見ていきつつ、方向性も少しずつ変わっていく、という形になっていると思います。

そういった部分に関しては想定とはだいぶ違っていましたが、メギド(キャラクター)を何体作っていくか、といった部分に関してはある程度予定通りに進んでいますね。

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宮前 一度決めたものが変化していく、ということで言えば、UIって基本的に直す前提では作らないと思うんですよ。これでちゃんと遊べるだろう、と思ってリリースするんですけど、お客さんの声を聞いたり、自分たちで実際に使ってみたりすると使いづらい部分が出てくるんですよね。

そこで改修をしようとはなるんですけど、UIデザイナーが新機能の開発を進めたいのに、改修まで入ってくると、パンクしてしまってどちらも作業が進まなくなってしまうこともあるので、それはたいへんだなと思います。

 最近では“霊宝”や“系譜”といった、星6まで育てたメギドにさらに愛情を注げるようなコンテンツが増えてきていますが、こちらもプレイヤーの反応を受けて追加されたのでしょうか?

宮前 そうですね。運営を始めてからしばらくして、育てきったメギドにもっと何かしてあげたいというニーズがあって、僕の思っていた以上にメギドに愛着を持っていただいているゲームになっていたんですよ。ファンアートを見ていても愛があるなと思ったので、もっと育成をできるようにしよう、と。

そこで単純にレベルや星の上限を開放するだけだとつまらないので、何か新しいものを作ろう、ということになって霊宝などが出てきました。

好評を受けて増えていったキャラクターソング

 最近ではイベントごとに歌が入ってくることも増えてきましたが、インキュバス、カスピエル、メフィストの歌などはどういった経緯で出すことになったのでしょうか?

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宮前 あれはもう、ノリですね(笑)。もちろん早い段階で決めてはいましたけど、そもそも歌がこんなにウケるとは思っていなかったんですよ。最初にプロメテウスを出したときに、プロメテウスは歌手だから、と歌を入れたのですが、これが意外と喜ばれたんです。

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宮前 そこで、サキュバスやアスモデウスにも歌を入れてみたら、やっぱりそれなりにリアクションがあったんですよね。これはおもしろいなと思って、じゃあ男子も入れようか、と(笑)。

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 そのあたりは生の声を聞いて、その都度決めていったんですね。ということは、歌が入ると決定したら突然タスクが増えるということに……?

福島 ……そうなんですよ(笑)。

宮前 実際そうですね(笑)。ミーティングで、そろそろ先のイベントを決めないと、となったときに、今度は男子の歌を出したいから、ホワイトデーイベントのときに3人に歌わせようか、みたいな話をして決まっていきましたね。

福島 歌に関して言えば、寄崎さんが作詞もできることにびっくりしました。寄崎さんにはサウンド関係を全般的に、曲やSEを作ってもらっていたのですが、あれだけおもしろい詞を書けるとは知りませんでした。すごいなと思いましたね。作詞作曲、すべて寄崎さんなんですよ。

 それはすごいですね。

宮前 すごいですよね。80年代っぽい3人組のアイドル歌手みたいな歌が欲しい、みたいに、僕がやってみたいことを提案して資料を渡すと、寄崎さんからいくつか案が返ってくるんですよ。

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 曲のバリエーションも多くて、すごく柔軟ですよね。

宮前 もう、すごいおもしろい、って思って(笑)。たとえばベリトの曲のときは、今回は泣かせる曲にしたい、と言っていくつかイメージのもとになる楽曲などをリストアップして、口頭である程度補足したら、後はお任せなんです。

それで生まれたいくつかの曲から僕がひとつ選んだら、それがブラッシュアップされてできあがるという。これがすごく楽しいんですよ。

 作り手が楽しんで、できあがったものがプレイヤーに支持されて、というのはいいサイクルですよね。

福島 そういう意味では、寄崎さんやシナリオを担当しているスタッフなども含め、『メギド72』で才能がすごく発揮された、より開花したんじゃないかな、と思います。クリエイターにとってもすごくいい体験ですよね。

ゲーム外施策は開発スタッフにも大好評

 東京ゲームショウの生放送では2020年に開催されるコンサートも発表されましたが、そのほかにもカラオケコラボやメギドビクスなど、ゲーム外での施策も増えてきていますよね。このあたりは今後も強化されていくのですか?

