【企画連載】教えてponta先生!「『三国志』ってなぁに?」―第2回:物語の主要人物と彼らの意外な一面
2021-07-16 17:00 投稿
4人のキーパーソンにクローズアップ
名前は知っているけれど、中身までを知っている人は意外と少ない(!?)『三国志』を学ぶ企画連載。第2回のトークテーマは“三国志における重要人物”。
物語を追っていく上で知っておきたい重要人物を、エピソードとともに紹介します。
【話者】
ponta 生粋の三国志好きであり、コーエーテクモゲームスのゲームシリーズ『三國志』のファンでもある。 同シリーズ最新作『三國志 14』のプレイに熱中するあまり、〆切をぶっちぎるのは、もはや伝統芸。 ⇒Twitterアカウント | |
ヒゲメガネ長谷部 担当編集。 これまで『三国志』を知っているかのように振る舞ってきたが、限界を感じてponta氏に土下座。 ラクをして三国志を学ぶために本連載を企画した。 |
『三国志』(『三国志演義』)って、たくさん登場人物がいるじゃないですか?
いますね。
コーエーテクモゲームスさんが出している人気シミュレーションゲームのシリーズ最新作『三國志 14』では、登場人物が1,000人にもなりますからね。
は? 1000……?
でも、たぶんですけど物語を知る上でのキーマンは限られてきますよね?
全部覚えるのは、もう自分の頭では無理なので、なんかこう「この人を覚えておけば、だいたいストーリー追えるよ」っていうキーマンを教えてください。
たぶん覚えられるのは4人くらいなので、それくらいを上限に。
長谷部さん、もう脳のキャパが……。
しかし4人となると、選ぶのが難しいな……。
RPGをプレイしても、2日あいだが空いたらストーリーを忘れるくらいですからね!
記憶力の無さには自信があります!
それと、できれば前回よりもカジュアルな感じで教えてもらえると、より助かります!
覚えられないんで!
カジュアルにですか…! 難しい注文すね……。
「諸葛亮って誰?」、「呂布って何?」って長谷部さんにイチから教えながら、カジュアルに面白くっつーのはけっこうムズい。ムズみが深いのです。
そこをなんとか!
しゃーねー。やってみますわ。
前回は劉備と曹操を簡単に説明したので、今回はそれ以外から選びます!
重要人物その1 諸葛亮(字:孔明)
諸葛亮孔明はアレです。主人公・劉備に仕えた軍師です。
弱小軍団こと劉備一味の、期待の星として加入しました。
ただすんなり劉備のもとに加入したわけではありません。劉備は諸葛亮を登用しようと、3回も彼の家を訪問したのですが、最初の2回は留守だったという恐るべき不在率。孔明、意外にアウトドア派。そして劉備は間が悪いにもほどがあるだろ。すれ違いばっかりの80年代トレンディドラマだってもう少し早めに会えてたっつーの。
この3度に渡る訪問、“三顧の礼”を経て諸葛亮は劉備軍に入るのですが……このときの劉備軍、めちゃくちゃ弱い。なにせ、劉表軍の小さな城(新野城)を間借りしている始末。しかもその城は、天敵である曹操軍に対する前線基地でもある。
ヤバイ。ヘッドハントされて入った会社(劉備軍)の危険がヤバイ。
しかも孔明は最初、劉備軍の最古参であるところの関羽・張飛に嫌われてます。そりゃそうですよね、入社してすでに社長のおぼえめでたい、コンサルヅラした幹部候補生にいい顔をする古参の営業部長はいません。
しかし孔明は直後、曹操の腹心・夏侯惇10万の大軍を少数の兵士で撃退します。いきなりの大戦果に、関羽や張飛も心服です。
しかも孔明はその後、豪傑・馬超の加入に神経をとがらせる関羽に対し、『関羽さんには馬超といえどもかなわないッスよ~』といった手紙を送って、たいそう喜ばれています。
こうした人の心の機微をつかむ上手さも孔明の地味な凄さだったりします。
諸葛亮すごい!
実力があって、周囲への配慮も欠かさない人だったんですな!
そりゃ劉備も3回訪問するわけだ!
でも、この“三顧の礼”は作り話で、孔明が自分で劉備に自分を売り込んだという話もあります。
“三顧の礼”の故事は歴史上のニートたちに対し「俺も、寝転んでいたら就職チャンスが巡りこんでくるかも……」なんて間違った教訓を与えているので罪深いですね。
正しい教訓は「ふつうは寝ててもチャンスなんか来ない。ちゃんと自分を売り込め」です。
重要人物その2 呂布(字:奉先)
あ、重要かどうかは知りませんけど、知ってる三国武将もいますよ。
呂布! 最強の武将なんですよね?
