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中国VR市場がアツい! キーワードは“モバイルVR”と“オフライン”【JVRS2】

2016-11-18 09:00 投稿

世界最大? 中国VR市場のポテンシャル

2016年11月16日、VR技術がもたらす未来を切り拓くリーダーたちが集い、つながり、新たな市場を共創する場として、グリー株式会社と一般社団法人VRコンソーシアムが共同開催するVRカンファレンス“Japan VR Summit 2”が、東京・水天宮のロイヤルパークホテルにて開催された。

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本記事では、中国VR市場にまつわるセッションの模様をお伝えする。

“世界最大?中国VR市場のポテンシャル”と題した本セッションは、インフィニティ・ベンチャーズLLP/共同代表パートナーである田中章雄の進行のもと、Bejin Pico TechnologyからKaren Zu氏、3GlassesからGeorge Lin氏、Baofeng MojingからZeng Xianzhong氏、Shanghai FamikuからFrederick氏の5名が登壇。中国VR市場について語られた。

インフィニティ・ベンチャーズLLP 共同代表パートナー
田中章雄

Flash関連のビジネスを中心に中国、日本、韓国、インドを含むインターネット、モバイル系の投資及びM&A案件をリード。2008年に独立、インフィニティ・ベンチャーズLLPに共同代表パートナーとして加わる。

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Beijing Pico Technology Co.,Ltd. CMO
Karen Zu

2015年初めにPicoに参画。Picoでは、わずか1年足らずでスマートフォン装着型VR HMD “Pico”と、スタンドアローン型VR HMD “Pico neo”の2機種をリリース。設立間もない企業ながら、社員数300人を誇る企業へと成長を遂げている。

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3Glasses CFO & 執行役員
George Lin

3GlassesではCFOとしてM&A、財務管理及び法務などを担当。同社は、他社との比較対象とし、安価かつ軽量が売りにした最新型のHMD “Blubur S1”2016年にリリース。それと同時に、コントローラーやモーショントラッキングがセットになった“3Wand Suite”などのデバイスもある。

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BaoFeng Mojing Vice President / Partner
Zeng Xianzhong

1999年からEricssonやサムスン等のモバイル企業での経験を活かし、2015年に“BaoFeng Mojing”に参画。中国でもっとも利用者が多い動画サイトのアプリの開発、及び映像コンテンツに力を注いでいる。4世代にまで渡るカードボート向けのHMDをリリースしている。

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Shanghai Famiku Co.,Ltd. CEO
Frederick

中国ではいち早くVR技術・市場に注目し、ゲーム、教育、エンターテイメント等の様々な分野においてVRの研究開発、市場開拓を行っている。2014年にアーケードとVRの可能性を見出し、FAMIKUを設立。現在VRアーケード施設“VRパーク”を運営。

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世界最大級と予想! 急成長する中国VR市場

まず初めに田中氏から、中国のVRハードの出荷量や普及率について語られた。中国でのVR産業のほとんどはモバイル向けが多く、売り上げの大半はゲームという現実がある。

2020年にはグローバル業界の3分の1が中国人のユーザーになるのではないかと田中氏は予測。過去にスマホで起きた改革などが、中国の巨大VR市場でも起きるのではないかという見解も。

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▲中国VR市場の多くは、モバイルVR。普及率が目まぐるしい。
参加企業
▲中国のVR市場にも各分野があり、その中でもマップで青くなっている企業を招いている。

ここで、中国におけるVRとはどんなものなのか、ユーザーはどういったVRを求めているのか。以上のことも踏まえて、各社のプレゼンがスタートした。

口火を切ったのはPicoテクノロジーのKaren氏。設立当初は開発人数や機材がとても少なく、きびしい状況でもあったと当時を振り返った。

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▲snapdragon 820を搭載した世界初の一体型VR HMD“Pico neo”。

続いて、George氏へとバトンタッチ。

George氏は、「VR産業は飛躍的に発展を遂げ、誰もがTOPで走ることができる時代になっている。いままでの価値観を変え、今後の産業に大きく関わっていくものだ」と、VRの未来に対する見解を述べた。

これまで、不動産関係で使われていた3Dなどを立体視させることで、理解度を高める方法を提供してきたというGeorge氏。もしかしたらこの技術でVRの時代がくるのではないかと予見し、VRの研究開発を始めることとなった経緯にも触れた。

そして、2014年にアジア初のパソコン用のVRハードウェアをリリース。現在は最新型のHMD“Blubur S1”と“3Wnad Suite”などを取り扱う。

また、中国の機械メーカーといっしょに、消費者に対してVRの認知度向上を目的とした、“オフラインでのVR体験”ゾーンを2015年に設置。気軽に遊べるコーナーはシッピングセンターなどに設けられ、その数は現在3000ヵ所以上も存在するとのこと。

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▲世界でもっとも軽量で、とてもクリアな画質を売りに最新版の“Blubur S1”も紹介された。

