『ブレイクマイケース(ブレマイ)』ハーフアニバ記念開発者インタビュー。楽曲制作のウラ話や“グルーヴマッチパズル”の開発秘話も!

byさとるり

byぎょにちむ

『ブレイクマイケース(ブレマイ)』ハーフアニバ記念開発者インタビュー。楽曲制作のウラ話や“グルーヴマッチパズル”の開発秘話も!
ブレイクマイケース
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ブレイクマイケース

colyより配信中の『ブレイクマイケース』(以下、『ブレマイ』)がリリースから半周年を迎えた。

昼間はごくふつうのカフェ、夜は代行屋の顔を持つ“アポリア”のオーナー代理にひょんなことから就任することになった主人公が、アポリアのスタッフたちと一風変わったお仕事を通して、彼らとの仲を深めていく女性向けゲームアプリ。

現代の日本を舞台にしたリアルなストーリーに加え、おしゃれな楽曲と新感覚のマッチ3パズルが楽しむことができ、同社の人気女性向けゲームアプリ『スタンドマイヒーローズ』(以下
『スタマイ』)、『魔法使いの約束』とはまた違った特色で人気を呼んでいる。

本稿では、そんな本作のハーフアニバーサリー記念として、本作のゲームディレクターにインタビューを敢行。この半年を振り返っていただき、本作の開発秘話、今後の展開などついて伺った。

ゲームD

『ブレイクマイケース』ゲームディレクター。 ゲーム内施策の企画、仕様作成、ゲーム全般のクオリティチェックを行うほか、サウンドのディレクションも担当する。

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この半年を振り返って

ーー半年を迎えたいまのお気持ちをお伺いできますでしょうか。

D
 「もう半周年か」という驚きとともに、「ここまであっという間だったな」とも感じております。新しい機能をリリースして、そのフィードバックをお客さんからいただいて次の施策を考えるというサイクルを繰り返していたら、いつの間にか半年経っていました(笑)。多くのユーザーさんに遊んでいただけて本当にうれしいです。ありがとうございます。

ーー開発期間もそれなりにあったかと思うのですが、やはりリリース後は気持ちに変化はありますか?

D
 はい。ユーザーさんからの反応が見えると全然違いますね。リリース前はこもって開発していたので「本当にユーザーさんに喜んでもらえるだろうか……」と不安と期待が入り混じる毎日でしたが、リリース後はユーザーさんから直接反応をいただきながら改善できるので、安心感が生まれたとともに、今後もブレマイを盛り上げていくことの責任も、より感じるようになりました。

楽しんでもらえるだろうと思って出したものが意外と反響が薄かったり、あまり注目していなかった部分が好評いただいたりと、新しい発見も多かったです。リリース前から変わらず、開発メンバー一同、高いモチベーションで運営・開発を行っています!

ーーそもそも本作はどういったコンセプトで開発されたものだったのでしょうか。

D
 『ブレマイ』は、“リアルでおしゃれ” というコンセプトで開発しました。 藍田創先生に書いていただいた、東京のカフェバー・Aporiaを舞台とするリアリスティックな物語世界を、都会的でおしゃれなデザイン、カジュアルに楽しめるゲーム体験などで包み込むことで、1本のゲーム作品にまとめ上げることを目指しました。
[IMAGE]
都会的なデザインに目が惹かれるキービジュアル。
ーー『ブレマイ』はどういうところで既存の女性向けゲームと差別化を図ろうとしましたか。

D
 まずは、人物や物語の“現実性”ですね。本作に登場する“スタッフ”(登場キャラクターたちの総称)はいい意味であまり“キャラクターっぽく”ないんです。インテリとかツンデレとか、単純に記号化して説明できるようなキャラクター性ではなく、かなり複雑で奥行きのある人物として描かれています。言い換えると、彼らの本性をすぐには理解できないからこそ、ストーリーを読んでもっと知りたくなる生々しさを持っているのが『ブレマイ』の強みだと思っています。

あとは、サウンドやグラフィックデザイン、ゲーム体験など、物語世界を包み込む外側の部分にも細部までこだわってきました。全体的に、都会的でおしゃれな雰囲気を肌で感じられるようにデザインしています。

ーー女性向けのゲームを作る場合、主人公の立ち位置が難しい部分があると思いますが、『ブレマイ』ではどのように考えて作られましたか。

D
 シナリオパートの主人公は、ひとりの生きた人物としての確立をしつつ、物語を追う中で感情移入できるような人物像を目指しました。メインキャラクターのことがもっと知りたい方にとっては、彼らのパーソナリティや関係性などの情報を引き出す案内人としても親しんでいただける存在にもなっているかなと思います。

