『モンハンナウ』プレイ日記【逆鱗日和Now】第242回 イビルジョーのヨダレを求めて(1)【モンスターハンターNow】
2024-07-15 17:00
2023-09-14 10:00 投稿
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モンスターハンターNow
2023年9月14日(木)、Nianticとカプコンが手掛ける新たなスマートフォン向け位置情報ゲーム『モンスターハンターNow』(以下、モンハンNow)がローンチされた。
本記事ではフリーライター・深津庵がNianticの河合敬一氏(CPO)、菅野千尋氏(ゲームディレクター)、そしてカプコンの砂野元気氏(プロデューサー)に、世間で本作が“ちゃんとモンハンしている”と話題になるに至ったその開発秘話をインタビューで聞いてきた。
今後どんな武器やモンスターが実装されるのか、例の都市伝説などいろいろ聞いてきたので、ぜひ最後までチェックしてもらいたい。
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▲左からカプコンの砂野元気氏(プロデューサー)、菅野千尋氏(ゲームディレクター)、Nianticの河合敬一氏(CPO)。
――クローズドβテストに参加して最初に私が感じた“ちゃんとモンハンしてる”という手応えは世間も同じだったようで、それが話題にもなっていました。現在のカタチに落とし込むまでさまざまな試行錯誤があったと思うのですが、とくに意識した点はなんでしょうか?
菅野千尋氏(以下、菅野)そういった声が多いことは本当にうれしく感じています。我々がもっとも気をつけた点が、まさに“『モンハン』らしくすること”でした。そして、もう1点が屋外でプレイする“日常的な遊びやすさ”の両立です。開発の過程でときには極端に『モンハン』とは違うアプローチをテストしてみたり、本家をそのまま真似てみたりするなんてことも試してみました。シリーズのファンが期待する“こうあるべき”という要素をどこまで反映させるかはとても重要ですし、今作で初めて『モンハン』に触れる方が“『モンスターハンター』という世界”そのものに魅力を感じてもらえるよう導くことも大切。これらふたつの要素を両立させることをとても意識しましたね。
砂野元気氏(以下、砂野)そうですね、きっと狩猟に関わるアクションに多くの方が『モンハン』らしさを感じてくださっているのだと思います。じつは開発の初期段階から現在のカタチになるまでのあいだ、弊社としてはどうこう言わず待たせてもらっていました。そしていざ最初にプレイしたとき、これまで『エクスプロア』など多数の『モンハン』アプリを開発してきたスタッフたちも“いいバランスだ”と十分な手応えを感じられる完成度になっていた。
河合敬一氏(以下、河合)『モンハン』らしさっていろんな捉えかたがありますよね。長い時間をかけて圧倒的な狩猟を達成するカタルシスも重要ですが、今作は屋外でプレイすること、そして多くの新規プレイヤーを前提に考えると見送るべき要素にもなってくる。そこで今作では1度の狩猟時間を75秒と短く、アクションの爽快感をそのままに素材を集めて強くなっていくシリーズの達成感を表現することを意識しました。
――初期段階では各部位をターゲットして攻撃するロック機能がありましたが、最終的にそれはスキルに変更されましたよね。これはどういった経緯からなのでしょうか?
菅野 これもまさに“『モンハン』らしさ”の多様性だと思うのですが、プレイヤーのみなさんが各々試行錯誤して立ち回るのも醍醐味のひとつですよね。便利なシステムを提供することも大切ですが、それ自体をプレイヤーが確立して楽しんでいくのも『モンハン』の魅力だと私は感じたんです。そこで、必要な方がそれをスキルとして活用していただくひとつの選択肢にすることを決めました。
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▲75秒という時間の中でファンが納得できる狩猟体験とは何なのか。新規ユーザーに『モンハン』の魅力を伝えるには何をすべきか多くの葛藤があったと菅野氏。
――2度のクローズドβテストを経て多くのフィードバックがあったと思います。その中で開発のヒントになったもの、印象的だったものはありますか?
