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【モンスト】超究極フェルシアのBGMやプロテクションのSE作成の裏側に迫る|サウンドチーム特別インタビュー【9周年企画:第2回】

2022-07-06 20:05 更新

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モンスターストライク

慣れ親しんだ『モンスト』の音
その制作秘話の数々が明らかに!

2022年10月に9周年を迎える『モンスト』。ファミ通Appではこれを記念し、ミクシィ協力のもと、ふだんは知ることができない制作の裏側に迫る、全9回の企画記事を公開していきます。

その第2回となる今回は『モンスト』の“音”をテーマに深掘りをしていきます! 『モンスト』では一部クエストに専用BGMが用意されたり、ハロウィンやお正月など季節に合ったアレンジBGMが使用されるなど、BGMひとつを取ってみても多彩なバリエーションを持っており、SE(効果音)の種類も膨大です。

では、クエストの世界観を彩る楽曲はどのように生み出されているのでしょうか? そして敵にヒットした際の「カンカン」、「シャキシャキ」という音を筆頭に、プレイをより気持ちよくさせてくれるSEはどのように生まれているのでしょうか?

その秘密や背景に迫るべく、サウンドプロデュースチームの生亀貴之(いきがめ たかゆき)氏、サウンドデザインチームの戸田章世(とだ あきよ)氏に、『モンスト』の“音”に関するお話をうかがいました。

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▲左:生亀氏、右:戸田氏。

BGM制作にはキャラクター背景の理解が不可欠

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──まず、生亀様のポジションや“サウンドプロデュース”というお仕事の内容をお聞かせください。

生亀 サウンドグループのマネージャーとして『モンスト』のサウンドに関わるチームやメンバー、クリエイティブ全般の管理をしています。また、BGM・楽曲制作を担当するチームのリーダーも兼務しております。サウンドプロデュースという仕事については、僕は「表現したい対象を音でデザインすること」だと思っています。

──「対象を音でデザインする」ということについて、もう少し詳細を聞かせてください。たとえば「このクエストのBGMを作ってください」という依頼があった際、デザインする対象はそのクエスト全体になるのでしょうか、それともそのクエストの主題となる登場キャラクターが対象になるのでしょうか?

生亀 クエストの舞台設定、キャラクター設定や背景など、すべてですね。大々的に表には出ていませんが、『モンスト』はキャラクターの設定がかなり練られているんです。それぞれのストーリーはもちろん、どういった人物なのか、どういう武器を持って誰と戦っているのか、といった点まで設定されているので、そういった部分も意識して曲を作っています。

そのほかにも、特定のキャラクター間で関係値を持つキャラクターたちについては、その関係値も意識して曲を作っていますね。

──ひとつ具体例を出していただくことは可能ですか?

生亀 直近のものですとフェルシア降臨のBGMがわかりやすい例になるかと思います。

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▲フェルシアの超究極クエストは、2021年9月より期間限定で登場。同時期の“超・獣神祭”で実装されたカノンとは、切っても切れない関係にあります。

生亀 フェルシアというキャラクターは『モンスト』で人気のルシファーに強い憧れを持ち、「彼女のようになろうとしたがなれず、闇落ちしてしまった」という背景を持っています。BGM制作ではこの点に焦点を当て、ボス終盤のBGMはルシファーが獣神化したときのものをベースに作っています。

とはいえ、ただ原曲をベースに作り変えたのではなく「ルシファーになりたかったがなれなかった」という設定を活かし、ルシファーが獣神化した際のBGMの音を少し崩すような形に調整することで「完璧ではない」点を表現したという感じです。

⇒フェルシアのキャラクター設定はこちらでチェック!
⇒カノンのキャラクター設定はこちらでチェック!

