『ポケモンGO』GOスナップショットで最高の思い出作り!!最新機能に込めた想いを石塚尚之氏に聞く

2019-02-28 16:00 投稿

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ポケモンGO

相棒と過ごす大切な時間を記録に残そう

AR(拡張現実)を使ったさまざまな体験を世界に広げているナイアンティックを代表する作品のひとつ『ポケモンGO』に、先日“GOスナップショット”と呼ばれる新たな機能が実装された。

これは、捕まえたポケモンを呼び出して自由に撮影できるものであり、これまであったARフォトとは異なる“触れ合い”を感じられる、トレーナーにとって待望の機能だ。

本記事では、フリーライターの深津庵がGOスナップショットでユーザーエクスペリエンスデザインを担当した石塚尚之氏に開発の経緯と最新機能に込めた想い、さらにユーザーを代表して今後実装してほしい機能、気になるポイントを直接聞いてきたぞ。

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コミュニティの輪を広げ共有するチャレンジ

――まず最初にユーザーエクスペリエンスデザイナーというお仕事について教えてください。

石塚尚之(以下、石塚)どんなサービスが世の中にあれば便利なのか。それを前提にアイデアを練り、技術的に可能であるのかチームメンバーでディスカッションを重ねてデザインを生み出す。それがみなさん快適に楽しめるものなのか確認していく。プレイヤー全員が直接触れる“体験”というものをカタチにするのがユーザーエクスペリエンスデザインのおもな内容ですね。

――ナイアンティックで働くことになったきっかけは?

石塚 僕は以前、GoogleでGoogle Mapのデザインを担当していまして、人々が外に出ていくというものにずっと興味を持っていました。それをもっとアクティブなものにしたいという想いがきっかけです。

――実際、『Ingress』や『ポケモンGO』は多くの人を外の世界に導いてきました。たとえば『ポケモンGO』の場合、2017年には全世界のトレーナーが歩いた総距離は158億キロメートルに及んだと発表。いまなお記録を伸ばしているわけですが、こうした結果は想定の範囲だったのでしょうか?

石塚 この結果は僕の想定を遥かに超えたものでしたね。『ポケモンGO』は“捕まえる”というところから始まり、レイドバトルの実装で“協力プレイ”や“戦う”といった要素が加わりました。さらに、フレンドやトレードという機能を加え、人々を“つなぐ”ことで成長してきた。その中で地域コミュニティが作られ、ポケモンのトレード会やトレーナーバトル会など、みずからがイベントを開催するまでに発展しています。そうした展開はまさに想像を上回るアクションですし、人々を外に導くことが成功しているのだと実感できるうれしい事柄ですね。

――おもに『ポケモンGO』ではどういった部分に関わってきたのでしょうか?

石塚 僕がナイアンティックに入社したのは『ポケモンGO』がロンチした後でした。そのため基本的なアウトラインは決まっていたんです。具体的にゼロから関わったのはアップルウォッチ、レイドバトル、ソーシャルな面ではフレンドやトレード。そして今回のARフォト、GOスナップショットですね。

――私自身アップルウォッチを使っているのですが、現状では“ポケモンGOプラス”や“モンスターボールプラス”に劣っていると感じます。今後、ウェアラブル端末も強化されていくのでしょうか?

石塚 将来どうなっていくのかは具体的なお話しはできませんが、よりよいものにアップグレードできればと考えています。

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▲石塚氏は『ポケモンGO』がロンチされて以降、捕まえるだけに留まっていた作品にゲーム性を与え、本来ある“ポケモン”らしい遊びをユーザーに届けてきた。

――GOスナップショット発案のヒントは?

