【逆鱗日和ワールド】第8回:空飛ぶモフモフ・パオウルムー

2018-02-06 17:32 投稿

初の……

『モンスターハンター』の新作を遊ぶとき、俺はいつも、事前情報を極限までシャットアウトするように努める。それは、新しい世界で見るもの触るものすべてに、

 「うおおお!! なんじゃこりゃあ!!」

 「こいつ、ナニモノ!!?」

 「こんな場所あんの!!?」

と、いちいち感動したいからで、いわゆる“ネタバレ”は可能な限り排除するのである。でもそのせいで、当ブログの第3回『頼りないふたり』のような悲劇が起こるし、週刊ファミ通の副編集長時代はさらにヒドかった。そのときは『モンスターハンター4』とかだったと思うが、毎週、数十ページに及ぶ徹底攻略を誌面展開していたとき、記事の最終チェックは副編の俺なわけです。そうすっと、記事担当者が大量かつ詳細が記された校正紙を、俺のところに持ってくるわけだ! でもこっちはモンスターの情報なんて見たくないもんだから、記事担当者と押し問答がくり返されるのである。

担当:大塚さん、早くチェックしてくださいよ!!
角満:イヤや!! 見たくない!! 何でそういうの俺のところに持ってくるねん!!(怒)
担当:あんた副編だろっ!!(激怒)

てな感じで(苦笑)。けっきょく、部下に怒られながら記事校正を行ったわけだが、あのときほど、「この記憶、校正を見終わった瞬間に消えてくれ……」と思ったことはなかったね(アホ)。

では、今回の『モンスターハンター:ワールド』はどうなのか? これがファミ通を極力遠ざけたり、ネットの情報も避けて暮らしてきたおかげもあって、かな~り真っさらな状態でゲームに入れたと思う。……まあ、最低限知っておいたほうがいいことも知らない、異世界に迷い込んだおっさんのようにもなってしまったが、当初の目的だった“いちいち感動する”ことは果たせていると思う。

本日のテーマであるモンスター“パオウルムー”についても、俺は何も知らなかった。事前に公開されたPVとかでチラチラ見た記憶はあるものの、詳しい生態や人となり(?)に関しては1ミクロンも知識がなかった。なので、“陸珊瑚の台地”で初めてお目にかかったときも、頭の上から飛び出たのは大量のクエスチョンマークである。

「む???? なんだあの妙な生き物は?????」

??????と?の大安売りをしながら、ちょっとマヌケそうな顔をした白いモンスターに近づく。パッと見はおとなしそうで、ハンターに害をなす存在には見えないな。

 「こいつが、パオウルムー?? なんか家畜チックで、攻撃をするのが躊躇われるな^^;」

俺の頭の中で、白い乳牛が草原で草をはみながら「ずんもぉ~~~……」と平和に鳴いた。静かに歩くパオウルムーには、そんな牧歌的な雰囲気がある。

しかしクエストの対象である以上は攻撃をしなければいけないので、俺は、

「牛さん! ゴメン!!」

と言いつつガンランスの切っ先を向けた。

でも、その瞬間だった。

「きしゃぁぁああああ!!!!」

何度かの攻撃を受けたパオウルムーが、突如として鬼の形相になった。さらに、首のまわりの綿毛? タテガミ? ヨダレ掛け? を膨らませて……巨大な白マリモになってしまったではないか!!

「うわ!! なんだコイツ!!!」

“モンスターが妙な行動をしたら、ひとまず逃げろ”の格言(そんなんあんのか)に倣い、ガンランスを畳んで距離を取る。そして、膨らんだパオウルムーの姿をしげしげと観察した。

その瞬間に去来する、確かな既視感。

この姿、どこかで見たことあるぞ……。

あの白さ……モフモフ感……膨らみ……! まもなく、俺はすべてを理解した。

 「この状態のパオウルムー、ウチのニャンコにソックリなんだああああああ!!!」

↓こちらが、我が家の“ニャオウルムー”です。

新逆鱗日和8_1

るーさん(ニャンコの愛称)、いままで“白マリモ”とか“白マムル”なんて呼んでたけど、これからは“ニャオウルムー”だなw いやあ、見事なまでの一致だわwww

せっかくなので膨らんだ状態のパオウルムーを写真に収めて、ニャオウルムーと比較してみたい。俺は片手にコントローラー、片手にカメラを起動したスマホを持って、パオウルムーを激写しようとした。でも、この状態のパオウルムーはプンプンに激怒しているわけで、なかなか思うような位置で止まってくれない。

その結果……((((;゚Д゚))))

新逆鱗日和8_2

カシャ!

「ぱ、ぱおっ!!」

新逆鱗日和8_3

カシャ!

「う、うるっ!!!」

新逆鱗日和8_4

カシャ!

「むぅぅぅぅうううううう!!!!((((;゚Д゚))))」

写真がうまく撮れず、アタフタと走り回っているところに攻撃を受けまくって、気がつけばハットトリック((((;゚Д゚))))(バカ)。

我が“『モンスターハンター:ワールド』狩猟史”において、最初に3オチの汚点を刻んだのは、よりによってパオウルムーでした……。

おしまい……。

※以下のブログで“逆鱗日和ワールド・番外編”を公開しています~! そちらもお楽しみください!

【逆鱗日和ワールド 番外編】”るーさんアイルー”を作れ!

第7回第9回
大塚角満(おおつか・かどまん)…… 作家、ゲームエッセイスト。ゲームのプレイ日記を書くことをライフワークとしており、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど著書多数。現在、ファミ通のフェロー(特別編集員)を務める。

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