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インディーデベロッパーが失敗から学んだカジュアルゲームデザインの哲学【NDC17】

2017-04-27 02:10 投稿

6000万DLのヒット作『Rodeo Stampede』を開発したオーストラリアの小規模なチーム

2017年4月25日から27日の3日間開催されている、ネクソングループ主催のゲーム開発者向けカンファレンス“Nexon Developers Conference 17”(以下、NDC17)。
25日に行われたオーストラリアのインディーデベロッパー、Featherweight Gamesによるセッションをリポート。
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1iネクソングループ主催によるゲーム開発者向けの大規模カンファレンス“Nexon Developers Conference 17”が開幕【NDC17】
ネクソングループが主催する最大規模のゲーム開発者向けカンファレンス“Nexon Developers Conference 17”(略称、NDC17)が、2017年4月25日より韓国・ネクソンコリアにて開催された。
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▲登壇したDylan Bevis氏はFeatherweight Gamesの創業者であり、『Rodeo Stampede』と『Skiing Yeti Mountain』のクリエイターを務める。共同創業者であるTim Kaldor氏も登場しスピーチを行った。

Featherweight Gamesがこれまでに制作したタイトル

Featherweight Gamesはオーストラリアのシドニーに拠点を置くインディーデベロッパーで、Dylan Bevis氏とTim Kaldor氏のふたりという極小規模な人数で活動をしている会社。活動を始めるまではふたりともゲーム開発の経験はゼロだったという。

立ち上げから3年間で以下、3つのモバイルゲームをリリースしている。

em1Enterchained
(2014年配信)
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▲鎖につながれた相棒とともに闘技場で生き残るために戦うアクションゲーム。自動で攻撃をくり出す相棒を鎖でうまく導きながら戦うのがカギ。

(c)2014 Featherweight

ski1Skiing Yeti Mountain
(2015年配信)
ski1ski2
▲スキーを題材にしたカジュアルアクション。左右にスワイプしながらスキー独特の慣性で動くスキーヤーをうまく操作し、ポールをくぐっていけばクリアー。約800ステージを収録。

(c)2015 Featherweight

rodeo1Rodeo Stampede – Sky Zoo Safari
(2016年配信)
rodeo1rodeo2
▲世界6000万DLを記録したカジュアルゲーム。プレイヤーはロデオスターになってさまざまな動物を捕獲。捕獲した動物たちで自分だけの動物園を作ることが可能。

(c)Featherweight Games
Dylan氏は「1作目の『Enterchained』は悲惨な結果に終わりました。つぎの『Skiing Yeti Mountain』はまぁまぁの成功、そして3作目の『Rodeo Stampede』では大きな成功を収められました」と、これまでのタイトルを振り返った。

初期2作から学んだ反省点

モバイルゲーム以外も想定した企画だった一作目の『Enterchained』は、もともとふたりプレイ用ゲームを想定していたものをひとりプレイ専用に変えるなど、紆余曲折を経てモバイルゲームに。「このときは、iPadでダウンロードできないなど問題がいろいろだった」とDylan氏。

2作目の『Skiing Yeti Mountain』では、有料アプリを想定していた企画を無料アプリしたりなどの変更はあったが、最初からモバイルゲームとして制作。メディアの反応もよく200万DLを記録。収益も88万ドルと、「大きな企業では満足のいく数字ではないだろうが、我々のような小さな企業では十分な結果だった」という。

ただし、ここでも無料アプリとして成り立たせるためのマネタイズの仕組みがうまく設計できなかったこと、そして何人がプレイできるかわからない800ものステージを最初から用意したため開発期間が3ヵ月で完成させる予定が倍の6ヵ月になったことを反省点として挙げた。

これらの反省を活かして制作されたのが、3作目の『Rodeo Stampede』だ。当時人気だった無料のカジュアルゲーム『クロッシーロード』を手本に、広告収益の仕組みやテンポの良さ、グラフィックのかわいさなど、よい部分をすべて取り入れることで、大人から子どもまで多くの人にアプローチすることを実現することになる。

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▲2014年に配信され世界で好評を博した『クロッシーロード』。ピクセル調のグラフィックで表現されたかわいいキャラクターを操作し、さまざまな障害物を避けながらどこまで進めるか挑戦するアクションゲーム。

「コストの問題で6ヵ月での完成を目指したが、今回も倍の12ヵ月かかってしまいました」とDylan氏は笑いながら語った。

開発に時間がかかってしまったものの、配信されて最初の1週間で400万DLを記録。6週間に1回のペースでアップデートをすることで、定期的に注目度も高め、現在までのDL数は6000万件を突破。大きな成功を果たすことになる。

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カジュアルゲームで大切にすべきこと

3作目にして大ヒット作の開発に成功したFeatherweight Games。彼らのカジュアルゲームに対するこだわりはどこにあるのか。共同創業者であるTim氏から語られたポイントを、最後にいくつか紹介しよう。

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◆リバイブアド(コンティニュ―時の広告)を見せるのはプレイが終わってから
大抵のカジュアルゲームでは、ゲームでミスをしたあと続けてプレイするためには広告動画を見る必要がある。Featherweight Gameはこれを嫌って、ここにひとつ工夫を凝らした。

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コンティニュ―時に広告動画の再生をプレイ終了後に流すようにして、プレイヤーのゲーム体験を途切れさせないようにしたのだ。「プレイヤーの感情として、プレイ失敗後よりも成功体験を得られたときのほうが、広告を見てくれるようになった」と話す。

◆難しい操作は最初にいちばん最初に覚えさせる

『Rodeo Stampede』はランアクションのようなワンタッチ操作のゲームではなく左右に移動しながら障害物を避け、ほかの動物に飛び移っていくという複数のアクションを駆使して遊ぶタイプ。

操作でいちばん難しいのは指を離してジャンプし、ほかの動物に飛び移る際に再度タップするという飛び移りのアクション。チュートリアルを操作の簡単な順に始めるとしたら、スワイプによる左右の移動になるが、それを覚えさせてからだと、うまく動物に飛び移れなくなる人もいるので、チュートリアルの順番を入れ替えを行った。

これによってユーザーにゲームを理解してもらうことがスムーズになったという。

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▲ジャンプ→飛び移りの操作チュートリアル時は、左右の移動はロックされた状態。
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▲飛び移りを覚えたあとに、左右に自由に動けるようになる。

◆必要以上のシナリオ(文字)は必要ない

2作目の『Skiing Yeti Mountain』には、プレイヤー以外のキャラクターが登場し会話をするストーリー性も含まれていた。だが、カジュアルゲームを求めてた人にとってはあまりよい要素ではなかったと振り返る。カジュアルゲームはすぐにプレイを始められることが重要。

3作目の『Rodeo Stampede』では、テキストは必要最低限に、世界観や物語性は絵やキャラクターの動きで十分理解できる作りになっている。

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▲良かれと思って入れた要素が、プレイヤーのテンションを落としてしまう要因になってしまうことにも。

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