石塚 先ほどもお話しした通り、ロンチされた1年目は“捕まえる”こと。2年目は人々が協力して目標を達成する“戦い”があり、3年目で人々のコミュニティを広げていく“つなぐ”という段階的なテーマを設けて『ポケモンGO』はステップアップをしてきました。そしていま、つぎのステップは何だろうと考えたとき、“ポケモンとトレーナーの関係”をより深めてほしいという想いでした。

――捕まえて育てるだけで終わらない、その先の関係性ですね。

石塚 その通りです。従来のARフォトは捕まえる前のアクションであり、自分になついていない状態ですよね。僕としては捕まえて相棒になった後、育てて戦うことを含め、共有した時間を思い出として残したかった。さらに、その思い出をフレンドにシェアしたい。そんな想いからGOスナップショットの開発がスタートしたのです。

――実装までにどんな試作が行われ、いまのカタチになったのでしょうか?

石塚 じつは比較的順調に進めることができたと感じているんです。従来あったARフォトがけして使いやすいものではなかった。そこをしっかり見直すところから始まり、私自身がARフォトで満足のできる写真を撮りたいという想いが強く、そのために必要なものは何かと考えました。また、多くのトレーナーがSNSに投稿している作品から、何が求められているのか多くのことを学ぶことができたと実感しています。

――方向性は見えていてスムーズな開発だったわけですね。

石塚 とはいえ、ひとつだけ試行錯誤した点があります。それは、ポケモンをより生き生きと見せる方法ですね。もちろん以前のものも身近に感じられたのですが、直接触れ合い“そこにいる”と実感できるものを表現したかった。そこからポケモンに触れると振り向いたり、アクションを促すといった仕組みが生まれたわけです。

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▲トレーナーが投稿するARフォトの多くにコメントを寄せている石塚氏は、開発者であると同時にみんなと同じポケモンを愛する1人。多くの作品からよりよい環境を日々考えている。

ドーブルが出現するヒントと気になる仕掛け

――本日(取材日:2019年02月26日)、ドーブルに出会えたという報告が多く上がっています。私自身も今朝撮影したGOスナップショットに映り込み、捕まえることができたのですが、出会うためのコツなどはあるのでしょうか?

石塚 出会えるかどうかは撮影した枚数ではなく、どれだけ多くのポケモンと愛情を持って接しながら撮影するかが重要なんです。いい写真を撮りたいという想いが強ければ、そこにドーブルが引きつけられて来るんですよ。

――“センス抜群”や“傑作”、“ナイス!”など、写真を共有する際の画面で評価らしきものが出てきます。これには何か法則性があるのでしょうか?

石塚 そこは秘密でもいいですか(笑)

――なんて意味深な!! で、ではドーブルの色違いは?

石塚 少なくともいまのところ発見したという報告は受けていません。しかし、もしかすると世界のどこかで発見したと報告が上がるかも知れない。私自身も今後の展開に期待しているところです!!

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▲筆者はこのコメントに意味があるような気がしてならないのだが気のせいだろうか。石塚氏の意味深なコメントを含め、その真相を今後も追っていきたい。

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▲ドーブルが世界中で発見され始めたのが取材日と重なったのは偶然のこと。石塚氏は筆者がTwitterに投稿した捕獲報告を含め、多くのつぶやきを見て朝から楽しんでいたようだ。

言語を超えたSNSで拡散していくARフォトの魅力

――多くのトレーナーがARフォトをSNSにUPするいっぽう、石塚さん自身もポケモンとの写真をまとめたInstagram(こちら)を開設しましたよね。

石塚 昨年7月ごろTwitterにUPし始めたのが最初でした。しかし、Twitterの場合は文章で写真が分断されてしまうこともあり、プレビュー画面だけでは伝えにくい。もっとシンプルにみてほしくてInstagramにまとめるようになったんです。また、ポケモン自体がそうですが、ARフォトにはそれだけでメッセージ性のある“言葉の壁を超える力がある”と思うのです。最近印象深かった作品ですと、楽譜と楽器に向かって立っているピカチュウのARフォトで、それは海外の方が撮影したものなんです。それを見れば言葉がわからなくても、“ピカチュウが楽器の練習をしている”など、何かしらメッセージを受け取ることができる。言語を気にせず直感的に楽しみ、自然と世界の輪が広がっていくことはすばらしいですよね。

――Twitterを中心に多くのユーザーがARフォトを共有。積極的に尚之さんもコメントを寄せていますが、その中でも印象的だった作品はどれでしょうか?

