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スクエニプロデューサー安藤武博氏のブログ“スマゲ★革命”第三十回 「スマゲ革命序章、完結。」

2012-11-16 15:38 投稿

●第三十回 「スマゲ革命序章、完結。」


この連載をはじめて1年とちょっと。今回の記事で、まずは序章の完結となります。そもそも、このブログをはじめて最初に達成したかったことや、お伝えしたかったことは下記のイメージでした。

「スマゲはゲームの一大勢力として確立される」
「スマゲ創りはおもしろい」
「おもしろいスマゲを創る」
「優秀なクリエイターとスマゲを創る」

これらは、業界全体を見渡してもずいぶん当たり前になってきたなと思います。2011年の9月に連載がはじまってから、今までの間に特モバイル二部がリリースしたゲームだけでも『ケイオスリングス2』、『拡散性ミリオンアーサー』、『ロード オブ ヴァーミリオン 煉』、『ガーディアン・クルス』、『星葬ドラグニル』、『エンペラーズ・サガ』の6タイトル。まもなく新作『ギャラクシーダンジョン』がスタートするので、ほぼ2ヶ月に1タイトルのペースでスマゲをリリースしてきました。なかでも『拡散性ミリオンアーサー』や『ガーディアン・クルス』、『エンペラーズ・サガ』が特にたくさんのお客さまに、ご愛顧をいただいています。これらは昔で言うパッケージゲームのヒット作やミリオンセラーと同等の市場規模や売り上げを持っていますので、当社以外のヒット作の勢いも含めて、完全にスマートフォンのゲームの市場は確立されたといえます

『ケイオス』や『ドラグニル』とった売り切りアプリでは、専用ゲーム機に負けないエンターテインメントの表現に挑んできました。前までは、あえて「スマートフォンは、もはやゲーム機である」と言ってきましたが、そういったことをいう必要もなくなったように感じます。これらの作品の制作を通して、過去に専用ゲーム機で作品を創ってきたクリエイターが、どんどんスマートフォンのものづくりに適応した1年でした。

この連載や誌面での対談を通して、数多くの優秀なクリエイターとの出会いもありました。これらによって巻き起こる新しい仕掛けは、今後作品としてお届けできると思います。また、2012年の代表的なスマゲである『パズル&ドラゴンズ』の山本大介さんとは、我々の『クリスタル・ディフェンダーズ』とのコラボレーションが実現現在、開催中です。

この2週間限定のイベントのために、なんと伊藤賢治さんがボス戦BGMを書き下ろすという豪華さ。(対バハムート戦。聴かないともったいない超名曲です。) 負けじと、我らが特モバイル二部の伊藤龍馬もすべてのイラストを新規で描いています。双方のクリエイターが相当な熱量をこめた、これぞコラボといったプロデュースになりました。協力してくれたガンホーさん、スクエニ関係者に深く感謝です。思えば『パズドラ』の登場も今年の話ですから、こういったスピード感でコラボが実現したのも、2012年の“スマゲ☆革命”と言えますね。

なぜこういったことが起こるのか? それは「スマゲ創りがおもしろい」からであり、ひいては「おもしろいから、やる」、「おもしろさこそ、最も重要」というイデオロギーのようなものが共鳴しあって実現しています。この“おもしろさ”というのは、これから更に重要になってくると思います。一方、この2年間で「売れるから、やる」、「KPIや売り上げこそ、最も重要」というイデオロギーを持った作品やSAP(ソーシャルアプリケーションプロバイダー)もたくさん出てきました。再三メディアを通して発言してきましたが、これからは特にそういったデータや売り上げ至上主義では、来年以降もお客様を満足させるのは厳しい。と強く思っています。

自戒をこめて書きますが、これだけ似たようなカード+ガチャガチャのゲームが濫立していると本当にお客さまに飽きられてしまいます。これまでのゲーム業界は、ヒットしたフォーマットを参考にしながらも、かならず何らかの新しい発明や遊びを加えて進化してきました。カードとガチャガチャが、だめといっているのではありません。外側だけを変えた単純な横展開だけでは、エンターテインメントとして通用しなくなるだろうと言うことです。同じように、どこかで見たことのあるような遊びの側(ガワ)変えも同じです。SAPさんの中には、WEBサービスの一環として、今はたまたま売れているゲーム事業をやっているだけで、今後通用しなくなったら別のサービスを模索しよういう考えもあると思います。これはある種ロジカルだと思いますが、プラットフォーマーは違うと私は思います。

なぜならプラットフォーマーの出自がソーシャルネットワークなどのWEBサービスからだとしても、我々の作品も含めて、そこにはたくさんの“ゲーム”が提供されているからです。一度ゲームの領域に足を踏み入れた以上は、快適なサービスはもちろん、きちんと“おもしろいゲーム”、“新しいワクワク”を出していくということをファーストパーティー自身がやらなければ、中長期的にエンターテイメントは育っていきません。任天堂、SEGA、SCE、マイクロソフト……これまでのゲームプラットフォーマーは必ず自らの手で“新しいおもしろさ”を提示してきました。我々サードパーティーから見ても、「プラットフォーマーが作ってきたゲームはすごいな! おもしろそうだな!」というアイデアの“出し抜き”が必ず存在します。それがGREEやMobage製のタイトルから、もっともっと出てくるべきだと思っています。“新しいガチャガチャの発明”に集中するよりも“新しい遊びの発明”をどんどんやらなければ、新興勢力がやってのけた、この2年ほどの革命的ともいえる躍進や、プラットフォーマーとしての存在感は衰えてしまうでしょう。

これまでのゲームプラットフォーマーが、徹底的に“おもしろさ”を追求し続けても、それでも、時代ごとに栄枯盛衰があるのがゲームビジネスです。コンテンツに対しての、おもしろさの模索や新規チャレンジを怠ると、なおさら逆風が吹いたときに持ちこたえられない。GREEやMobageには、我々からもおもしろいゲームを出して、サポートできる限りしていきたいと思っています。緊張感を持って一緒にチャレンジしていきましょうね。

サードパーティーからも注目のスマゲが新しくリリースされています。最近注目して遊んでいるのはアクワイアの『ロード・トゥ・ドラゴン』やアソビズムの『ドラゴンリーグX』などなど。近日リリース予定の『ドラゴンポーカー』も楽しみにしています。私が好きなクリエイターの皆さんが、おもしろさと、新しいワクワクにチャレンジしていることがなにより刺激になります。

スクウェア・エニックス特モバイル二部も具体的なゲーム作品でもって、皆さんに刺激をあたえていきます。『ケイオスリングス』、『拡散性ミリオンアーサー』、『ガーディアン・クルス』、『エンペラーズ・サガ』は我々にとって序章にすぎません。本当の“スマゲ☆革命”は、これからやってきます。来年は数多くの新作リリースを予定しており、それぞれが新しいチャレンジに挑んだものばかりです。もちろん現在サービス中の作品もパワーアップしていきますので、新作とあわせて楽しみにしていてくださいね。1年間ご愛読ありがとうございました。またお会いしましょう。ひとまず、さようなら!

おわり

 

安藤武博
スクウェア・エニックスのゲームプロデューサーにして、同社のスマートフォンアプリ制作の中核を担う人物。早くからスマートフォン事業に携わってきたことから、アプリに対してはすでに確固たる理論を構築している。それでいて、つねに新たなステージへのチャレンジを忘れないスマートフォン業界の革命児。
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