【ひらブラ vol.26】ウェアラブルで生活してみたよ(平日編)
2014-07-11 12:00 投稿
あのGoogle Glassに続く、Googleが提唱するウェアラブル・プラットフォーム『android wear』。先月末にサンフランシスコで開催されたGoogle社最大の開発者向けイベントである「Google I/O」に参加し、このプラットフォームの発表を目の当たりにしてきたことは、先週の記事でもお伝えしました。
ウェアラブルの定義やその未来については、読者の方におかれましても、いろいろなご意見をお持ちかと思います。まだ早すぎる!とか、カッコ悪い!とか、オタクアイテム(汗)とか、否定的な意見もけっこう聞かれますし、一方で、そもそも完全に「肌身デバイス」となったスマホこそがウェアラブルなのだ!と、大きな観点でウェアラブルを捉えていらっしゃる方もいます。そういえば、日本の眼鏡業界にニューウェーブを巻き起こした株式会社ジェイアイエヌ(JINS)のウェアラブルアイウエア「JINS MEME」の発表には、ボク自身も本当に驚きました。
いろいろなご意見はあるものの、ボクのモットーは「まず、試してみる」。試さずに意見するのは主義に反するので、Googleさんから頂戴したandroid wear対応のスマートウォッチ「G Watch(LG社製)」を徹底的に使い倒してみることにしました。
オタク上等! マニア上等! アーリーアダプター上等!
何と言われようとも、しばらく、自分の生活をウェアラブルデバイス中心にしてみよう!
そんな決意とともに、ボクのウェアラブル生活が始まりました。
意外に思われるかもしれませんが、「G Watch」との生活は、MNPつまりキャリア契約を乗り換えることから始まりました。ボクはずっとiPhoneとAndroidの2台&2回線を所有してきたのですが、android wearがサポートするのはAndroid OS ver.4.3以降のみ。残念ながら、ボクの持っていた端末はver.4.1でした。対応バージョンの搭載された端末のなかで自分がどうしても気に入っていた端末を入手するために、違約金と現行端末の残債精算というダメージを喰らいながらも(涙)これで無事に、android wearを使いはじめる準備ができました。
では、以下フォトレポート的に、ボクのウェアラブル生活を赤裸々に綴ってまいります(笑)。
書いていることはすべて「ノンフィクション」ですが、スマートウォッチの画面写真をリアルタイムに撮影できなかったものは、事後的に再現して写真に収めていますので、その点だけご了承ください。
ウェアラブルではじまる朝
ブルブルブルブルッ!
G Watchのバイブレーション機能は、そのサイズからは意外に思えるほど、力強い振動で持ち主に訴えかけてきてくれます。あらかじめ設定しておいた時間にアラームが鳴る「目覚まし」としての用途です。
あ、ちなみに補足しておきますが、android wearデバイスは、Android搭載のスマホに近接して使われることを想定して設計されています。ウォッチそのものは、常にスマホとリンクして動作するもので、独立して動作するものではないことにご注意ください(もちろんスマホがなくても時計としては使えますw)。
スマホ側に「android wear」という名称のアプリをインストールするのも忘れずに。これを入れないと、いくら設定画面でBluetoothを弄くり倒しても、絶対にウォッチとは繋がりません(けっこう、ここでつまずいている人が多いようなのでご注意を!)。
さて、出社前の身だしなみ。顔を洗っていると、愛用のシェーバーの洗浄液が切れていることに気付きました。あいにくスマホは鞄の中。洗面所なので、顔も手もびしょ濡れです。でも、ウェアラブルなオトコは動じません(笑)。
そう。G Watchに向かって「OK Google」と呼びかけるのです(機械に向かって話しかけるなんて恥ずかしい・・・という方は、画面をポンっとタップするだけでもOK!)。すると、android wearは音声入力を受け付けるモードに切り替わります。
「シェーバーの洗浄液を補充」としゃべると、音声認識でテキスト化されます(シェイバーなのはご愛嬌w)。
