【ひらブラ vol.10】ゲームとムービーの歴史を振り返ってみよう!(最新の動画演出とUnity)

2014-03-21 12:00 投稿

ゲームとムービーの歴史

いよいよ当ブログも10回目の更新を迎えました。

かなりギークで、ディープで、テクニカルな内容にも関わらず、とてもたくさんの方にお読み頂いており(さすがファミ通さん!)毎回そのご期待に応えるべく新鮮な気持ちで書いています。これからも「ギークなオトナの新常識」というコンセプトを大切にしつつ、引き続き誠心誠意、マゴコロ込めて書き続けていきたいと思います。

また、公式facebookページ500いいね!を突破しました。これを記念して、心ばかりのプレゼントをご用意しました。応募方法もシンプルです。詳細は、記事の巻末をご参考ください。

さて、vol.10となる今回は、ちょっと昔話をしてみたくなりました。そこで、ゲームとムービーとの関係の歴史について迫ってみます。例によって、巻頭コラムをスキップして、はやくテクニカルトピックを読みたい!という方は、ココからワープしちゃってください(笑)。

みなさんは「ムービー」と言うと、何を想像しますか?

映画でしょうか? カメラでしょうか? それとも動画でしょうか?

CRIの場合は、ムービーという言葉を「動画(ビデオ映像)」の技術を指すのにに使っています。

今回のブログでは、ゲームとムービー(動画)との関係について、その歴史を振り返ってみたいと思います。

ゲームにムービーが積極的に使われるようになったのは、プレイステーションやセガサターンといった、いわゆる32bit機の時代からです。スプライト中心のゲームからポリゴン(3D)中心のゲームへ、大きくゲームの表現手法が変化したきっかけになった世代のゲーム機。これらのゲームの多くは「オープニングムービー」という、ゲーム起動直後に再生される動画コンテンツを備えていました。

▲昔はほとんどのゲームに用意されていた豪華なオープニングムービー(photo by Ryan Somma : CC BY 2.0)

この、オープニングムービーという文化は、プレイステーション2やドリームキャスト、ゲームキューブといった、次の世代のゲーム機にも継承されます。

オープニングムービーには、プレイヤーを一気にゲームの世界へ引き込むための欠かせない演出としての大事な役割がありました。初代バイオハザードが、実写の映像、つまり実際の俳優が演じた動画をオープニングムービーに採用していたのは有名です。また、ファイナルファンタジーや鬼武者シリーズのように、オープニングムービーのクオリティの高さやそこに使われたCG技術がゲーム業界だけでなく映画業界を含めて注目され、コンピュータグラフィクスの国際展覧会であるSIGGRAPH(シーグラフ)などで受賞を繰り返していたのも、記憶にあたらしいところです。

また、鉄拳2のように、オープニングムービーだけでなく、エンディングムービーにもこだわるタイトルも数多くありました。たくさんのキャラクターそれぞれに(なんと隠しキャラやボーナスキャラにも!)、美麗なCGで描かれたエンディングムービーが用意されていたのは本当に圧巻でした。

ちょっと専門的な言葉になりますが、オープニングムービーやエンディングムービーに使われるような美麗で高精細なCGムービーのことを「プリレンダリングムービー」と言うことがあります。

レンダリング、つまり、3Dデータから動画を生成する処理を予めすませておき、ゲーム機ではそれを「動画データ」として再生するわけです。

一般的に、プリレンダリングムービーには、ゲーム本編の3Dモデルよりもポリゴン数が多いモデルが使用できるなど技術的アドバンテージが多く、映画のようにリアルなCGを創りだすことができるのでゲームの世界観を盛り上げるために多用されました。

最近では、モバイルアプリでも、こうしたリッチなオープニングムービーを搭載したものが目立つようになってきました(インストール直後の起動のたった1回だけ観られる、なんて、ちょっと贅沢な実装のゲームもありますよね!)。

このように、オープニングムービーでゲームの世界観をアピールしたり、クリアのご褒美として美麗なムービーを再生するゲームが当時は数多くありました。

実際、CRIの動画再生技術である「CRI Sofdec」は当時から非常にたくさんのゲームに使われ、ノイズの少ないオープニングムービー再生を実現するお手伝いをしました(とくにプレイステーション2では圧倒的な数のタイトルに使って頂きました)。

