『Ingress』国立競技場で緊急バトル!! 軽い気持ちで呼び掛けたら想定外の結果になったBB戦リポート
2024-07-16 21:25
2019-12-27 20:55 投稿
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Ingress Prime(イングレス プライム)
『Ingress』を代表するイベントのひとつに“ファーストサタデー”というものがある。
これは新規のエージェント育成を目的とし、対立するふたつの陣営が共通の目的を持って本作の魅力を伝え体験する、世界中で毎月第1土曜日に開催される重要なイベントだ。
本記事ではファーストサタデー(以下、FS)に関連して実施された初の“FSアートワークコンテスト”の作品が採用された24連のミッションに挑戦。
さらに、その作者でありエージェントのRikka6こと木野陽(きのひなた)さんに、『Ingress』との出会いから今回のコンテストに込めた想いなどを直撃。インタビューと合わせて“MP A Prime Holiday”と題したミッションをリポートしていく。
今回取り上げる“FSアートワークコンテスト”とは、世界中のエージェントによって作られたオリジナルアート作品を通じて、各国さまざまなテーマにスポットライトをあてるコンテスト。
このコンテストは3ヵ月ごとに開催。Nianticの審査員とIFS-UNのメンバーによって選出された受賞者3名の作品がゲーム内アイテム“メディア”のアートワーク、毎月第1土曜日に各地で行われるFSで取り上げられるというもの。
今回、フリーライターの深津庵がチャレンジしたのは受賞作のひとつ、木野陽さんが手掛けた作品を24ルートを踏破して完成させる壮大なミッションというわけだ。
■INGRESS COMMUNITY FORUMS(詳しくはこちら)
2019年12月15日、午前8時過ぎ。筆者が訪れたのは24連ミッション“MP A PRIME HOLIDAY around Saitama, JP”のスタートポイントである埼玉県北与野駅だ。
この地は筆者が幼少期から中学2年生の終わりまでを過ごした思い出の地。
しかしそれは“さいたま新都心駅”や“さいたまスーパーアリーナ”なんてものもない古の時代のこと。オールドタイプには虚しさしかない異世界に様変わりしているのだろうと考えていたのだが……。
友だちがたくさんいた北与野駅前の大きなマンション、思い出が詰まった小中学校。ミッションルートから多少外れつつ、当時とさほどかわらない通学路を歩きながら4つのミッションをクリアー。
気分はもう小学生当時の深津くんである。
さいたまスーパーアリーナと線路を挟んで併設するショッピングモール“コクーンシティ”を抜け、東京都と埼玉県近辺に約280社ある氷川神社の総本社“大宮氷川神社”につながる5から11までのミッションルートである氷川参道を進んでいく。
氷川神社の境内を進んで12、13番目のミッションをクリアー。大宮公園サッカー場と埼玉県営大宮公園野球場の外周をめぐる14、15番目のミッションを抜け、大宮公園や埼玉県立歴史と民俗の博物館をたどり、最終ポイントの大宮駅に通じる16から24番までのミッションをいっきに踏破していく。
幼少期、両親に連れられ初詣などで何度も訪れた氷川神社だが、スキャナを介して歩いてみると知らないスポットがたくさん。
今回の体験で得た知識とスキャナをガイド代わりに、今度は自分が両親を連れて氷川神社を歩いてみたい。
――『Ingress』をはじめたきっかけは?
木野陽(以下、木野)もともと街歩きや地図が好きだったので、Android版のリリースを伝えるネットニュースで『Ingress』のコンセプトをひと目見てワクワクしたのを覚えています。ただ、使っていたのがiPhoneだったので始めたのは2014年7月のHeliosのころからですね。
――エージェントとしてのおもな活動のスタイルは?
木野 エージェントとしてはものすごくスローペースで、始めてから6年経って最近やっとレベル13。毎年、レベルに応じて付与される周年記念メダルがやっと金色になりました。スタイルを上げるなら“ポータル申請”ですね。XM(エキゾチックマター)の出ていそうな場所を見つけるの楽しいんです。
――わかります、“見える”瞬間がありますよね。
木野 そうなんですよ。現在ある推薦・審査のしくみになる以前のことですが、住んでいる街の公園などをかたっぱしから申請。ポータルが承認されたときに得られるAP(経験値)をお布団の中で受け取りレベルアップしたことはいまでもよく覚えています。現在は運動不足解消と体力づくりのため近所を少しずつ散歩しながら、ファーストサタデーなどのイベントに参加しています。
参考:ポータル申請にはまっていた時のことを描いたマンガ
●その1 ●その2
――マンガ家、イラストレーターとしての活動はいつごろから?
木野 職業としては2012年からです。子どものころから趣味でマンガ・イラストを描いていましたが、大学在学中に東京の同人誌即売会に参加するようになり、そこからのご縁で2008年にはじめてお仕事をいただきました。また、2010年にマンガ新人賞に入選。その後、社会人になってからはフリーのマンガ家・イラストレーターとして自主制作も続けています。
――コンテストに参加するにあたり心がけたテーマは?
