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『オルサガ』プロジェクトのキーマンふたりにロングインタビュー！ スマホ向け戦記RPG『オルタンシア･サーガ』（以下、『オルサガ』）。ストーリー本編の第4部にあたる“オルタンシア･サーガ ゼロ”が2020年12月に完結、直後の2021年1月よりテレビアニメが放送を開始し、さらには2月1日よりフル3D＆フルボイス化で話題を呼ぶ新作『オルタンシア･サーガR』が配信開始となった、いま注目すべきIPである。 本記事では、『オルサガ』の開発、運営を手掛けるf4samuraiより、『オルサガ』プロジェクトのプロデューサー田口堅士氏（文中は田口）、そしてアニメおよび『オルサガR』のプロデューサー佐藤允紀氏（文中は佐藤）を直撃。ここ数ヵ月、激動の展開が続いている“『オルサガ』プロジェクト”の振り返りや、今後の展開について語っていただいた。 目先の数字ではなく、将来に残る“財産”を見据えての独立 ――本日はよろしくお願い致します。まずはプロジェクト全体にかかる質問なのですが、f4samuraiは、2020年11月1日より『オルサガ』の運営をセガから自社に移管し、さらに12月1日からはセガサミーグループの連結子会社から外れて独立をされました。これにはどういった経緯があったのでしょうか？ 田口 最大の理由は、自分たちがやりたいことを、より迅速に、柔軟に行うためです。『オルサガ』を始めとしたヒット作に恵まれたこともあり、f4samuraiは目先の採算ではなく5年後、10年後に残る事業とそのための挑戦をしたいと考えるようになりました。一方でセガサミーグループは、抱える多数の事業に対して具体的な結果、数字を重視する経営が必要とされる大企業です。そういった会社としての姿勢や、ゲーム運営でのスタンスの違いが大きくなってきたため、話し合って独立することを決めました。 ▲『オルサガ』プロジェクトプロデューサー・f4samurai田口堅士氏 ――ケンカ別れをしたとかそういうわけではないのですね（笑） 田口 もちろん（笑）。多くのことを学んできましたし、引き続き良好な関係は続いています。 佐藤 今年1月から始まった『オルサガ』のアニメも、お客さまの思い出という“弊社の財産“をつくる事業のひとつです。本来、ゲーム原作をアニメ化するというのは無謀な挑戦ではあるのですが、それを実現させられたのは自社で責任を負い、またそれが可能であるからという実情もあります。 田口 ファンの皆さんの後押しもいただいて、ようやく実現できた企画ですね。 【アニメ『オルタンシア･サーガ』公式サイトはこちら】 ――しかし、独立のタイミングが“オルサガ ゼロ”の完結と丸被りだったわけですが、たいへんではなかったですか？ 田口 それはもうたいへんでした！ 11月くらいまでずっと、移管作業もあってバタバタしていましたね。ただ、自社パブリッシングになったとともにスタッフの意識も変わり、責任意識がより高まったようになったと思います。 佐藤 自社パブリッシングにより、できることや見える範囲が増えたのも思わぬ副産物でした。現状痛感するのが「とにかく人が足りない」ということです。ゲームの開発、運営に注力しているのはもちろんですが、宣伝や海外展開にかかるタスクもかなり増えています。「我こそは」という人はいつでも応募してきてください！ 【f4samurai採用ページはこちら】 ――いまお話が出たアニメもそうですし、リメイク版である『オルサガR』もいよいよ始まります。それらも含め、今後どんな展開を予定していますか？ 田口 『オルサガR』は海外企業との協業企画ということで、僕たちにとっても初めての体験ですから、このどんな結果、影響が生じるかは正直なところ読めていません。もちろん、ファンの皆さんには現行の『オルサガ』も続けていただきたいので、そちらのほうもさまざまな企画を投入していくつもりです。 佐藤 当面、TVアニメを軸に『オルサガ』と『オルサガR』は連動したプロモーションを展開していき、4月の『オルサガ』6周年を目指します。アニメオルサガは、世界の様々な国で配信されており、『オルサガR』が展開するアジア圏のみならず、欧米でもご好評を頂いていると伺っています。ちなみに最近、台北市内で行われた『オルサガR』のTVCM撮影にリモートで立ち会いまして、海外展開も大きな楽しみの一つでもあります。（台湾、香港･マカオといった繁体字圏に3月10日リリース予定） “オルタンシア･サーガ ゼロ”の完結と今後の展開 ――ストーリーで言うと“オルタンシア･サーガ ゼロ”が2020年12月に完結しました。約1年9ヵ月かけて綴られてきた物語ですが、これは当初の予定通りだったのでしょうか？ 田口 おおむね予定通りに終えられたと思っています。