『クラロワ』無謀過ぎる企画“0から100日8000道”を達成したライキジョーンズさんにインタビュー!企画の苦悩や天界を目指す心得を訊いてみた
2021-10-02 12:00
2017-04-26 10:20 投稿
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クラッシュ・ロワイヤル
2017年4月25日、ネクソングループが主催する最大規模のゲーム開発者向けカンファレンス“Nexon Developers Conference 17”(以下、NDC17)にて、『Hay Day』や『Boom Beach』を手掛けたスーパーセルのプロジェクトマネージャーTimur Haussila氏によるセッション“Supercellのゲーム開発におけるアプローチ”が行われた。
よりよいゲームを開発するために必要な組織の在りかたについて、スーパーセルの取り組みと併せて紹介した。
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フィンランドのヘルシンキに拠点を置くスーパーセルにてプロジェクトマネージャーを務める。
過去5年間、『Hay Day』や『Boom Beach』、そのほか多数のプロジェクトの開発を率いる。2009年ヘルシンキのデジタルチョコレートスタジオにて基本プレイ無料のゲーム業界でのキャリアをスタートさせた後、プロジェクトマネージャーとして、ゲーム内の経済システム、ゲームループのデザイン及びゲームポートフォリオ戦略のサポートを手掛けた。
その後はアイデアを具現化し、グローバルヒット作を開発するまでのプロセス全体の統括を担当している。
ゲームを開発する組織において、「上司の指示でコントロールされる組織よりも、ゲームを開発する開発チームが意思決定権を持ち、より開発者に自由を与えることが大切だ」とTimur Haussila氏は語る。
初めに、上司からのコントロールを説明する際、Timur Haussila氏がスーパーセル入社前に働いていた会社“デジタルチョコレート”時代の、“上司が戦略を策定し部下に指示を与えるやりかた”を例に挙げた。
その方法に対して「もちろん、しっかりとコントロールされた職場でゲームを作ることもできるが、真に革新的なものを望むのであれば、管理者のコントロールは最小化することが適切だ」と付け加えた。
ゲーム開発において、「管理者が何もかも指示を出すことは、現場の人間の当事者意識が薄くなることを意味する」とTimur Haussila氏。
この状態では、開発の現場が本来意識すべきゲームユーザーを意識せず、上司の顔色を伺うような、ゲームユーザー以外のニーズを満たそうとしてしまい、結果的にゲームのクオリティが下がってしまうと言う。
続いて、“自由にゲームを作る環境を作りたい”という思いから生まれたスーパーセルの組織体制が紹介された。
スーパーセルでは、“開発者チームがリーダーとなり意思決定”を行っている。これは、上司によってコントロールされる官僚主義の会社とはまったく異なり、現場のデザイナーやプログラマーが主体となって良し悪しを判断していく、というものだ。
Timur Haussila氏は、「これにより上司のチェックが無くなり、顔色を気にすることがなくなる分、スピーディな意思決定を行うことできる」とコメント。チームに誰を入れるか、どんなアイデアを生み出すかまでチームが判断をすることで、チームが主体的に動くことを狙っている模様。
上司によるコントロールは職場の環境管理や拡張など最低限に届め、開発チームの意見を尊重する組織がゲームを開発する上でスーパーセルでは非常に重要な要素となっているようだ。
スーパーセルでは、スタッフが意識すべき優先順位に明確な指標を設けている。まずは会社“スーパーセル”のことを考えること。つぎにそのゲームの開発チーム。最後に個人の順番だ。
例として、『スマッシュランド』を開発チーム自身が終了の決定をしたことが挙げられた。当時、そこそこの収益を上げていた本作を、“これがスーパーセルにとっていちばんなのか、何年にも渡ってリソースをコミットすべきなのか”という観点から、あまり有望ではないと開発チームが判断。
チームは、後に誕生することになる『クラッシュ・ロワイヤル』(以下、『クラロワ』)の開発に合流。この『クラロワ』に注力しようと決めたのは上司ではなく、現場の開発者であったとTimur Haussila氏は言う。
当時、スーパーセルのCEOは「リアルタイムPvPなんて誰もやらない、売れるわけがない」と言い放っていたが、開発チームはこれに対して「ご意見ありがとうございます、それでは開発を続けさせていただきます」と意に介さず開発を続投。結果的に開発チームの意見を優先したことで大ヒット作品の誕生に至ったという。
このときCEOの意見を尊重し開発を中止していたら、『クラロワ』は生まれていないかもしれない。
「短期的な指標にとらわれず長期的な視点を持つこと、また開発の意見を許容する上司の姿勢が大切だ」とTimur Haussila氏は続けた。
「リスクが無ければ学びが生まれない、上司は開発者のリスクによる失敗を許容し、開発者に失敗する余裕を持たせることが必要」とTimur Haussila氏は語る。
事実、スーパーセルでは、開発チームに意思決定を委ねていることから積極的にリスクを選択し、新たなゲーム開発に取り組んでいる。しかし、それらのゲームのほとんどはリリースには至っていない。“本当にユーザーが楽しめるゲームか”という開発チームの高いハードルを超えたゲームのみが世に贈り出されている。
“人々の生活の一部になるゲームを作る”、“何年も人々に遊んでもらえるゲームを作る”というス―パーセルの高い目標がしっかりとゲームを精査することに繋がっているようだ。
「モバイルゲーム市場は飽和状態で、これ以上の発展は見込めないのではないか?」という意見もささやかれているが、Timur Haussila氏は「2016年は『ポケモンGO』と『クラロワ』という、いまや世界中で遊ばれているスマホアプリがリリースされている」、「才能と根性と運があれば、トップマーケットの地位を治めることができる」と続ける。
Timur Haussila氏は「“組織”は人のために作られているもの、ゲームを楽しく作るためには組織の在りかたも十分検討する必要がある」というメッセージを残し、セッションを締めくくった。
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【『クラロワ』攻略まとめ』】 |
対応機種 | iOS/Android |
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価格 | 無料(アプリ内課金あり) |
ジャンル | リアルタイムストラテジー |
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メーカー | Supercell |
公式サイト | https://clashroyale.com/ja |
公式Twitter | https://twitter.com/ClashRoyaleJP |
配信日 | 配信中 |
コピーライト | (c) 2016 Supercell Oy |
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