菅野 具体的な採用例というわけではないのですが、『モンスターハンター』の観点から見ると少し外れた意見がいろいろありました。最初それを脇においてしまったのですが、あるときふと『モンハン』をまったく知らないゼロから体験して感じたそれらの意見がとても重要なんだと気づいたんです。
――『モンハン』に限らずシリーズ作には自然とお作法が生まれ強いられることもありますが、それだといずれ間口が狭まってしまいますからね。
菅野 そうなんですよね、大多数の意見に埋もれてしまいがちなストレートな声にこそ新しい発見や学びがある。今回、『モンハン』どころかゲームをしないという方からのフィードバックもあり、そういった方々にも“日常的な遊びやすさ”を感じてもらいたい。今回2度行ったクローズドβテストを通じてそういった点は意識の片隅に置くように心がけました。
――現在武器は全部で6種類(片手剣、大剣、太刀、ハンマー、ライトボウガン、弓)あります。これらが選ばれた理由と今後の実装について教えてください。
菅野 じつはテスト中たくさんの武器を作っていました。すべての武器種を実装できたらという想いはあったのですが、1回75秒という狩猟時間をシンプルに理解してもらう取っ掛かりとして、フットワークの軽い片手剣や火力重視に大剣などの近接武器、モンスターと距離をおいて立ち回れるボウガンなどの遠隔武器など6種類をチョイスしたんです。もちろん、年に何回か大きいアップデートのタイミングで順次新しい武器種の実装を予定していますのでご期待ください。
――ち、ちなみに私が愛用している操虫棍はいつ?
菅野 具体的なお話をこの場では言えせんが、ぜひ今後のアップデートをお待ち下さい。
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▲実装時から操虫棍を愛用している深津は我慢できずに思わず詰め寄る。75秒で3つのエキスを集めるプロセスをどう解消するのか、さぁ、どうする!?
――新モンスターの実装も大型アップデートごとにありそうですか?
菅野 ある程度まとまったタイミング、シーズン単位でいくつかの種類を順次実装していこうと考えています。どんなモンスターをチェイスするのか、有効な属性(武器と弱点)が偏ってはいけませんし強いモンスターばかりが勢揃いするような流れもよくない。すでにいくつかのモンスターに関しては近い将来のカレンダーに組み込まれていますのでご期待ください。
河合 今作を発表したイベント会場で辻本良三さん(カプコン取締役専務執行役員)がおっしゃっていた通り、全シリーズのモンスターが集まる場所にしていきたいと考えています。
砂野 まさかこのタイミングでこのモンスターが、という展開も楽しんでいただけるとありがたいですね。
――ラオシャンロンやジエン・モーランなどいわゆる超大型モンスターや古龍種が、Nianticでおなじみのリアルイベントなどで登場する可能性は?
菅野 やはりそこは期待される点ですよね。どういったタイミングになるのかはこの場でお答えできませんが、つねにすべての個体が議論の対象になっています。シリーズ作を振り返ると侵攻してくるタイプもいれば乱入してくるタイプもいる。大多数のみなさんが想像できる期待を裏切らないよう検討を続けていくのでご期待ください。
河合 今作はNianticの“Tokyo Studio”(2018年発足の日本開発スタジオ)で開発が進められているのですが、おそらく弊社でもっとも手が早く何でも試すチーム。全部を盛り込んだらたいへんなことになるくらいのボリュームになってしまうくらいなんです。今回ローンチのタイミングで実装されるのは、あくまでも最初の手応えをシンプルかつ十分に感じてもらうことを意識してますが、これは氷山の一角。いろいろな可能性が控えているので、そのあたりも期待していただきたいですね。
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▲何でも作って試すのがNiantic:Tokyo Studioのチーム。菅野氏は切り捨てたのか休眠しているのか、とみずからイジり、それに対して「あれ、これなかったっけ?というものたくさんありますもんねと砂野氏がつっこむ。
――今作はモンハンであり位置情報ゲーム、天候に紐づいてモンスターの出現率が変化するなどの要素も期待してしまうのですか。
砂野 そこは表現したいポイントのひとつではありますよね。
河合 弊社では土地の特徴や天候をサポートする要素を何年もかかて整えてきました。いろいろな場所に足を運んでみたくなる仕掛けは今作でも取り入れていきたいと考えています。
――狩猟したいモンスターや欲しい素材から対象を追跡、通知する機能がほしい。それを頼りに自然と歩数が増えていくのも位置情報ゲームの醍醐味かと思いますが。
菅野 いまのところ予定はしていないのですが、ご要望が多ければ検討します。
砂野 ユーザー目線で考えるとほしいですね!
