ネクソングループ主催によるゲーム開発者向けの大規模カンファレンス“Nexon Developers Conference 17”が開幕【NDC17】

2017-04-25 23:11 投稿

100以上のセッションが行われるゲーム開発者ための祭典!

ネクソングループが主催する最大規模のゲーム開発者向けカンファレンス“Nexon Developers Conference 17”(以下、NDC17)が、2017年4月25日より韓国・ネクソンコリアにて開催された。

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世界中から多くのゲーム開発者が集い、ゲーム開発や運用に関するノウハウ・経験の共有を目的にした本イベントは、4月25日から27日までの3日間に100以上のセッションが予定されている。セッションは『HIT』などネクソンが配信を手掛けるゲームの開発者によるもののほか、スーパーセルやコーエーテクモゲームスなど国内外問わず多くのゲームメーカーが参加。

ファミ通Appではモバイルゲーム関連のセッションを中心に本イベントをリポートしていく。

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▲4月25日から27日までの3日間開催されるこのカンファレンス。初日はネクソン代表取締役社長のオーウェン・マホニー氏が登壇。「『オーバーウォッチ』は確立されたジャンルに、革新を起こしました。 また、『ポケモン GO』は全く新しいジャンルを形成しました。いまのゲーム業界にはより多くの挑戦が必要であると考えています」というオーウェン氏のウェルカムスピーチで本イベントの幕が上がった。
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▲会場の外ではネクソン社員によるビッグジャズバンドが演奏する“ゲーム音楽ストリート公演”なども行われ賑わいをみせた。
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▲ネクソンコリア社内では、ネクソン関連のタイトルのイラストやコンセプトアートがたくさん展示された“NEXON ART EXHIBITION”なども開催。

『マビノギ』ディレクターが語る10年後のゲーム開発

ウェルカムスピーチに続いて、PC向けオンラインRPG『マビノギ』などを手掛けたネクソンWHAT!STUDIOのディレクター、イ・ウンソク氏が登壇。人工知能(AI)が現在より発達した十年後を見据えて、将来もゲームを開発するためにいまからすべきことを語る基調講演“第4次産業革命時代におけるゲーム開発”が行われた。

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▲『マビノギ』アートディレクター、『マビノギ英雄伝』ディレクターを歴任したイ・ウンソク氏。現在はスマホ向けゲーム『野生の地:Durango』の開発統括ディレクターを務める。

「一昨年前のNDCでお話しした“いつかはゲーム開発ロボットも登場するのではないか?”ということを今日は詳細に話していきます」というウンソク氏の言葉で始まったこの講演。冒頭では、日本でもなじみ深い『ドラえもん』のエピソードを例に、人工知能とコンテンツ作りの将来像を語った。

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例に挙げられたのは、ドラえもんが持ってきたマンガを作ってくれる機械“まんが製造箱”のワンシーン。好きな作家のマンガなど既存のマンガをセットすることで、機械が絵柄や作風を学習。その機械にさまざまな注文をして、絵柄や作風をアレンジした新しいマンガを作れる、というもの。エピソードでは“手塚先生”のマンガをセットし、のび太が「SFの冒険もので笑いあり涙ありの250ページの読み切り」とマイクで注文し、機械がそれを精製。

「昔はこれが空想上のものだと誰もが思っていましたが、いまとなっては真剣にこれを考えなければならないほど人工知能が急激に発達してきています。いつかはゲームもこのような形で作れるようになるのではないかと思いました」とウンソク氏は言う。

人間の仕事が人工知能にどんどん置き換わっていくようなゲーム開発時代が到来したとき、人間は何をすべきなのかという点に焦点を当てて話を続けた。

人工知能がどのようにゲーム開発に関わってくるのか。人口知能にさまざまなパターンを学習させ、人間が簡単な指示を出すだけで自動化できる例として以下のものが挙げられた。

・人工知能によるテストプレイ&レベルデザイン(バランス調整)の自動化

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▲休みなく可動できる人工知能でテストプレイが可能になれば、ゲームの問題点も見つけ放題?

・簡単な背景アートなどの自動化

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▲ファミコンの『悪魔城ドラキュラ』のワンシーンの背景グラフィックを人口知能に制作させたもの。ファミコンのさまざまなグラフィックを人口知能に覚えさせて、テイストを指示するだけでこのようなものが仕上がる。

・写真1枚を使ったアバター制作の自動化

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▲現在でも低解像度の写真1枚からこのレベルのアバターが制作可能だという。

さらに囲碁などで現在は“勝つこと”が目的とされている人口知能も、プレイヤーが最善を尽くして競り勝つような局面を演出できる“人間が楽しくプレイできる”ことを目標にした人工知能も理論上では可能だという。

では、パターンがあるものは何でも人工知能が自動化できるような時代がやってきたとき、ゲーム開発では何が重要なになるのか。

企業の観点では”IPとブランドを作ること”。『ポケモンGO』と、その前身にあたる『イングレス』の人気の比較を例に、人工知能では創造することが難しい魅力的なIPを生み出すことは、未来でも人間の仕事として大切だとウンソク氏は語る。

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▲同じようなゲーム性でも魅力的なIPが載るだけで100倍以上も注目度の度合いに違いが。

そしてゲーム開発個人は、パターン化できない仕事を見つける姿勢や、まわり人間に対して理解や共感、交渉の能力など、“人工知能が苦手とする分野”で仕事をすることを挙げた。

「プログラマーであれば、与えられた仕事を単にこなすだけでなく、与えられた仕事の意図を理解してアクティブに交渉しながら仕事をしていくことがゲーム開発で長く生き残れる方法」ということを来場したゲーム開発者たちへのメッセージとした。

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