『べイングローリー』 大型アップデートや初の世界大会など今後の展望を開発元のCEOに直撃【TGS 2016】
2016-09-20 16:55 投稿
『べイングローリー』の気になる展開をSuper Evil MegacorpのCEOに聞いた
今年で配信開始1周年を迎えた、Super Evil Megacorpの『Vainglory(べイングローリー)』。
RTS(リアルタイムストラテジー)をベースに、RPGとアクションの要素も併せ持つMOBAと呼ばれるジャンルである本作。メインモードがPvPで、3人1組で2つのチームに分かれ、味方と協力しながら、敵チームの本拠地を破壊して勝敗を競う、対人戦ならではの白熱したバトルを楽しむことができる。
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その『べイングローリー』、2016年9月15日に秋の大型アップデート”オータムシーズン”を実施。さらに、2016年12月には本作の第一回世界大会を開催することも決定している。
そこで今回、Super Evil MegacorpのCEOであるボー・デイリー氏へのインタビューを実施。配信から1周年を迎えた『べイングローリー』の直近に実施された大型アップデートや世界大会について話を聞いた。
――『ベイングローリー』配信からこれまでの、国内での盛り上がりについてどう感じられていますか?
ボー・デイリー氏(以下、ボー) これまでの日本の状況にはとても満足しており、うれしく思っています。当初、独自のゲーム文化を持つ日本では、本作は受け入れられにくいのではないかと思っていました。『ベイングローリー』は、従来の日本で遊ばれているゲームとは少し異なる体験なのですが、とても温かく受け入れていただきました。日本では他国よりも1日あたりのプレイ時間が長い傾向にあるほどです。
つぎにeスポーツとしての『ベイングローリー』についてですが、日本でもかなり定着してきています。日本ではeスポーツ文化そのものが、他国と比べてまだそれほど大きくありませんが、『ベイングローリー』のプレイヤーは7割程度がeスポーツにとても興味を持っています。プレイする側、観客として見る側、双方とも興味を持っていただいていて、全体の約半数が『ベイングローリー』の大会を定期的にチェックしている状況です。日本はモバイルゲームの文化や市場がとても大きいため、チャンスがあるのではないかと考えています。
MOBAというジャンル自体、日本ではまだそれほど普及していないと思います。『ベイングローリー』をプレイしているユーザーの多くにとって、本作が初めてのMOBA。そのジャンルに親しんでもらえたという面でも、すごくうれしく思っています。
――日本ではまだめずらしいジャンルということもあり、リリース時は初心者には敷居が高いイメージがありました。直近で初心者が始めやすい土台が整ったということですが、具体的にはどのあたりを初心者向けにアレンジしたのでしょうか?
ボー 今年に入ってコアゲーマー以外からも受け入れられやすくなるように、チュートリアルをより丁寧にしたり、“大乱闘モード”と言う、よりカジュアルなモードを追加しました。通常の試合だと1試合20分ぐらいかかるところを、7分~10分くらいの短い時間で遊べるモードです。
あとはクエスト達成報酬だったり、毎日ログインすることで報酬がもらえる機能の追加。よりカジュアルなプレイヤーにも楽しんでいただけるようにしています。
さらに1.22のパッチからは操作系を変更し、スマートフォンでの操作がより直感的に行えるようになりました。
――日本ではタブレットより、スマートフォンを使っている人が多い印象があります。スマートフォンでの操作性を向上しようという動きには、こういった要素の影響もあるのでしょうか。
ボー おっしゃるとおりで、日本はもちろんですし、世界の多くのユーザーはスマートフォンで遊んでいます。私たちのオフィスでも半数程度はスマートフォンでプレイしています。タブレットでも問題なく楽しめるのですが、スマートフォンでもよりよい体験ができるよう、今回の変更を加えました。
大型アップデートについて
――先日実施された、秋の大型アップデートの内容について教えていただけますか?
