
『Ingress』“ミッションデイ倉敷”の全クリを目指す地域密着リポート(後編)
2016-10-14 17:10 投稿
観光にも役立つ練られたルート設定に感動
ナイアンティック社の位置情報ゲーム『Ingress』で実施された“ミッションデイ倉敷”に参加したレポート記事後編。
倉敷駅からスタートしたミッションシリーズも折り返しの4番目に突入。引き続き、ライターの深津庵とあしたづひむ(カメラアシスタント)、そしてナイアンティック社の広報をお手伝いする者としてミッションディの魅力を味わいたいと志願した高科(以下、だいじろう)が、倉敷美観地区をグルりと探索していくぞ!!
9月25日12時15分
友好の広場に巨大なカブトムシ!?
7つのポータルを巡る<MDK-04>倉敷中央図書館は、ポータルでありミッション対象である対象の芸文館大展望塔からスタート。その中には、建築家の丹下健三により設計された倉敷市美術館や、さまざまな化石や動物の標本、ナウマンゾウの動く模型などがある自然博物館も含まれているのだけど、当日はミッション全クリが最大の目標で、帰りの新幹線を考えると立ち寄る余裕がなかった。
しかし、そんな我々を楽しませてくれたのが、屋外に点在する不思議なオブジェ(もちろんポータル)たちだ。
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これらは、“クラシキ街角アート”らしく、振り返ってみるとに挑戦中に出会った“六種椅子”(アート名はLe sedie)、“延長する軌線”(アート名はLines Extending(延長する軌線))などのポータルも、その一環だったのだ。
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9月25日13時半
大雨の中で出会ったホルモンうどん
気象予報士にでもなれるんじゃないか、そんな手応えを感じたのは、まさにこの瞬間。須賀さんが会場を離れて間もなく、案の定、我々を大雨が襲ったのだ。やはり彼は晴れ男だったのかと、3人はもちろん現地にいたエージェントは皆実感したに違いない。
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この道中にもクラシキ街角アートが多く、お茶をいただいた新渓園や、江戸時代の蔵を改装して作られた日本郷土玩具館など興味深いポータルをハックしながら倉敷川を南下。高砂橋と前神橋からほど近い場所に到着したとき、目の前に現れたのが“広島お好み焼き TAKU”と書かれたお店だった。
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ここで、「ホルモンうどんがおいしいと噂のところです!」とだいじろう。さすが広報、事前に調べてくれていたようで、それならばとお店に突撃。もちろん、3人が注文したのは正式名“極上ホルモンうどん”。みずから極上と名付けちゃうとはかなりの自信だな、と思いつつ、やさしい笑顔が印象的な店主の腕さばきに見惚れること数分、噂のあいつが完成する。
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ハードルが上がれば期待値も膨らむもので、そんなときってだいたいがっかりしちゃうんだけど、極上ホルモンうどんはその想像を上回るおいしさ。関東人の深津にとってはこの濃い味がまたぴったりで、「もう1杯は余裕で食べられるよね」と、一同盛り上がる。
しかし、満たされる空腹の一方でさらに増していく雨量、3人は正面に見えた“廣榮堂 倉敷雄鶏店”で、お茶をいただきつつ、雨が少しでも落ち着くのを待つことにした。
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9月25日15時
最後の試練! 阿智神社と大雨とバッテリー切れ
鶴形山を登るルートが設定されている<MDK-06>阿智神社。ここまでは、雨さえ降っていなければ最高の観光ルートだったのだけど、最後に来てついにミッションデイが我々にキバを剥いた。何度か小休憩と取ってはきたけど、朝から歩いてきた3人の体力は残りわずか。これは絶対に製作者からの“最後の試練”、お手軽なミッションデイで終わると思ったら大間違いだったのである。「だいじろう、これがミッションデイだ」と深津。唖然とするだいじろうとあしたづの目の前に広がっていたのは最悪の光景だった。
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この少し前、レジスタンスなら誰もが足を止めたであろう“倉敷屋”の青色のビール、倉敷屋サイダー、青色の倉敷デニムプリンが遠い昔のようだ……。
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さて、最後の試練に話を戻そう。先ほどの階段はあくまでも序章、この後も段階的に続いていくのだけど、そんな矢先に雨脚がさらに悪化。木々に囲まれた道には蚊も多く、ビールを飲んだあしたづのもとに押し寄せてきたのだ。