河合 ユーザーのみなさんが地域コミュニティを作って“どこそこにあのモンスターがいる”とシェアする。そうして情報を広げていくのも楽しみのひとつだと思っています。
菅野 実際、ミーティング中に「あそこにレイギエナがいる(小声)」と話題になったりもしていますもんねw
――そういった点では“Campfire”(ユーザーの交流を目的にしたNianticアプリ)が最適ということですかね。
河合 『モンハンNow』から直接の行き来は少しあとになるのですが、Campfire側で今作のチャンネルを作り、ユーザー間で情報を共有できるようになります。また、フレンドリストはNianticのタイトル(『Ingress』や『ポケモンGO』など)で共有なのでスムーズに交流ができると思います。
――現在、ARを使ってモンスターを現実世界に重ねることができますが、それを4人で共有しながら狩りができるなんて構想はあるのでしょうか?
菅野 AR機能に関しては実装したばかりというのが現状です。みんなで直接狩りをするような内容は未定ですが、ARを使った体験に関しては今後も拡張していきます。
砂野 『モンスターハンター』の世界を間近に感じられるという意味では、いろいろな可能性がありますよね。モンスターだけじゃなくオトモアイルーと触れ合うとか環境生物がカメラを向けた先にいるとかいいですよね。
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▲AR機能に関しては実装したばかりで未知数。『ポケモンGO』ではトレーナーたちが各々好きなポケモンをARで呼び出し撮影することもできる。今作でもみんなが喜んでくれる体験を検討していくと話していたので、ぜひ注目していきたい。
――最後にひとつ……今作と『モンスターハンター4』のタイトルロゴが似ていると話題になった時期があるのですが、何か意識した部分や関連性はあるのでしょうか?
河合 そんなに似てるかなぁ?
菅野・砂野 ほら、こことかそのへんが……
※しばしみんなで比較しながらアレコレ談笑※
――しかも『モンハン4』の発売日が2013年9月14日、今作のローンチ日が10年後の2023年9月14日。これはもうロマンを感じちゃうわけですよ。
菅野 たしかにそうなんですよね、ロマンを感じる。本当に偶然なのか運命なのか……っとこれは本当に偶然なんです。こちらとしては外に出て遊びやすい季節にしたかったという想いだったのですが、結果的に“『モンハン4』と同じ説”が浮上したことで、9月14日のローンチをずらしちゃいけないなと強く意識するようにはなりましたw
今回、インタビューの締めくくりに河合氏から、自信を持って送り出せるタイトルになっていること、膝を突き合わせてたのしんだPSP時代のモンハンを再び感じてほしいとコメント。
そして、砂野氏は『モンスターハンター』にふさわしい位置情報ゲームになっているのでひとりでも多くの方に体験してもらいたいとコメントをいただいた。
また、菅野氏はマルチプレイが少し怖いと感じているユーザーが一定数いることに言及。今作では200m内のハンターとマッチングするが、誰かはわかりにくいし、わずか75秒の狩りなので意識せず楽しんでもらえるはずだと話してくれた。
ついに本日ローンチされた『モンハンNow』に関しては当サイトでもプレイに役立つ情報を掲載していくので、筆者(ゲーム内表記:hukatuan)を見かけたらぜひいっしょに遊んでほしい。
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▲重ね着(実際の装備に好きな外見を設定する機能)がほしいという要望もチラリ。採用されるかわからないけど……ほしいんだよねぇ。
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら
対応機種 | iOS/Android |
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価格 | 無料(アプリ内課金あり) |
ジャンル | 位置情報 |
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メーカー | カプコン/ナイアンティック |
公式サイト | https://monsterhunternow.com/ |
公式Twitter | https://twitter.com/mh_now |
配信日 | 配信中 |
コピーライト | © 2023 Niantic. Characters / Artwork/ Music © CAPCOM CO., LTD. |
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