【本日もちょっと!逆鱗日和(4)】フルフルベビーが噛み付いた!

2014-05-14 18:24 投稿

もう回復がない!

ファミ通App編集部に岩田ジュビ漏という、いろんなところからいろんなものが漏れちゃっていそうな名前の編集者がいるのだが、こいつがまあ、絵に描いたようなお調子者なのである。「オマエ、あのアプリやったの?」と聞けば「やりましたとも! 擦り切れるほど!!」と言い、「キミ、俺のブログ読んだことないでしょ?」と言えば「読んでますよ! 破れるほど!!」と答える。ついでに、「チミ、先日の合コンで目当てのコにフラれただろw」と追及すれば「失礼な!! “いいお友だちでいましょうね^^”って肯定の返事をもらいましたよ!!」とのたまう。いやそれフラれてるからな。

そんな岩田は『モンハン』についても、以前から大言壮語をぶっ放していた。いわく「僕は大剣使いでした」、いわく「『2nd G』は、とくにメチャクチャやりました」、いわく「やりすぎて、PSPを数台クラッシュさせました」などなどなど……。確かに、『2nd G』を1500時間以上プレイした俺もPSPは3台くらい買い換えたので(アナログパッドがダメになってしまったのだ)岩田の発言もわからなくはないのだが、続けて「じゃあ、何時間くらいプレイしたの?」とたずねれば、「う~~~ん…………まあ、すげえ時間ですよ!」と返してくる。どうやらこいつは、「1、2、3……いっぱい!!」の世界で生きているようだ。

iOS版の『2nd G』の存在を知った直後から、俺はこの岩田ともたびたび狩りに行っている。動画番組『角満&中目黒のこれ知ってる?』で『MHP 2nd G for iOS』を扱うことが決まっていたので、ちょっとでも個人のデータを強めておこう……ということで、中目黒目黒岩田、そしてカプコンの宣伝担当・橋本さんの4人でいろいろなクエストにくり出していたのだ。

そんなある日のこと。我々は雪山を舞台にしたドドブランゴ討伐に精を出していた。……と言っても、働いていたのは例の如く俺と橋本さんだけで、目黒と岩田はわいわいきゃあきゃあとハシャギながら雪山のあちこちをウロウロしているだけである。見かねて、俺は言った。

「オマエら、何やってんだ! ちょっとはこっちに来て働きやがれ!!」

言われた目黒、ガウシカに追い回されているのか「な、なんだこのシカは!!」と毒づきながら俺の発言に応じた。

「俺らじゃ役に立たないっすよ! なので、武器を強化するための素材を求めて採取に力を注ぎます^^ ……ホレ、岩田! こっちだこっち!」

4人の中で唯一、MFiコントローラを持っていない岩田は、おぼつかない足取りで目黒のあとについていった。「はい! いろいろ教えてください!!」と言って。でもそれ、明らかに先生を間違えているからな。

下位のドドブランゴとはいえ、俺も橋本さんも装備がまだまだ整っていないので、やはりそれなりに時間がかかる。でもこれが、じっくりと採取をしたいコバンザメふたりには都合がよかったらしく、ランララランとはしゃぎ倒す声が俺の耳にも届いてきた。

「ほら、岩田! ここ知ってるか!? この穴に入ると山の頂上まで行けるんだぜ!」

「あっ!! なんだこのほら穴は!! こんなのあったんすか!」

目黒が上の立場でモンハンのことを教えるなんて、10年目にして初めてなのでは……。

ボンヤリと、そんなことを考える。会話の断片を聞くに、ふたりはエリア8の横穴に潜りこんでロッククライミング的な岩山をよじ登り、クシャルダオラの抜け殻がある採掘地点にたどり着いたようだ。

 

「うおおお!! 超たけぇ!! 絶景じゃないっすかここ!!」

 

