”新生DeNA”クリエイターインタビュー:佐々木悠氏

2015-01-10 12:00 投稿

できないこととできることをきちんと把握する

2014年11月に配信された『ファイナルファンタジー レコードキーパー』(以下、『FFRK』)は、トップセールスランキングで上位をキープしている人気タイトル。同ゲームをスクウェア・エニックスとともに手掛けたのがディー・エヌ・エー(以下、DeNA) だ。同社は、これまでブラウザゲームでの成功は多かったものの、ネイティブアプリいわゆるスマートフォン向けのゲームに関して苦戦していた。そんな状況のなか、『FFRK』がヒット。今後は、ネイティブアプリで攻勢をかけるため、大きな体制変更なども行われているという。そこで今回DeNAのクリエイター3名にインタビューを実施。今回は『FFRK』をプロデュースした佐々木悠氏(以下、佐々木)へのインタビューの模様をお届けする。

なお、インタビューの中では各クリエイターの取材に同席していた執行役員の渡部辰城氏(以下、渡部)の回答も合わせて掲載。

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——佐々木さんの経歴を教えてください。

佐々木 2009年に新卒でDeNAに入社して、最初にモバイルオークション(モバオク)のサイト運営スタッフに配属され、半年間サイト運営を続けました。その後、当時DeNAの大きな収益のひとつだった広告事業の部署に異動して、広告の販売営業を1年ぐらい続けていました。2009年10月に『怪盗ロワイヤル』がリリースされて大ヒットしたこともあり、もっともっとゲーム事業に力を入れていこうという段階になって、社内中からゲーム開発未経験者も含めて、がーっと社員を集めたんですよ。私も『怪盗ロワイヤル』リリースの1年後にそのメンバーとして異動することになりました。最初は『ケータイ育成ゲーム 住み着き妖精セトルリン』(以下『セトルリン』)の運営を担当しました。半年強ほど経つ頃に、超大型IPゲームの立ち上げをやらないか、と声をかけられ JOINしたのが2011年夏でした。

初めて立ち上げに関わったので、どうやって作っていいかわからなくて、とりあえず社内で経験がある人に聞いてみようという中で、「すごい人が入ってきた」という噂を耳にして、とりあえずその人のスケジューラーを押さえて「話を聞かせてください!」と言ったのが渡部(注:現DeNA 執行役員の渡部辰城氏)との初めての出会いです。その後もいろいろな方々に教えてもらいながらゲームを作って、幸いなことに大ヒットして。それ以降は、リリース後の運用フェーズのタイトルのプロデューサーを担当した後、マネージャーになって 複数のタイトルを見るようになりました。そのころ「今後ネイティブゲームが来る」という風潮になってきたんで す。自分はブラウザゲームは作ったことがあるけれど、ネイティブゲームはそれとは全く作法が違うし、作り方もわからない。ずっとゲーム作りをしてきたという人達に触れ合う機会も少なかったので、「渡部といっしょに働きたい!」と直談判しました(笑)。それが叶い、渡部のもとで本当にたくさんのことを学びました。しばらくしてひとつの部署を任せてもらえることになった後に関わったタイトルが『ファイナルファンタジー レコードキーパー』(以下『FFRK』)や『三国志ロワイヤル』などですね。

——最初からゲーム開発に携わっていたわけではなく、全然畑違いな所から始まったんですね。

佐々木 そうなんです。今でこそDeNAはゲームを作っていると認知されていますけれど、入社当時はMobage(当時は「モバゲータウン」)にあるFlashベースのミニゲームやスクウェア・エニックス(以下スクエニ)さんと作った携帯電話専用の無料オンラインゲーム『エルアーク』などしかなくていわゆるゲーム開発の部署はなかったんです。Mobageの中に複数あるエンタメコンテンツのひとつとしてゲームがあっただけなんですね。私は就職活動する時も、ゲーム会社は1社も受けていなかったし、IT企業もDeNAしか受けていなかったので、なぜ今ここにいるのか、自分でも不思議な経歴ですね(笑)。でも、一切後悔してないし、ずっとチャレンジし続けられる環境には、本当に感謝しています。

