『モンスターストライク ゴーストスクランブル』プロデューサーインタビュー|“3+1”で楽しめる新作アクションゲームの開発秘話に迫る!

2022-07-25 13:00 投稿

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モンスターストライク ゴーストスクランブル

『モンスト』ブランド久々の新作!

XFLAGの新作アプリ『モンスターストライク ゴーストスクランブル』(以下、『ストブル』)が2022年7月19日にリリースされた。

2019年にリリースされた『モンストドリームカンパニー』以来、約3年ぶりに登場した『モンスト』シリーズタイトルということで、多くのゲームファンから注目を集めている。

ファミ通Appでは本作のプロデューサーを務める山本直輝氏にインタビューを実施。発表から現在に至るまでのさまざまな変化点や開発の裏側、『モンスターストライク』関連タイトルとしての本作の立ち位置など、さまざまなお話を伺った。

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▲『モンスターストライク ゴーストスクランブル』プロデューサー:山本直輝氏

リリースにいたるまで

──最初に発表された当初は「2022年春にリリース」とされていましたが、実際には7月19日のリリースとなりました。リリースが想定よりも遅れた理由をお聞かせください。

山本 クローズドベータテスト(以下、CBT)や内部での協議を重ねた結果、よりよいゲーム体験のためのクオリティアップが必要だという結論に為り、開発期間を延長させていただいたことが、延期に繋がりました。

大幅な仕様変更を余儀なくされたとかではなく、ブラッシュアップや触り心地のよさを追求して時間がかかってしまった感じですね。

──CBTからリリースにかけて、変更された点を教えてください。

山本 一言で伝えるのは難しいのですが、細かくたくさん変更しています。たとえば移動速度や移動の仕様、ヒカリ攻撃の撃ちかたもそうです。さらにはチャージして放つフラッシュショットという攻撃方法を新規追加しているので、大規模アップデートと同じようなボリュームで変更が加わっています。

またバスターの操作感だけでなくドローンのさわり心地についても大幅にアップデートをしていて、わかりやすいところですと、CBTのときよりもカメラの視野を広くしています。またバスターの視界がドローン側からも見えるようにしました。利便性を突き詰めつつ、より楽しさを感じやすくなるような仕組みを加えて、ブラッシュアップした形です。

そのほかですと、マッチングルームで他プレイヤーと交流できる機能も追加しました。これはCBTでいただいたご意見を取り入れて作成したシステムとなります。また“騒ゲーハイライト”やボイスチャット機能も追加しているので、CBTのときと比べると“みんなでワイワイ遊ぶ”という体験が、より感じやすくなっているかと思います。

ゲームのコンセプト

──本作のコンセプトをお聞かせください。

山本 “3+1”の+1としていっしょに遊べるマルチプレイアクションゲーム、というのが本作『ストブル』のコンセプトとなります。

スマートフォンゲームは運営が長期化すると、ベテランと新規参入者とのあいだに大きな隔たりが生まれてしまいます。そのためベテランの人向けに用意された高難度クエストは初心者の方は楽しめませんし、初心者の方向けに作られたコンテンツだとベテランはあまり楽しめません。

この理由は、長く遊び続けてくれた方ほどプレイヤースキルやキャラクターという、ある種の資産のようなものが形成・蓄積されることにあります。

ベテランの方は資産を多く持っていますが、始めたばかりの方はまだその資産をすぐには形成できません。こうして生まれた隔たりが生まれないように、もしくは生まれてしまっても十分に楽しめるように考えて設計したものが、この“3+1”という仕組みです。

──ベテランと初心者のあいだに溝が生まれるというのは、長期運営タイトルではよく聞く問題ですね。

山本 その点『ストブル』ならば、キャラクターやプレイヤースキルといった資産のようなものを持っていなくとも、ドローンというポジションで平等に同じコンテンツを楽しめるようになるので、ゲームが苦手な人やカジュアルゲーマーの方でも、気軽に楽しめるようになっています。

いつお友達を勧誘しても、同じクエストをいっしょにワイワイ楽しめるのは、本作最大の特徴であり魅力だと思います。

──いつ始めたかも関係なく、誰でもいっしょにワイワイ遊べるというのはイイですね!