『2nd G』を“すげえ時間”遊んでいた岩田は、そこに初めて立ったようだった。

「だべ!! しかもな、ここで採掘できるんだぜ!!」

エラソーに目黒が岩田に教え、ふたりはカンコンカンコンと仲良くピッケルを振り回し始めた。そして俺が、(あ……そこで掘っていると、そのうち……)と思い始めたころ、まんまと岩田が素っ頓狂な声を出したではないか。

「ん? なんか、“フルフルベビーが噛み付いた!!”って出ましたよ? なんスかこれ。ふるふるべびーとやらはナニモノですか?」

目黒が答えるよりも早く、俺は鼻をほじりながら岩田に告げた。

 

「やったな。これでクエストをクリアーしたら、けっこうなポイントがもらえるぜ

 

目黒も言う。

「そうそう。大事に持っておけよ」

すると岩田は満面の笑みを作り、

「ほー! つまり、レアなものを掘り当てたってことっすね!? やったやったww やっぱ俺、最近ツイてるんだなー!」

そしてしばらく、俺はドドブランゴ討伐に集中した。気を緩めると一気にHPを削られてしまうので、油断してはいけないのだ。それでも、たまーに気になって岩田のHPをチラ見すると、いつの間にか風前の灯に……w 俺、慌てて岩田に言う。

「おい、岩田!w 体力が残り数ミリになってるぞ!ww 回復しろよ回復!!w」

額に浮かんだ汗をぬぐいながら、岩田がオロオロ声を出した。

「いやそれが! な、なんか徐々に体力が減ってる気がするんすよ!(困惑) さっきから応急薬を飲んで凌いでいるんですけど、僕、どうしちゃったんですか!?」

俺、笑いをこらえながら岩田に言う。「どっかで毒でも食らったんじゃね?」。それでも、岩田の顔は晴れない。

「そう思って毒消しも飲んだんですけど、治ってないみたいで! ……って、そう言ってるあいだにも、ドンドン体力が削れていくんですが!! ヤバいヤバい!!! もう回復がない!!」

俺が慌てて「は、早くフルフルベビーを捨」と言おうとした瞬間、雪山に断末魔の悲鳴が轟いた。

 

「わああああああ!!!」(岩田)

「わああああああ!!!」(目黒)

 

なんと、ほぼ同時に2オチを計上……。いやでも、フルフルベビーに吸い尽くされた岩田はまだしも、なんで目黒もいっしょに昇天してるねん!! 俺が、「め、目黒、何が……」と言いかけると、それよりも早く目黒が絶叫した。

 

「お、大塚さん!!!w フ、フルフルベビーって、どうやったら外せるでしたっけ???www 岩田を笑っていましたけど、じつは俺も噛みつかれてて、剥しかたがわからずにちんじゃいましたよ!!!www」

 

呆れを通り越して雪山の彫像と化した俺は、ドドブランゴのタックルをまともに食らってそのまま昇天……。ひとり、遠方から狩りに参加していた橋本さんはきっと、

「……何がファミ通編集部で起こったんだろう…………?」

と困惑していたに違いない。

おしまいw

[関連記事]

※【動画あり】『モンスターハンターポータブル 2nd G』がiPhoneアプリになって甦った!

※【本日もちょっと!逆鱗日和(3)】キャンプの儀式

大塚角満Twitterアカウント→@otsuka_kadoman

大塚角満(おおつか・かどまん)……週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。編集業務のかたわら、執筆活動を精力的にこなしており、多数の連載記事を持つ。著書に、『モンスターハンター』シリーズのプレイ日記をまとめた『逆鱗日和』シリーズが9作、『ダークソウル』のプレイ日記をまとめた『折れてたまるか!』シリーズなど。ファミ通Appでは、“熱血パズドラ部!”を始めとするスマホゲームの執筆活動も行っている。

モンスターハンターポータブル 2nd G for iOS

ジャンル
ハンティングアクション
メーカー
カプコン
配信日
配信中
価格
1600円[税込]
対応機種
iOS 6.0 以上

この記事のタグ

Amazon人気商品ランキング 一覧を見る

関連記事

この記事に関連した記事一覧

最新記事

この記事と同じカテゴリの最新記事一覧