『ヴイアライヴ』定点観測では、バーチャルな姿で活動する灯里愛夏さん(以下、愛夏さん)、上水流宇宙さん(以下、宇宙さん)、サラ・レトラ・オリヴェイラ・ウタガワさん(以下、レトラさん)のライバーアイドルプロジェクト、『ヴイアライヴ』について記録していく。
“プロデューサー”に寄り添ってプロジェクトをフォローする功労者
同氏の経歴を調べてみると、ライブイベントのプロデューサーとして長年携わっており、10年前の2014年に行われた『アイドルマスター ミリオンライブ!』の1stライブから関わっているベテランであることがわかる。ひとつにブランドに限らず、さまざまなライブイベントを全体的に見ている立場で、『アイマス』シリーズを広く支え続けているスタッフとも言えるだろう。
そんな中で、同氏が携わったイベントのひとつが“765プロオールスターズ”のライブイベント、『THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆』(以下、『MR ST@GE!!』)である。ご存じの“プロデューサー”諸兄も多いとは思うが、こちらはそれまでのようなキャスト陣によるライブとは異なり、VR映像技術によってゲームと同じ姿のアイドルたちがステージに登場するというものであった。しかも、ゲームのように決まった台詞を喋るといった内容ではなく、会場の声にもしっかりとリアクションをするというインタラクティブなシーンも盛り込まれていたのである。
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このイベントは、1stシーズン、2ndシーズン、そしてENCOREと最終的に3シーズンに分かれての公演となる…はずだった。しかし、最後のENCORE公演と同じくして、新型コロナウイルスの感染拡大がエンターテイメント業界にも大きな影響を及ぼすことになり、後半のスケジュールがすべて中止となってしまう。そして、この3シーズン目で初公演を行う予定だった“星井美希”のライブが行われず、会場となったDMM VR THEATERも閉館したため、ひとりだけステージに立つことができなくなってしまったのである。
それをフォローする形で企画されたのが“星井美希”の特別生配信である。『MR ST@GE!!』同様に、ただ映像が流れるだけでなく、コメントに対してリアクションしたり、番組名をいっしょになって考えたりと、こちらもインタラクティブな要素が強い内容だった。
同じころ、簡単に外出できない環境になっている中の巣ごもり需要のひとつとして、VTuberがこれまで以上に注目を集め始めるタイミングでもあった。ステージではなく、“765プロダクション”の事務所から配信するというアットホームな雰囲気が、さらにアイドルと身近な距離感を演出し、1視聴者として観ていた筆者も「アイマスでも、VTuberみたいなことができるんだ」と、興奮と感動を覚えた記憶がある。
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こういったライブ主体のコンテンツ制作に携わってきた勝股氏が、ライバーアイドルプロジェクトを担当するということで、信頼と納得の人選である。そして、最初のプロジェクト発表会から、公式レッスン配信の告知でも度々登場したり、時にはMCを担当したりとさまざまな活躍を見せている。
もともと、『アイドルマスター』シリーズの各ブランドのプロデューサーはそれぞれが生配信番組等で司会をこなしつつ、時にキャストとのやりとりで感動や笑いを届けてくれるなど、それぞれがユーザーから愛される存在だ。その中でも、勝股氏はプロジェクト開始早々から、公式配信の出演だけでなく、企画の中でレポーターやインタビュアーを担当したり、イベントの出展では現地対応も行い、“プロデューサー”と直接交流するなど幅広く活動をこなしている印象だ。
配信では前に出すぎずに程よい距離感でアイドルたちをフォローしつつ、リリース発表では簡潔にわかりやすく伝える様子も見られる。とくに直近で行われた勝股氏のソロ配信では、プロジェクトにかける熱い思いだけでなく、収益に関する際どい質問にもしっかりと答えており、コメント欄からも多くの称賛の言葉が飛び交った。
◤◢◤NOW ON AIR◢◤◢
— vα-liv公式📣ヴイアラ (@valiv_official) December 6, 2024
勝股Pによる特別番組
「ソロ勝股の部屋」が開始しました!#ヴイアラ の最新情報をお届け!
お見逃しなく!
🔽配信https://t.co/b8d78yZ64k pic.twitter.com/tWZ4rAAEXn
9月末に行われた『PROJECT IM@S vα-liv PRODUCER MEETING 2024』では、バラエティパートのMCもこなしつつ、ライブパートで機材トラブルが発生した際にすぐにステージに上がり、会場の熱が冷めないようトークで繋いで盛り上げるといったファインプレーも光った。ノープランと言いつつも観客に感想を聞いたり、ステージ裏のアイドルに話を振ってみたり、会場の“プロデューサー”が大きな紙で掲げたコメントを拾って笑いをとったりと、安定感のある対応で場を繋いでいた。これも、長年ライブイベントに携わってきた経験が成せる技だろう。
『ヴイアライヴ』に限らず、すべてのシリーズにおいて、前に出ているキャストはもちろん、多くのスタッフの力によってプロジェクトが作られていることは言うまでもない。しかし、これまでの『アイマス』ブランドにはなかった挑戦的なコンセプトでありながら、順調にプロジェクトが成長しているところを見るに、下支えしているスタッフと取りまとめをしている勝股氏には感謝とリスペクトしかない。