山本 この仕組みを作りたいと思ったきっかけは、じつは実体験がもとになっていまして(笑)。

──実体験ですか?

山本 私は以前『モンスト』で仲間内といっしょに難しいクエストに挑もうとしたけれど「適正キャラを持ってない、代わりになるキャラも持ってない」という状況を経験しまして。

みんなでワイワイと高難度クエストを楽しむ気満々でいただけあって、このクエストに参加できない、しづらいという状況が思いの外悲しくて(笑)。みんなは「じゃあほかのクエストいこう!」とか気を遣ってくれたのですが、それがまたちょっと変な空気を生んでしまったんですよね。

なので、この寂しさを埋められるような仕組みを取り込んだゲームを作りたいなと想い、“3+1”というコンセプトを考えました。この仕組さえあれば適正キャラを持っていなくても、レベル的に追いつけないようなクエストでも「じゃあ俺はドローンやるね!」と言える選択肢が生まれます。

そしてドローンという形でプレイに貢献できますし、みんなでワイワイと楽しむこともできます。なので、みなさんもぜひこのドローンをそういった形で楽しんでいただけると嬉しいですね!

──では続いてはちょっと質問を変えまして……本作ではなぜ“オバケ退治”を題材にしたのでしょうか?

山本 ちょっとお伝えするのが難しいのですが……。本作はお互いに声を掛け合って楽しめるゲームにしたくて、「じゃあどうしたら楽しく声を掛け合えるか?」というのを考えたときに、「志村うしろ!」というフレーズが思い浮かんだんですよね(笑)。

──たしかに、その声かけができる場は絶対に楽しい(笑)。

山本 ですよね?(笑)

なので考えかたを変えて「どういうゲームにしたら、そういったフレーズが出てくるようになるのか」と考えました。そうして出てきたのが、“オバケ”だったんです。オバケを可愛らしいデザインにしたら「後ろにオバケ出たよ!」とか「オバケが近づいてきてる!」と、声掛けも楽しいワイワイできるゲームができるなと。それで“オバケ退治”を題材にした感じですね。

あとはファンタジーやSFモチーフだと既存のコンテンツとコンセプトが被りやすいというのもありますね。

──ユーザーにはどのような点に注目してプレイしてもらいたいですか?

山本 バスター3人とドローン1人によるマルチプレイはコンセプトに深く関わっている部分なので、ここに注目して遊んでいただけると嬉しいです。またそれとは別に、純粋にアクションゲームとしても楽しめるような工夫も入れて作っているので、そこにも注目してもらいたいですね。

──たとえばどのような工夫が込められているのでしょう?

山本 わかりやすいところだとノーマルクエストになります。スマホゲームにおけるノーマルクエストは、ただ作業のように突破していくだけのコンテンツになりがちです。しかし本作ではノーマルクエストにもステージごとにテーマを設定し、そこを意識しながらプレイすることで、アクションの気持ちやゲームへの理解度が深まるような仕組みを取り入れています。

ノーマルクエストもイベントクエストと変わらず、アクションゲームとしての楽しさが感じられるような作り込みはしっかりできていると自負しておりますので「ノーマルクエストはいいや」とスルーせず、ぜひ楽しんでもらいたいです。

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開発の裏側

──開発でこだわった点や、苦戦した点があれば教えてください。

山本 やはりドローンですね。「+1の要素があるおかげで誰でも気軽に参加できる」というフレーズは耳触りのいいものですが、この“+1”があってもなくても変わらないのであれば、いっしょに遊ぶ意味がなくなってしまいます。

しかし逆に影響力が強すぎるとドローン操作の責任が重くなってしまい「気軽に遊べる」というコンセプトから外れてしまいます。なので、ドローンがバスターたちのゲームプレイにどれくらい干渉できるかという調整には、かなりの時間と情熱を持って調整しました。