——ブラウザゲームに携わっていた時期は、運営はもちろん、プロデューサーという立場でもあったんですか。

佐々木 そうです。プロデューサーとして立ち上げて、運営もやりました。そしてネイティブゲームに来ても、立ち上げと運営をやりました。幸いにも、ブラウザとネイティブ両方の市場で立ち上げと運営を経験させてもらったことになります。

——入社して5年の間に、それだけ色々な分野に関わったというのはすごいですね。

佐々木 ソーシャルゲームの事業部が立ち上がった時から現在に至るまでの過程を、全部経験させてもらってますね。立ち上げも経験したし、現在はチームマネジメントもやっています。

——ブラウザゲームの新規立ち上げは、自分から希望したのですか。

佐々木 そうです。ゲームの事業部に入った当初に関わった『セトルリン』は最初からMobageの中にある様々なコンテンツと強く紐付いて立ち上げられたもので、「育成ゲーム」という形をとりながらMobageユーザーのエンゲージメント自体を高めるという役割を担っていました。その一方で、イベントを軸に運営を続けるゲームに真剣に取り組んでみたいという想いもあって、「自分も新しいゲームを作りたい」という話を上長にしていました。そんなタイミングで、たまたま新規開発へのアサインが決まっていたプログラマの二人と上長が飲みに行った際、「誰かプランナーで欲しい人いる?」と言われた時に指名してもらったみたいで。しかもそのタイトルで扱う予定だったIPが個人的に大好きだったので、それも相まって「じゃあお前やってみろ」ということになってスタートしました。これまでも営業の経験はあるものの、いきなり協力会社様の偉い方々たちがいる所にポンと放り込まれて、企画の説明をするなど、すごくいい経験をさせてもらいました。

——現在は、何本ぐらいのタイトルを見つつ、どのぐらいのチームを運営しているんですか。

佐々木 直接関わっているのは『三国志ロワイヤル』と『FFRK』ですが、今はちょっと役割が広がっていて、プランナーやディレクター、プロデューサー、他にビジネス職のメンバーのマネジメントやアサインメントなどを中心にやっています。あとは採用にも関わっています。また、2014年10月に組織が変わって職能組織という形になり、プログラマ、アーティスト、プランナーそれぞれが分化したのですが、そのプランナー組織のトップをやっています。

——プランナー組織には何名ぐらいいるんですか。

佐々木 100名を超える大所帯ですね。

——プランナー専門の部署なんですね。

佐々木 基本的に各メンバーはプロジェクトに紐付いていて、各自が何かしらのプロジェクトに入っているという形です。メンバーの向き不向きを見て、各プロジェクトに割り振る役割もしています。

——部署メンバーを見つつ『FFRK』をやるのは、相当大変なのでは。

佐々木 現場でコンテンツを作るという事に関しては、メンバーを信頼して任せているので大丈夫ですね。今はプロデューサーの役割のうちプロモーションの部分を見ています。ブラウザゲームの時はMobageという大きな母艦があって集客はそこからがメインだったということもあって、「どう売っていくのか」、「メディアにどういう風に露出するのか」というのがまだまだ弱いというのが実情です。その辺の部分に注力しているという感じです。開発段階ではメンバーに対して「モノを作ることに集中して欲しい」と話をして、プロモーション部分は自分にすべて任せてもらって進めていました。それに加えて、全体を見てメンバーのアサインを決定したりとか、外部に対してどう売っていくのかを考えたり・・・。なかなか出来ない経験だったので、すごく楽しくやらせてもらいました。

——最初からゲームクリエイターを目指していなかった佐々木さんが、ここまでヒットを生み出すことができたのか、ご自身ではどう分析していますか。

佐々木 できないこととできることをきちんと把握したことかなと思います。渡部が入社した時に、なぜ渡部に聞きに行ったのかというと、私はゲームを作った事もないですし、自分が生粋のクリエイターだと思った事もなかったので、クリエイターの人達の意見を聞くことがまずは重要だと思ったんです。自分の知っていることだけでやるのではなく、そのことを深く知っている人にちゃんと話を聞く。それも「自分が聞きやすい人」ではなくて、「一番そのことを知っている人」にまず話を聞くと言う事を常に心がけていました。その上で、それを自分の中で咀嚼して、どう形にするのかということを常に考えています。

——そういう意味では、渡部さんは気軽に聞きづらそうな人ですが(笑)。

佐々木 そうかもしれませんが(笑)。これはけっこう能力なのかなと思っていて、もしかしたら、そうやって尻込みせずに突撃していけるところが自分の一番の強みなのかもしれないです。

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——『FFRK』のプロジェクト自体のキッカケは?

