大きな秘密が隠されていそうなディライトワークスの期待作! 2019年3月に実施された“AnimeJapan 2019”のディライトワークスブースにて発表された、新ゲームプロジェクト。 ▲AnimeJapan 2019のディライトワークスブース。 現時点ではキービジュアルならびにコンセプトPVが公開されているものの、それ以上の情報は不明な状況だ。 ゲームジャンルから世界観まで謎に包まれた本作について新たな情報を得るべく、本作を手掛けるディライトワークス第4制作部のジェネラルマネージャーにして、プロデューサーの浅沼拓志氏へのインタビューを実施した。 本記事では、インタビューを通して見えてきた作品の内容を紹介していこう。 新作はUnreal Engine 4を活用したハイクオリティな作品に ――最初に、浅沼さんの経歴など自己紹介をお願いします。 浅沼拓志氏(文中:浅沼) ディライトワークス第4制作部のジェネラルマネージャーをしています。もともとは、アナログゲームの会社で働いていました。そこからコンシューマーゲームを開発している会社で働いたり、その後はべつの会社でTCGの開発にも携わってきています。そこからディライトワークスに入社して、いまは開発兼ディレクターですね。 ――さっそくですが、今回のタイトルを開発するキッカケを教えてください。 浅沼 本作をどういう方向性のゲームにするかを話し合っているときに、ちょうどUnreal Engine 4を使用したハイクオリティのスマホアプリが登場し始めていました。それを見て、現状のスマホアプリのクオリティをふまえた上で、自分たちならどこまでの内容を出せるかを考えることになって。そこからビジョンを固めた結果、Unreal Engine 4を用いてPVのような雰囲気のゲームを作っている段階です。 ――現状、海外産のゲームをはじめUnreal Engine 4を用いたハイクオリティなタイトルが増えていますが、浅沼さんの目にはどのように映っていますか? 浅沼 越えなければいけない壁ですね。ディライトワークスの開発するタイトルとして、指針を決めて開発を進めています。 ――第4制作部では、Unreal Engine 4を利用した動画が開発メンバー募集のページに掲載されていましたが、あの動画も今回の作品と関連するものなのでしょうか? 浅沼 あの動画と今回のタイトルは、事実上関係はありません。ディライトワークスが求めている人材として、あの動画で興味を示してくれる人を探すために作ったビジュアルになります。 ――動画の雰囲気に共感できる人を探していたわけですね。続いてですが、本作は“AnimeJapan 2019”で初お披露目になりましたが、あの場で発表した狙いなどはあるのでしょうか? 浅沼 ディライトワークスと親和性の高い人というのは、現状だと『Fate/Grand Order』(以下、『FGO』)をプレイされているユーザーです。キービジュアルもアニメとの親和性もあるデザインですので、当社のタイトルに興味を惹いていただける場として『FGO』も出展していた“AnimeJapan 2019”を選びました。 ――本作に注目している『FGO』ユーザーも多いと思いますが、今回のタイトルも『FGO』に近いアプローチになるのでしょうか? 浅沼 アプローチはまったく異なるものになりますが、自分たちのノウハウとして得ているものは踏襲していきます。ゲームとしては違うものになりますね。 新作には大きな秘密が隠されている?テーマは“青春”…!? ――新規タイトルの内容についてもお伺いしていきます。さっそくですが、キービジュアルの女の子は主人公なのでしょうか? 浅沼 本作のストーリーラインで重要になるキャラクターなので、最初のキービジュアルに選んでいます。主人公ではないですね。 ――なるほど、主人公かと思っていました。公開されたPVでは、“近畿営業所”などのワードが書かれていますが、これはもととなった舞台があるのでしょうか? 浅沼 現代を舞台にした作品なので、嘘の街を作ってもおもしろくないよねって話をしていて。大都会ではないけど、若干都会かな? みたいな雰囲気を、世界観設定なども踏襲して詰め込みました。 ――世界観も踏まえた舞台設定ということですが、現代にこだわった作品になるのでしょうか? 映像を見る限り、ファンタジーやホラーのような要素もありますが……。 