数々の賞を獲得したタイトルがついに今冬配信決定!『RPGタイム~ライトの伝説~』試遊リポート【TGS2021】
2021-09-30 20:42
2021-10-01 13:07 投稿
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RPGタイム! ~ライトの伝説~
2021年9月30日から10月3日にかけて開催の“東京ゲームショウ2021 オンライン”幕張メッセ会場にて、DESKWORKSが開発する『RPGタイム! ~ライトの冒険~』(以下、『RPGタイム!』)がブース出展を行っている。
本作は小学校の教室を舞台に、小学生“ケンタ君”がノートに書いた手作りのゲームをプレイするという、一風変わったRPG。
手作りならではの独特な演出や、ゲームジャンルすらも変化していくギミックの独創性が評価され、国内外でさまざまな賞を受賞。期待のインディーゲームとして、世界中から注目を集めるタイトルとなっている。
そんな本作が、Xbox Series X|S、Xbox One、Windowsにて今冬リリースされることが報じられた。
そこでファミ通Appでは、開発を担当するDESKWORKSの藤井トム氏、南場ナム氏にインタビューを実施。リリース日程が決まり、開発が大詰めを迎えた現在の心境を伺った。
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――正式リリースおめでとうございます。リリースが決定したいまの率直なお気持ちをお聞かせください。
藤井トム氏(以下、藤井) ありがとうございます。いまはリリース予定が今冬に決まり、「いつまでが冬かな……」と考えながら開発しているところです(笑)。
――2年前のインタビュー当時はパブリッシャーを探している段階とのことでしたが、そこからパブリッシャーがアニプレックスに決まるまでの経緯をお聞かせください。
藤井 あのインタビューの後、いろいろなところからお声掛けいただいたのですが、結局「せっかくだし、自分たちでパブリッシュもやってみよう!」となり、意気込んで2020年の頭ごろに一度すべてお断りしてしまいました。それで開発と並行してパブリッシュの準備を始めたのですが……まあこれが大変で! 開発の進行にも影響が出てしまうような状況でした。
それで開発とパブリッシングの両立を断念し、改めてパブリッシャーを探そうとしていときに、最高のタイミングと最高の条件でお声をかけてくださったのがアニプレックス様でした。これはもう渡りに船だと言うことで、すべておまかせすることにしました。おかげで我々も開発に集中できて、こうしてリリースの発表までこぎつけることができました。
――個人でパブリッシュの準備を行った際、具体的にはどのような苦労がありましたか?
藤井 必要な手続きや、やり取りをする相手がすごく多く、それらのやり取りをこなしていくのが大変でした。たとえば海外でリリースするには海外の方とやりとりすることになりますし、複数のプラットフォームで展開するとプラットフォームの数だけ必要な手続きが増えることになります。
しかし最大の苦労というと、やはり単純に開発との両立だと思います。インディーゲーム開発者のあいだでは「“ほぼ完成”まではわりと進むけど、それを“完成”にするまでがすごく時間がかかる」と言う話をよく聞きます。我々もそこは覚悟をしていたつもりだったのですが、想像していた以上に“ほぼ完成”から“完成”までが遠かったので、パブリッシング作業の片手間でその調整をするのは無理だという判断になりました。
――“ほぼ完成”と“完成”の違いと言うのは、どのような違いになるのでしょうか?
南場ナム氏(以下、南場) 手触りやテンポに関わる箇所の微調整をしているか、していないかが大きな違いになると思います。たとえば会話シーンだと、次のメッセージを再生するタイミングを変えるだけでも手触りが変わり、没入感も変わってきます。さらに絵をきれいにしたりとか、アニメーションを調整したりとか、そういった調整にこだわり始めると際限なく時間がかかるんですよね(笑)。
藤井 あと「10個アイデアを入れたいところで、8個までは思いつくんだけど、残りの2個がなかなかいいのが出てこない」という箇所で、残りの2個をどうするかという作業も“完成”へと近づける作業だと思います。ここで「8個でもいいか」、「適当に2個入れておくか」と割り切って先へ進むこともできるのですが、アイデアを10個入れ込むことにこだわって最後まで粘ると、やはり時間はかかってしまいますね。
――2年前のインタビューでも語られていましたが、やはりDESKWORKSさんはアイデアに強いこだわりがあるのですね。当初から追加されたアイデアはありますか?
