昼間はごくふつうのカフェ、夜は代行屋の顔を持つ“アポリア”のオーナー代理にひょんなことから就任することになった主人公が、アポリアのスタッフたちと一風変わったお仕事を通して、彼らとの仲を深めていく女性向けゲームアプリ。
現代の日本を舞台にしたリアルなストーリーに加え、おしゃれな楽曲と新感覚のマッチ3パズルが楽しむことができ、同社の人気女性向けゲームアプリ『スタンドマイヒーローズ』(以下『スタマイ』)、『魔法使いの約束』とはまた違った特色で人気を呼んでいる。
本稿では、そんな本作のハーフアニバーサリー記念として、本作のゲームディレクターにインタビューを敢行。この半年を振り返っていただき、本作の開発秘話、今後の展開などついて伺った。
ゲームD
『ブレイクマイケース』ゲームディレクター。 ゲーム内施策の企画、仕様作成、ゲーム全般のクオリティチェックを行うほか、サウンドのディレクションも担当する。
この半年を振り返って
ーー開発期間もそれなりにあったかと思うのですが、やはりリリース後は気持ちに変化はありますか?
楽しんでもらえるだろうと思って出したものが意外と反響が薄かったり、あまり注目していなかった部分が好評いただいたりと、新しい発見も多かったです。リリース前から変わらず、開発メンバー一同、高いモチベーションで運営・開発を行っています!
ーーそもそも本作はどういったコンセプトで開発されたものだったのでしょうか。
あとは、サウンドやグラフィックデザイン、ゲーム体験など、物語世界を包み込む外側の部分にも細部までこだわってきました。全体的に、都会的でおしゃれな雰囲気を肌で感じられるようにデザインしています。
ーー女性向けのゲームを作る場合、主人公の立ち位置が難しい部分があると思いますが、『ブレマイ』ではどのように考えて作られましたか。
一方で、自分の担当範囲はおもにゲームパートでしたので、主人公というより“プレイヤー”の立場が明確になるように心掛けることが多かったですね。たとえば、この前まで開催していた“幽界からの招待状”では、バーカウンターでスタッフがカクテルを作るイベントがあったのですが、プレイヤーはあくまでオーナー代理で、ドリンクを作ってもらうお客さん側の立場ではないので、お客さん側の気持ちにならないように各種機能の名称などは気をつけて制作しました。
ーー『ブレマイ』といえば、音楽もおしゃれですよね。ディレクターご自身でディレクションされているとお伺いしています。
ーー音楽もいろいろな選択肢があったと思いますが、どのような点を意識してアーティストさんをチョイスしましたか?
ーー楽曲制作時、とくに印象に残っている思い出はありますか?
それで、いっそのこと全部の要素を入れようということになり、御門の要素を洗い出して、それを音色に当てはめるとどういう音楽になるのかをすべて言語化し、曲を制作していただいたんです。
賛否両論だったグルーヴマッチ
同時に、『ブレマイ』は藍田先生が考案された世界観を軸に開発をスタートしたので、その世界観と相性のいいシステム、という意味でもパズルを選んでいます。
ファンタジーの世界観だったらモンスターと戦うバトルもあるでしょうし、アイドルものだったら育成して歌って踊ることがあってもおかしくはないのですが、『ブレマイ』や『スタマイ』は現実世界が舞台なので、キャラクターがゲームの中で躍動するようなタイプのゲーム性に適したジャンルではないと感じ、より作品の世界を外側から彩るような存在として、カジュアルなパズルゲームが適していると考えました。
ーーまずパズルがあり、そこに音楽を乗せてこのシステムになっていったわけですね。
「『ブレマイ』ならではの体験を提供するとしたら何がいいだろうか」と考えたときに、世界観やキャラクターたちの魅力を肌で感じていただくための媒体として、音楽がいいんじゃないかと考えました。
純粋にキャラクターソングを聞きながらパズルをプレイしたら楽しいと思いましたし、ゲームシステム的にもパズル中に音楽が鳴っている必然性があればもっといいなと。そこから“音楽を楽しめるマッチ3パズル”に行き着きました。
ーーマッチ3パズルを音楽と融合させるというのは難しい試みだったと思いますが、具体的にどういったところにこだわりを持って作られましたか?
初めて触るシステムでもなるべく難しそうに見せないように、難しいよりも楽しいという気持ちが勝る操作感を重要視していました。あとはルールをいかにシンプルにするか、盤面をいかにごちゃごちゃさせないかという部分も意識していました。
ーー『スタマイ』経験者も多いかと思いますし、中にはオーソドックスなマッチ3パズルを求めていたユーザーもいたのではないかと思います。反響はいかがでしたか?
一方で、「新しくておもしろい」という意見もたくさんあったんですよね。ふつうのマッチ3パズルは、パズルのターゲットがあり、そのミッションを解くためにじっくり頭を使う楽しさがあると思うのですが、『ブレマイ』はどちらかというとスコアアタックの要素が強くなっていて、その点はよい評価を多くいただけました。
このため、スコアアタックにより熱中できるようなゲームシステムになるよう工夫を施しました。とりあえず、「なんだかわからないけど、いっぱいユニットを作って消して、いっぱい点数を稼げばいいんだな」というシンプルなシステムだよ、と誘導していくようにしています。
ーー先行体験版の時点で賛否両論あったとおっしゃっていましたが、それを踏まえて改善したところはありますか?
