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スクエニプロデューサー安藤武博氏のブログ“スマゲ★革命”第十八回 「PSO2とセガ魂」

2012-04-23 20:51 投稿

●第十八回 「PSO2とセガ魂」


私の周りのゲーム業界の方に「はじめてのネットワークゲーム体験って何?」と聞くと、MMORPGを手がけている、いわゆるネトゲ黎明期の人たち(現在30代半ばから40代くらいの方)は、『Diablo(ディアブロ)』(※1)、『EverQuest(エバークエスト)』(※2)と答える人が圧倒的に多いです。旧エニックスでは、『エイジ オブ エンパイア II』(※3)がめちゃくちゃ流行っていたのを覚えています。最近のSNS業界の人ですと、若い方が多いですから圧倒的に『ファイナルファンタジーXI』の廃人経験ありという方が多いような気がします。個人的な感覚ですが、新進で活躍されているSNS系の会社だと「日本というより、一時期はヴァナ・ディールに暮らしていた」とうそぶく人が、はじめてソーシャルゲームを創るにも関わらず、売れている作品を手がけている確率が高いような気がします。なぜなのか? すごく興味深く感じています。

(※1)『Diablo』は、1997年にBlizzard Entertainment社により発売されたPC向けRPG。最大4人でダンジョンに挑むことができるMORPGの先駆け的タイトルとして一世風靡。シリーズ第3作目が2012年5月15日にサービスが始まる予定となっている。
(※2)『EverQuest』は、Sony Online Entertainmentにより1999年に米国でサービスが開始されたPC向けMMORPG。社会現象にもなったほどの人気タイトル。
(※3)『エイジ オブ エンパイア II』は、1999年にマイクロソフトからPC向け発売された『エイジ オブ エンパイア』シリーズの第2作目。数々の賞を受賞したリアルタイムストラテジーゲーム。

それは、おそらく“どっぷり”(ここ重要)とネトゲにプレイヤーとして浸かることによって、どうすれば“人とつながる”遊びがおもしろくなるのか? を本質的に理解していたからだと思われます。おもしろいゲームを創るためには、自分以外の人が手がけたゲームをよくよく遊んで、そのおもしろさの本質を掴むことがかなり重要だと思っているのですが、これはその良い証左かもしれませんね。僕個人としては、”数”を遊ぶよりも、掴みたい”本質”に近い作品を、製作者の思想が“すすけて見えるくらい”遊んだほうが(=どっぷり)効果的だなと思うことが多いです。”本質”を追いかけていくと、自然と”数”も増えていくことになるかもしれません。

『Diablo』以前はネトゲ(この場合MMO)自体が存在しないので、『Diablo』以降と『FFXI』以降。これは結構はっきりとプレイヤーの世代に線引きがあるような気がします。どちらの世代も、『Diablo III』の発売を心待ちにしている人が多いのも特徴かもしれません。みんな仕事の中、いかにして休みを取るか? いっそ休職するか? それとも退職するか? なんて話も冗談か本気かわからないくらいのレベルで飛び交っていて、みんな待ち構え過ぎ。実に面白い。そのくらいネトゲの体験は“おもしろく”、“わすれがたい”ものなんですよね。

僕のネトゲヴァージンは前述の作品ではなく、ドリームキャストの『セガラリー2』※公式サイト)です。会社にドリキャスが置いてあって、外につなげてOKの回線が横にあったので、試しにつないでみたのがきっかけでした。『スターオーシャンセカンドストーリー』海外版のデバッグ中にできた待ち時間に遊んだ記憶があるので、1999年頃だったと思います。確か上り33.6Kのモデムで接続していました(すごいね)。ネットの向こう側にいるプレイヤーとよくわからないまま、普通に同期してレースができたので、まず、「これは、もしかして人間のふりをしたNPCではなのではないか?」と疑ってかかったのを覚えています。その後、ルームチャットで会話をして再度レースに挑み、「うわ、マジで人間とつながっている!」と、あらためて超絶感動しました。コントローラーを使ってのチャットだったので、だいたい「あう」とか「うい」みたいな会話でしたが、あれこそが僕にとってネトゲの“おもしろさ”の原点ですね。

その後、自宅で同じ環境を整えて『サカつく』で木村和司選手などのデータを追加ダウンロード(これが僕の追加DLヴァージン)したり、『あつまれ!ぐるぐる温泉』(※公式サイト)(これは僕のアバター作成ヴァージン)を遊んでいました。その他にも、ナムコの作品ですが、ドリキャス版『ソウルキャリバー』の劇的クオリティーを遊んだ時の衝撃(最近iOSにそっくり改作されましたね)や、『シェンムー』(※公式サイト)で、本編そっちのけでフォークリフトレースにハマったり(これが本格的なネットランキングヴァージン。2分40秒台という全国レベルの高さに驚愕。わかる人だけわかって欲しいこの感じ)。その他にも『ダイナマイト刑事2』(※公式サイト)を遊んでいたら、さらに『トランキライーザーガン』が遊べるようになってビックリとか……。ホント、ドリームキャストは好きなハードだわ。「新ゲームハードを作って欲しいメーカーはどこ?」なるアンケートでセガが、ぶっちぎりで1位になるのもよくわかります。

