新しくもどこか懐かしいブロック崩し『ハマるブロック崩し』

●“ハマる”というタイトルに偽りナシ！

“ブロック崩し”は、1970年代後半から1980年代にかけて登場したと言われている息の長いジャンルのひとつです。個人的には、プレイステーション・ポータブルで発売された某アドベンチャーゲームにミニゲームとして収録されていた、ブロックを消すとなぜか女の子たちの服も脱げちゃう、ちょっぴりエッチなブロック崩しをやり込んだのがいちばんの思い出。ろくでもない思い出ですみませんが、ブロック崩しは脱衣があるなしにかかわらず（いや、ホントですよ！）、ついつい熱中してやり込んじゃうゲームなんです。そして本作も本当によくできています。シンプルなゲーム性に爽快感がドバドバとトッピングされていて、まさに“ハマる”の名に偽りなしですよ！

▲画面のパッド、もしくは画面の下側にあるスライダーバーをタップし、左右（ステージによっては上下）にドラッグするとパッドが動きます。また、画面の上側に表示される入手したアドオン（パワーアップアイテム）をタップすると、効果を破棄することができます。

ステージをクリアーしていくには、ボールを追いかける反射神経が必要不可欠ですが、さきほども言ったとおり、ブロック崩しはルールが非常にシンプル。操作方法も単純明快で、誰でも手軽に遊べるとっつきやすさがあります。しかも、本作は一般的なブロック崩しのように、“すべてのブロックを壊すとステージクリアー”といったルールを採用していないのもポイントです。というのも、本作のステージは複数の部屋からなる迷路状に構成されていて、ステージのどこかに“★”が設置されています。この“★”にボールを当てるとクリアーとなるので、必ずしもブロックをすべて消す必要はありません。従来のルールを踏襲しながら独自のルールを加えることで、ほかのブロック崩しとは一線を画した内容に仕上がっており、新鮮な気持ちで遊べるのが本作最大のウリと言えるでしょう。


▲ブロックを崩すとさまざまなアドオンを入手できます。ライフが回復するアイテムも出てきやすいので、ミスしても挽回しやすいのはうれしいですね。


▲パッドを左右だけでなく、上下に動かすステージも用意されています。いつもとは違ったは違った感覚でプレイできますよ。	▲各ロケーションには4つのプレゼントが隠されており、これを4つすべて集めるとルールの異なるモードで遊べるようになります。

個人的には、ブロック崩しとしてのゲーム性を昇華させつつも、どこか懐かしさを感じさせるエッセンスを取り入れられているの本作の魅力かと思います。そのわかりやすい例が、各ロケーションに登場するライバルキャラたちです。彼らのデザインは、最近流行のいわゆる萌え系ではなく、アメコミ調のリアル系。下の写真を見てもらえれば分かっていただけるかと思いますが、どことなく昭和テイストです。しかも、エキセントリックな見た目のクラブのオーナー（女性）、爽やかそうだけどチャラそうな兄ちゃん、ダンディなサングラス警官、なぜか服がはだけているトップモデル（女性）など、思わずツッコミを入れたくなるほど非常に個性豊か。ステージをクリアーしていくと、彼らとのやり取り（といっても一方的に話しかけられるだけですが）も発生するので、だんだん不思議な愛着が沸いてきちゃいました。ブロック崩しにそんなキャラが必要と言われたら、決してそんなことはないですが、たんにプレイさせるだけの作りにしていないところにも注目してほしいです（ジャイアント黒田）


▲自称ニューヨークで一番のクラブオーナー。そのわりに、発言はちょっと安っぽいです。服装も含めて、金持ちの考えていることは分かりません。	▲ベテランの風貌漂う警察官。たいへんなお仕事だとは思いますが、自分のスキルアップのために新米だけを狙うのはいかがなものかと思います。