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【三国志を抱く】第一人者に聞く、『三国志』って奥が深い!(その2)

2013-07-31 12:01 投稿

『三国志を抱く』を語る渡邉義浩教授の特別講義 ~第2回 中国の関羽人気がハンパない! 編

 

前回の講義は、『三国志演義』にたくさんのバージョンがあるという話だった。中でもとくに、関羽の描かれかたに違いが表われやすいのだという。でもフィクションとしての『三国志演義』って、たしか劉備が勇者、曹操がラスボスみたいな話だったはず。『三国志演義』の作者たちは、なぜ劉備や曹操ではなく、勇者のお供にすぎない関羽の描写にこだわったのか? そこで今回は、関羽が『三国志演義』の中でとくに重視された理由を渡邉先生に解説してもらった。

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渡邉義浩教授の特別講義 ~第1回 いろいろな『三国志演義』 編

 

渡邉義浩氏。早稲田大学文学学術院教授、三国志学会事務局長

 

●中国の子どもたちもマンガから三国志への世界へ

──中国の子どもたちは、三国志の世界にどうやって触れるんですか? 日本人はマンガやゲームから入ったりしますけど。

渡邉 中国でも、本屋さんに行けば『三国志演義』のマンガがありますし、テレビをつければドラマをやっていますよ。劇で見ることもあります。ただ、日本では歴史モノのエンタテイメントというと三国志が圧倒的に多いんですけど、中国では『西遊記』や『封神演義』も同じくらい人気があります。そういえば、本屋に行くと『三国志演義』の隣に『論語』が並んでいますよ。

──孔子の『論語』も人気があるんですか?

渡邉 中国では『論語』がブームですね。孔子の儒教は文化大革命のときに徹底的に否定されたんですけど、いまは「中国はこんなにすごいんだ」という海外への宣伝に使われていて、中国の国内でも再評価されています。

──孔子も英雄視されているんですか?

渡邉 “尊敬されている”と言ったほうが正しいかな? でも、孔子よりも関羽のほうがすごく尊敬されています。

──関羽って、蜀の劉備に仕えた有名な武将ですよね。やっぱり、蜀でいちばん強かったんですか?

渡邉 だと思いますよ。蜀で別働隊を率いて戦ったのは関羽だけですから、将軍としての指揮能力が認められていたんだと思います。

──そして一騎討ちで敵将をバッサリと!

渡邉 いやいや、将軍は前に出て戦いませんので(笑)。一騎討ちは、三国時代よりずっと昔の春秋時代(紀元前770~紀元前403年)までで、それ以降には行なわれなくなっています。(『三国志演義』で)魏のホウ徳と戦ったとき、関羽の年齢は60歳近いですから、一騎討ちなんてありえないと思いますよ。

──映画では一騎討ちをしていたのに……。

渡邉 それは娯楽映画なので、しかたのないことだと思います(笑)。

 

▲三国志の時代では一騎打ちなどは行われなくなっていたようだ。写真は『三国志を抱く』の戦闘場面から。

 

●中国では関羽の人気が断トツ!

──日本でも関羽は人気がありますけど、中国での人気はそれ以上なんですか?

渡邉 もう、別格ですから。劉備と関羽と張飛の三兄弟がいると、子どもたちは関羽しか見ません(笑)。

──エーッ、張飛どころか劉備までそっちのけですか!?

渡邉 なにしろ、関羽は神様ですから。もともとは、山西(さんせい)商人と呼ばれる人々が中国の各地に広めた財神(お金儲けの神様)なんですよ。山西省は塩が取れるところで、そこの塩商人が守護神として関羽を信仰していたんです。塩は専売制で莫大な利益をもたらしたので、だんだん財神に変わっていくんですね。

──そういえば、日本を含め世界中に関羽を祀った関帝廟がありますね。

渡邉 チャイナタウンを作るとき、いっしょに関帝廟を建てるんです。昔は関帝廟にお金を預けておいて、いざというときにお金を出してもらったんですよ。商人は出先でお金がなくなるのがいちばん怖いので、そういうときのためにも関帝廟を各地に置いていくんですね。関帝廟がないと、街が回らないんですよ。そういうことなので、関帝(関羽)への祭祀は非常に厚いわけです。

──本当に関羽は別格なんですね。

渡邉 (『三国志通俗演義』を書いた)羅貫中も、いちばん有力な説では山西省の人なんですよ。当時、文筆業では食べられませんので、パトロンがいたんですね。それが、山西商人だったんです。そういうことなので、関羽をどういうふうに書くのかということが『三国志演義』ではものすごく重要になってくるわけです。いちばんフィクションの多いのが関羽の人物像なんですね。

──パトロンの山西商人が信仰していることも関羽の描かれかたに影響したんですね。ちなみに、日本と中国で関羽の人気度に違いがあるように、三国志の研究にも違いがあったりするんですか?