──そこまで深くまで作り込まれていると、BGMという面からキャラクターに注目してみるというのも面白いかもしれませんね。では、BGM制作の具体的なフローをお教えいただけますでしょうか。

生亀 まずはキャラクターの設定や世界観、背景の資料を元にして曲のイメージを固め、そこで生まれたイメージを音に変換していきます。

とりあえずデモを作って思い付いたアイディアを音にすることもありますが、多くの場合は「そのイメージを音にするとしたらどんな音になるのか」を人に説明できるくらい、テキストで音楽的に言語化することが肝要だと思っています。

あとはイラストを見てメロディが浮かぶこともありますね!

──最初にイメージを固めるとのことでしたが、たとえば「このキャラクターでこの設定だったらロックだな」など、音楽のジャンルを固めるということでしょうか。それとも雰囲気を掴む、ということでしょうか。

生亀雰囲気を掴むというニュアンスのほうが近いですが、実際にはかなり具体的にイメージをするので、方向性を定めるといった感じですね。

たとえば、僕はまずキャラクターのイラストや設定を見て、まず曲調と使用する楽器を考えます。衣装が和風のキャラクターだったら、和楽器を使うかどうか。もしくは、和服を着ているキャラクターだけど、拳銃という少し洋風な要素があるならば、そのテイストをどこで入れようか、と。

先ほども挙げたフェルシアを例にすると、「“フェルシアは自分の娘(カノン)を研究室で作った”という設定があるので、クエストの道中には研究室を彷彿とさせるような無機質で金属的な響きのあるリズムを取り入れよう」というところまで考え、方向性を定めていきます。

そうして具体的に鳴っている音のイメージから曲の構成や盛り上がりのタイミングなど演出に関わる部分も固めて、実際に音をつけていく感じです。

──フェルシアは道中とボス戦とで、まったく違うイメージから曲作りがされているという認識でよろしいしょうか?

生亀 それぞれがまったく違うイメージから生まれたというわけではないですね。フェルシアは二面性を内包しているというキャラクター設定を持っているので、冷静な研究者・国の指導者といった部分、ルシファーに憧れる狂気を孕んだ側面でそれぞれ曲を作りました。道中では表の顔、ボス戦では裏の顔をモチーフに作成しています。

フェルシア進化前
フェルシア

▲フェルシア進化前(上画像)、フェルシア進化後(下画像)。進化前後のイラストからも、フェルシアが孕む二面性が確認できる。

──そういった設定から感じ取ったものをテキストにして制作されるということなんですね。ちなみに、フェルシアのBGMを作った際に書き起こしたテキストを見せていただくことは可能ですか?

生亀 フェルシアのときは、設定を見た直後にギターでメロディーを固めてしまったので、言語化していないんですよ(笑)。イラストを見て、「これだな!」とすぐ形になったので。

──それは残念(笑)。しかしテキストから曲にする、というのはおもしろいですね!

生亀 テキストにしておくとディレクションや共作する際に便利ですし、楽器ができて曲が作れる人だったら、キャラクターや原稿を見て音が出てくるということはかなりあると思いますよ。

──なるほど、そうなんですね。

生亀 イラストレーターの方をはじめ、ほとんどの方は何かに視覚情報という大きな情報を紐づけることでイメージの具体化をすると思うのですが、私たちにとっては音や旋律も大きな情報なので。

戸田 一般的に共感覚と呼ばれているものなのかもしれませんね。数字を見て匂いや色を感じる人がいるように、私たちは視覚情報からメロディーが連想されるんです。同業の方のお話を聞いていても、そういう方はかなり多いみたいです。

──まさしく職能といった感じですね!

生亀なので、曲作りはそういった感覚から来るものもありますし、あとは「この雰囲気ならばこの音色だな」、「こういうシチュエーションであれば、このコード進行だな」という知識と経験で作られた引き出しから作ることもできるので、イメージを固めてしまえば、音にするまでにそこまで時間はかかりません。

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──生亀様はゲーム内で使用される楽曲以外でも楽曲制作を担当されていらっしゃるのでしょうか?