【“メギド72 THE CONCERT ~新年の宴~”特設サイトはこちら】

宮前 そうですね。できる限りはやっていきたいと思っています。ただ、プレイヤーの規模も大きくなってきているので、そことのバランスを考えています。たとえば以前開催したリアルイベントでは、参加できたのは約400人、僕からすると十分大きい規模なんですけど、アクティブなプレイヤーの数%しか入れていないんですよね。

なので、より多くの人が触れられるようにするには、たとえばカラオケだけ、PvPイベントだけ、といった形で細かく分けて、かつほかの会社さんと協力してやったほうが、よりスムーズに楽しんでもらえるのかな、と思います。

これからもいろいろな取り組みはしていきたいですが、まだ手探りな部分はありますね。

 イベントやコラボなどのアウトプットが増えると、プレイヤーとしてもうれしいですよね。

福島 開発スタッフも喜ぶので、ぜひお願いします(笑)。スタッフたちも純粋に『メギド72』のファンなんです。

コンシューマーゲームの場合、ソフトが完成したら基本的にそこで終わりじゃないですか。作り続けながら自分が遊ぶということがないので、そのあたりの感覚もこれまでとは違いますね。

いまは私含め、7章のここがクリアーできないんだよね、みたいな話をスタッフ同士でしながら作っていて、作り手がおもしろいと思ってゲームを作っているのは、非常にいいことだと思います。

 『メギド72』は全体的に、制作陣の方の作品に対する愛が強いですよね。

宮前 そうですね。このあいだもデザインチームやプランチームのスタッフと話す機会があって、「何か言いたいことや聞きたいことはある?」って聞いたら、デザイナーの子が「もうちょっと青真珠の配布量を増やしてもらえませんか」って言ってきたんですよ(笑)。

 すごくプレイヤー視点な意見ですね(笑)。

宮前 しかも、その対面にいた子が今度は「青真珠はぜんぜん手に入る。お前のプレイが甘いんだ」って言いだして、僕もどうやって答えようかと困ってしまいました(笑)。

2周年に向けた課題

 3ヵ月後には2周年が控えている『メギド72』ですが、いま課題だと感じているのはどのようなことでしょうか?

宮前 課題はいくつもあるのですが、大きくは3つあります。まずは、やはりずっとお声をいただいていて、いまだにしっかりと対応ができていないオーブやUIまわりですね。

ソート機能は先日実装しましたが、UIなどに着手できていない理由としては、データの持ちかたから変える必要があって、不具合が発生しそうなので慎重に進めたい、というとことが大きいですね。

あとはイベントについても、柱となる施策をもう少し増やしたいと思っています。共襲イベントも定期的に開きたいですし、それ以外にもうひとつ、新しいものを作りたいですね。イベントクエストについても、ストーリー以外がワンパターンになっているので、そこも何かしら体感が変わるものにしたいです。

もうひとつはPvPで、こちらは着手したいと言いつつ、まだ何もできていないんですよね。社内でも意見が分かれるところがあって、しかも現状、PvPがなくてもビジネスとして成立しているので、そもそも必要があるのか、という意見もあるんですよ。ただ、僕としてはやっぱりやりたいですね。

?メギド_20190917ゲーム大賞インタビュー (21)

▲関連したイベントなどは開催されていないが、いわゆる対人戦であるコロシアムはいつでも遊ぶことができる。対人戦ならではの読み合いなどがアツいコンテンツだ。

 PvPをやりたいというお話は以前からされていますよね。

宮前 そうですね。どうにか着手して、なんとか形として入れていきたいなと思っています。

 メディア・ビジョンさんから見た課題はいかがでしょうか?

福島 宮前さんがおっしゃったように、プレイヤーさんからの要望は山積みになっているので、そこはしっかり対応していきたいですね。いま、開発チームにどんどん新しい、若いスタッフを加えていっています。

これまでの『メギド72』も母体としてありつつ、若いスタッフのアイデアも取り入れて、新しい『メギド72』に進化させるような開発体制を作っていきたいですね。

 開発スタッフも増えてきている。

福島 リリース当初に比べると、相当増えましたね。以前、メディア・ビジョン全体の募集ではなく、“『メギド72』開発スタッフ”という形で募集をかけましたので、そこで入った若い子たちの新しい力をどんどん活かしていきたいなと思っています。

アニメ、フィギュア、コミック……、やりたいことは山積み

 今後、ゲーム外の施策として取り組んでいきたいことはありますか?

宮前 いま、ショートアニメが公開を延期する形になっているので、こちらは今後の展開を思案中です。『メギド72』にはフレンド機能もなくて、ソーシャル要素がそこまでないので、僕としてはゲーム内の話題などをゲームの外でも楽しめる、外部にコミュニティを作り上げる、ということは意識していたんです。

そういったコミュニティに向けて話題を提供していきたいとも思っているので、要望があればCD化などに関しても動いていきたいと思っています。

あとは、いまだとアクリルフィギュアみたいなものしかないですけど、僕としては関節をグリグリ動かせるようなものも欲しいんですよね。机の上でポージングをいじりながら考えごとをしたり(笑)。

メギド_20190917ゲーム大賞インタビュー (18)

 いいですね(笑)。そう考えると、まだまだできることは多いですね。

宮前 そうですね。アニメだけでなく、コミックとかもやってみたいです。僕のなかでは、アニメはゲームで描かれないちょっとした日常やストーリーを描く、お芝居が必要なもので、コミックは、バトルシーンの迫力とかを見せるようなものにしたいんですよ。

コミックを読んだ後にゲームを遊ぶと、ああやって戦ってるんだろうな、みたいな風に思えるものがいいですね。ゲーム内でそういう演出を入れるとテンポが悪くなってしまうので、そのあたりはコミックで補完したいですね。

福島 そういった動きがあると、スタッフたちも喜ぶと思います(笑)。

別プラットフォームでの新たな『メギド72』!?