渡邉 おもしろいのは、(中国では)三国志研究の国際会議が町おこしとセットになっていることですね。中国語で“観光熱”と書くんですけど、観光ブームで経済が発展したんで、中国のいろんなところにテーマパークが作られたんですよ。ごぞんじのとおり、ドラえもんの偽物の歩いていたり(笑)。そういった偽物は人気がなくなってしまうんですが、三国志関係の観光地は滅びないんですよね。すごく人気がすごくあるんです。

──三国志だけは鉄板ネタというわけですね。

渡邉 だから、三国志関連の観光資源を核にして国際会議を開いて、市長さんが「自分の市では三国志関係の観光にこれだけ力を入れているんだ」とスピーチして、記念切手を発行して(笑)。曹操が首都にしていた許昌市では、町じゅうにある魏の遺跡を整備して、献帝が天を祀った場所も見られるようになっています。

──先生も国際会議に毎回呼ばれるんですか?

渡邉 中国の研究者が大半なので、わたしを呼ばないと国際会議にならないということもあります(笑)。

──欧米でも三国志は人気なんでしょうか。

渡邉 三国志に興味があるのはフランスとアメリカだけですね。フランスではもともと中国学が盛んです。だから、映画『レッドクリフ』もアメリカとフランスでは当たったんですね。三国志の映画がどれだけヒットしたかを見ると、その国の“三国志熱”がだいたいわかりますよ。

──たしかに、『レッドクリフ』は日本でもヒットしましたね。

渡邉 日本はもう、ものすごく分厚い三国志マニア層があるので(笑)。日本や(同じ三国志の人気が高い)韓国では、『レッドクリフ』が2部構成(『レッドクリフ PartI』/『レッドクリフ PartII 未来への最終決戦』)で公開されたんですけど、ヨーロッパ向けには1本分に編集されたヨーロピアンバージョンもあります。

──そんなにたくさん場面を削られてしまうと、日本の三国志ファンには物足りないでしょうね(笑)。

 

講義のまとめ

 

・中国では三国志の登場人物の中で関羽がいちばん人気
・関羽は山西商人に信仰されて財神(お金儲けの神様)とされた
・山西商人が作家のパトロンになったため関羽がよく描かれた

戦いに強かった関羽が軍神として祀られるのはわかるけれど、”お金儲けの神様”と言われると「なぜ?」とピンとこない方も多いはず。関羽はもともと塩を売り歩く山西商人の守り神として信仰されていたが、やがて商売の拠点として各地に関帝廟が建てられたことから、その土地での商売繁盛を祈願される神様へと変化したようだ。

「ところで、渡邉先生も関羽がお好きなんですか?」と伺ったところ、大好きな人物は別にいるとのこと。「だれ、だれ? 気になるじゃないですか!」ということで、次回は渡邉先生が敬愛する三国志の登場人物と、そうじゃない人物についても存分語っていただく。お楽しみに!

(取材・構成:ライター/ムライサトシ)

 

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『三国志を抱く』とは?
ウェブブラウザだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、多様なプラットフォームで同一のゲームをプレイすることができる、ネクソン初のクロスプラットフォーム型シミュレーションRPG。ゲームはすべて連動し、いつでも、どこでも、好きなときにゲームの続きをプレイすることができる。三国志演義のストーリーを背景とした本格的な歴史戦略MMO RPGとなっており、登場する背景や人物、武器や服飾などの細部まで表現。プレイヤーは、三国志に登場する約200名の武将たちを指揮し、各武将固有の戦略(スキル)を通じて戦略的な戦闘を楽しめる。
※『三国志を抱く』の公式サイトはこちら

 

三国志を抱く

メーカー
ネクソン
配信日
配信中
価格
無料(アイテム課金あり)

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