生亀 ネオをはじめ、キャラクターPVのサウンドはすべて僕のチームで作っています。あとはイベント周りも担当していて、“XFLAG PARK”のオーケストラや“モンソニ!“ライブなどのイベントがそうですね。

“モンソニ!“の楽曲もほぼすべて手掛けていて、自身で作曲・編曲しているものもあります。

──2020年の“XFLAG PARK”では、落ち武者たちが踊るミュージカルのようなコーナーがありましたが、ああいった曲も生亀様が?

生亀 ミュージカルや演技といったものはイベントチームの担当になりますね。僕は“モンソニ!ライブ”や“モンストオーケストラ”の演奏やダンス、アレンジや演出など、音楽コンテンツをディレクションすることが多いです。ダンスに関しては、僕の知り合いの振付師の先生にいつもお願いしていまして、キャラクターに合わせたダンスを細かくオーダーしています。

──想像以上にお仕事の幅が広いですね。「音だけじゃないんだ!」と衝撃を受けました。

生亀 そうですね、かなり範囲は広いと思います。

戸田 生亀さんたち“サウンドプロデュースチーム”は、ゲーム内外を全般的にカバーしていますね。ゲーム内により特化した我々の“サウンドデザインチーム”と違うポイントです。

生亀 チームの主旨が「音楽コンテンツを担当する」となっているので、楽曲制作はもちろん、歌割りやライブ映像のカメラアングルを決めることもあります。また「各要素の延長線上に“音楽コンテンツ”がある」という考えをベースしているので、そこから逆算するような形で音楽コンテンツから派生するものも制作しているといった感じです。

──かなりの作品を手掛けられてたと思いますが、今後『モンスト』内や“モンソニ!”で挑戦してみたいことはありますか?

生亀 いい意味で『モンスト』らしくない、でもユーザーさんが聞いたときに「これは『モンスト』のサウンドだよね」というテイストのものを作っていきたいです。

──生亀様が思う“『モンスト』らしいサウンド”を言葉にするとしたら、どういったものになりますでしょうか?

生亀 メインテーマですね。『モンスト』を起動したときに流れる。

──おなじみの、あの曲ですね。

生亀 リリース当初からずっと変わらず、しかし何かしらのタイミングでさまざまなアレンジがなされてきた、あの曲ですね。キャラクターデザイン、UI、ゲームシステムなど、リリース時からさまざまな点がアップデートしてきている中で、音楽も負けないように『モンスト』らしさを活かしつつ、いい意味でサプライズを与えられるようなものを作っていきたいと考えています。

──これまで手掛けられた中で「とくに会心の出来!」と思うものがあれば教えてください。

生亀 先ほども出てきましたが、フェルシアのBGMは道中・ボスともにキャラクターと世界観にマッチしたメロディーを作れたので、とても気に入っています。

“モンソニ!”では、骸の楽曲である『式日ノカロル』です。日本のラウドミュージックシーンのアーティスト、エンジニアチームといっしょに作った曲なのですが、音作りやフレーズから、アーティストレベルでジャンルに特化してこだわって作ることは、ゲーム業界ではめずらしいかと。ゲームのキャラクターたちの楽曲でありつつ、アーティストとしても通用するレベルのものが作れたと思います。

──スマートフォンで使用される音楽ということで、コンシューマーゲームであったり一般的な音楽コンテンツとは異なる部分もあると思います。そこに関して、意識している点はありますでしょうか?

生亀 最重要視している点は、くり返し聴いてもそれに耐えられる楽曲を作ることです。

一般的な楽曲は演奏されたものなどを「聴く」ことで楽しむものですが、ゲームは「プレイ」するものなので。音楽に対する姿勢が、ふつうのリスニングとは異なっていると思うんですよね。なのでプレイのジャマにならないよう、でもBGMとしてしっかりと世界観を演出する背景的な存在となるような曲作りを意識しています。

でも、そこからうまく相乗効果が生まれて「このBGMが流れるクエストを体験したいからプレイする」という状況が作り出せたらうれしいですね!

──では逆にスマートフォンのBGMとして、くり返しに耐えにくいものというと、どういったものになるのでしょうか?