通常はGoogle KeepというクラウドベースのGoogle標準のメモストレージに保存されますが、メモ系のwearアプリを複数インストールしている場合は、どのアプリに保存するかを選択できます。もちろん、◯月◯日の◯時にやるべきこと、のようにTodoとして保存することもできます。
朝食といえば、目覚ましのための濃いめのコーヒー。ボクはフレンチプレスが好きなので、抽出のためのタイマーを設定します。ボクの好みは、4分。
さて、いよいよ自宅をあとにします。オッチョコチョイなボクは、よく財布やスマホを忘れたまま出社してしまいますが、G Watchがあればそんな心配も不要。スマホとのリンクが切れると、このようにバイブレーションとともに「忘れ物してるよ〜!」と親切に教えてくれるのです。
読者の方のなかには、こんな小さな時計の画面でわざわざ操作しなくても・・・って思われる方もいるでしょう。ご安心ください。G Watchに通知された内容は、画面を左にスワイプすると、必ず「端末で開く」というボタンが用意されています。これを押すと、スマホの画面に、そのアプリが起動するようになっています。
スシ詰め状態の朝の満員通勤列車はサラリーマンが毎日向き合わなければならない過酷な試練です。大好きなスマホも、ギュウギュウ詰めの状態で使おうとするのは他人に迷惑というもの。でも、大丈夫。Twitterのタイムラインを眺めながら、しばしの現実逃避をすればよいのです(なんか、だんだん怪しくなってきたかもw)。
ちなみにウォッチだけで、音声認識でツイートもできちゃいますが、満員電車の中ではあまりオススメしません(笑)。
職場でも、もちろんウェアラブル!
溜まった経費処理。「あれ?電卓どこにいったんだ?」きっと座敷わらしが悪さをしているに違いない!そんな風に思えるほど、電卓ってなぜか頻繁に行方不明になりますよね。そんなときは、スマートウォッチで代用しちゃいましょう。でも、腕時計で電卓って、なんとなくノスタルジックになるのは、きっとボクだけではないはずです。
仕事で、お客様先を訪問。お得意様の訪問時は、ずっと前に行った打ち合わせの内容や、お客様との世間話をメモった内容が気になったりします。でも、すでにエレベーターホールに到着、打ち合わせの開始まであと2分。そんなときは、Evernoteの「Nearby Notes」を起動。GPSデータをもとに、前回打ち合わせの議事録をたちどころに画面に表示してくれます。
CRIには一切”そんな”ミーティングは存在しませんが、どうしても眠くて眠くて死にそうになる打ち合わせってありますよね。でも、うっかり寝てしまうと大変なことに…。そんな方にオススメなのは、この「Stay Awake」。インターバル時間を設定しておくと、定期的に振動して起こしてくれます。まぁ、ボクには無縁のアプリですけど(じゃあなんでインストールしているのかw)。
アフター5(?)も、ウェアラブルとともに…
さぁ、仕事を終えて、帰宅です。長距離通勤なボクは、電車のなかでグッスリと寝入ってしまい、寝過ごしてしまうこともしばしば。貴重な時間を無駄にしてしまいます。android wearには、wearに対応したアプリだけが動作するのではなく、通常のアプリの「通知(ノーティフィケーション)」もすべてwear側にリアルタイムに流れるようになっています(設定で変更可能)。
そこで、ボクのオススメは「乗換案内」アプリ。帰宅経路を検索して「アラームボタン」を押すだけ。
これで、自分の下車駅の手前になると、スマホと自動的に連動して、G Watchが震えて起こしてくれます。スマホってポケットとかカバンに入れてしまうと、時々アラームに気付けなかったりするのですが、腕時計だと確実です。ほんとに、これのおかげで乗り過ごしが激減しました。
自宅最寄駅で無事に下車し、自宅に向けて歩いていると、G Watchに通知が届きました。
ウェアラブルFITNESSデバイスである「UP24」による、一日の活動目標に到達したというメッセージでした。やったね!!(ほんとはもっと運動したほうがいいんだけどね・・汗)
UPのような活動計測のための外部デバイスを持っていなくても、標準のアプリで一日の歩数を確認できます。一週間の過去ログもグラフで一目瞭然。励みになりますね。
さて、そろそろお風呂にでも入ろうかなぁ、と思っていたら、突然、真っ赤な色のメッセージが・・・