佐々木 元々『ディフェンダー オブ テクセル』(以下『D.O.T』)という、渡部がいた部署で、海外向けに作っていたRPGがあったんですよね。それの最初のコンセプトが、実は企画書にドット絵のFFキャラが並んでいて、それがバトルをする、というものだったんです。『D.O.T』自体はオリジナルのIPを使って開発したのですが、そこで培った技術基盤を使って、もう1回『FF』という強大なIPを使って何かできないか、という発想からスタートした感じですね。その流れでスクエニさんに「実はうちにもドットを使ったゲームがあって」という感じで説明したら、「おもしろそうだね、じゃあなんかやってみようか」と。ちょうど『D.O.T』の技術基盤を『三国志ロワイヤル』が使っていて、そのチームを私が見ていたこともあり、そのまま私がやらせてもらうということになりました。そのため開発そのものは、『三国志ロワイヤル』並行して行っていました。『三国志ロワイヤル』の開発が5月から始まっていて、『FFRK』の話をスクエニさんと話し始めたのが7月です。『FFRK』の開発が本格的に始まったのが10月以降になります。『三国志ロワイヤル』のリリース前には、すでに並行して開発が始まっていたことになりますね。ただ、いろいろな面で挑戦的な企画だったので、ちょっとリリースが延びてしまって……。

——『FFRK』はIPでも規模が大きいですよね。初めてネイティブで挑戦することになった上に、失敗できないタイトルで、プレッシャーはなかったですか。

佐々木 プレッシャーはそんなにないですね。「絶対にヒットさせるぞ!」って感じでチーム全体がいいモチベーションを持っていました。

——ユーザーは、それほどプラットフォームの違いを気にしていないと思いますが、現在、市場的にはネイティブ優勢だと言われています。開発側としてブラウザとネイティブで、何か違いを感じていますか。

佐々木 根本的に、ユーザーが求めているもの、ユーザー体験がまったく違いますね。ブラウザは、どこまでも緩い匿名の繋がりの中で、なにか人がいる安心感とかコミュニケーションを前提にした、ちょっとした遊びというものを求めているので、そこで重たい遊び、いわゆるネイティブゲームで流行っている動きがあるものを、必ずしも求めていないと思っています。実際にヘビーユーザーの方にアンケートを取ったり、インタビューをしたりすると、「仕様を変えてほしくない」という意見が多いんです。人との繋がりの中で、ユーザーのコミュニケーションが発生している、この遊びが楽しいんだという話が出るんです。運営している側からすると、いろいろ仕様を変えていきたい気持ちもあるのですが、ユーザーは大きな変化を望んでいなかったりします。

一方、ネイティブゲームが端末の進化で色々な動きが作れるようになってきていて、ユーザーもそういった体験を求めている部分は当然あるのですが、皆がみなどかっと座って2時間も3時間もゲームをする体験を求めているわけではないと思います。スマートフォンというデバイスの特性上、短い時間で楽しめるリッチな体験を求めています。リッチというのは、必ずしも3Dでゴリゴリ動いていればいいというのではなくて、体験としてリッチだなと思えるものを求めているので。そういう意味で、ブラウザで作っているものと全然違った文法になってきていると思います。あと、新しい領域なので、いいゲームが出れば出るほどそこが新しい基準になっていく状況ということもあって、ユーザーさんの評価のハードルが着実に上がってきています。『パズル&ドラゴンズ』が出てそのハードルが一段上がって、『モンスターストライク』でみんなで集まって遊ぶという文化ができて、そして『白猫プロジェクト』で3Dがゴリゴリ動くようなものも受け入れられてと、今まさにユーザー体験の幅が広がってきている時期だなと思います。その中で、僕たちDeNAがどういった新しい体験を提供していくのかというところを、今後考えていかなければいけないと思っています。