戸田 たとえば昨今のコンシューマーゲームのBGMですが、全部にメロディーラインがあるわけではないですよね。たとえばオープンワールドのRPGなどでは、音楽が背景になっているようなものも多くて。それ自体は意識に上らないぐらいのものですが、いざボス戦になると、何度も聴きたくなるような盛り上がるBGMが流れる。

なので考えかたがコンシューマーとスマートフォンではだいぶ違うかな、と思います。その点ではメリハリの“ハリ”の部分をすごく凝縮したエッセンスこそが、スマートフォンにおけるゲームBGMの肝かと。

──すごく腑に落ちました。そう言えば、先ほどお話にも出てきたフェルシアのクエストなどは周回を前提としたものですよね。だからこそメロディックかつヒロイックで、つい口ずさむような曲に仕上がっているのかと。ただ、たとえば禁忌の獄のEXクエストのようなものだと、かなりおどろおどろしい曲調になっています。こちらはどういった意図なのでしょうか。

生亀 禁忌の獄のシリーズに関しては、作曲家の桑原理一郎さんが作っているので、明確には申し上げにくいのですが……。我々の解釈で言うと、一ノ獄から始まり三十まで階層があるので、ストーリーの流れのようなものは意識して組まれていると思います。

なのでEXクエスト単体で独立したものではなく、「この流れでこのキャラクターが出てきたから、いままでと雰囲気を変えていこう」とか、そういった意図のもとに作っているのだろうな、いうことは感じています。

過去のコラボBGMでは完コピした楽曲も?

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──『モンスト』はかなりコラボコンテンツが多いですよね。コラボクエストでBGMとして使われている曲はすべて原作でも使われている楽曲だと思うのですが、その中で『モンスト』らしいアレンジを加えて制作されている曲というのはありますか?

戸田 基本的には版元さんからご提供いただいている音源を、なるべく使わせていただくようにしています。コラボでは原作の再現に重きを置いているので。それに、たとえば原作にブラス(金管楽器)を盛大に使っているような曲があった場合、適したスタジオを使わないと再現が難しいですから。

──「なるべく使う」ということは、それ以外のケースもあったのでしょうか?

戸田 権利や著作権の関係で使えない場合があったりすると、社内で完コピしたことも過去にはありました。気付かれてはいないでしょうが、無粋なのでそれをいちいち言う必要はないかなと(笑)。

──完コピは流石にわかりませんね。まったく知りませんでした……。

戸田 原作が好きなユーザーさんが最大限楽しめるようにすることが第一ですからね。

ただ完コピをするのはあくまでもレアケースで、基本的には原曲をそのまま使うことが多いです。原作が好きなユーザーさんが最大限楽しめるようにすることが第一ですから。

コラボクエストの中で「原作のあのシーンで流れてた曲だ!」と気付き、名シーンの想い出とコラボクエスト中での戦いを重ねるという体験は、コラボというイベントを彩るうえで、非常に大事だと思います。

おかげさまで原作再現という点でユーザーさんからは好評をいただけているようで、うれしい限りです!

SE制作からBGM監修まで
サウンドデザインの仕事とは?

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──戸田様がご担当されている“サウンドデザイン”とは、どういったお仕事なのでしょうか。

戸田 これがいちばん難しい質問なんですよね(笑)。業界でサウンドデザインという言葉が使われるようになってから、もうずいぶんと経つのですが……。ふんわりとした定義で作られている、曖昧な言葉なので「サウンドデザイン=こんな職種」というのが難しいんですよね。

──ジャンルや業界、会社によって仕事の内容が変わる職種、ということですか?