なのでここがもっとも苦労した部分となります。

──なるほど。

山本 それ以外だと、ボイスチャットや“騒ゲーハイライト”の開発・実装にも苦労しましたね。

iPhoneやAndroidなどいろんな端末で遊べるようになっている中で、ボイスチャットや自動録画機能をいっぺんにゲームに詰め込むというのが想像していた以上に難しく、技術的なハードルを乗り越えるのに苦労しました。

──そうしたハードルを越えてまで実装したかった機能だったんですね。

山本 “騒ゲーハイライト”は企画当初「これは必要な機能なのか?」という話もなされていたのですが、「SNSを通じて広がってほしい」、「ドローンの体験を見せたい」という想いから企画したシステムとなっていたので、どうしても実装したかったんです。

でも実際に作ってみるとかなりハードルが高くて。エンジニアたちが本当に頑張って開発期間内に作り上げてくれました。

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──“騒ゲーハイライト”は機能的に、おそらくバックグラウンドで常時録画をしているシステムだと思うのですが、そう感じさせないくらい端末への負担が軽いものだと感じました。スマートフォン端末が独自で持っているスクリーンレコード機能は、起動してから明らかに挙動が重くなり、熱を持ち始めるのに本作ではそういったことがありません。

 

山本 ありがとうございます。まさにそこが、エンジニアがすごく頑張ってくれたポイントのひとつなんです! システムとしては、おっしゃっていただいた通りドライブレコーダーと同じで、常時録画しつつ、ポイントとなる箇所のみを書き出すというものになっています。

このシステムをイチから作り、ゲーム内に実装するというのは本当に難しい作業でした。このように、本作ではあらゆるエンジニアたちが活躍してくれたお陰で作り上げられた箇所がいくつもあるので、その片鱗を感じ取っていただけるとうれしいです。

 

──プレイしてみて、この手のアクションゲームでは一般的なスワイプによる回避操作がない点が気になりました。実装しなかった理由があればお聞かせください。

山本 キャラクター操作については、多くのお客様が遊べるラインがどこになるかを考えて設定しています。攻撃や回避、ジャンプ、防御など操作の選択肢を増やすことは出来ますが、選択肢を増やせば増やすほど、敵の動きはその選択肢の多さを前提としたものになり、難易度は上がっていってしまいます。

本作は「カジュアルにみんなで遊んでほしい」という想いが強く出ているゲームなので、そこまで難易度を上げたくなかったため、こうした操作性になっています。また操作性にあわせて、キャラクターの移動速度も控えめにしているといった感じです。

ただ運用していくうちにユーザーのプレイヤースキルも成熟してくると思うので、たとえば今後スワイプ移動ができるようになるモンQ(キャラクター)が登場する可能性は十分にあります。そうした拡張もできるように作っているので。

──ドローンのペイント弾では画面上に文字や絵を描くことができますが、これはどういった意図で実装された機能になるのでしょうか?

山本 情報伝達ツールとしては、ちょっと使いづらい機能ですからね(笑)。

ただアイテムやギミックの位置情報を伝達するだけならオブジェクトをタップしてガイドを表示させてあげれば済みますし、それに本作にはボイスチャットも搭載しているので、それを使えばバスターへの情報伝達はより簡潔に完了します。

でも、それだけだとちょっとつまらないと思いまして。本作は「友だちとワイワイ遊んでほしい」という願いから制作したゲームになるので、機械的にプレイするだけのコンテンツにはしたくなかったんです。

そしてペイント弾という遊びにもなるシステムを入れることで、製作者の意図とは違う遊びかたも生まれてほしいと思い、実装しました。

真面目に戦略的に利用してもいいですし、友たち同士のプレイでおふざけに使ってもいい。そういった自由度の高い遊びができるように、あのような仕様にしています。

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──今後ゲームを運営していく中で追加してみたい機能や、それに伴う大型アップデートの頻度について教えてください。

山本 今後のプランは複数用意しています。またアップデートの頻度は未定となっていますが、アプリの開発と並行してPvPモードのモデル制作も進めていたので、ニーズに応じてPvPモードや観戦機能の実装もできるかもしれません。