——良質のゲームが出てせめぎ合いが続く中で、『FFRK』がヒットした一番の要因はなんだと思いますか。

佐々木 ターゲットユーザーと「『FF』シリーズを手軽に再体験」というコンセプトを、一度もブラさなかったことだと思います。簡単に言うとそれだけなんですけれども、「再体験ってなんなんだろう?」とか「手軽ってなに?」という話を突き詰めて、『FF』エッセンスを抽出していったんです。『FF』にはいろんなエッセンスがあるので、『FF』を再体験というと「ストーリーを再体験するんですか?」とか、いろいろ意見が出てくるんです。それをベースに要件を切って、仕様に落としていく。開発も1年ぐらいかかっているので、当初とは仕様も色々変わっているんですが、「誰に提供するか」というターゲットにしているユーザー像と、「どういうユーザー体験を提供したいのか」という2点は、最初に企画書を書いた時から変わっていない。それがリリースしてすぐに良い反応が返ってきた要因だと思います。

——『FF』シリーズは、ナンバリングごとに全然色が違いますよね。さらに昔『FF』のある作品が好きだったけれども、今やるとそうでもないと感じる人もいます。記憶は美化されてしまうので、その記憶を壊さずに新しいものを表現するのは、大変だったのでは。

佐々木 記憶が美化されているからこそ、何でエッジを立てるか考えた時に、一番強い武器になったのが“ドット絵”と“音”だったんです。音はいつ聞いても、すっと頭の中の記憶を呼び起こし、補完してくれるという効果があるので、音にはすごくこだわりました。どの場面でも必ず元々のタイトルで流れていた音を使うようにしていて、誰もが「懐かしい!」と思ってしまう要素を沢山盛り込みました。苦労したのは、「そうそう、こんな感じだったよね」と思い出してもらえるような『FF』らしさを盛り込みつつ、「これだったらリメイクでいいじゃん」とならないようなエッセンスを加えていくところですね。

渡部 音がないブラウザゲーム作ってたヤツらが、音にこだわって、で、ソーシャル要素が一切ないゲームを作るっていうのは、けっこうすごいことなんですよ。だからそこは、本当に良く考えているなと思いますね。

——確かに言われてみると、おっしゃる通りですね。

佐々木 リリース後のユーザーの反応としてもそうですし、CMでも音に対する反応がすごく良かったんです。以前関わったIPタイトルの時に、声の威力や音の威力はすごく強いんだということがわかったので、ゲームを作る前から、音を大切にしたいと思っていたんです。ただ、好きなだけ音を入れようとすると、容量がパンクしてしまう。イヤホンで聞いてもスピーカーで聞いても汚い音だと感じない音質を担保して圧縮しつつ、どういうダウンロード形式を取るのか?みたいな所はかなり工夫をしました。コンテンツを提供する側の都合でユーザー体験を失わないように、なおかつ音はきちんと提供したいという所を両立させるために、チームでけっこう考えましたね。

——ユーザー体験というものをすごく大切にして、ゲームだけでなくCMにもこだわったのですね。

佐々木 そこは一番大切だと思っています。どこまで行っても、ユーザーさんが触ってくれないとしょうがない。ユーザーが求める価値と、こちらが提供する体験はどういうものかを、最初に考えなければいけない。そこがないと「何のために作っているんだっけ」という話になり、迷いが生まれて、結果的に開発が長くなってしまうんです。ネイティブゲームになり制作しなければならない物量も増えたことで、どうしても開発に時間がかかってしまうようになった。その中で何を作っているのか途中でわからなくなってしまうみたいなのが、チームが崩壊する一番端的な例なんです。今はこんな風に語れますが、僕自身、実は苦い経験をしてます。『三国志ロワイヤル』を作っている時も『FFRK』を作っている時も、まさに今言った理由で他のタイトルのチームを潰しているんですね。本当に苦しかったです。でもその苦い経験をしたメンバーが『FFRK』のチームにもいて。そういう共通体験があったから、チームとして強くなったなというのもすごく感じましたね。

——特に現在、マネージメントする立場からすると、すごく重要なことですよね。

佐々木 失敗したけども積み上がったものがあって、そこが『FFRK』につながったというものがすごくあるので、マネジメントしている立場から振り返ると良かったなと思います。メンバーが「作りたい」と言っているものに対して、「もう止めよう」と言うのは本当に大変な経験でした。しかしコンシューマーゲームとの大きな違いで、出した後、運用をしていかなければならず、ユーザーさんがついてしまったら、運営の都合で勝手にやめることが絶対に出来ない。さらにユーザーさんがついても、ビジネスになっていないものを続けると誰も幸せにならないという状態が長く続いてしまうこともあります。こういった難しい意思決定を下すとき、納得がいかないというメンバーとはきちんと話し合い、「この経験は絶対に無駄ではない。次に関わるタイトルで悔しかった思いを晴らしてくれ」という話をしています。ちなみに、そのチームにいた方は今、『FFRK』チームのプログラマのリーダーをやっています。このように、「壊しながら作り上げて……」というのを同時にやっていたので、激動の1年だったなと思います。