戸田 だいたいそんな感じですね。定義の大枠はあるので、職務内容がまったく異なるというわけではないのですが。

たとえば同じゲーム業界でも、“効果音を作る作業”をサウンドデザインと言っているところもありますし、その一方で音のバランスや音を出す順番を整理する作業をサウンドデザインと定義しているところもあるようです。なのでここでお答えできるのは、あくまでも我々のサウンドデザインチームでの話となります。

話をもとに戻しますと、私たちの仕事はゲーム内のSEやBGMの制作、そして音源からゲーム内に実装できるようにデータ化する作業も行っています。

──この時点でかなり多岐にわたっていますね。

戸田 このほかにも声優さんによるボイスデータをゲーム内に実装する際に、聞き取りやすいよう整えるのも仕事のひとつですね。あと、サウンドの監修なんかもしています。

──『モンスト』の音に関する監督、という感じでしょうか?

戸田 監督と言われると荷が重いですが、音に関する最終責任は私たちのチームが持っております。実際ゲームに実装されたときにどういう音になるか、どういうバランスで聞こえるのかは、我々がマネジメントしています。

──スマートフォンのゲーム環境ですと、端末から直接音を出すかイヤホンで聞くかで聞こえかたが違ってくると思いますが、そうした点も調整されているのでしょうか。

戸田 そのチェックもしています。『モンスト』はオフラインでマルチプレイをするユーザーさんが多くいらっしゃるので、イヤホン環境ではなく端末から直接音を出す環境を想定して、バランスを調製しています。もちろんイヤホン環境下でのチェックもしていますよ。あくまでも、どちらの環境を優先しているかという話ですね。

──それでは、サウンドデザインというお仕事を手がける上で意識していることや、大切にしていることをお聞かせください。

戸田 音で体験をデザインする、という意識が大事だと思っています。

包括的に見ると、我々がしていることは“ユーザー体験のデザイン”ですが、サウンドでできることはその一部でしかありません。なのでキャラクターのデザインやコラボのキャラのSS(ストライクショット)にどのような音を付ければ、より気持ちの良い体験になるのかを考えて作業をしています。

──ミュートでプレイする環境も多くありますが、たしかに音を出してのプレイのほうが気持ちいいですね! ストライクショットのSEが聞けるのと聞けないのとで演出のかっこよさ、気持ちよさが変わってきます。あと、宝箱やコインをタップで拾うときも音があったほうが気持ちいいですね。

戸田 宝箱やコインを拾う音は、気持ちよさという点もそうですが、それそのものに大きな意味があるSEなんです。コンシューマー機だとボタンを押した際に触覚にフィードバックがあるため、「自分で操作している」、「自分で取得した」という感覚をしっかりと受け取れるのですが、スマートフォンは画面をタップした際に触覚へのフィードバックがありません。

音というのは、このフィードバックを補うひとつの手法なんです。

──なるほど。こうして音に意識して『モンスト』に触れてみると、かなり大量のSEが収録されていそうですが、だいたい何種類ぐらい入っているのでしょうか?

戸田 実際に数えると、そこまですごい数ではないと思います。おそらく2000~3000個くらいかなと。

──十分に多いと思います(笑)。ちなみになのですが、SEというのはどのように作られているのでしょうか? 楽曲制作では「楽器を使っているんだろうな」、「打ち込みをしているんだろうな」という想像が付くのですが。

戸田 実際に作業画面を見ながら聴いていただくことがいちばん早いのですが、まずは概要から説明させてください。

たとえばストライクショットのSEを作るときですが、「シュイーン……ドゴーン!」みたいな音を作るとなった際、「シュイーン」は「シュ」という音と「ヒュイーン」という音を組み合わせ、「ドゴーン!」は「ドォォン」と「ゴン!」という音を組み合わせて作ります。

このように、たくさんある音の部品から素材を探し、一部を切り取ったりエフェクトをかけたり、調整しながら組み合わせて作っている感じです。

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▲実際の作業画面はこちら。効果音ひとつとっても、非常に多くの素材が重なっていることがわかります。

──たくさんの音が組み合わさって、ひとつのSEになっているのですね。ひとつのSSの効果音には、何種類ぐらいの音が重なっているのでしょうか?