藤井 ものすごくあります(笑)。“作る=アイデアを実装する”という勢いで、下手したら毎日何かしらのアイデアを入れていたと思います。
南場 現在はゲームの土台部分がすでに完成をし、飾り付けや微調整を行っている段階なのですが、この部分にこそアイデアが必要になってきます。ここ2年はアイデアを盛り込んでみては、アイデアが重なったところを均していく、という作業を行っていました。
――やはり、その中にはボツになったアイデアもあったのでしょうか?
藤井 ボツにするのはそんなになかったような気がしますが……。
南場 いや、けっこうありますよ(笑)。絵の方はだいぶボツがありますね。
藤井 ああ、そういえばそうだ(笑)。一度どこかで使った絵を思い出したように別の箇所で使おうとしたけれど、実際にそこで使うには調整が必要でってことはありましたね。
――今回、泣く泣く入れることができなかったアイデアがあれば、DLCや追加パッケージ、次回作などで見てみたいです。そういったものをつくる予定やモチベーションはありますか?
藤井 『RPGタイム!』内の要素にしろそれ以外の作品にしろ、新しいものを作りたいというモチベーションは大きくあります。ただ、ボツになったものを再利用するよりも、いまだからこそ思いつく新しいアイデアをベースに、つぎの一手を考えたいですね。インディーゲームは続編が売れないという話も聞くので、続編や追加コンテンツについてはそこも加味しながら検討していこうと思います。
――開発スタート時はタブレット端末向けの開発をしていたと伺っていますが、今回のリリースではXbox Series X|S、Xbox One、Windows用からの展開となりました。操作のインターフェースの違いで、開発の苦労などはありましたか?
藤井 もともとは私も南場もコンシューマーゲームの開発をしていたので、どちらかというとタッチ端末で開発をはじめたときのほうがハードルが高かったですね。逆に、それを再度コントローラ操作に戻すのは思いのほかすんなりいきました。
たとえばタッチ操作では、机の上に段ボール製のコントローラを表示してそれを操作していたのですが、逆にコントローラ操作だと、入力に対応して画面内の段ボール製コントローラがぐっと動くようにするとか。そういった開発でした。ちょっと話はそれますが、これが連動しているだけでもおもしろさが違うんですよね!
――2年前のインタビューでは、自分たちの中にいるケンタ君がモチベーションや新しい発見をくれるという話をされていましたが、その後もケンタ君からの影響はありましたか?
藤井 いま、まさに影響を受けている状態です。今回リリース時期を発表させていただきましたが、これにはアニプレックス様をはじめさまざまな方々が関わっているので、なんとか間に合わせないといけない。それでアイデアを組み込むのを妥協してもいいか、南場に相談すると「ケンタならそうはしないよ」と返ってくる(笑)。
南場 “ケンタくんならどうするか”というのが、自分たちの中でクオリティを保つための基準です。彼のモチベーションとゲームに対する姿勢や理念を損なわせずにこれまで開発をしてきたので、最後まで守り抜こうと! 守り抜こうとすることで苦労することもありましたが、これを終始一貫して守ってこられてよかったなと思っています。
――9年に渡る開発もここでいったんのひと区切りとなりますが、DESKWORKSとしての今後のおふたりの活動について、なにかビジョンがあれば教えてください。
藤井 ひとつだけ決まっているのは、今後もDESKWORKSとしてアイデアをぎゅうぎゅうに詰めたゲームを作っていくということです。その詰め込む量や詰め込む先をどうするか、ワクワクしてはいますが……。まずは『RPGタイム!』を完成させることが最優先ですね(笑)。いまは開発でいっぱいいっぱいです。
――最後に、本作を期待されているユーザーに向けて、おふたりからメッセージをお願いいたします。
南場 かけた時間の分だけ、おもしろさもボリュームも充実した作品になっています。リリースはもうすぐですので、楽しみにお待ちいただけたらうれしいですね。期待以上のものを提供できると思います!
藤井 本当に遊んでほしいゲームが作れたと思っています。ぜひお手にとってプレイしてみてください!
対応機種 | iOS/Android |
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ジャンル | RPG |
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公式サイト | http://deskworks.jp/ |
公式Twitter | https://twitter.com/@DESKWORKS_JP |
配信日 | 配信日未定 |
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