『Ingress』は今後どうなるの? あのおふたりに聞いてみた!!

2016-04-14 22:30 投稿

次回XMアノマリーは国内で実施する!? 教えてえらいひと

“ナイアンティックが考えるARの未来と歩み”として、インタビューを行った同日。

▼記事はこちら
※『Ingress』や『Pokémon GO』を手掛けるナイアンティックが考えるARの未来と今後の歩み

もちろんこちらも聞いてきました、今後の『Ingress(イングレス)』について!

お応えいただいたのは、香港での公式イベント“XMアノマリー:OBSIDIAN”終了後、この取材のために日本に立ち寄ってくれた、同社アジア統括本部長である川島優志氏。そして、アジア統括マーケティングマネージャーの須賀健人氏。

『Ingress』現役エージェントの深津庵(ライター)と、あしたづひむ(イラストレーター)がインタビューをしてきたぞ。

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▲川島優志氏(左)、須賀健人氏(右)。

アンケートで分かったレベル8以上のエージェントの動向

──まずは、香港での公式イベント“XMアノマリー:OBSIDIAN”おつかれさまでした!

川島 ありがとうございます!

須賀 おふたりも香港に来られると思って待っていたのですがっ。

──は、浜松に(香港を主戦場とするなら、こちらは副戦場にあたる)に参加したので!(汗)

川島 その様子は記事(参照記事はこちら)で拝見しましたよ。ニコ生にも出ていましたよね。

──あはは、お騒がせしました。今回のXMアノマリーを含め、毎回多くのエージェントが国を越えた交流をしていますよね。先日行われた、エージェントレベル8(以下、A8)以上のユーザーを対象にしたアンケートで興味深い調査結果が出たと伺いました。

川島 おかげさまで『Ingress』は1450万ダウンロードを達成することができました。その結果、現在200以上の国でエージェントたちが活動していまして、みなさんがこれまで歩いた距離が2億5千800万キロに到達。これは、地球と太陽を往復したのに近い距離で、小惑星探査機はやぶさが、小惑星いとかわから微粒子を持ち帰ったあの距離に匹敵する。非常に長い距離を『Ingress』は歩いていることがわかりました。

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▲『Ingress』がARの未来を語るうえでおもしろい議論の種を提供してくれていると語る川島氏。セスナ機に乗って旅をしたり、タトゥーを入れてしまったりと、実際に寄せられた写真を使い、人々の行動そのものを変えた実例を紹介してくれた。

 

──拡張現実を提案する『Ingress』が多くのエージェントをアクティブにしている。こうした結果からも、ARがどれだけ日常に浸透しているのかが伺えますね。

川島 その通りですね。おふたりも昨年、公式イベントのために沖縄まで遠征(参照記事はこちら)していただきました。そうした原動力は世界中のエージェントも同様で、今回のアンケートにも興味深いデータを得ることができたんですよ。

ますはその調査結果を見てください。

[テーマ:友だち]
1)A8以上のエージェントのうち33%が『Ingress』を通じて、20人以上の新たな友人を作ったと回答(うち、15%はなんと友人を50人以上作っていることがわかった)
2)30%が出会った誰かとデートしながら『Ingress』をプレイしている

2)については、国外と日本では大きな差があり、国内では10%程度というから、日本人は奥手だということか。実際に『Ingress』を通じて結婚、子どもが生まるなどの報告も多いようだ。

[テーマ:探索]
1)90%が『Ingress』をプレイするためほかの都市へ旅行(35%は10以上の都市、5%は50以上の都市を訪問)
2)
47%が『Ingress』のために100km以上、15%が1000km以上の旅をしている
3)
19%が別の国、9%はなんと別の大陸まで旅している
4)
68%は少なくとも1度、10%は50回以上、徹夜でプレイしたことがある
5)
17%が『Ingress』のために1000ドル以上を使っている
6)
60%以上の人が痩せた
7)
85%の人は座って行うテレビを見るなど行動が週に1時間減、33%の場合は3時間以上、9%は6時間以上減っている
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▲アンケート結果に同行していたあしたづも興味津々。カメラマンという役割を忘れて、変なアングルの写真ばかりを撮影。深津庵に気づかれた瞬間がこちら。

 

──『Ingress』をきっかけに地元の魅力を再発見。その場に足を運ぶことで、地元に新しい友だちを作ることができる。そうした仲間と飲みに行ったり、家族ぐるみの交流が生まれていく。ゲーム=閉鎖的、そう思われてしまう方に、この結果を見てもらいたいですね。

川島 これがARの魅力であって、我々が提案する未来でもあるんですよね。また、こうした統計がある中で、みずから考えた巨大なオペレーションに挑むエージェントもいます。たとえば、2015年の6月にヨーロッパのレジスタンス陣営、150人以上のエージェントが、欧州全域を覆うという巨大な作戦“Summer Breeze作戦”を決行。これは、大西洋のカナリア諸島、北欧のノルウェイ、中東のクウェートという遠く離れた3ヵ所を結んでフィールドを構築したものです。この大規模な作戦を完成するためにエージェントたちがポータルキーを交換し、3000kmを旅した人、フィールドを完成させるために邪魔となるさまざまな障害をクリアーするため、各国のエージェントが協力しました。その結果、この作戦を達成することができたのです。

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▲クウェート、エジプト、イスラエル、ロシア、ドイツ、オランダ、ノルウェー。ことなる文化、国を越えて協力し合う。それを可能にする魅力を図解で解説する川島氏。

 

『Ingress』にいま起こっていること、今後の要望!!