浅沼 如何にしてこのゲームを多くの人に楽しんでもらうかを考えたときに、入り口をどうするかを相談していました。そこで親和性の高い現代を舞台にしています。 ――現代という舞台設定やキャッチコピーの文言から思春期の子どもが主役の作品という印象を受けますが、やはり“青春”もテーマになるのでしょうか? 浅沼 “オトナになるって痛いよね”というキーワードと、PVの内容から察していただけるんじゃないかと。 ――PVでは、陰口のようなネガティブな内容を多く含んでいますよね。 浅沼 あのPVには、この作品の情報が出てきたときにキーとなる要素が仕込んであります。ちょっとだけPVについて話すと、イライラするつもりがないのに、嫌な情報が耳に入ることってあるじゃないですか。その空間を作ろうとして、どんな情報が女の子にとって嫌なものになるのかを考えました。PVでも、ボイスだけでなくテキストでもネガティブな情報が出ていますよね。つまり、そういう青春です。 ――恋愛やスポーツだけじゃない、ネガティブな部分も青春には含まれているということでしょうか。 浅沼 青春って、そんな楽しいものだけじゃないですよね。学生生活ってそんな楽しいことだけでしたっけ、みたいな。僕らがこの作品を作る際、どれだけリアルな学生を描こうかを考えたら、そんなにハッピーな生活じゃないなと。そんな子たちの生活を描こうとしています。 ――ちなみに、現状はキャラの情報も公開されていませんが、女子高生がメインキャラクターになるのでしょうか? 浅沼 PVでも男性の声が聞こえると思いますが、女子高生だけじゃなくて男性も出ますよ。女子高生だけで楽しい生活を送るわけではないです。 ――PVのラストシーンや、キービジュアルについても深掘りさせてください。女の子の持っているものは、茨でしょうか? 浅沼 あれは茨です。茨って、素手で持ったら痛いですよね。本作のキーになる要素のひとつではあります。茨にはこの少女と関連のある、PVで流れた言葉の中で嫌だなと思った内容が含まれているのかもしれません。 ▲よく見ると茨には“キライ”などの言葉が描かれている。 ――この茨は、少女から出ているのでしょうか? 攻撃されているというわけではなさそうですが。 浅沼 それは……どうでしょうね(笑)。攻撃されているわけではないです。現状お話できる範囲だと、ゲーム内で重要な要素になるということだけですね。 ――茨は“オトナになるって痛いよね”というキーワードとも関わってくるのでしょうか? 浅沼 子どもが大人になるとしたら、自分が嫌いだと思っていることも受け入れるしかないですよね。大人って、自分が嫌だと思っていることを丸め込んで飲み込むしかないじゃないですか。それって、どこかのタイミングで吐き出すと、痛い奴だと思われますよね。つまりそういうことです。 ――心の中に抱える痛み、というのも関わってきそうですね。この茨を使って戦うのかも気になりますが……そもそも、本作では何かと戦うのでしょうか? 浅沼 女の子が何かに立ち向かうということだけは間違いないです。 ――本作がどのようなゲームになるのかをお聞かせください。浅沼さんの経歴を鑑みると、頭を使う内容になりそうですが。 浅沼 それなりに頭を使うことになるんじゃないでしょうか。青春を深堀した結果生まれた世界観やキャラクター造形、ゲーム性になるのではないかと。あまりふつうの子は登場しません、逆にふつうなのかもしれませんが。 ▲今回のインタビューで特別に見せていただいた本作の線画と一部背景デザイン。 ▲青春がテーマとのことだが、不思議な世界観の背景コンセプトもあるようだ。 ――まだまだ謎が隠されていそうですね。最後に、ディライトワークスの新規IPとなる本作について、今後の展望についてお聞かせください。 浅沼 まずは皆さまに手に取っていただくことが大切だと思っていますので、ゲームとしてしっかりと作ることを命題にしています。まだお話できない点も多い作品ですが、遅からず遠からず、何らかの情報を出していければと。作品の全容をお伝えしたときの衝撃はそれなりに大きいものになると思います。一部の人たちは椅子から立ち上がって2回くらい「え?」って言うような仕込みを用意していますので、お楽しみにしてください。茨の文字や公式サイトのURL名など、考察できる要素が現時点でも用意されているかもしれませんね。 ――最後に含みを持たせてきましたね(笑)。続報もお待ちしています! ⇒公式サイトはコチラ!