ーーβの結果次第でイチから作り直しというのもゲーム開発においては聞く話ですが、そういう話にはならずに済んだのでしょうか。
新しいシステムなので慣れていないというのもありますし、きっとおもしろいと思っていただけるようになると信じて、自信を持って開発しました。もちろんさまざまなユーザーさんに楽しく遊んでいただきたいので、入口が狭くならないよう、レベルデザインで調整を加えていきました。
これまで、そしてこれから
本当は冬くらいに実装しようと思っていたんですが、同じ形式のイベントが長く続いていることに退屈さを感じているユーザーさんも多いのではないかと思い、予定よりも前倒しで開発しました。通常の運用をしながら新規でシステムを開発するというなかなかタフな状況だったので、印象に残っているイベントです。
🥂カフェバーイベント(1/2)
— ブレイクマイケース公式【ブレマイ】 (@breakmycase) October 20, 2024
パズルでドリンクの材料を集めたら Let's MAKING!
ドリンクをたくさん作って売上を稼ぎましょう🍸
稼いだ売上に応じて《イベントカード》や《ガチャチケット》などの報酬をGETできます🎟️#ブレマイ #Aporiaオーナー代理マニュアル pic.twitter.com/OqupaGprQK
ーー本当に急ピッチで進められた企画なんですね。
ーー直近での課題や直していきたいところなどは具体的にあるのでしょうか?
また、『ブレマイ』は説明がさらっとしすぎていて、システムが皆さんに伝わりにくいところがあるので、ここは気をつけていきたいと思っています。 “幽界からの招待状” でも、素材を集めてカクテルを作るときに“つくる”ボタンを長押しすれば一気に作れるのですが、お伝えしきれていなかったことで、ユーザーさんに面倒に感じさせてしまっていたかなと。チュートリアルやルール説明などのフォローを強化していければと思っています。
ーーゲームに慣れている方だと過去の経験から直感的にできる操作も、初心者だと気づけないということはありますよね。とはいえ説明しすぎも今度はゲーム慣れしている方のストレスになりますし……。
また、いまはSNSでユーザーさんから「こうやってやるといいよ」と発信してくださる場合もあって、そういった流れからブレマイが広がってくれることもあるので、本当にユーザーの皆さまには助けられています。
🍸カフェバーイベントのコツ
— ブレイクマイケース公式【ブレマイ】 (@breakmycase) October 23, 2024
材料がたくさんあるときは「つくる」ボタンを長押しで大量注文!
作ったカクテルは、指でなぞって一気に回収することもできます☝️#ブレマイ #Aporiaオーナー代理マニュアル pic.twitter.com/oIg0l5F98m
ユーザーファーストで進める運営方針
世の中にゲームもコンテンツもたくさんありますが、皆さんの日常の中で「疲れたな」と思ったときに、『ブレマイ』が寄り添える存在になれたらいいと思いながら運営しています。末永くいっしょに歩んでいける存在になれるよう、「もっとこうだったら楽しいのに」とか、「こうだったら毎日やりたいのに」というような声は真摯に受け止めたいと思っています。
ただ単にガチャが回しやすくなることが重要なのではなく、ユーザーの皆さんが『ブレマイ』を楽しみながら日々の目標に向かって進んでいける仕組みがよいのかなと。そのために、ゲーム内での進行に応じてクリスタルを獲得できる“ブレマイルパス”を実装するなど、日々の体験がさらに充実し、長く遊んでいただけるよう努めています。
ーーゲーム外の展開も少しおうかがいさせてください。もしグッズ展開されるとしたら、個人としてはどんなグッズが欲しいですか。
ーーグッズ化には期待をしてもいいのでしょうか?
まだお約束はできませんが、皆さんからのご要望はきちんと届いています、ということだけはこの場でお伝えさせていただきます。
メインストーリー Thread.2 も、現在鋭意制作中です! 配信時期などはまだお伝えできないのですが、今後もメインストーリーは全編フルボイスで、最高の品質で皆さまにご提供したいと考えてます。なるべく早くお届けできるように努めてまいりますので、もう少しだけお時間をいただければと思います。
いまはメインストーリーを読んだり、スピンのテキストやホームのセリフを読んだりしてスタッフたちの人間性を知っていただいてると思うのですが、もう一歩踏み込んで、よりスタッフたちを身近に感じていただける機能も考えているので、こちらも楽しみにお待ちいただけますと幸いです。
ーー最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
また、現在キャンペーンにて、すべてのメインストーリーがユーザーランクの条件なしで読めます! まだ『ブレマイ』を読んだことがない方は、ぜひこの機会に読んでいただき、そのまま新しく配信されたエピソードも読んで、ハマっていただけたらうれしいです。
皆さまが人生に疲れたと思ったとき、仕事の中で辛いことがあったときなど、『ブレマイ』が心の拠り所になれるように頑張りたいと思います。