──XMアノマリー以降、XMが湧きにくいと話題になってます。これはオブシディアンシールドの威力が大きく、ポータルネットワークに異常が発生したという、ストーリー上の影響ですよね。これ解決する方法、時期イベントの日程などを教えてください。

川島 XMが少なくて困りますよね。この現象を解決するアクションに関して具体的なことは言えません。……が、近々正式な発表があるのでお待ちください!

 
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▲白い粒がXM(エキゾチックマター)、なんだけどほとんど見えない。エージェントがアクションを起こすつ際に消費するものなので早期解決が望まれる。過去の事案から考えるなら、両陣営が協力するイベントも考えられる。

──現在、次期XMアノマリーの国内開催はなくなった。そんな噂も出ていますが実際のところどうなのでしょうか?

川島 我々も日本の市場はアメリカ同様、とても大切だと考えていますのでもう少しのあいだ、期待してお待ちいただけるとありがたいですね。

須賀 まずは東北へ!

──そう、東北ですよ! 東北沿岸部でポータル申請機能を限定的に復活するアナウンスとイベントが発表されました。その中に、期間中にポータルを申請、一定の基準を満たすとInitioメダルが贈られるとありますが、“基準”について具体的な内容が知りたいです。

須賀 基本は東北を訪れてポータルを申請する意思があること。これがとても大切で、それを満たしていれば誰もがメダルをもらえます。ただ、重複した場合の精査をどうするかがポイントでが、エージェントプロトコルに則った申請を心掛けていただければ大丈夫です。

川島 須賀が言う通り、参加する意思を大切にしたい。それを感じられるアクションに応えられるようにしています。メダル獲得もハードルは低く設定しているので、まずは東北を訪れていただき、いまの東北をみなさんの目で確認してほしいですね。

──古参のエージェントはもちろん、新規エージェントにもわかりやすく、より活発な活動を促すために新たなメダルの導入を期待しています。たとえば、リンクを引いた総距離、ポータルキーをリサイクルした数、CFを維持した日数、CFを破壊した数、リンクを維持した日数、それらに応じたもの。もしくは、現在予定しているものはあるのでしょうか?

川島 ポータルキーのリサイクルはおもしろいですね! リンクを維持した日数に関してはシビアな感じもしますが、CFを破壊した数に応じたメダルは、まさにエージェントらしいものですよね。メダルが増えればそれだけ新しいアクションに繋がっていくので、今後も楽しみにしていてください。

──ちなみに、以前提案したアイテム合成、キーロッカーの名前変更の件はその後どうなりましたか?

川島 はい、こちらはエンジニアたちと話をしているところです。アイテムの合成はもしかしたら近いうち……、近いうちとはいえないかも知れませんが、まずがキーロッカーの件は再度確認していきます!

 
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▲ここ、自分で名前を付けたいわけです!

 

──現在発生しているXM減少の件はストーリーに関する事象ですが、外部の情報を知らないエージェントからすると、ただのバグにしか見えない。たとえば、スキャナ上で1行でもいいので、いま起こっていること、それを匂わすアプローチ、メディアに日本語字幕と付けるなどを検討していただけるとうれしいです。

川島 それに関してもはいろいろ考えています。『Ingress』のスキャナ内でも再生可能なメディア(動画)に登場するスザンナモイヤー。彼女のようなひとが登場して日本のエージェントに向けた情報伝達をしてくれるようになるかもしれませんね。

須賀 も、もう少しお待ちを!(慌てて川島氏の話を中断)

──お、これは近々何かあると思ってよさそうですね!

川島 ま、まぁ、ワカラナイデスケドネ!

 

今回のインタビューは“ナイアンティックが考えるARの未来と今後の歩み”をメインに実施したため、時間の関係上、『Ingress』について詳しく伺うことができなかった。

▼記事はこちら
※『Ingress』や『Pokémon GO』を手掛けるナイアンティックが考えるARの未来と今後の歩み

村井さん、川島さん、須賀さん。
近いうちに、もっと突っ込んだ質問ができる場をいただけるとうれしいです!!

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▲こっそり話を聞いていたNIAの村井社長。

P.N.深津庵(レジスタンス)
深津庵のTwitter

Ingress(イングレス)

ジャンル
オンライン位置情報ゲーム
メーカー
Niantic, Inc.
配信日
配信中
価格
無料(ゲーム内課金あり)
対応機種
iOS/Android

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