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ついに、犠牲者が……!
オンラインゲームらしく、他のプレイヤーとガチのバトルに発展してしまう(可能性がある)コンテンツ“宝庫争奪戦”に、ついに我が同盟も名乗りを上げた……と連日記事にしている。
これは、泉やゲートといったキザハシに通じる大規模施設の1歩手前にあるモノなので、
「大きな戦闘は怖いけど……他のプレイヤーとの関わりが生まれる戦いもやってみたい!!」
という、俺みたいなビビりにこそ挑戦してほしい。きっと、特段の刺激を受けられると思うので。
とくにだなぁ……!!
前回、
我が同盟の首席秘書官、さとるりが宝庫のガーディアンに返り討ちにあったのと入れ替わりに、俺のリアル友だちでもあるセラ君が、
「さとるりさんの骨を拾ってきますッ!!!」
ってんで、新たに宝庫に向かっていった……と書いたと思う。
ノア=レスをメインで使っているセラ君の戦力は、我が同盟でもエース級である。なので当然のようにガーディアンは瞬殺し、
「では、いまから30分のお勤めに入りますwww」
と、余裕の体で駐屯に入ったのだ。
まさか……あんなことになるとは、夢にも思わずに((((;゚Д゚))))
同盟員の誰もが、「セラ君だったら問題ないだろう」と確信し、それぞれの作業に没頭していた……そのとき!!!
「うお!!!!!! なんだなんだ!!!!??」
同盟チャットに、セラ君の断末魔の声が響き渡った。
「なになに??ww どうしたよww」
緊迫した空気を察しながらも、あえて軽い口調で俺が返すと、セラ君はひと言……!
「敵襲!!! 他のプレイヤーに襲われてるぅぅうううう!!!」
などと、理外なことを口走るではないか!!
「え……!!」
それを聞き、リアルに固まって声が出せなくなる俺。そこに、セラ君から1枚のスクショがメッセージに添えて送られてきた。
見てみると……!!
「な……ッ!!!」
“声を失う”とは、まさにこのことか。
「制圧まであと15:55」と表示されているセラ君駐屯中の宝庫に、血塗られた兵団が一斉攻撃を仕掛けているシーン……! そして、画面でひと際目を引く、
「敵襲!」
の真っ赤なアラート……!!
こ、これが……プレイヤーキルが可能な“禁域”のバトルなのか……!!
「無念…………!」
まもなく、セラ君の駐屯兵団は、どこの誰かもわからない狩人に完膚なきまでにボコられて、足を引きずりながら拠点に戻ってきた。そして、ひどく疲れた様子でつぎのように語るのである。
「敵意剥き出しの赤い矢印が宝庫に向かったとき、イヤな予感がしたんですよね……」
こ、これがきゃのさんが言っていた、「他のプレイヤーに襲われる可能性がある」ということの実例ってわけか……。そのきゃのさんが、静かな口調で付け加えた。
「宝庫が対象の“レリックバトル”が始まっているので、ガチプレイヤーたちは血眼になっているかもしれませんね……」
そう、エバストでは毎日のようになんらかのイベントが行われているのだが、その中のひとつに、
宝庫の制圧数に大きなポイントが振られた“レリックバトル”があるのだ。特定のイベントポイントに達するとバカにできない報酬がもらえるのに加え、ランキング上位になるとさらなる金銀財宝が贈られるという……! よってこのイベント期間中はいつも以上に宝庫争奪戦が過熱し、セラ君のような犠牲者が出てくるのである。
そして、我が同盟からの犠牲者はセラ君にとどまらず……!!
「ああああああ!!>< 私も狩られました……!! 夜中にこっそり宝庫を手に入れようとしたら……。深夜は治安が悪いです……」
なんと、アポちゃんも残り17分のところで他のプレイヤーに狩られてしまったのだという。前述のきゃのさんも襲われたことがあるそうなので、これで我が同盟の犠牲者は……3人になるわけか。……いや、ガーディアン(CPU)のコブラツイストでギブアップさせられたさとるりも入れると、4人かね(苦笑)。
そんな中、盟主である俺はと言うと……。
「ていていていていてい!!www」
「シーーーーーーン…………」
「うけけけけけけええ!!!www 余裕で宝庫奪取ッ!!!ww」
順調に、宝庫獲得数を伸ばしていたんだけど……!!
緊迫の、次回に続く。
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