それまでの“オルタンシア伝”と異なり、初めからハッピーエンドで締めくくるつもりでしたが、うまく着地できたのではないでしょうか。ラストバトルをそれほど引っ張ることもなく、潔く完結させたのもこれまでにない試みだったかもしれません（笑）。 ▲『オルサガ』史上もっとも幸せな結末を迎えた『オルサガ ゼロ』。ハッピーエンドだからこそ「続きが読みたい」という声も多かったようだ ――領主（ユーザー）さんたちからはどんな反応がありましたか？ 佐藤 ハッピーエンドで終えたこともあり、好意的な声が多かったですね。一方で、「終章後、現代での続きが読みたい」、「歴史が変わったことで存在がどうなってしまうのか気になるキャラクターがいる」といったリクエストもいただいています。 ――後日譚はたしかに気になりますよね。 佐藤 ベルナデッタたちが歴史を変えたおかげで現代が“魔物がいない世界”になってしまっている……ということもあって、バトルをどうするのかとか（笑）。 ▲アニメでは描かれなかった、登場人物たちの“裏側”の部分を知ることができるもうひとつの物語も、アニメ放送と連動して配信中 ――1月からはアニメと併走した“サイドメモリーズ”が毎週配信されています。 佐藤 アニメを観ながら楽しめるストーリーになっているので、アニメで気になった人にプレイしていただきたいですね。また、アニメでは毎週、放送の終わりにエンドカードがあって半年以上前から気合い入れて準備した渾身のイラストになります。そのイラストをカード化してゲームでも入手できるような流れにしました。。 田口 そのほかにも、『オルサガ』が4月で6周年を迎えるので、そこでまた大きなイベントもやりたいと考えていますし、それに絡めた展開も準備しているところです。さらに新しいタイプのイベントも考えていたりもして、ゲームのほうは“ゼロ”が終わって静かなように見えますが、水面下では過去最大級にバタバタしています（笑）。 10年先の未来をつなぐためのアニメ化 ――先ほどのお話では、アニメは自社企画でスタートしたということでしたが、企画が立ち上がった直接的なきっかけは何だったのでしょうか？ 佐藤 急な思いつきではなく、ずっとやりたいなとは考えていたんです。きっかけは、『チェインクロニクル』のアニメ化がうらやましい、から始まったものの、とうぜん僕らが「やりたい」というだけで簡単に実現できるものではありません。第3部でオープニングムービーをライデンフィルムさんに制作いただいたのを契機に本気でアニメを作りたいと僕が考えるようになり、ユーザーさまからの「アニメ化はよ」のコメントにも支えられ推進してきました。 ▲アニメ化へとつながった第3部のオープニングムービー。本編の止め画流用ではなく、本気で制作したからこそファンも動いた ――まさに思惑通りだったわけですね。 佐藤 そこから水面下で話は進めていたのですが、具体的に制作が開始できたのはさらに2年くらい経ってからでした。アニメ化発表でユーザーさまからの拍手をうけステージで田口が泣いた2019年12月あたりが脚本上がったタイミングですから、いまこうして放送されている画を観ると「ようやくここまで来られたな」と思いますね。 田口 ソーシャルゲームの宿命として、さまざまな事情でユーザーが離れていってしまうのは仕方のないことなのですが、より気軽に観られるアニメであれば、最後までストーリーを楽しんでもらえるはず。だから『オルサガ』というIPを長く残すためにも、今回のアニメ化は僕らにとって重要なプロジェクトなんです。 佐藤 営利企業としては、もっと利潤を追求していかなければいけないのかもしれませんが、今回のプロジェクトに関しては「感動してもらえれば成功」と本気で思ってやっていまして、放送中はずっとTwitterの反応に一喜一憂しています。 自分のペースでやり込みを楽しめる『オルサガR』 ――いよいよ配信開始となった『オルサガ』のフル3Dリメイク作品『オルサガR』ですが、そもそもどういうことがきっかけでスタートしたプロジェクトなのでしょうか？ 田口 時期としては3年くらい前でしょうか。中国のLongtu Gameさんから「オリジナルのIPで日式のゲーム（日本らしいキャラクターデザインや日本の声優が参加したゲーム）を作りたい」という話が来たのがきっかけです。まだアニメの話も確定してなかったのでそれは伏せていました。そこで『オルサガ』を気に入っていただき、こちらも監修、制作協力として関わることになりました。 佐藤 日式ゲームが中国ではひとつのジャンルとして大きく成功していて、かなり力を入れて開発に臨んでくれています。仕様が完全に固まる前から多くの人員を投入できたり、3Dという膨大な物量と開発を短期間に推進できるパワーがとにかくすごい会社さんです。昨年4月に中国で行われたCBT（クローズドβテスト）の出来栄えがよく、新たにキャラクターを提供することや、日本向けのパブリッシング、宣伝といったより踏み込んだ関わりをしたいと決めたほどです。