戸田 使用する素材の数はまちまちで、いちばん多く重ねたので30種くらい、ものによっては10種ぐらいで収まっているものもあります。コラボキャラのSEは演出が含まれて長くなることが多いので、その分使用する素材の数も多くなりがちですね。

──たくさんの音が組み合わさって、ひとつのSEになっているのですね。部品として使われているひとつひとつの音は、汎用的な素材なのでしょうか? それとも部品ひとつひとつも制作されているのでしょうか?

戸田 昔は素材から作ることもありましたけど、最近はライブラリーにある素材を使うことがほとんどですね。というのも、『モンスト』のSEは開発期間が短く、大がかりなことをするのが難しいんです。たとえば1週間、早いときには3日でSEを実際に組み込むところまでもっていく必要があるので。

それに最近はライブラリーとしてメーカーから提供される音も高品質で種類もかなり多くなっているので、自分で録る必要がなくなったという要因もありますね。

ただ先日、うちのサウンドデザイナーが企画から「コーヒーを吹きだすような音がほしい」とオーダーされたらしく、「それはさすがに自分で録ったよ」と言っていました(笑)。

──ちなみに5~6秒のSEを作成する際、完成までにはどれくらいかかるのでしょうか?

戸田 デザイナーにもよると思いますが、僕の場合は短いものだと4時間くらい、長いものだと丸1日かけることもありますね。とくにコラボキャラのSEだと、原作と見比べたりもしますし、そのシーンの分析をしながら「AとBの素材を足したら近づけるかな」と試行錯誤をするので、だいたい1日作業になりますね。

音を単純に組み合わせるだけではなく、それぞれの音を加工しながら重ねていくのでどうしても時間はかかってしまうんですよね。手の込んだカレーを作るような感覚に近いのかも? 素材ひとつひとつに、しっかりと下ごしらえをして煮込み、それを何度もくり返して納得のいくまで試行錯誤をくり返すので。

──たしかにコラボキャラのSSはほとんどが固有のものなので、SEを作るのも大変そうですね。では「ここだけの話、じつはキャラクターAとBのSSの音は同じなんですよ」というものはありますか?

戸田 これは断言できますけど、ないです。すべてオーダーメイドで作っています。もちろん、大号令とかパワーアップのように共通する部分を持つものはありますが、基本的にすべてゼロから作っています。

毎週見ている『モンストニュース』
じつはかなりの“整音”がされていた

──SEのお話、とても興味深かったです。戸田様がほかに担当されている領域はあるのでしょうか?

戸田 『モンストニュース』の整音をしていますね。

──整音とは?

戸田 たとえば収録時、どうしても空調音やノイズなど声以外の音が収録データに乗ってしまうことがあります。こうした雑音はふつうに聞いているだけでは気付きにくいのですが、少しでも声を聞こえやすくするため音量を上げていくとノイズのボリュームも上がって、はっきりと認識できるようになってしまうんですよね。整音とは、こうした雑音を除去する作業です。

──いつも見ている『モンストニュース』にも、深く関わっていらっしゃるのですね

戸田 『モンストニュース』はスマホやタブレット、PCやテレビなど、さまざまな環境で見られているコンテンツだと思います。だからこそ、環境次第で聞きづらいようなことがあるのは、もったいないと思っていて。そこで単なる整音だけでなく音質の調整も行った感じですね。

─これはやはり、昨今の情勢を受けて演者さんが別々の環境で収録をしてプレミア公開するようになったことに起因するのでしょうか?

戸田 おっしゃる通りです。最初はリモートでの収録で、演者さんがそれぞれの環境で収録したものをそのまま合体させて動画にしていたのですが、ユーザーさんから「音質が悪い」というご指摘をうけまして。それなら、私たちサウンドがケアするのがベストだろうということで、2年ほど前から対応をしています。

『モンストニュース』は情報量が多く、なおかつ多くのユーザーさんから注目を浴びるコンテンツですから、すべての情報をしっかりと届けるために音質によるロスはあってはなりません。

仮に、なにか聞こえなかった一言があった場合、その一言はユーザーさんにとっては存在しなかった一言となってしまいます。音質をケアし、そうした事態が起きないようにすることもユーザー体験のデザインのひとつだと思うので、取り組ませてもらっています。

『モンスト』の音に深く携わる両名のバックグラウンドとは

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──生亀様はミクシィに入社される前は、どのような形で音楽に携わっていらっしゃったのでしょうか?