一方で、自分の担当範囲はおもにゲームパートでしたので、主人公というより“プレイヤー”の立場が明確になるように心掛けることが多かったですね。たとえば、この前まで開催していた“幽界からの招待状”では、バーカウンターでスタッフがカクテルを作るイベントがあったのですが、プレイヤーはあくまでオーナー代理で、ドリンクを作ってもらうお客さん側の立場ではないので、お客さん側の気持ちにならないように各種機能の名称などは気をつけて制作しました。

ーー『ブレマイ』といえば、音楽もおしゃれですよね。ディレクターご自身でディレクションされているとお伺いしています。

D
 ありがとうございます。プロデューサーと分担しながら、一部音楽のディレクションも担当しています。「BGMにここまで力を入れてる女性向けタイトルは他にはない」と思っていただけることを目指して開発してきたので、リリース後にご好評いただきうれしく思っています。

ーー音楽もいろいろな選択肢があったと思いますが、どのような点を意識してアーティストさんをチョイスしましたか?

D
 活躍されている素敵なアーティストさんはたくさんいると思いますが、女性向けゲームで起用されている方はまだまだ少ない、という印象がありました。ユーザーの皆さんはすでにさまざまなコンテンツが周りにあって飽和状態だと思うのですが、『ブレマイ』を通じてふだんは接点のないアーティスト・音楽に触れていただくことで、新しい出会いにつながれば素敵なのではと考えました。

ーー楽曲制作時、とくに印象に残っている思い出はありますか?

D
 “御門 尊(みかどたける)”の楽曲“Empress Power”を作ったときですね。楽曲はDirty Androidsさんに制作いただいたのですが、御門はひと言で表すのがものすごく難しいキャラクターなんです。中性的でもあるし、中立的でもあるけど、すごく芯の強い部分もあるし……。どこを切り出して曲を作ったらいいんだろうと悩みました。

それで、いっそのこと全部の要素を入れようということになり、御門の要素を洗い出して、それを音色に当てはめるとどういう音楽になるのかをすべて言語化し、曲を制作していただいたんです。
[IMAGE][IMAGE]
さまざまな色を見せてくれる御門 尊。
⇒“Empress Power”を試聴する
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賛否両論だったグルーヴマッチ

ーー本作はパズルと音楽の融合“グルーヴマッチパズル”が特徴的ですが、このシステムはどのようにして生まれたのでしょうか?

D
 colyはマッチ3パズルの『スタマイ』を長年運営してきたので、ノウハウが蓄積していたんです。そこでまず「パズルゲームを作ろう」という話になりました。

同時に、
『ブレマイ』は藍田先生が考案された世界観を軸に開発をスタートしたので、その世界観と相性のいいシステム、という意味でもパズルを選んでいます。

ファンタジーの世界観だったらモンスターと戦うバトルもあるでしょうし、アイドルものだったら育成して歌って踊ることがあってもおかしくはないのですが、
『ブレマイ』『スタマイ』は現実世界が舞台なので、キャラクターがゲームの中で躍動するようなタイプのゲーム性に適したジャンルではないと感じ、より作品の世界を外側から彩るような存在として、カジュアルなパズルゲームが適していると考えました。

ーーまずパズルがあり、そこに音楽を乗せてこのシステムになっていったわけですね。

D
 さすがにマッチ3パズルをそのままとなると、『スタマイ』と同じになってしまいますし、この時代に新たにマッチ3パズルを出すにあたっては、新しいスパイスを加えたいと思ったんです。

『ブレマイ』ならではの体験を提供するとしたら何がいいだろうか」と考えたときに、世界観やキャラクターたちの魅力を肌で感じていただくための媒体として、音楽がいいんじゃないかと考えました。

純粋にキャラクターソングを聞きながらパズルをプレイしたら楽しいと思いましたし、ゲームシステム的にもパズル中に音楽が鳴っている必然性があればもっといいなと。そこから“音楽を楽しめるマッチ3パズル”に行き着きました。

ーーマッチ3パズルを音楽と融合させるというのは難しい試みだったと思いますが、具体的にどういったところにこだわりを持って作られましたか?

D
 いちばんこだわったのは演出です。時間が限られている中でパズルを消していくゲームなので、触った瞬間に何が起きたかが直感的にわかるようにしながらも、爽快感を得られるように、リリース直前までひたすらブラッシュアップしました。

初めて触るシステムでもなるべく難しそうに見せないように、難しいよりも楽しいという気持ちが勝る操作感を重要視していました。あとはルールをいかにシンプルにするか、盤面をいかにごちゃごちゃさせないかという部分も意識していました。

ーー『スタマイ』経験者も多いかと思いますし、中にはオーソドックスなマッチ3パズルを求めていたユーザーもいたのではないかと思います。反響はいかがでしたか?