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さらに、雨の影響かGPSにも狂いが生じ、3人のスキャナは大混乱。少しでも蚊が少なそうな中腹の広場に彼女を残し、階段を登ってハック対象のポータルがどこなのか探しにいく深津とだいじろう。そのときである、「バッテリーが切れちゃいました!」と、だいじろうのスマホが電源から落ちてしまったのだ。
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大容量のバッテリーを2個持ち歩く心配性の深津は、「これで最後まで戦え」と、ソッとだいじろうにバッテリーを手渡す。「いいんだ、そのためのバッテリーさ、思う存分吸い上げるがいい」、なんてやり取りはあったとかなかったとか。その後、正確なルートを把握、蚊を相手に戦い続けるあしたづを導き、阿智神社拝殿を通過。拝殿の左手奥に向かって進み、下山を開始する。
その道中で、推定樹齢300~500年という巨大な天然記念物“阿智の藤”を発見。見ごろは4月下旬から5月上旬らしく、この日は藤を見ることはできなかったけど、その圧倒的な存在感に思わず足を止めてしばらく見入ってしまった。
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ってそんなすばらしき天然記念物に目もくれず、「蚊は嫌だ」、「バッテリーを温存だ」と、あしたづとだいじろうは足早に下山。気づけば深津だけ置いてけぼり状態になってしまう。
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慌てて周囲をキョロキョロ、誰ひとりいないこの状況にホラー的な何かを連想し始めたそのとき、遠くからふたりの呼ぶ声が聞こえてくる。
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呼びかけてくれたはいいけど、何やらしきりに1点を指差すふたり。おいまさか、俺の後ろに何かいるとか言い出さないよな!? それだけは勘弁だぜ、心の叫びが止まらぬまま、足早に駆け寄ると、「階段を見て!!」と叫んでいるじゃないか。
「終わったわ、これ、連れて帰っちゃうやつだ」
恐る恐るその方向に進んでみると、そこには……。
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えっと、これは今回のXMアノマリーでファクションリーダーを務めたエージェント、テングさんにひっかけた仕掛けなのか、それとも誰かの落とし物なのか。よくできた偶然なのか必然なのか、頭の中をいろいろな考えがグルグル。
“触れたら呪われる”
極論に達した深津はテングの面をそのまま放置、足早にその場を去ることにした。
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9月25日20時
岡山から新幹線で東京へ
その後、あの面がどうなったのか、3人は語ることなく岡山駅へ。残すは帰るだけとなった瞬間、緊張の糸が解けたように疲労が溢れ出る。当初は喫茶店に入って休もうとか、どこかで夕飯をと話していたのだけど、お土産を買うのと最寄りポータルを奪い合うのが精いっぱい。新幹線の搭乗時間までの約30分、魂が抜けたように座り込んでしまう。
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ミッションデイ倉敷を終えて
今回のミッションデイ倉敷は、じつにルート取りが秀逸だった。駅前から始まり、自然と倉敷の町なみを散策、対象になっていたポータルも抑えておくべき名所が多く、始めて倉敷を歩いた深津らでも気づけば充実した観光を満喫。最後のミッションはちょっとハードだったけど、それこそ『Ingress』じゃなければ、ミッションルートでなかったら、阿智の藤や拝殿を見ることなく迂回していたに違いない。ミッションデイはすでに終わってしまったけど、今回チャレンジした観光案内にも適している6つのミッションは今後も残されているので、倉敷を訪れた際はぜひ、<MDK>で始まるミッションを探してもらいたい。
このミッションデイに関わったすべての方々、そして当日おじゃましたすべてのお店の方々、地域の皆さんへ。お陰さまで観光に不慣れな深津でも存分に倉敷を楽しむことができました。エージェント一同を暖かく迎え入れてくれたことを、心から感謝しています!!
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【Ingress記事まとめ】
イベントリポートや取材記事も
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら
Ingress(イングレス)
- ジャンル
- オンライン位置情報ゲーム
- メーカー
- Niantic, Inc.
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 無料(ゲーム内課金あり)
- 対応機種
- iOS/Android
- コピーライト
- (C) Niantic, Inc.
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