【海外メーカーインタビュー第3回】スマホゲームのヒットメーカーGlu Gamesが日本市場を狙う

2012-10-25 12:50 投稿

●海外のヒットメーカーが日本に本格参入

サンフランシスコ、モスクワ、ブラジル、北京など、世界中に6ヵ所のスタジオを構え、従業員の圧倒的多数がゲーム開発に携わっているという、世界屈指のスマホゲームメーカーGlu Games。『Contract Killer』や『Gun Bros』など、世界的なヒット作を生み出す彼らが、日本市場に本格参入するということで、さっそく話を伺った。

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Glu Games
アジア・セール&スマーケティングディレクター
Greg Chang氏

――まずは、来日の目的を教えてください。

グレッグ マーケット調査もありますが、日本にいるパートナー企業と話し合いをするためですね。

――パートナー企業というと、どういった会社になるんでしょう?

グレッグ Googleの日本法人や、Appleの日本法人です。チャンネルを持っている会社ですね。

――日本市場についてのどう考えているのでしょうか?

グレッグ 日本は、iOSのユーザー数が世界で2番目に多いので、とにかく市場が大きいんです。ほかのアジアのマーケットと比較してもIAP(In-App Purchase)からの平均額は高いですね。

――海外メーカーの方に話を聞くと、日本市場は独特だと言われますが、日本で勝ち抜くためには、何が必要だと思いますか?

グレッグ まずは、カルチャライゼーションが必要ですね。日本は世界の市場と比べてみても、かなり特殊なんです。たとえばグラフィックに関してだと、アメリカをはじめとする多くの国はリアル志向だけど、日本はアニメスタイルが人気です。そういった違いを埋めるためにも、日本の文化に沿ったものを作る、カルチャライゼーションが必要だと、私たちは考えています。もちろん、ローカライズというのも大事です。ローカライズするのとしないのとでは、日本での売上は大きく変わってきますからね。

――なるほど。スマートフォンゲームへの参入は早かったように思いますが、Gluの設立はいつごろでしょうか?

グレッグ 会社は2001年からです。当時は、フィーチャーフォンゲームを開発していましたが、スマートフォン対応のゲームアプリ開発は、2009年からです。最初はアメリカのみの展開でしたが、今年からは日本語にもローカライズしたゲームを出しています。

――リリース数が非常に多いですよね。ちょっとApp Storeを見ないあいだに、また新作がで出てたり。ゲームは自社で開発されているのでしょうか?

グレッグ すべて自社で開発しています。今年も、リリースの頻度は高いままを維持しようと、これからあと23タイトルをリリースします。

――すごいパワー(笑)。ジャンルの幅もかなり広いですよね。

グレッグ いろいろ作っていますが、全世界でいちばん売れているのはアクションですね。でも、世界のゲームプレイヤーが欲しているジャンルというのは変わっていくものですから、新しいジャンルにチャンレジすることに対しては抵抗はありません。

――国によって好きなゲームのスタイルって結構違うんですね。

グレッグ そうですね。アメリカ人はゾンビが大好きですね(笑)。ウチも『Contact Killer: Zombies』や『ゾンビオーバードライブ』、『Samurai vs. Zombies』など、ゾンビゲームをたくさん出していますよ。
▲ただただゾンビを車でぶっ飛ばすレースアクションゲーム『ゾンビオーバードライブ』。

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――世界中に6ヵ所のスタジオがあるそうですが、メインのスタジオはどこになるんですか?

グレッグ どこがメインということはありません。各スタジオが、それぞれにヒットゲームを生み出しているので。たとえば、『Eternity Warriors』は北京スタジオ、『Contract Killer』はモスクワスタジオ、『Gun Bros』はサンフランシスコスタジオ、『Samurai vs. Zombies』はシアトルスタジオ。このスタジオがとくにヒット作を生み出し続けているということもなく、どのスタジオも活躍しているので、全部がメインですね。

▲勇敢なサムライとなって、襲い来るゾンビと戦う和風ディフェンスゲーム『サムライ vs ゾンビ』。ユニットの派遣以外に、サムライの操作を行うアクション要素が斬新!

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――現在開発中のタイトルには日本向けのものも?

グレッグ 新規タイトル、及び、リリース済みのタイトルを日本語へのローカライゼーションを行っていますので、期待していてください。

――楽しみに待ってます! ゲーム開発でこだわりはありますか?

グレッグ グラフィックにはいちばんこだわっています。コンシューマーゲームのような、美しいグラフィックのゲームを作りたいと思っているので。その点、『Eternity Warriors 2』のグラフィックはスゴいキレイにできたと思います。このアクションのグラフィックは一度見ていただきたいですね。あとは、操作性と、当たり前ですが、楽しいものを作るということですね。

――ちなみに、いまGluのゲームでいちばん人気のタイトルは何ですか?

グレッグ そうですね、やっぱり『Contract Killer』は Glu がリリースしたゲームの中でいちばんの人気ですね。今月だと『Eternity Warriors 2』もかなりの人気です。

▲『エターニティーウォーリアー2』は、ハクスラ系のアクションRPG。オンラインでも協力プレイも楽しめる。

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――日本の大手ゲームメーカーも、フリーミアムモデルでかつリッチなスマートフォンゲームを多数配信していますが、そういったメーカーに対抗していくにはどうしたらいいと思いますか?

グレッグ スマートフォンの市場は、現在急成長をしているマーケットです。なので、いまは誰もがこの戦いの舞台に参加して成功するチャンスがあると思います。コンソールゲーム市場も、もともとはすごく小さかったけど急成長をして、今の市場になっている。このときに参入して大きくなったのが、今の大手メーカーさんなので、私たちも、いいコンテンツを出し続けていれば、このマーケットで成功するチャンスは十分にあると思っています。

▲Glu Gamesの最新作『Death Dome(デス・ドーム)』。荒廃した世界を舞台に、女戦士が怪物と死闘をくり広げるアクションゲーム。
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