生亀 僕はコンポーザーとして、アーティストさんや声優さんへの楽曲提供や、アニメやゲームの楽曲制作を担当していました。

──作曲がメインだったんですね。いまのディレクションも含めたお仕事とはまた違っていたと。

生亀 そうですね。制作の仕事をする中で「オーダーされた曲をつくるよりも、どんな音楽が必要か考えてコンテンツをつくる仕事がしたいな」と思いまして。なので、もともとゲーム業界にいたわけではありませんでしたね。

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──戸田様はいかがでしょうか?

戸田 自分はいろいろと回り道をしてきたタイプですね。音に携わる仕事のスタート地点はドワンゴさんでガラケーの着メロ作る仕事からで、そこからよりクリエイティブのほうに寄りたく、ゲームやアニメ関連の楽曲やBGMなどを作っていました。

それから事務所にも所属し10年ほど活動していましたが「やっぱりゲーム作りに携わりたいなぁ」と思い、ゲーム業界に戻ってきた次第です。

──もともとSEを作りたい、という考えはあったのでしょうか?

戸田 当時はBGMを作るほうが好きでしたね。SEを作ることはありましたが、比重として大きくはありませんでした。ただ、『モンスト』のプロジェクトに関わらせていただいてからは、SEを作る頻度が爆発的に増えまして。SE作りはBGM制作とは異なり、体験をデザインするという点にダイレクトに関われるので、特有のおもしろさがありますね!

──おふたりとも『モンスト』ではかなりの作品を手掛けられてきたと思いますが、中でもお気に入りのものがあれば教えてください。

生亀 基本的には最新の楽曲がお気に入りですが、いまだと“モンソニ!”の骸の楽曲、『式日ノカロル』ですね。

あの曲は、アーティストたちといっしょに、とにかくこだわって作れました。いちばん手応えがありましたし、出来上がったときに「こんなにもいいものが作れた!」という感動も得られました。作り込みという観点で見れば、いちばん達成感があった仕事でもありましたね。

数秒のフレーズを何回も録り直したり、「キメのフレーズの響きが違う」とエンジニアの方と何テイクも試行錯誤したりと苦労はありましたが、その甲斐あって納得の1曲に仕上げられました。

──まさにバンドのレコーディングを地でいっていますね……!

生亀 ご参加いただいたアーティストの方々はいずれもエンジニアお墨付きの腕前の持ち主なのですが、映像制作の都合で僕の方で完成させたアレンジを完全にコピーしなくてはならない状況になりまして。2曲の収録に1日かけましたし、彼らのキャリアの中でもなかなかに大変なレコーディングだったのではないかと……。

そういったご協力もあって、あれほどの手応えが得られる曲になったのだと思っています。

──では、これまでの中でもっとも楽しかったお仕事はどれになりますか?

生亀 “XFLAG PARK”の仕事は毎回楽しいですね! オーケストラや“モンソニ!”ライブ、そして獣神化の発表にも演出で携わっているので、いろいろな試みができるんです。

そうして準備を重ねて獣神化発表をした際に、会場やオンラインで見てくださっている方が大盛り上がりしてくれるのは、本当に嬉しいですし、ともにその瞬間を迎えるのも楽しいです。リアルでユーザーさんの反響を見る機会ってあんまりないですから、イベント周りの仕事はとても楽しいです。

ここ数年はオンライン開催となっていましたが、今年はオフライン開催が予定されていますから、いまから楽しみです!

──獣神化発表の演出にも関わっていらっしゃるんですね!