そう、およそネットワークに関係する遊びに関して、“セガ”という会社の存在感はかなりすごいのです。僕のネトゲヴァージン、ほとんどセガに捧げたようなもんです。ここ10年のアーケードゲームや現在携帯電話を席巻中の“カードバトル系ゲーム”の始祖は、セガのアーケードゲームにあると僕は思っていて、『ダービーオーナーズクラブ』、『WCCF』、『甲虫王者ムシキング』、『三国志大戦』がなければ、現在の市場の様相は全然違うものになっていたはずです。この4タイトルすべてオリジナルタイトル! まさに先駆者。チャレンジの精神の塊が、僕から見たセガという会社の凄まじさですね。なんだかだんだんテンションがファンモードになってきましたが、事実そうだと思います。

これは今現在でも徹頭徹尾変わっておらず、スマゲにおいても『Kingdom Conquest(キングダムコンクエスト)』が起こした本格的ゲームの基本無料+都度課金(F2P)化の新潮流。そしてPlayStation Vitaで『サムライ&ドラゴンズ』がはじめた、携帯ゲーム機でのF2Pタイトル投入……などなど、企業単位での挑戦モードは全く衰えるところを知りません。この“セガ魂”(と勝手に名づけてしまいますが)には毎回、めちゃくちゃ刺激を受けています。

で、ここまで『ファンタシースターオンライン2』の話題全くなし。というのがまた、セガの持っている幅がすごいと言うお話なのですが、最近一番注目しているタイトルがこれであります。家庭用ゲーム機でのオンラインRPGヴァージンも、これまたドリームキャストの『ファンタシースターオンライン』だったわけですが、その名を継承する新作『ファンタシースターオンライン2』がクローズドβテストの真っ最中ですね(2012年4月28日まで)。僕にはキャラクタークリエイトひとつとっても、実にPSOらしい進化を遂げているように見える期待タイトルです。僕は今回、一切のテスト情報をシャットアウトして(勝手なこだわりです)正式サービスから遊びます。なにより、このタイトルに“セガ魂”を感じるのは、“境界を越えるRPG”というコンセプト! ついにやってしまうか! やるならセガだと思っていた! ちゅうか、やっぱり先にやられた! って感じです。

同じゲームのデータをPCとスマホとPlayStation Vitaで連動させてしまうという発想。計画を絵に書くのは簡単ですが、実際に実現してしまうのは、いろいろ至難の業だと思われます。しかもデータを連動させつつも、スマホ版はそのプラットフォームに適した遊びに変化を遂げる予定があると! これこそ僕が考えていた未来のゲーム像のひとつです。『キンコン』の時もそうでしたが、僕が考えたときには既に創っているのがセガの凄まじさ。常に二拍くらい先を行っている。まだガラケーのみだった時代から、かねがね「家ではじっくりネトゲをプレイして、単純なレベル上げや作業は外出先で、携帯電話で、できないものか?」と思っていましたが、ついにそれが実現する可能性が出てきたわけです。このコンセプト、僕は全面支援します。本当に楽しみですね。

今回は要するに「セガはすげえよ」ってお話でしたが、セガ愛が溢れ出て語りまくってしまいました。しかも、ここまで『ルーマニア#203』(※公式サイト)の話題、したかったのにまったくできず……うう。それではまた来週。

 

■追伸
『拡散性ミリオンアーサー』情報です。おかげさまで先日、会員登録が20万人を突破しました。本当にありがとうございます! 気になるAndoroid版ですが、現在デバッグの真っ最中です。5月末までにリリースできればと思っています。機種別対応が大変です。頑張っております。なお、AndroidとiOSは同じサーバー、同じワールドを共有する予定です。Android版のお客様には、その差を埋めるべく“スタートダッシュキャンペーン”を独自で展開しますので、もうちょっとお待ちくださいね。

また、iOS版は5月にデッキの改修が入る予定です。デッキを組みやすくしないと、来るべき“騎士団バトル”が楽しくないので、まず5月にデッキ改修。6月に騎士団バトルの予定に組み直しました。今後の予定はインターネットテレビ『シシララ!』でプロデューサーの岩野みずから話してもらおうと思っていますので、そちらもご期待下さいね。近日中に放映日を、『シシララ!』サイト上でお知らせします。

つづく

 
※次回更新は、5月1日(火)を予定しています。
[2012年5月1日 11時20分追記]
※諸事情により、次回の更新は5月2日(水)にさせていただきます。大変申し訳ありませんが、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
 

安藤武博
スクウェア・エニックスのゲームプロデューサーにして、同社のスマートフォンアプリ制作の中核を担う人物。早くからスマートフォン事業に携わってきたことから、アプリに対してはすでに確固たる理論を構築している。それでいて、つねに新たなステージへのチャレンジを忘れないスマートフォン業界の革命児。

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