リアルタイムレンダリングの台頭

この「プリレンダリングムービー」と対照的に使われるのが「リアルタイムムービー」や「リアルタイムデモ」、「リアルタイムレンダリング」といった言葉です。

これらは、あらかじめレンダリングしておくムービーとは異なり、実際にゲーム機上でリアルタイムに3Dモデルからムービーシーンを生成する手法です。言ってしまえば、ゲーム本編と相違ありません(プレイアブルかどうかの差はありますが)。

この「リアルタイムデモ」で有名なのは、やはり、メタルギアソリッドシリーズでしょう。プレイステーション3やXbox360といった現役世代のゲーム機になると、プリレンダリングムービーに頼らずにリアルタイムにオープニングやデモシーンを構成するゲームが急増しましたが、メタルギアソリッドシリーズはそれを初代プレイステーションの時代から行っていました。まさに、リアルタイムとプリレンダリングがもはやプレイヤーにとっては識別できない世界観を実現していました。

ゲーム機が高性能になるのに従い、プリレンダリングによるムービーの出番は少なくなってきました(もちろん、アニメ系のゲームや実写素材など、性能が上がっても動画に依存するタイトルは存在します)。

では、ゲームの進化に応じて、ムービーの役目がなくなってしまったかというと、実はそうではありません。

例えば、格闘ゲームのように1対1のキャラクターが対戦するようなゲームでは、同時にキャラクターが2体までしか表示されない前提で設計されていることがあります。つまり、ゲーム機のメモリ上には、そのゲームシーンに登場する2体分のデータしか読み込めない作りになっているわけです。このようなゲームでは、たとえば、全キャラクターが続々と登場するオープニングムービーをリアルタイムで処理することは非常に困難になります。

このようなケースでは、実際のゲームプレイシーンをキャプチャして動画データにしておき、それを編集してオープニングムービーにする手法が行われました。この場合、ビデオのキャプチャシステムや動画再生技術を慎重に選ばないと、リアルタイムのプレイシーンよりも画質が低下してしまい、いかにも「撮影された動画シーン」のような見え方になってしまいます。プレイヤーにとっては、それがリアルタイムか動画かの判別が(画質的に)区別できないくらいでなければなりません。

このような用途でも「CRI Sofdec」はいろいろなゲームのお手伝いをしました。実際、まったく見た目上では区別がつかないので、「あのゲームはどうやってメモリ処理をしているんだ!?」なんて、開発者のあいだで話題になったことも…。

このような使い方は、実は、オープニングムービーだけではありません。「ナウローディング」という表示を嫌う、こだわりのあるゲーム開発者の方が実際に行っている手法ですが、ステージやマップ、シーンなどの切り替えに発生するローディングシーケンスで、ムービー(動画)をうまくシームレスに(=継ぎ目なく)使うことで、ユーザに「ロードを待っている」という感覚を与えずにスムーズなゲーム進行を実現していたりします。これを「幕間ムービー」と呼んだりします。

プレイヤーには気づかれないように、動画でデモシーンを流しながら、その裏側で次のステージデータを必死にロードする手法です。リアルタイムシーンとムービーシーンが完全に繋がるように作られたゲームは本当に職人技と言ってよく、技術を提供している立場であるボクらが観ても気づかないほどだったりします。

テクスチャムービー&アルファムービー

このように、プレイヤーが「動画を観ている」という感覚がないシーンでも、実はムービー技術が使われているケースがあります。

それをさらに一歩進め、ムービーとゲームの融合を実現したのが「テクスチャムービー」「アルファムービー」という技術です。

テクスチャムービーというのは、3Dオブジェクトの表面に「動画」を貼る技術です。通常、3Dゲームに登場するすべてのモデルには「静止画」が表面にテクスチャとして貼ってあります。このテクスチャに、静止画ではなく「動画」を貼ってしまおうというのが、テクスチャムービーです。

ゲームシーンの任意の場所に、好きなサイズと場所で、動画を貼って再生することができます。分かりやすい例でいうと、プロレスゲームのリングに設置されている大型TVディスプレイとか。もちろん複数の動画を同時に再生することができます。

さらに、動画を貼る部分は平面や矩形でなくても良いので、球体の表面に動画を貼ることもできます。たとえば、キャラクター選択画面で任意のキャラクターにカーソルを合わせると、水晶球のようなものに、そのキャラが繰り出すワザが動画で再生される、なんてことが表現できます。単に、キャラの写真と名前で選ぶよりも、ずっと選びやすくなりますよね。