生亀 たとえばPVの前に暗転して、音だけが先行で流れたり、そういった演出は僕たちのチームの提案です。その案の採用が決まってからは、実際に曲を作成するなどして携わっていました。

──戸田様はいかがでしょうか?

戸田 お気に入りの曲は、周年の際にホーム画面で流れる曲ですね。もとは桑原理一郎さんが作った『モンスト』のテーマなのですが、それを「周年の期間だけ流すものとして、ホーム画面でテンションが上がる感じにアレンジしてほしい」とオーダーを受けて、自分がアレンジを担当しました。手前味噌ながら「あれはとてもよくできたなあ」と思っています(笑)。

アレンジバージョンは6周年の時に制作したのですが、実は曲中で5拍子から6拍子に切り替わるようにしてあります。5周年から6周年へ切り替わるように、周年を積み重ねてどんどん進化していくモンストになぞらえて、こんな仕掛けにしてあります。

──現在メインで担当されている、SEに関してはいかがでしょうか? 会心の出来と思えるものや、記憶に残る楽しいお仕事はありますか?

戸田 正直、全部楽しいですね!(笑) とくに毎回コラボが始まると、「みんながどういう反応をしてくれるかな」とワクワクしますし、ひとりのユーザーとしても楽しめているので、本当に全部楽しいです!

──では逆に、これまででいちばん苦労したお仕事はありますか?

生亀 カバー曲のライブ映像の制作では苦労しましたね。アレンジ楽曲を使った映像になるのですが、原曲に負けないような可愛さを表現するために、ダンスや歌、編曲はもちろん、カメラのアングルにもこだわり、いい挑戦ができた仕事だったと思っています。

ただ、苦労はしましたが楽しかったですね(笑)。ひと通りディレクションしていくという作業は非常にハイカロリーでしたが、新しい挑戦ができたので。

僕はサウンドの責任者ではありますが、映像に関しては専門領域ではありません。なので映像関係の方に「こうやりたい」と相談しつつ、方向性を調整していくのは本当に大変でした。

でもこうした苦労の末、そしてみんなの協力のおかげで、すごく納得のいくかわいさが表現できたので、よかったと思っています。

──戸田様はいかがですか?

戸田 エクスカリバー(進化)で初出となったアビリティ:プロテクションのSE作成は苦労しましたね。クエスト開始時やステージ遷移時、エクスカリバーが保護膜のようなものを纏う瞬間に流れるSEなので、ほんの一瞬しか流れない音なのですが……。ものすごくテイクを重ねています(笑)。

──あの「フォァアーン」といった独特の音ですね。

戸田 プロテクションは印象としてバリアのようなものにも感じますが、ルシファーなどが持つバリアとは効果はもちろん見た目も違いますよね。なので音を作るにあたって、あの保護膜がどういった質感なのかを知る必要がありまして。

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──流石に堅いとは思いますが、材質としてはどうなんでしょう……?

戸田 なのであのエフェクトを作ったVFXデザイナーさんに「あれはどんな質感ですか? 金属っぽい感じですか?」と質問を投げかけつつ、すり合わせをしてSEを作っていきました。未知の物質(?)の質感を想像して音を作るという作業に苦労はしましたが、結果的にはいいものが完成したと思っています。

後にアルセーヌにもプロテクションのアビリティが付くと知ったときには、あの時の記憶が甦りましたね(笑)。

──それでは最後に、『モンスト』ファンに向けてメッセージをお願いします。

生亀 これからも期待に応えられるような音楽を作っていくので、楽しみにしていてください!

戸田 とくにコラボイベントを開発するときは、サウンドチームだけではなくデザイナーも企画も、みんな原作を穴が空くほど見て楽しんで、原作がめちゃくちゃ大好きになってから作っています。

開発を始めるときには何も知らなかった人が、終わる頃には大ファンになってるような話もゴロゴロあります。「そんな人たちが作っているんだな」と、プレイ中に思いを馳せていただければうれしいです。

──本日はありがとうございました。

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モンスターストライク

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