——プロジェクトを途中で止めるという判断も、難しいですよね。

佐々木 エンタメって、よく「当たるも八卦当たらぬも八卦」と言いますが、出してみたら当たるかもしれないという可能性はあるんです。でも、なんでもかんでも出せば良いというものではない。ユーザーさんに本当に届けられるクオリティを見極めて、開発を止める必要がある場合は、歯を食いしばって止める判断ができないといけないと思います。どこまで行っても届ける先はユーザーさんであって、メンバーの満足度を上げることがモノ作りではないと思っています。そこをちゃんと見極めた上で、やらないといけないと思ったので、当時、プロジェクトを止める決断をしました。今だからこそ言えることですが(笑)。その時はやっぱり悩みましたし。どうメンバーに話せばいいのか、とか。それは渡部から教わっていたことが活きました。今振り返ると、私もマネージャーとして成長していた時期だったんでしょうね。今では冷静に振り返ることができるようになりました。

——今後も、当然ゲームを作り続けられると思うんですが、佐々木さんは、現場での体験で得たものをみんなに伝え続けなければいけないという立場でもあります。そこで今後、個人的に自分はどうなりたいか、どういうものを生み出していきたいかという目標をお聞かせください。

佐々木 ひとつめは、今やっている部分でもあるんですが、この会社に僕は新卒で入ってすごく好きな会社なので、DeNAをよりいいチームにしたいなと思っています。楽しく安心してみんながモノづくりをできるチームというのを作っていきたいですね。今自分がやるべきことでもあるし、やりたいことでもある。もうひとつは、新しいユーザー体験を創出したいということですね。『パズドラ』や『モンスト』、『白猫』の先、スマホゲーム業界が“レッドオーシャン”だと言われている中でも、まだ広がる余地があるなと思っているので、新しい、そんな遊び方あったんだ、スマホの中でこんな遊びがあったんだと言われるようなユーザー体験を生み出したい。ソーシャルゲームが作り出した体験っておもしろいと思っていて、それまでになかったエンタメというか、スキマ時間で一瞬で消費されるのに、ずっと続けるというエンタメコンテンツというのがすごく新しい体験だったと思います、そういうものをもう一度生み出せるようになりたいなと思います。それがどういう形かというのはまだわからないし、流れもあると思うので、今それをそのままやってうまくいくという話ではないんですが、流れを見て、そういうものが生み出せたら、すごいハッピーだなと。

——それはもしかして、ゲームじゃないかもしれないですよね。

佐々木 そうですね。今のゲームという形が変わっているかもしれない。でもエンタメではあるので、ゲームを作るときの考え方というのは必ず活きると思っています。例えば、昔『怪盗ロワイヤル』はゲームじゃないよねとよく言われていたのが、今はゲームだと認めてもらえていると思っているのですが、こういうふうに、出会った瞬間は「なんじゃこりゃ」と思われるようなものでも、振り返ってみて「おもしろいゲームだね」と言ってもらえればそれでいい。ジャンルや名前がつくのは後でいいのかなと。ジャンルづけされた時って、おそらくもう広がった時なので。ゲーム自体が、もっと広がりができるんだろうなと思っているので、そこを発見できたらと思います。

——新しい可能性、楽しみにしております。

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▲左から佐々木悠氏、池田修氏、高木正文氏。

佐々木氏以外のほか2名のクリエイターのインタビューは随時更新予定。記事公開後、下記関連リンクからチェックできるようになります。

【関連記事】

※”新生DeNA”クリエイターインタビュー:高木正文氏
※”新生DeNA”クリエイターインタビュー:池田修氏(2015年1月12日公開)

ファイナルファンタジー レコードキーパー

ジャンル
RPG
メーカー
スクウェア・エニックス/ディー・エヌ・エー
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS6.0、Android2.3以上

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