▲テクスチャムービーのゲーム上での応用範囲は広い(上記の事例の詳細はこちら

つぎに、アルファムービーというのは、動画データの一部に「透明値」を持たせることができる技術です。テクスチャムービーによってゲーム中で動画を再生すると、通常、その動画の”向こう側”に隠れてしまったものはすべて見えなくなってしまいます。このアルファムービーを使うと、透明値を設定した部分は「透けて見える」演出が可能になります。

たとえば「LEVEL UP !」のような演出シーンをアルファムービーで作成しておくと、それをゲーム中に「かぶせて」表現することができるようになります。ムービーシーンへの切り替えや遷移が必要なく、あくまでゲームシーンの演出のひとつとしてムービーが使えるようになるわけです。

このテクスチャムービーやアルファムービーは、比較的むかしからゲームでも使われている技術ですが、実際に実現しようとするとプログラムが複雑になったり制作工程が煩雑になったりと、解決すべき課題が増えてしまいます。

CRIでは、これらをカンタンに実現できるツールやミドルウェアを提供しているというわけです。

以前の記事、「ドラクエの起動画面のひみつ(続・Cocos2d-xとCRIWAREの話)」でも、このテクスチャムービーとアルファムービーについては触れました。その際は、ゲームエンジンのCocos2d-x上で実現したデモをお見せしました。

今回も、豊富なデモ動画とともに、この2つの技術について詳しく解説していきます!

Unity + CRIWARE = 『双刻のレガリア』

このように、ゲームとムービーは、これまでもそしてこれからも、切っても切れない関係にあります。スマホゲームにおいても、ムービーを使った演出を積極的に導入したアプリが出始めています。

そのひとつが、geechs inc. さんから無償でリリースされている『双刻のレガリア』というゲームです。iOS/Androidのいずれでも遊べます。

双刻のレガリア

メーカー
geechs inc.
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS 6.0 以降。iPhone、iPad および iPod touch 対応。 iPhone 5 用に最適化済み。Android4.0 以上(一部非推奨端末あり)。

この「双刻のレガリア」は、ゲームエンジン「Unity」と「CRIWARE」を使って開発されています。テクスチャムービーやアルファムービーの技術もふんだんに使われていて、ゲーム中のさまざまな演出で実際にそれらを活用したシーンを見ることができます。ぜひダウンロードして遊んでみてください!

Unityといえば、つい先日、最新版「Unity 5」の発表がありましたね。その少し前には、ゲーム動画共有コミュニティのEveryplayを擁するApplifier社をUnityが買収したというニュースが話題になりました。

ムービーとゲームとの関係の歴史をご紹介してきましたが、今後は、この「プレイ動画を手軽に録画してアップして共有する」という、動画メディアを活用したソーシャル的な要素やバイラルプロモーションが盛り上がっていく時代になっていくことは間違いないでしょう。

昔とは、その手法もカタチも変わってきましたが、今後も、ゲームにとってムービーはますます重要な存在になっていくでしょう。

▲画面はiPhone版です。

また、AppStoreの有料アプリのランキングで1位(2014年3月19日現在)になっているアプリ、『アナザーゴッドハーデス-奪われたZEUSver.-』でも、CRIWAREによるムービー技術を使った演出をご確認頂けます。

アナザーゴッドハーデス-奪われたZEUSver.-

メーカー
ARUZE MEDIA NET CORP.
配信日
配信中
価格
900円[税込]
対応機種
iOS 6.1 以降。iPhone、iPad および iPod touch 対応。 iPhone 5 用に最適化済み。Android2.3.3以降(一部非推奨端末あり)。

こちらも、ゲームアプリ内での動画演出の事例として、とても分かりやすいものですので、ぜひチェックして頂ければと思います。

動画を使ったUnity上の新たな表現手法

前回は、Unityのオーディオを独自拡張する方法についてご紹介しましたが、今回は、UnityCRIWAREを使った「動画を活用したゲーム演出技法」についてご説明します。

今回も、動画をたっぷりとご用意したので、実際のデモを見ながら、理解を深めていただければと思います。

上記でご紹介した「双刻のレガリア」アプリを見て頂いてから読み進めて頂くと、実際のゲームでの活用例がイメージできるので、分かりやすいかと思います。

まずは、こちらの「テクスチャムービー」のデモ映像からご覧ください。

▲テクスチャムービー by Unity(リアルタイム3Dポリゴンの表面に動画を貼付して再生するテクニカルデモ)

3つのキューブ(立方体)が画面に表示されていますが、これらはUnityを使って、3Dモデルとしてリアルタイムに描画されています。CRIWAREの「テクスチャムービー機能」を使って、それぞれのキューブの表面にテクスチャとして動画ファイルを貼り付けています。