BaoFeng MojingのZeng氏は、VRデバイスのユーザー利用者数に注目。調査した結果、90%が男性となっており、性別にかなり偏りがある。

その状況を改善すべく、VR端末にカラーバリエーションを取り入れることで女性ユーザーを15%増やすことに成功。興味深い調査結果を披露した。

調査結果の中には、「ユーザーはどういうときにVRを使用しているのか」という質問も。ここでは視聴時間が約30分で、おもに映像コンテンツの利用者が多いという結果が出た模様。仕事終わりのリラックスタイムで、VR体験をする人が多いようだ。

またVR体験のコンテンツジャンルについても、30%はオンラインゲームやVRゲームといった結果に。Zeng氏は、今後iTunesやYouTubeとも協力をしてコンテンツを出していくとのこと。

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▲試行錯誤を重ね、4世代に渡るモデルを開発。カラーが増えたことで人気も上がった。

VRパークを運営するFAMIKUのFrederick氏は、“VR市場とアーケードゲームの可能性”に注目。

中国の消費者市場は年々盛り上がりを見せるなか、カラオケやゲームセンターが陣腐化しつつあるのが現状だという。その打開策として新たな体験が必要ではないかと考え、VRとアーケードの可能性を模索したのだという。

ちなみにVRパークで使用されているデバイスは、FAMIKUによる自社開発品なのだとか。

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▲現在3000店舗もあるVRゾーンが設立され、VRアーケードを求めて多くの利用者が訪れる場所となった。

中国でのVR普及率はどのくらいなのか

続いて「中国でのVRの知名度と、デバイス普及率はどれくらいなのか」という質問に対して、4名の見解が語られた。

Karen氏は、「個人の感覚ではあるが、VR市場の認知度はテレビの報道を通してかなり高まった」と語る。中国ではVRが盛り上がっていて、この先もチャンスがあるのではないかと感じているようだ。しかし、「海賊版のVRデバイスが横行しており、正規のメーカーよりも規模が大きい」と、中国VR市場における問題点についても言及した。

George氏はこの問題に対して「中国のVR市場は赤字が続いている。まだ生まれたばかりの産業ではあるが、需要はとても大きい」と、必ずしも中国VR市場の未来が、暗雲立ち込めるものではないとした。

加えてGeorge氏によると、メディアでも報じられているように、VRデバイスは毎月3000万台も出荷されており、中国国内だけではなく全世界に出荷されているという。

もっとも出荷量が多く、値段が安いカードボードタイプは、10元から20元と非常に安価。「(カードボードタイプの中には)使い捨てのものも出てきている」と、驚きの現状を明かした。

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スマートフォンと同じ展開が中国VR市場でも起こるのか?

Karen氏は「この問題にはふたつの課題があり、ひとつ目は工業団地における市場がなくなってきていること。ふたつ目は海賊版の出荷で市場を判断してしまう現状」と答えた。

本当の意味でのVRコンシューマデバイスと言える商品を作らねばならない。そして、生活の一部として個人のデバイスにしていく必要があるという考えだ。

今後の市場について3、5年の間に価格もスマホのように状況変化していくのではと語った。

Frederick氏の個人的な考えでは、「VRの技術は徐々に成熟しつつある」とコメント。

「スマホ市場も、はじめは海外企業が多かった。ですが革新的な技術が成熟してくると、日本や中国にもチャンスが出てくる。あとは市場がどう変わっていくかがポイント」と指摘した。

VRのハードもスマホもハイレベルになってきているように、4、5年のスパンでで変わってくるのではないかと予見している。

日本の会社はどのように協力していけるか

田中氏から最後に、今後のVR市場において、「中国企業と日本企業はどのように協力をしていけばよいか」、また「ビジネスチャンスはどこにあるのか」といった質問が投げかけられた。

「中国の市場ではハイエンドコンテンツに需要があるので、これまでIPで成功している日本ならVRでも成功すると思っている」とは、Karen氏の弁。

George氏からは「最高のハードデバイスを作り、お互いに協力して市場を開拓したい」と述べ、日本からも中国のユーザーに体験を届けてほしいと期待を寄せている。

Zeng氏は「私たちはすでに日本の企業と協力をしています。日本のコンテンツは非常に好まれているが、まだ欠けている部分がある。早く中国に来ていただいて協力したいですね」と意思を示した。

中国でVRの収益は見込めるのかという観点では、「やはり“オフライン”に大きなチャンスがある」と、Frederick氏は答える。「日本は中国市場で好まれやすいコンテンツを知っているので、ぜひ協力していきたい」と積極的な姿勢を見せた。

最後に田中氏から「ハードウェアやプラットフォームのグローバル化が進み、今後日本のコンテンツが実際に中国にてVRの市場で大きな勝機がまっているのではないか」と、VR市場の将来に期待を膨らませ、セッションを終えた。

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このセッションを通して、海外VR市場を盛り上げるべく、コンテンツを立ち上げる会社が増える可能性は十分にあるだろう。

そして、世界規模で市場が大きく発展し、VRが誰にとっても身近なものとなる、そんな未来に期待したい。

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