石塚 私が最初に驚いたのはAR+が実装されたとき、ポケモンを後ろから撮影した作品が多かったことなんです。AR+を使った撮影の場合、近づけば逃げてしまうこともある。捕まえることを前提にしたゲーム性でありながら、あえてそのリスクを覚悟で回り込む。そこに楽しみを見い出すだけでなく、とても自然体なポケモンを撮影していた。それを見た瞬間、自分も撮ってみたいと強く感じたんです。

――これまでは捕まえることで手いっぱいでしたが、GOスナップショットがあれば逃げられることもなく、安心して好きなシチュエーションや角度で撮影ができる。今後SNSに投稿される作品が楽しみですね。

石塚 深津さんが昨年の夏、Twitterに投稿していた慌てて捕まえたチリーン(こちら)も、今度はゆっくり撮影できますよ!

――あーっ、よく覚えていてくれましたね!

石塚 当時の光景を思い出しながらその瞬間を再現するのもいいかも知れませんね。

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▲石塚氏はユーザーが投稿した作品から多くのヒントを得たと語る。すべてを汲み取ることは難しいが、こうして反映されることもあるので今後も積極的に自慢の1枚をSNSに投稿してもらいたい。

GOスナップショットの未来と今後の展開をズバっと調査!

――手持ちのポケモンにはXSやXLなど特別なサイズの個体がいます。それらを撮影するとき大小変化があるとうれしいのですが。

石塚 たしかに、現在個々のサイズは反映されていませんが、みんなと違うポケモンと撮影できればいいですよね。

――GOスナップショットで撮影する際、触れると実行するポケモンのアクションはひとつだけです。少なくとも捕まえるときはジャンプや攻撃といったアクションがありますよね。今後それらをユーザーが任意に選びたい。さらに、欲をいえば向きはそのまま視点をこっちに、みたいなものも欲しいですね。

石塚 なるほど。それはポケモンたちに相談してみないといけませんが、ARフォトグラファーのひとりとして僕も欲しいですね!

――手持ちのポケモンのソート画面にサイズ順を追加して!

石塚 あ、それはいい案ですね。

――呼び出したポケモンの影がほかのオブジェクトにかかってしまう。影の非表示設定できるとか、任意の場所を透過できるようにできませんか?

石塚 今後の内容はお話しできませんが、弊社が出しているオクルージョン(現実世界にある物陰に隠れるなど)という技術の研究も進んでいます。それがカメラに応用できるようになれば実現は可能だと考えています。

■Niantic Occlusion – Real World AR Occlusion featuring Pikachu and Eevee

――公式フォトコンテストの開催またはユーザー参加型の投票イベントをぜひ。また、入賞者向けに専用のアバター衣装などあればうれしいですね。

石塚 やりたいとは考えています。アバターの衣装もいいアイデアですね。すでに多くの方がSNSに作品をUPをされていますが、ぜひ、そこに#GoSnapshot とハッシュタグをつけて拡散していただけるとうれしいです。

――最後に、今年も国内では横須賀、海外ではシカゴで開催されたような大規模イベントは?

石塚 場所はお伝えできませんが、もちろん開催します。まもなく公式からもアナウンスを出せると思いますので、ぜひご期待ください!!

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▲インタビューの最後にドーブルと記念撮影。石塚氏もARフォトを愛するトレーナーの1人。そんな彼が手掛ける今後のGOスナップショットがどのように進化していくのかとても楽しみである。

P.N.深津庵(撮影協力:あしたづひむ)
※深津庵のTwitterはこちら

▼開発者直伝!GOスナップショットを楽しむ10の方法はこちら!

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対応機種iOS/Android
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ジャンルその他
メーカーナイアンティック
公式サイトhttp://www.pokemongo.jp/
公式Twitterhttps://twitter.com/PokemonGOAppJP
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