それぞれの動画は、シームレスにループ再生しています。3つの動画はもちろん個別のファイル(別ムービー)で、同時にひとつのゲーム画面に複数の動画を再生しています。キューブは6面体ですが、各面に同一の動画を貼り付けていますが、動画のデコード負荷は1つ分のみであることもポイントです。

このテクスチャムービー機能は、UnityやCocos2d-xといったゲームエンジンを使わなくとも、スクラッチ開発の場合でももちろん実現できます(描画はアプリ側の自由)。シームレスループ再生だけでなく、異なる動画ファイルを完全に継ぎ目なく繋いで再生する連結再生や、ゲーム側で活用可能な「タイミング情報」を動画に埋め込むことも可能です。

つぎも、テクスチャムービーのデモ映像です。

▲テクスチャムービー by Unity(ゲーム背景に動画を使用した演出手法)

ロボット部分は、Unityを使ってリアルタイムに描画していますが、背景にご注目ください。背景全画面に動画を用いています。デモの途中で動画を切り替えて、ゲームの雰囲気やシーンチェンジを実現しています。

動画の制御は自由にできるので、状況におうじて、動画を一時停止したりすることも可能です。

▲カットイン動画演出 Part.1 by Unity(半透明付きカットイン動画を使った派手なゲーム演出手法例)

このデモでは、オーソドックスなカードバトル系のゲームをイメージしています。必殺技の発動時やレベルアップ時の演出など派手なゲームシーンの演出手法として、CRIWAREの「アルファムービー機能(半透明付き動画)」を活用した、カットイン動画を使っています。

半透明付きの動画を、ゲーム画面の好きな「場所」に好きな「サイズ」で重ねて貼ることができるので、画面の切り替えが不要になります。動画を数パターン用意しておき、使い分けることで、期待感のアップを表現する、なんてこともできます。

デモ映像には含まれていませんが、再生キャンセルにも機敏に反応するように作られています。つまり、プレイヤーのタップ操作等があれば、一瞬でムービー演出を停止してゲーム画面に戻るような、いわゆる「スキップ」にも対応しています。

どんなに派手な演出も、見慣れてくるとストレスになるかもしれません。また、ヘビーなプレイヤーほどさくさくとゲームを進めたい場合も多いでしょうから、演出シーンのスキップは意外と大事なポイントです。

さらに、アルファムービーについて、さらに一歩踏み込んでみましょう。

▲アルファプラスムービー by Unity(アルファ合成と加算合成とを一度に実現する演出手法例)

アルファムービーによる動画の重ねあわせ演出はとても便利ですが、フラッシュなどの「光」の表現を合成しようとすると、上のデモ映像のように、輪郭が黒ずんでしまいます。

ここで活躍するのが「アルファプラスムービー」という機能。デモ映像では、キャラクタ部分は通常のアルファ合成を行ない、光の部分は加算合成をしています。

つまり、「抜き」のためのアルファ合成と「光」のための加算合成を、ひとつの映像に含めることができるので、動画のデコード負荷は通常のアルファムービーと同じなんです。1枚のテクスチャを1回レンダリングするだけのGPU負荷で済みます。

アルファプラスムービーは作り方もカンタン。加算エフェクト「あり」&「なし」の2種類の素材を準備します。AfterEffect(動画編集ソフト)であれば、レイヤーを分けて2度レンダリングするだけです。

▲アルファプラスムービーの作り方(その1)

次に、レンダリングした動画ファイルを、CRIWAREに同梱されている専用ツールに入力するだけで、アルファプラスムービーをゲーム内で利用できるようになります。

▲アルファプラスムービーの作り方(その2)

では、今度は、もっと“ゲームっぽい”デモで、アルファムービーを活用したカットイン動画演出を見てみましょう。

▲カットイン動画演出 by Unity Part.2(ゲーム内でのアルファムービー活用事例)

このデモでは、パズル風のゲームで必殺技を出したときの演出として、アルファムービーを使っています。

女の子が登場するカットインと、ドラゴンが召喚されるカットインの、2種類の演出があります。どちらも、ゲームシーンを止めたりシーンの切り替えをせずに、画面狭しとカットイン動画がゲーム画面に重なって再生されています。

派手な動画の再生時も、その隙間(つまり透明&半透明情報が設定されている部分)から向こう側のゲーム画面が覗き見えているところに注目です!