呂布も重要人物っちゃ重要人物っすね。
呂布は、アレっす。腕っぷしの強さなら『三國志』というゲームでNo.1を誇ります。
武力2位はゲームによって変わることもあるんですが、不動の1位は呂布です。
しかもゲーム上の数値だけではなく、呂布のマスクデータ、裏側のところで武力にゲタをはかせてるってウワサが出るくらいの強者です。
ファンが面白半分で噂してるだけなので、本当かどうかは分かりませんけどね。
「そこまで強いなら、ゲームで呂布をデッキに組み込んだり、配下にすれば無敵じゃないか」って言われそうですが……実際はそうはなりません。
史実で裏切りを重ねた男なだけあって、クセが強いんです。
義理が低かったり、策略にハマりやすかったり、信頼性に欠ける部分が多々あります。たとえばスマホゲーム『三國志 覇道』では、軍団長じゃないと本気を出さず、ウマの合う同僚の少ない、クセのある最強カードとして設計されていました。
強いけどピーキー。爆発力はあるけど扱いづらい。
野球で例えるなら、ホームランは打つけど、守備がザルな上に会見ではマスコミに球団批判をくり返す4番バッターみたいなもんです。
晩年の●●(ピー)みたいなもんです。
それが呂布奉先という男です。
呂布がとにかく強いというのは分かっていたけれど、人格的にやべーってのは初耳ですね。
なんか人間味があっていいと思いますけど、近くにいてほしくはないですね!
強さはハンパじゃないんですけどね。
呂布は『三国志』のストーリー前半の山場である“虎牢関の戦い”で、豪傑の関羽、張飛、劉備の3人に対して、たったひとりで互角にわたりあう離れ業を演じています。
“最強の男・呂布”というイメージが読者に強烈に印象付けられたのは、これが理由だったりします。
逆にこのシーン以外の呂布って、くじけたり、女性にだまされたり、むしろ心が弱いキャラなんですよ。
作品を代表するような強いシーンをひとつ作れば、その印象だけで最強を印象づけられるという例っすね。
サラリーマン諸君。失敗続きの人も、女でしくじっても、デカい業績、ひとつだけは作っておきましょ!
重要人物その3 董卓(字:仲穎)
あと、董卓についても教えてください。
ゲームの中でいつも魔王みたいな見た目になってるあの人。
悪の親玉、まさしく魔王みたいな存在ってイメージがあります。
魔王! たしかに董卓は魔王キャラっすね。
中央の混乱に乗じて権力を握り、ぜいたく三昧。旧体制に実質的なとどめを刺した人です! 太ったビジュアル含め、キャラが立ってます!
なるほど。悪いヤツではあるけれど、主役たちが活躍する土台を作った人ともいえるわけですね。
そうですね!
でも、ただ単に悪いだけってわけじゃないんですよ!
腕っぷしが強くて、馬に乗りながら両方の腕で弓矢を射れるスキルがあったと伝わっています。
これは、馬や弓のなんたるかを深く理解していたということでもありますから、戦も強かったんです。
董卓の特徴として見逃せないのが“女好き”というところです。イケメンでモテるとかじゃなくて、デブなのに権力で女性をモノにするタイプの女好きです。
曹操、劉備、孫権もたいがいですが、董卓は当たるを幸い、きれいな女性をちぎっては投げ、ちぎっては投げ、といった感じなので、格が違います。
その女好きのせいで呂布と争って殺されてしまうのですが……。
なので董卓は、ゲームによっては女性キャラが同じデッキ内にいるとパワーが上昇したり、イラストでえっちぃ女性をはべらかせていたりといった形で描かれることが多いです。
董卓の”女好き”を各ゲームがどういう形で表現しているか、そこに注目するのもおもしろいので、みなさんもぜひ気にかけてみてくださいね。
重要人物その4 孫権(字:仲謀)
そういえば、前回と今回とで劉備と曹操って名前が出てきましたけど……
あともう一国ありましたよね?
“三国”志っていうくらいですし。
呉の孫権ですね。魏と蜀に比べれば地味ですが! ファンも多いですよ。
孫権はすごい人だったんですか?
孫権がすごくないわけではないのですが、呉の領土を拡大したのは孫権のお兄ちゃん・孫策です。
孫策は呉の小覇王と言われるくらいに戦争が上手く、そして積極的でした。イケメンだし。
ぶっちゃけ、顔が四角だったといわれている孫権より、孫策のほうが人気はあると思います。
ただ孫権は、アニキの孫策よりも圧倒的に優れたところがありました。それは人を見抜く目と、任せる度量です。
曹操に攻められたら周瑜に、劉備に攻められたら陸遜にすべてを任せて見事、それらを撃退しました。
帝王たるもの、なんでもかんでも自分でやろうとしちゃだめなんですよ。
これだという人材にすべてを任せる!
そして口を出さない!
これができた孫権は立派な君主だったと思います。
ゲームでも、個人的な能力より、まわりの優秀な武将を活かしたり活かされたりするスキルに特化している傾向にあるのですが、それはこうしたエピソードが起因しての話ですね。
なるほど。とりあえず今日教わったこの4人の名前と特徴は、覚えました!
やっぱりと言ってはなんですけど……戦争のお話の重要人物ってなると、見事におっさんばっかりですね。
なんかこう、もっと華やかさもほしいところなのですが、三国志に登場する美女やイケメンっていないんですか?
今回はあえて、渋めの人を紹介していきましたけど、イケメンも美女もいますよ!
では次回は、三国志に登場するイケメン・美人を特集してみましょうか!
文:ponta
企画協力・画像提供:㈱コーエーテクモゲームス
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