D
 リリース前に先行体験版を出したのですが、ユーザーアンケート結果では賛否両論でした(笑)。ただでさえ頭を使うマッチ3パズルに、シークバーやコンボという要素が足されたものになっているので、難しい・理解しにくいといった意見もありました。

一方で、「新しくておもしろい」という意見もたくさんあったんですよね。ふつうのマッチ3パズルは、パズルのターゲットがあり、そのミッションを解くためにじっくり頭を使う楽しさがあると思うのですが、
『ブレマイ』はどちらかというとスコアアタックの要素が強くなっていて、その点はよい評価を多くいただけました。

このため、スコアアタックにより熱中できるようなゲームシステムになるよう工夫を施しました。とりあえず、「なんだかわからないけど、いっぱいユニットを作って消して、いっぱい点数を稼げばいいんだな」というシンプルなシステムだよ、と誘導していくようにしています。

ーー先行体験版の時点で賛否両論あったとおっしゃっていましたが、それを踏まえて改善したところはありますか?

D
 レベルデザインに関しては、最後までチューニングを重ねました。じつは先行体験版で出した時のレベルデザインは、「これでいつでもリリースできるぞ」ってぐらい詰めたものだったのですが、皆さんからの意見を踏まえて、かなり調整しました。カード1枚1枚のスキルやスペック、スコアの計算式、ステージの内容をほとんど作り変えましたね。

ーーβの結果次第でイチから作り直しというのもゲーム開発においては聞く話ですが、そういう話にはならずに済んだのでしょうか。

D
 そうですね。「難しいからこそおもしろい」「やりごたえがある」という意見もたくさんいただきましたし、“難しい”は個性でもあるので、維持していいのではないかと思いました。

新しいシステムなので慣れていないというのもありますし、きっとおもしろいと思っていただけるようになると信じて、自信を持って開発しました。もちろんさまざまなユーザーさんに楽しく遊んでいただきたいので、入口が狭くならないよう、レベルデザインで調整を加えていきました。
公式動画の解説動画でも、難しいけどハマる!と言う声が多数。

これまで、そしてこれから

ーーリリース半年を迎えてこれまで印象に残っているイベントや出来事などはありますか。

D
 本当に直近のことですが、“幽界からの招待状” で実装した新形式のイベントです。1年目の途中で新形式イベントを実装することはリリース前から構想していたのですが、当時はユーザーさんがどのようにブレマイを遊んでくれるのかが明確に見えていなかったんです。でもこの半年のあいだで、ログインするたびに楽しみが増えるような体験を求めているユーザーが多いことがわかってきたので、今回のように、イベントの途中で“シフト”が切り替わったり、新しいカクテルのレシピを解放して楽しんだりできる形式を考えました。

本当は冬くらいに実装しようと思っていたんですが、同じ形式のイベントが長く続いていることに退屈さを感じているユーザーさんも多いのではないかと思い、予定よりも前倒しで開発しました。通常の運用をしながら新規でシステムを開発するというなかなかタフな状況だったので、印象に残っているイベントです。


ーー本当に急ピッチで進められた企画なんですね。

D
 時間がないのは開発メンバーもわかっているのに、みんなアイデアが止まらなくて(笑)。リリース前は、「たぶん、こういう人たちが喜んでくれるだろうから」といった机上の空論で考えるしかなかったのですが、いまは皆さんが具体的にどう喜んでくれるかが見えてきているので、とてもアイデアを出しやすいんです。

ーー直近での課題や直していきたいところなどは具体的にあるのでしょうか?

D
 不具合や、レベルデザインの調整不足は減らしていきたいと考えています。最近では、“幽界からの招待状” では不具合を多く起こしてしまい、ユーザーの皆さまにご迷惑をおかけしてしまいました……。チーム内で大反省会もしました。学べたことも多かったので、今後はもちろん改善したいと思っています。

また、
『ブレマイ』は説明がさらっとしすぎていて、システムが皆さんに伝わりにくいところがあるので、ここは気をつけていきたいと思っています。 “幽界からの招待状” でも、素材を集めてカクテルを作るときに“つくる”ボタンを長押しすれば一気に作れるのですが、お伝えしきれていなかったことで、ユーザーさんに面倒に感じさせてしまっていたかなと。チュートリアルやルール説明などのフォローを強化していければと思っています。

ーーゲームに慣れている方だと過去の経験から直感的にできる操作も、初心者だと気づけないということはありますよね。とはいえ説明しすぎも今度はゲーム慣れしている方のストレスになりますし……。