今回の締めくくりのデモ映像は、テクスチャムービーの応用編。

▲動画ジグソーパズル by Unity(1本の動画ファイルを使ってパズル化するテクニカルデモ)

デモの内容は、ひと目見て頂ければすぐにお分かり頂けると思います。CRIWAREでの動画再生では、動画上から矩形位置を指定して任意のオブジェクトに貼り付けることができます。その機能を利用することで、このような動画を使ったジグソーパズルを実現することもできます。もちろん動画のデコード負荷は1本分のみで済みます。

※以前の記事で、同様の動画パズルをCocos2d-x上で実現したデモをご紹介しました。今回は、それをUnity上で実現しています。

スマホのゲーム内で動画を扱う場合、フル画面で単純に再生するのであれば、H.264などの動画コーデックをハードウェアデコードで使えるので負荷も軽く再生することができます。ただ、今回ご紹介したように、テクスチャとして動画を扱おうとすると標準機能では難しくなります。

Unityには動画テクスチャの機能が用意されていますが、残念ながらPC&Mac向けのみとなっているので、スマホはサポート外になっています(2014年3月現在)。

また、アルファムービーなどの特殊再生は当然サポートされませんので、このような表現手法を実装する場合は、CRIWAREがお役にたてるかもしれません。

加えて、以前もご紹介しましたが、通常は連番PNGなどで実装している「パタパタアニメーション」を動画ファイルに置き換えることで、キャラクタやエフェクト表現に必要な画像ファイルのサイズを最大100分の1程度まで圧縮することもできます。全ファイルをオンメモリに読み込んでおく必要もありません。

シームレスループ再生や、任意のフレーム番号からの途中再生開始も可能なので、ゲーム中のアニメ表現の幅がグッと広がります。

実際にUnity上でCRIWAREを試してみよう!という方のために、もう少し補足です(少し専門的ですが、Unityを実際に使っている方ならピンと来るかと思います)。

CRIWARE for Unity では、Unityのオブジェクトにテクスチャとして動画をアタッチすることができます。また、スクリプトからの呼び出しだけでも動画を再生できます。対応プラットフォームは現状、iOS, Android, Windows, Macとなっており、NGUIなどの2Dアセットとも連携が可能です(CRIWAREの描画先にマテリアル指定することでカンタンに連携)。

・・・いかがでしょう?テクスチャムービーやアルファムービーなど、ゲームではまだまだ動画が大活躍できる可能性があることをお分かり頂けたかと思います。これらの機能を実際に試してみたい!という方は、無償でSDKをお渡ししていますので実際に触って頂ければと思います。

次回は、オーディオと動画表現に続いて、Unity&CRIWAREによるゲーム開発手法の第3弾「ファイルのパッキングと追加配信対策」についてご紹介する予定です。

音や映像に比べると、一見地味なテーマに感じるかもしれませんが、アプリのデータサイズ肥大化の問題や、アップデート頻度や追加配信にまつわる諸問題の解決は、実はアタマの痛い問題だったりします。ユーザビリティとも直結するこれらの問題を、どうやって技術的に解決するかを解説します。お楽しみに!

【読者プレゼント企画】500いいね突破&ご愛読感謝!

おかげさまで「ひらブラ」は10回目の更新を迎え、公式facebookページでは500ものいいね!を頂きました。日頃のご愛読に感謝しまして、心ばかりのプレゼント企画をご用意しました。

CRIWAREのオーディオミドルウェアである「CRI ADX2」のすべてが手に取るようにわかる最強のガイドブックCRI ADX2 で作るゲームサウンド制作ガイド(発行:翔泳社)』のCD-ROM付き書籍版(定価:4,800円)を、合計3名様にプレゼントします。

CRI公認の、唯一にして最高の「公式ガイド」ですので、すでにADX2をお使いの方にも、これからADX2を触ってみようという方にも、オススメです。

タイトーの小塩広和さんや石川勝久さん、セガの小林秀聡さん、バンダイナムコスタジオの矢野義人さんや中鶴潤一さん、SoundLab MIの本山明燮さん、アトラスサウンドチームの土屋憲一さん、イニスの岩本翔さん、東京工科大学講師の伊藤彰教さん、といった、ゲームサウンド界の有名クリエイターの皆さんからお寄せ頂いた「コラム」も必見です(注:すべて書籍発売当時の所属で記載しております)。

また、今回特別に、このガイドブックの著者である、株式会社ファラッド代表取締役の内田哉さんからコメントを頂きました!