あるいはPvEをさらにエンドコンテンツ化させる計画などもありますが、やはりまずはお客様の反応を見つつ、お声をいただきつつ、それを参考にアップデートの舵取りを行っていこうと考えています。

──今後ゲームを運営していく中で追加してみたい機能や、それに伴う大型アップデートの頻度について教えてください。

山本 今後のプランは複数用意しています。またアップデートの頻度は未定となっていますが、アプリの開発と並行してPvPモードのモデル制作も進めていたので、ニーズに応じてPvPモードや観戦機能の実装もできるかもしれません。

あるいはPvEをさらにエンドコンテンツ化させる計画などもありますが、やはりまずはお客様の反応を見つつ、お声をいただきつつ、それを参考にアップデートの舵取りを行っていこうと考えています。

『モンスト』と『ストブル』

──本作はどのような層をターゲットに据えて開発されたタイトルでしょうか。

山本 『ストブル』がメインターゲットとして定めているのは「友だちとワイワイゲームで遊びたい人たち」全般となります。『モンスト』を楽しんでいるお客様はもちろん、Nintendo Switchやバトロワ系ゲームなど、『モンスト』以外のゲームでワイワイ遊んでいるという人にもぜひプレイしてほしいと考えています。

本作はカジュアルに遊べるようにも出来ているので、より幅広い層に楽しんでいただけたらと思います。

──本作の公式ホームページではファンキットとして、さまざまな画像素材が配布されています。この施策の狙いを教えてください。

山本 昨今ではゲームが広がっていくまでの流れのひとつに、“YouTuberなどのインフルエンサーたちによる発信”というものがあります。そして「彼らがオススメするから遊んでみる」という傾向を持つ世代、ユーザーも多くなっています。

今回の施策はそうした流れを受けてのもので、インフルエンサーの方たちが安心して情報発信をしやすいよう、公式素材を提供させていただいている、という具合です。

─今後何かしらのコラボを実施する場合、どういった形で開催したいか、ビジョンはお持ちでしょうか。

山本 「こうしたコラボをやりますよ」というお約束はまだできないのですが、コラボしやすい構造を持ったゲームにしているので、いろいろな形でのコラボはできると考えています。

たとえばコラボ作品のキャラクターをモンQとして登場させたり、コラボ作品のキャラクターを模した着せ替えアイテムを実装させることもできます。どういったコラボイベントを実施する際には、コラボ作品が持つ世界観やその個性をもっともうまく反映するような形で行いたいですね。

 

──本作は『モンスト』シリーズのひとつとしてリリースされていますが、本作における“『モンスト』らしさ”はどのように込められたのでしょうか?

山本 私たちはキャラクターデザインや世界観をもって「これが『モンスト』というIPだ」と考えるのではなく、「みんなでいっしょにワイワイ遊ぶことこそが『モンスト』だ」と捉えています。

なので『ストブル』においても「みんなでいっしょにワイワイ遊べる」という“『モンスト』らしさ”をしっかりと込められるよう、開発を進めて参りました。

なので、今回は意図して「パッと見で『モンスト』とは気づかないパッケージにする」という方針で制作しています。

しかし「『モンスト』シリーズです」と言って、いきなり見た目やシステムがまったく違うものを出しても、皆様に混乱を与えてしまうと思ったので、一部モンQのキャラクターデザインや引っ張って狙う操作方法など、目に見えてわかる『モンスト』のテイストを加えていますし、ファンファーレやSEなど『モンスト』プレイヤーならピンと来るテイストも混ぜ込んでいます。

 

ユーザーの皆様には、まず『ストブル』という新しいアクションゲームを遊んで“+1”が生み出すおもしろさを体験していただき、「このワイワイ遊ぶゲームが『モンスト』なんだ」と感じてほしいと思っています。

モンスターストライク ゴーストスクランブル

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
このゲームの詳細を見る
ジャンルアクション
メーカーXFLAG
公式サイトhttps://ghost-scramble.com/
公式Twitterhttps://twitter.com/ghostscramble
配信日配信終了
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