 たとえばですが、コンシューマーやパソコンなど、別プラットフォームに進出するなどのお考えはありますか?

宮前 気持ちとしてはありますね。そのときは、いまの『メギド72』ではなく、そこに出てくるキャラクターたちを使った別のゲームがいいなと思っています。以前、ネタっぽく音ゲーなどを挙げていましたけど、アクションでも、esportsに寄ったバトルものでもいいですしね。

たとえばソロモンの立っている場所が決まっていて、ソロモンの近くでフォトンをもらって、それを使って行動するとか。そういうのを考えたらおもしろいかな、と思います。

福島 せっかくメディア・ビジョンが作っているので、ぜひ(笑)。マルチプラットフォームはバッチリ対応できますから。

宮前 企画案を考えないとですね(笑)。

 ふだんからこういうお話はされるんですか?

宮前 しますけど、そこまで真剣にではなく、あくまでこういうノリですね。でも、いざ企画書を書けって言われたら、書ける気はします(笑)。

福島 アセット()は十分にありますからね。いいゲームが作れると思いますよ(笑)。

アセット:3DCGのモデルデータやアニメーションのデータなど、ゲーム製作に必要な各種素材データ。

スマートフォンで唯一の受賞という誇らしさ

 改めて、今回はスマートフォンで唯一の受賞タイトルとなったわけですが、作り手としてはどのように感じますか?

宮前 ほかの受賞作品を見ると、そうそうたるタイトルがあるので、本当にうれしいし、誇らしいですね。一方、まだ『メギド72』がそんなに知られていないかなとも思っていて、自分が思っているほどまわりは評価してくれないんじゃないか、みたいな変な不安はあります。でも、やっぱりすごいですよね。

 ふだんはコンシューマーゲームしか触らない人が、『メギド72』をプレイするきっかけにもなると思います。

宮前 そうですよね。不安とは言いましたけど、絶対におもしろいゲームだという自信はあるので、実際に触ってもらって肌に合わなかったら、そこは感性の違いもあるからしょうがないかな、ぐらいに思っています。今回の受賞は、投票してくれた方にも改めて感謝ですし、独りよがりじゃなかった、と思えますね。

フリートゥプレイの業界だとセールスランキングばかりが評判になりますけど、それがすべてじゃないとも思っています。そういう意味でも、今回『メギド72』で賞をいただけたのは誇らしいですね。

メギド_20190917ゲーム大賞インタビュー (19)

福島 私たちとしても、スマートフォンのゲームが選ばれること自体が少ないので、そこは本当に光栄ですね。あとは、『メギド72』を作っているとき、ずっとスタッフに「奇跡を起こしたいね」という話をしていたんですよ。

リリース前後にいろいろと問題があって、それらを乗り越えられたこともある意味で奇跡だと思うのですが、今回ゲーム大賞で受賞できたというのは、本当に奇跡だなと思っていて、それぐらい感動しています。

メギド_20190917ゲーム大賞インタビュー (20)

 スマートフォンのゲームですから、ここで終わりということでもないですよね。また何年後かに受賞する、みたいなことがあってもおもしろいと思います。

福島 そうですね。ぜひそうなってほしいと思います。

 それでは最後に、今回投票してくださった皆さんへのメッセージ、そしてこれから『メギド72』を遊んでみようと思っている方々へのメッセージをお願いします。

福島 本当に、応援してくれたプレイヤーの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。今日お話しさせていただいた内容にもつながると思うのですが、『メギド72』はプレイヤーさんに育ててもらっている、という感覚がすごく強いんです。

ここまでこれたのは皆さんのおかげなので、今回の受賞は私たちだけでなく、皆さんもいっしょに受賞していただいた、という風に思っていただけたら、作り手側としてはすごくうれしいですね。

宮前 応援してくれた方には本当に、ありがとうしかありません。よくこのゲームを見つけて、プレイして、遊び続けてくれたことに関しては感謝しかないです。お金を払うのがどうこうではなく、時間を使って、我々の想いを汲み取りつつ楽しいと感じてくれていると思うので、本当にありがとうございます。

これからプレイする方には、人によって合う合わないはあると思うのですが、自分たちとしても、選んでくれたお客さんがこれだけいるということも含めて、おもしろいポイントは絶対にあるので、ぜひそこを感じ取って、ちょっとした隙間時間が楽しくなるように遊んでほしいと思います。

ゲーム大賞での受賞を記念したキャンペーンなども開催していますので、ぜひこのタイミングで触れてみてください。

 隙間時間では終わらなくなりますけどね(笑)。ありがとうございました。

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メギド72

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルRPG
メーカーDeNA
公式サイトhttps://megido72.com/
配信日配信中
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