ボー このアップデートで、友だちといっしょにプレイしたくなるようなアップデートを行いました。『ベイングローリー』をまだプレイしていない友人をゲームに誘いやすくなる機能として、FaceBookやTwitterで友だちを招待できる機能を追加しています。また、チャット機能に変更を加え、つねにゲーム内のチーム、ゲーム内の友人とチャットできるようになっています。
あとは先ほど申し上げた通り、スマートフォンでのプレイヤーにも最高な体験をお届けできるよう、操作系に変更を加えました。タップするボタンを画面端に移動させたことで、親指でプレイしやすくなっています。さらに初心者の方でも直感的にプレイできるよう、長押しでの移動が可能になったほか、カメラシフト機能を追加しました。
また、新しいヒーローとして、“バロン”というキャラクターを追加しました。
▼バロン紹介動画
ボー バロンでプレイすると、カメラシフト機能が便利に働きます。ここ最近出たヒーローの中では、私がいちばん好きなヒーローかもしれないですね。遠距離攻撃が得意な魔道士タイプのヒーローで、いまいるセレスと似たようなスタイルでプレイできます。アイテムもクリスタル系、武器系、どちらもビルドできるので、楽しんでプレイしていただけます。
また、新しいスキンも追加しました。最近実装された”ローム”側のヒーロー2体のスキンです。ひとつ目がランスというヒーローのスキン“冥界の騎士ランス”。
ボー もうひとつは、私の今回いちばん好きなスキンなのですが、セレスというヒーローの“ムーンプリンセス・セレス”という、オータムシーズンの特別なスキンがあります。これは十五夜の時期に合わせてデザインしたものです。
――“ムーンプリンセス・セレス”は日本のアニメ的なデザインですね。
ボー 私たちのデザイナーはいろいろなところからインスピレーションを受けているのですが、日本文化に精通しており、日本のアニメも大好きなんです(笑)。日本で人気が出るとうれしいですね。
――大型アップデート以外で、何か今後の大きな動きはありますか?
ボー サマーシーズンからアメリカとヨーロッパでeスポーツのシステムを整備しています。より多くのプレイヤーが大会に参加して、プロのチームと戦うチャンスも得られるような形式を確立させてきました。友だちといっしょに遊びながら、eスポーツ大会にも参加できるようなゲームを目指しています。
ちょうど1年前に、『ベイングローリー』がシーズン制になることを初めてアナウンスしました。それから1年、eスポーツについて経験を積みながら、どのような大会形式がいいか試行錯誤してきました。そしてつぎのステップとして、2016年12月に初の世界大会を開催する予定です。
――世界大会について詳細は決まっているんですか?
ボー 開催場所は、ハリウッドのチャイニーズ・シアターという会場を予定しています。全世界から12チームが参加しますが、日本代表として”ILLMATIC”というチームが参加します。これから来年にかけて、世界中のチームがそのつぎの大会に参加するためのロードマップも発表する予定です。
――初の世界大会を成功させるためのポイントはどこにあるとお考えですか?
ボー 参加するプレイヤーにとって最高の場にするということです。『ベイングローリー』はとてもダイナミックなゲームで、世界中にサーバーがあって、その地域ごとにプレイスタイルが異なります。世界中のトッププレイヤーが1ヵ所に集まり、競技の中で最高のスキルを見せてほしいというのはもちろんあります。しかしそれ以上に、いっしょに同じ場で遊んで友だちになり、戦略の交換をしあうような、交流の場を作りたいとも思っています。私自身、世界中を飛び回り、いろいろな国のプレイヤーと直接触れ合いました。コミュニティ運営というのは『ベイングローリー』にとって切り離せないものなので、そこを大事にした大会にしたいと思っています。
――最後に、日本の『べイングローリー』ファンにメッセージをお願いします。
ボー おかげさまで、モバイル系としては世界最大規模のeスポーツとして確立することができたと思っています。まだまだやれることはたくさんありますし、『ベイングローリー』自体が世界で最大のゲームになれるよう、開発を進めてまいります。
日本のプレイヤーに伝えたいのは、まず『ベイングローリー』はいまから始めてもまったく遅くはないということです。そしていままでずっとプレイしてきた皆様に伝えたいのは、これからもアップデートを重ね、よりよいゲームにしていくので、これからも楽しんでいただきたい。そして、ぜひお友だちを誘ってプレイしてほしいですね。友だちとプレイするのがいちばん楽しいゲームなので、これからも長くプレイしていただければと思います。
Vainglory(べイングローリー)
- メーカー
- Super Evil Megacorp
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 無料(アプリ内課金あり)
- 対応機種
- iOS、Android
- コピーライト
- © 2013-2014 Super Evil Mega Corp.
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