ひらブラ連載10回目、そして500いいね!突破、おめでとうございます!

「ADX2」を使う事によって、サウンドクリエイターは逐一プログラマにデータを渡さなくてもツール側だけで再生を確認出来るので、効率的にサウンドを作り込む事が出来ます。
プログラマは渡されたファイルを組み込むだけで、音の優先処理や複雑なエフェクト処理等を、いとも簡単に実装出来てしまいます。

「ADX2」は、より良いサウンドクリエイションが短時間で効率的に行えるだけでなく、「音の仕掛け」をゲームに入れ込む為に発生しがちなサウンドクリエイターとプログラマの溝をも埋めて「現場」も「ゲーム」も楽しくしてくれるサウンドミドルウェアです。

株式会社ファラッド 代表取締役 内田哉

内田さん、貴重なコメントをありがとうございます(^^

さて、プレゼントへの応募方法はとってもカンタン。下記URLのひらブラの公式Facebookページに「いいね!」をし、Facebook上のプレゼント告知エントリに「いいね!」をするだけ両方に「いいね!」をして頂いた方の中から厳正なる抽選をさせて頂きます(片方だけだと抽選対象になりませんのでご注意下さい)。

なお、当選のご連絡はFacebookのメッセージで行ないますので、メッセージを受信できるように設定をお願いします(メッセージ経由で頂いた情報は当該プレゼントの発送のためだけに使用します。CRIのプライバシーポリシーについてはこちら)。

ひらブラ公式Facebookページ

 http://crimw.me/fb-hirabla

プレゼント告知エントリ

   http://crimw.me/present_500

当選確率には影響しませんが(笑)、ひらブラblogのご意見ご感想もぜひお寄せ下さい(下記のお問い合わせフォームからどうぞ)。

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【バックナンバー】
※【ひらブラ vol.9】目にみえないデータの恐怖と魅力(Unityオーディオの独自強化)
※【ひらブラ vol.8】CarPlayはOSか?(ゲームのリッチ化とUnityについて)
※【ひらブラ vol.7】スマホで「音ゲー」3つの課題(ハマるな危険!アプリ開発の落とし穴)
※【ひらブラ vol.6】雪を溶かすメカニズム知ってる?(プロデューサー説得トラの巻)
※【ひらブラ vol.5】ギョーカイ用語は「言葉」のブラックボックス
※【ひらブラ vol.4】gumi田村さんに訊く「ズバリ!Cocos2d-xのココが魅力」
※【ひらブラ vol.3】ドラクエの起動画面のひみつ(続・Cocos2d-xとCRIWAREの話)
※【ひらブラ vol.2】 LEDで無重力をつくる話
※vol.1-4:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-3:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-2:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.1-1:福袋も飛行機もゲームも?ゲーム開発を支える”黒い箱”とは
※vol.0:創刊準備号ということでジコショーカイ

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幅朝徳(はば とものり) 株式会社CRI・ミドルウェア 商品戦略室 室長、CRIWAREエヴァンジェリスト。学習院大学卒業後、CRIの前身である株式会社CSK総合研究所に入社。ゲームプランニングやマーケティング業務を経て、現CRIのミドルウェア事業立ち上げに創業期から参画。セガサターンやドリームキャストをきっかけに産声を上げたミドルウェア技術を、任天堂・ソニー・マイクロソフトが展開するすべての家庭用ゲーム機に展開。その後、モバイル事業の責任者として初代iPhone発売当時からミドルウェアのスマートフォン対応を積極推進。GREE社やnhn社といった企業とのコラボでミドルウェアの特性を活かしたアプリのプロデュースも行う。近年は、ゲームで培った技術やノウハウの異業種展開として、メガファーマと呼ばれる大手製薬会社のMR(医療情報担当者)向けのiPadを使ったSFAシステムを開発、製薬業界シェアNo.1を獲得しゲーミフィケーションやゲームニクスの事業化を手掛ける。現在、さらなる新規の事業開拓や未来のサービス開発を担当する傍ら、ますます本格化するスマホゲームのリッチ化を支援するためにモバイルゲーム開発者におけるミドルウェア技術の認知向上のためエヴァンジェリストとしての活動に注力中。

 

趣味は、映画鑑賞とドライブ、クロースアップマジック、デジスコによる野鳥撮影、コンパニオンバードの飼育、そしてもちろん、ゲーム。

CRI・ミドルウェア ウェブサイト
http://www.cri-mw.co.jp/

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