ずっとリモートでの協業となりましたが、懸命にユーザーのことを考え改善と調整を重ねられる熱量をいつも感じていました。 ――ゲームとしての特徴はどんなところにあるのでしょうか？ 佐藤 現行の『オルサガ』では、騎士団戦などユーザーの“横の繋がり”を活かしたやり込み要素の豊富さが魅力のひとつとなっていましたが、『オルサガR』はひとりでやり込める（没頭できる）のが特徴の作品となっています。 田口 ストーリーとバトル、育成の3つの柱を、自分のペースで楽しめるのが最大の魅力ですね。演出としてフルボイスだったり、3Dの演技、アニメーションも各章盛り込んでいます。 ▲人物だけでなく、背景も3Dで作り込まれている。そのクオリティーも家庭用ゲーム機やPC向けのゲームに迫る高さだ 佐藤 ストーリー部分はある程度テレビアニメと内容を共有していますが、アニメ版にはない『オルサガR』だけのシーンも入っていたりします。 田口 バトルは4×8のフィールドで展開するのですが、このレーン数が戦術的にさまざまな形で効いてくることになります。また、特殊ルールで遊べる“試練”なども、ゲームやり込み勢には楽しめる要素なのではないでしょうか。育成も“紋章”システムなど、やれることが多いので楽しみにしていてください。 ▲バトルはオート進行ではなく、プレイヤーが自分で（オートも選択可能）ユニットを動かし、行動を選択する仕様に ▲ユニットの育成要素も『オルサガ』とは大きく異なるものに。画面中に散りばめられたさまざまな情報も気になるところ ▲育成の新要素のひとつ“紋章”。パズルの要領でマス目を埋めていき、属性ごとに各ユニットの能力を底上げするものとなっている 佐藤 要素が複雑になりすぎることへの懸念もあったのですが、『オルサガ』そのものがそもそもリリース当時“コンシューマゲームのような遊びごたえを持たせた作品”でしたし、そこは『オルサガ』らしさとしてあえてそのままにしました。 ――“イズム”はそのままに、よりソロプレイの楽しさを追求したということですね。ストーリーの実装ペースはどのくらいを予定していますか？ 田口 オルタンシア伝と外伝は、リリース時点では原作の1部3章～4章にあたるところまで実装する予定です。その後は月1回くらいのペースで追加していこうと考えています。 ――フルボイスということで難しい部分もあると思いますが、キャラクターはどのくらい実装する予定でしょうか？ 田口 30人くらいでしょうか。 佐藤 じつはすでにボイスの収録はかなり先のシナリオまで済ませています。コロナ禍の影響もあって、かなり時間を要し演者さま方にご負担もお掛かけしましたが……。『オルサガR』オリジナルのストーリーや、キャラクターも登場させる予定です。その詳細については近々発表できると思います。 ――課金要素も気になるところなのですが……。 田口 基本的にはユニットに関わるものになります。中国のゲームでおなじみのスキン購入などについては、まだ検討している段階です。 ――最後に、リリースを楽しみにしている領主の皆さんへ、メッセージをお願いします。 田口 『オルサガ』をずっとプレイしてくれている方にも、今回アニメで知ってくれた方にも、『オルサガR』は楽しんでいただける作品になっていると思います。アニメでは『オルサガ』のストーリーが新たな解釈で楽しめますし、『オルサガR』ではアニメのシーンがまた違った角度から楽しめます。もしアニメなどでストーリーのその先が気になった方は、現行の『オルサガ』をプレイすればそれらも見られるので、自分の好きな形で『オルサガ』という作品を味わってくださいね。もちろん、『オルサガ』は今後も続いていくので、アニメと合わせてよろしくお願いします。 佐藤 絶賛放送中のTVアニメ『オルサガ』、配信始まったばかりの『オルサガR』とこの作品のために、弊社だけでなくたくさんの方々の力によって、皆さまにお届けができています。自分は、一生に一度しかない機会ではないか、ぐらいの気持ちで頑張っておりますので、なにとぞ『オルサガ』にさまざまな形で触れていただけると幸いです。最後に、宣伝となりますがBlu-ray&amp;DVDのご予約もぜひお待ちしております。 完全生産限定版特典の映像や設定資料、サウンドトラック、ビジュアルブックなどは、アニプレックスさま、ライデンフィルムさま、弊社f4samuraiそれぞれがさまざまな思いを詰めこんだ仕上がりとなっています。

対応機種	iOS／Android
価格	無料（アプリ内課金あり）

ジャンル	RPG
メーカー	セガ／f4samurai
公式サイト	https://re.hortensia-saga.com/
公式Twitter	https://twitter.com/Hortensia_R_PR
配信日	配信終了
コピーライト	©SEGA・f4samurai ©Eggtart