木野 今回、コンペの作品テーマ要件に“月や季節のテーマを連想させる”というものがあり、対象月の9・10・11月の中から季節を象徴する行事のひとつ“ハロウィン”のある10月を選びました。ハロウィンはいま、世界中で楽しまれているので文化や宗教の異なる人たちにも親しんでもらえたらうれしいですね。また、ポータルは私たちの世界と異次元とを結ぶ出入り口のようなものなので、「ハロウィンで活性化したポータルからゴーストや怪物が現れて、仮装したエージェントたちの輪にこっそり混じっている」というアイデアが季節感と『Ingress』の世界観の両方にマッチすると考えました。
――今回の作品には札幌の景色が描かれていますよね。
木野 はい、実際にハロウィンのイベントが開かれていて、FSを開催できそうな場所を探し、北海道小樽市にあるメルヘン交差点という広場を設定しました。オルゴール堂をはじめとする洋風でレトロな建築物が並ぶ少し非日常な観光の名所。今回の作品をきっかけに訪れてくれたらうれしいですね。
――地元の魅力を伝えたいという想いも?
木野 北海道民なので道内FSの開催を応援したいという地元意識がなかったわけではありませんが、世界中で多くの方がFSを通じて交流を楽しむことを大切に、その雰囲気を伝えようと思って描きました。
――これまでもXMアノマリーを中心に多くの作品を手掛けてきましたよね。もともとは何がきっかけで始まったのですか?
木野 私はこれまで日々の暮らしで気づいたことや好きになったものをフィクション、ノンフィクション問わずマンガやイラストで表現してきました。XMアノマリーなど『Ingress』についても同様で、今年個人向けサービスが終了したGoogle+ではエージェントさんやNianticのみなさま。『Ingress』の登場人物たちとの体験をシェア。交流を深めていく中でファンアートをたくさん投稿しました。
木野 コミュニティ行事に関わる運営メンバーなどから作品制作の依頼をいただき、協力させていただくことも増えています。XMアノマリーやミッションディといったイベントの有志広報やノベルティ向けの作品は、ほぼそのイベントに携わるエージェントさんからご依頼をいただいて作ったもの。自分からは描かないテーマに取り組む機会も増え、おかげさまで制作の幅がとても広がりましたね。
――Nianticの二次創作に対する方針については?
木野 公式がクリエイティブなファン活動を歓迎してくれるしくみ、雰囲気を作ってくださってきたことも多くの作品制作につながっています。アートコンペ開催の前から、ミッションメダルにエージェントの手による画像が使えることや二次創作物を扱える頒布会や通販などのシステム。それらをNianticのみなさまが、SNSやリアルでファンメイドの作品を手に取って受け入れてくださる機会があったのは、ものすごくありがたくて光栄なことだと思っています。
――木野さんにとって『Ingress』とは?
木野 私は『Ingress』を現実にねざした物語生成装置ととらえています。ざっくり言うと“スキャナを開いて出かければ何かが起こる”というごく当たり前な説明になってしまいますが、ポータルに色をつけながら歩くだけで普段行かない場所に寄り道したり、はじめてのお店に入ってみたりもする。さらに、季節の変化を肌で感じるといった“気づきのしくみ”がじつにおもしろいと思います。
――おかげさまで今回の24連を通じて幼少期の体験を振り返ることができました。
木野 そういっていただけるとうれしいです。自分のイン活体験をファンアートに起こしてSNSや同人誌でシェアすることで、作品そのものを楽しんでくれることはもちろん、その方自身のいろいろな体験を聞かせていただく機会が増えたこともうれしいですね。
――今後、AG&クリエイターとしてチャレンジしたい目標。告知などがあればぜひ!!
木野 これからARがより発達してよりいろいろなものが現実の上に見える化していく。つまりXMを見るスキャナもより高度なものになっていくのではと思います。これからも活動を長く続け、新たな土地を訪れることでこの世界から気づきや物語を発掘して“見える化”していくのが目標ですね。あとは、ソジャーナを切らさずオニキスメダルを目指すことと、2020年は風邪をひかない健康な体をつくることにチャレンジしていこうと思います!!
木野さんのワークスタイルは筆者によく似ていて、机から離れることが少ない日々だったが、パワフルなエージェントたちに刺激され、いまでは自分でも驚くほどアクティブになっているようだ。
なお、木野さんの活動はTwitterをチェック。今回掲載許可をいただいた作品を含む、これまでに制作した『Ingress』に関連するファンアートは
Instagramで追うことができる。
2020年の『Ingress』はどんな体験に導いてくれるのか、木野さんの活躍と合わせてこれからも注目していきたい。
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら
対応機種 | iOS/Android |
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ジャンル | その他 |
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メーカー | ナイアンティック |
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コピーライト | (c) 2014 Niantic Inc. |
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