【逆鱗日和ワールド】第3回:頼りないふたり
2018-01-30 14:44 投稿
無印から続く、いつもの風景……
いまのところ『モンスターハンター:ワールド』は、ファミ通Appの中目黒目黒、ゲーム仲間のバキ(♀)の3人で遊んでいる。目黒はそれこそ、無印(初代モンハンのこと)の初日からいっしょに遊んでいる“同志ハンター”だが、もうひとりのバキも何気に、『みんなのGOLF オンライン』の時代からいっしょにゲームで遊んでいて、『モンハン』でも何度も協力プレイをしていたので、気心知れた間柄である。
そんなバキは『モンハン』に心を奪われてしまっている女性なので、モンハンフェスタの会場などでも毎回顔を合わせていた。ある意味、“モンハン愛”という点に関しては俺と同等。ボーン装備の完成を見た瞬間にすべての興味を消失させる目黒なんて銀河の彼方に吹き飛んで見えないくらい、情熱に差があるのである。
そのため、こんな事件が起こる。
それぞれがキャラを作り終え、「ではいよいよ、集会所に集合して狩りに行きますか!」となって、3人でのやり取りが始まった。ボイスチャットでアレコレと話しながら調査拠点である“アステラ”に赴くと、そこにバキのキャラが。「よう!」と手を上げるジェスチャーをしてから、俺に話しかけてきた。
「まずは、“サークル”を作るのがいいんですかね?」
事前情報をほとんど仕入れていない俺、あいまいに返事をする。
「ほっほー。そうなのかね?」
目黒も、テキトーに話に入ってきた。「なるほどなあ」。
バキ、違う角度から、再び質問をしてくる。
「調査拠点って高低差がスゴいですねー。やっぱり“リフト”を使ったほうがキビキビと行き来できるのかな?」
「おおおおお!」と俺。
「ほえー」と目黒。
しばらく、こんなやり取りが続いた。
「これ、ひとりでクエストに行ってやばくなったとき、救援信号を出せるじゃないですか? 大塚さんと目黒さんに、ピンポイントでお知らせできるんですかね?」
「ああ、そうなの?」と俺。
「ふえー!」と目黒。
「……ストーリーを進めていないと、先に進んでいる人のクエストには参加できないんですかね? フリーでもダメなんかな?」
「ああ、そうなんかね?」と俺。
「はっはーん!」と目黒。
「…………フィールドにいろんな生き物がいますけど、見かけたら捕獲するようにしたほうがいいですよね? 操作に慣れる意味も込めて……」
「そっかあ^^」と俺。
「へえええ!」と目黒。
「………………………」(バキ)
「…………」(俺)
「…………」(目黒)
ここでついに、バキがブチ切れた。
「わあああああ!!!! こんなおっさんたちイヤだあああああ!!!(泣)“そっかあ^^”じゃねえええ!!! どんだけ頼りないんだおっさんども!! 一応、ファミ通の人だろ!! こっちが質問してるのに、ひとつもまともに答えてくれねええええ!!!(怒)」
突然のブチ切れに、俺と目黒は怯え戸惑った。「ひぃぃぃ……!! き、キレた……!」。バキの怒りは収まらない。
「とくに、ヒゲメガネのおっさん!! あんたずっとモンハンの伝道師やってんだから、ちょっとはまともに答えてくれや!! なんで私のほうが知ってるんだよ!!(怒)」
俺はここで、おずおずとバキに言った。
「あの~……バキさん」
怒気満載の声で、バキが応えた。「なんですかッッッ!!!」。
「両者ともヒゲメガネなんですが……(小声)」
「どっちでもいいわああああああ!!!!(大爆発)」
そんなこんな言いながらも、バキは我々を見捨てずに遊んでくれるやさしいお嬢さんです。
おしまい……。
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大塚角満(おおつか・かどまん)…… 作家、ゲームエッセイスト。ゲームのプレイ日記を書くことをライフワークとしており、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど著書多数。現在、ファミ通のフェロー(特別編集員)を務める。 |
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