なんと、気になる台風の情報でした。この後、うちの会社の総務からも、緊急連絡体制の周知メールが届いていました(高プライオリティなメールのみをG Watchで受信する設定もしています)。
寝ている間に充電するのも良いですが、朝の目覚ましを腕の振動で実現したい場合は、帰宅と同時に充電クレードルに置いておくのをオススメします。現在発売されているandroid wearの電池はだいたい1日持つようになっていますが、かなり急速に充電ができるので、帰宅してすぐに充電を始めれば、寝る頃にはフル充電になっています。
さて、そろそろ就寝時刻です。・・・あっ、でも、ファミ通Appなのに、まったくゲームネタを書いていないことに気付いてしまいました。スマホゲームアプリとウェアラブルの関係は、ボクもすごく気になっている部分なのですが、これについてはもう少しいろいろと情報収集をしてから書きたいと思います。
ウェアラブルデバイスの普及具合にも依存するとは思いますが、腕時計というデバイスの特性上、「通知」の認識率はスマホよりも明らかに向上します。あまり数が多すぎるとウザったくなってしまう危うさもありますが、この「通知」機能や、小さな画面で完結する「単純かつこまめな入力」が本体アプリにリンクするようなゲームデザインは面白いかもしれません(ポケステとか、ビジュアルメモリのことをちょっと思い出してしまいました・・懐)。
ちなみに、すでにTechCrunchさんでも紹介されていますが、つい先ほど(執筆時)android wear初のゲームアプリがリリースされました。さっそくボクもインストール。
どんなゲームかは、、、画面を観て頂ければお察し頂けるかと思います(笑)。羊を数える代わりに、ドロイド君を繰り返し飛翔させながら、、、ハッ!!、どうやら睡魔が訪れたようです。
というわけで、今回のひらブラはここまで。
次回は、ウェアラブル生活の「休日編」をお届けしたいと思います。お楽しみに!
なお、今回ご紹介した「G Watch」は、すでに日本でも出荷が始まっております。Google Playで即購入が可能。ボクの知り合いで新しいもの好きな方は、ちらほらと入手報告を受けているので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。
それから、android wearについて「こんなアプリがあるよ〜!」とか「こういうアプリを作ってみたんだけど」とか、あるいは「こんなアプリがあったら便利なのに」というアイディアなど、ぜひぜひ皆さんのご意見をお寄せください。
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幅朝徳(はば とものり) 株式会社CRI・ミドルウェア 商品戦略室 室長、CRIWAREエヴァンジェリスト。学習院大学卒業後、CRIの前身である株式会社CSK総合研究所に入社。ゲームプランニングやマーケティング業務を経て、現CRIのミドルウェア事業立ち上げに創業期から参画。セガサターンやドリームキャストをきっかけに産声を上げたミドルウェア技術を、任天堂・ソニー・マイクロソフトが展開するすべての家庭用ゲーム機に展開。その後、モバイル事業の責任者として初代iPhone発売当時からミドルウェアのスマートフォン対応を積極推進。GREE社やnhn社といった企業とのコラボでミドルウェアの特性を活かしたアプリのプロデュースも行う。近年は、ゲームで培った技術やノウハウの異業種展開として、メガファーマと呼ばれる大手製薬会社のMR(医療情報担当者)向けのiPadを使ったSFAシステムを開発、製薬業界シェアNo.1を獲得しゲーミフィケーションやゲームニクスの事業化を手掛ける。現在、さらなる新規の事業開拓や未来のサービス開発を担当する傍ら、ますます本格化するスマホゲームのリッチ化を支援するためにモバイルゲーム開発者におけるミドルウェア技術の認知向上のためエヴァンジェリストとしての活動に注力中。
趣味は、映画鑑賞とドライブ、クロースアップマジック、デジスコによる野鳥撮影、コンパニオンバードの飼育、そしてもちろん、ゲーム。
CRI・ミドルウェア ウェブサイト
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