D
 まさにそうなんです。塩梅がとても難しいところなのですが、できる限りわかりやすい説明になるように心がけたいと思っています。

また、いまはSNSでユーザーさんから「こうやってやるといいよ」と発信してくださる場合もあって、そういった流れからブレマイが広がってくれることもあるので、本当にユーザーの皆さまには助けられています。

ユーザーファーストで進める運営方針

ーー運営方針や、運営するうえで大事にしていることを教えてください。サービス直後にガチャが回せないというユーザーの要望に対して、すぐに対処していたのも印象的でした。

D
 基本的にはユーザーファーストが軸にあります。それは単にユーザーの声に何でも答えるという意味ではなくて、 『ブレマイ』でしか満たせない満足感をどうやって提供していくかというところです。

世の中にゲームもコンテンツもたくさんありますが、皆さんの日常の中で「疲れたな」と思ったときに、
『ブレマイ』が寄り添える存在になれたらいいと思いながら運営しています。末永くいっしょに歩んでいける存在になれるよう、「もっとこうだったら楽しいのに」とか、「こうだったら毎日やりたいのに」というような声は真摯に受け止めたいと思っています。

ただ単にガチャが回しやすくなることが重要なのではなく、ユーザーの皆さんが
『ブレマイ』を楽しみながら日々の目標に向かって進んでいける仕組みがよいのかなと。そのために、ゲーム内での進行に応じてクリスタルを獲得できる“ブレマイルパス”を実装するなど、日々の体験がさらに充実し、長く遊んでいただけるよう努めています。

ーーゲーム外の展開も少しおうかがいさせてください。もしグッズ展開されるとしたら、個人としてはどんなグッズが欲しいですか。

D
 私は“ぬい”(ぬいぐるみ)が欲しいんですよね(笑)。スピンというミニキャラが出てくるゲームモードでは、ミニキャラにも衣装があります。その衣装の着せ替えをするのが私はとても好きなんです。本物のぬいにゲームの衣装と同じものを着せて、お出かけして写真を撮ったりしたいなと思っています。

ーーグッズ化には期待をしてもいいのでしょうか?

D
 じつはユーザーの皆さんからも、ぬいぐるみが欲しいという熱い声をたくさん寄せていただいています。

まだお約束はできませんが、皆さんからのご要望はきちんと届いています、ということだけはこの場でお伝えさせていただきます。
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リアルチェキでぬいを撮ってスピン風の写真にするのも楽しいはず♩
ーー現在開催中のイベントや、今後の配信予定などを教えていただけますか?

D
 0.5th Anniversary イベントの実施、それからメインストーリー Interlude I の公開をしておりますので、そちらをぜひ楽しんでいただけたらと思います!

メインストーリー Thread.2 も、現在鋭意制作中です! 配信時期などはまだお伝えできないのですが、今後もメインストーリーは全編フルボイスで、最高の品質で皆さまにご提供したいと考えてます。なるべく早くお届けできるように努めてまいりますので、もう少しだけお時間をいただければと思います。
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0.5th Anniversaryでは雪広うたこ氏による描き下ろしSSRカードが3枚実装
ーーハーフアニバーサリーを迎えたばかりですが、今後1周年、2周年に向けての抱負を教えてください。

D
 『ブレマイ』を長く愛していただけるゲームにするために、 皆さまの生活にさらに寄り添えるような機能や、スタッフをより深く知れる仕組みも充実させたいと思っています。また、パズルをより楽しんでいただけるようなアップデートも検討中です。

いまはメインストーリーを読んだり、スピンのテキストやホームのセリフを読んだりしてスタッフたちの人間性を知っていただいてると思うのですが、もう一歩踏み込んで、よりスタッフたちを身近に感じていただける機能も考えているので、こちらも楽しみにお待ちいただけますと幸いです。

ーー最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

D
 いつも『ブレマイ』を遊んでいただき誠にありがとうございます。 ハーフアニバーサリーを無事迎えられたのは、オーナー代理の皆さまの支えがあってことです。今後もさらにアップデートしていければと思いますので、引き続きご期待ください。

また、現在キャンペーンにて、すべてのメインストーリーがユーザーランクの条件なしで読めます! まだ
『ブレマイ』を読んだことがない方は、ぜひこの機会に読んでいただき、そのまま新しく配信されたエピソードも読んで、ハマっていただけたらうれしいです。

皆さまが人生に疲れたと思ったとき、仕事の中で辛いことがあったときなど、
『ブレマイ』が心の拠り所になれるように頑張りたいと思います。

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