【逆鱗日和ワールド】第27回:誕生! トラウマモンスター

2018-03-30 12:00 投稿

ヴァルハザク、苦手です……

ひさびさの更新になってしまったが、前回の続き

そう、“屍套龍”ことヴァルハザクのことを書こうと思っていたんだった……。

ここまで200時間以上、『モンハン:ワールド』を遊んできて、

「こいつ……ガンランスでいけるの?w」

と、呆れ笑いをさせられてしまったモンスターが3種いる。

ひとつは、神出鬼没の爆撃機・バゼルギウス。その巨躯と異形、どんな狩猟にも首を突っ込んでくる“わかり合えない感”が圧倒的で、「あ、こいつアカンわw」と、早々に音を上げるハメになった。

ふたつめが、クシャルダオラだ。こいつはリオレウスと共通するのだが、空にいる時間がやたらと長いことと、龍風圧の近寄りがたさが抜きん出ていて、

「クシャとやるくらいだったら……テオと遊んでるほうがいいわ」

と、テオ・テスカトルに癒しを求めにいきたくなるほど、俺とは反りが合わなかったのである。

そんな、2種のいやげ物化しているモンスターを差し置いて、その遥か上をゆく“毛が伸びる呪いの人形のようなモンスター”が、ここで紹介するヴァルハザクなのだ。もう、心の底から苦手だわこいつ……。

ゲームをある程度進めていくと、あまり働いている姿が見えない上司のハンター(団長とか先輩ハンターな)から、以下のようなことを言われると思う。

「3種の古龍の痕跡を集めてきんしゃい。そして、狩ってこい。もちろん、ひとりでな」

対象となるのが、前述のクシャルダオラテオ・テスカトル、そしてヴァルハザク。この3種の古龍を前にしたとき、多くのハンターがつぎのように感じたと思う。

「クシャとテオとは長い付き合いだが……その分、こいつらが面倒なモンスターということもよく知っている」

そして、こう結論付けたのではないか。

「だったら、初お目見えのヴァルハザクとやらを最初に狩ることにしよう。なんだかんだ、クシャやテオより格が落ちる古龍であろう」

とな。……なんでそう確信しているのかというと、俺がまさにそうだったから。ヴァルハザクがどんな存在なのか、1ミクロンも知らなかったが、テオもクシャも、そしてナナ・テスカトリもオオナズチも、初めて会ったときは無情報だった。俺の狩猟はいつも、“互いに知らない”という部分では完全に“フェア”なのである。

俺は、自慢のガンキン装備を装着し、初めて作ったレア8のガンランス“驚天動地マグラハト”を背負って、ヴァルハザクがいるという瘴気の谷に向かった。無数の骨とメタンガス、そして霊気と瘴気が渦巻いている“忘れられた墓場”のような不気味なフィールドである。

そんな瘴気の谷の親玉という位置づけで、ヴァルハザクは現れる。パッと見ただけでは、

「……ん??? ど、どこが顔でどこが胴体で、どこが手足なんだ……?? ていうかそもそも……こいつは生きてんのか!?」

そんな疑問を抱くこと請け合いな風貌をしている。それもそのはず、異名の“屍套龍”にある“套”という字は、上に重ねて羽織る覆い、つまりコートのような布を指している。“しかばねのコートを羽織った龍”ということで、その実態がヴェールに包まれているのはまことに理にかなっていると言えるのである。なんとなく、『モンハンクロス』の骸龍・オストガロアを彷彿とさせるものがあるが、そう思ったのはきっと、俺だけじゃないはずだ。

その不気味なたたずまいに最初こそ度肝を抜かれたが、実際に拳を交えてみると、それほどトリッキーなモンスターではないな……とすぐに気がついた。飛ぶわけでなく、動きが速いわけでなく、ネルギガンテやテオのような破壊力を誇るわけでもない。まともに攻撃を食らうと危険だが、それはなにも、ヴァルハザクに限ったことでもないし。

「やはり、つぎの壁となるのは、クシャかテオか……」

ヴァルハザクを向こうに見ながら、早くも別のモンスターとの立ち回りに思いを馳せる俺……。そんな、明らかにナメた態度が祟ったのか。我が分身の体に、妙なことが起こった

……いや、最初はまったく気が付かないかったんよ。

何の問題もなく立ち回れているな……と確信し、なんとなく、本当になんとなく自分の体力を見たときに、驚きのあまり口からエクトプラズムが飛び出してしまったわ

「どどどどど、どうした!!? 何があった!!!? ししし、シラネーうちに、わしの体力の上限が半分くらいになっているんですけど!!!!(驚愕)」

そうなのだ! さほど攻撃を食らった覚えがないのに、いつの間にやら体力の上限値が削られてしまっているのである! こんな状態では、ちょっと小突かれただけでも昇天しかねない。慌てて俺はウチケシの実をセットし(何が起こるかわからないので、ウチケシの実は常備しているのだ)、ゴクンとそれを飲み込んだ。すると思った通り、体力の上限値は回復。しかし……体力は削られた状態で、完全に危機を脱せたわけではなかった

「うわああああ!! うぜえええええ!!! 上限値を元に戻すのはもちろん、さらに回復もしなきゃいけねえのかよ!!(涙)」

慌てて、回復薬グレートをゴキュゴキュゴキュ……。こんなやり取りが続いたら攻撃の手が鈍るのはもちろん、すぐに回復アイテムも底をついてしまうぞ……。

そして実際、俺はここから大苦戦を強いられる。

調子に乗ってヴァルハザクに近づいて攻撃していると、気が付けば体力の上限値はカットの状態に。

「うわあああああ!!! また呪われた!!!」

そのたびに、ウチケシの実と回復薬を消費させられる。しかも、この“瘴気やられ”にならなくても攻撃を食らえば体力は減ってしまうわけで、そのたびに回復薬グレートは消えていってしまった。なんて非経済的な狩猟だろうか……。回復アイテムがいくらあっても足りねえぞ……。

けっきょく最後まで瘴気やられに慣れることはなく、愚直に「減ったら飲む!」をくり返してどうにかこうにかヴァルハザクを狩猟した。でも、このしつこい古龍が大地に臥したとき、俺も2オチで後がなく、回復系のアイテムはほぼほぼ使い切ってしまっていたのだ。闇雲に殴ることでしかヴァルハザクの“瘴気の壁”を破ることができず、どうにもこうにも不完全燃焼のままアステラに帰ってきた。気分的には、完全に敗北していたと言っても過言ではない。

この、ファーストコンタクト時のトラウマはいまだ消し去ることはできず、完全に苦手意識が生まれてしまって、ヴァルハザクの現在の討伐数はたったの“2”で止まっている。

「できればこのまま……一度も会わずにフェードアウトしたい……」

我がモンハン史に残る、“苦手モンスター”誕生の瞬間でありました(苦笑)。

おしまい。

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