『ポケモンGO』開発リーダー、コロプラ社長ら4人のスペシャリストが語るVRとARの未来【JVRS2】

2016-11-17 17:02 投稿

ゲームコンテンツ以外でのVR/ARの未来に語る

2016年10月16日、東京都内にて開催されたVR業界関係者向けカンファレンス”Japan VR Summit 2″。

本記事では、第4セッション“VR/ARはゲーム/エンタメから各産業へ花開く”で語られたディスカッションの模様をお届けしていく。

【登壇者】
久保田 瞬氏(株式会社Mogura/代表取締役 / Mogura VR編集長)
大前 広樹氏(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 /日本当ディレクター)
Tony Mugavero氏(Little Star Media, Inc./Founder, CEO)
野村 達雄氏(Niantic Inc./ポケモンGOゲームディレクター)
馬場 功淳氏(株式会社コロプラ/代表取締役社長)
01
▲進行の久保田 瞬氏(株式会社Mogura/代表取締役 / Mogura VR編集長)。
 
02
▲大前 広樹氏(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 /日本当ディレクター)。
 
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▲Tony Mugavero氏(Little Star Media, Inc./Founder, CEO)。
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▲野村 達雄氏(Niantic Inc./ポケモンGOゲームディレクター)。
 
05
▲馬場 功淳氏(株式会社コロプラ/代表取締役社長)。

医療やジャーナリズムなどですでに活用されているVRとAR

セッションではまず、現段階におけるVR/ARのノンエンタメ分野での取り組み事例が、各登壇者より紹介された。

ユニティの大前氏は、医療現場で実際に手術室にVRのヘッドマンディスプレイを持ち込んで、身体の内部を確認しながら手術を行っている一例を挙げた。

メスで実際に身体を開く前に、VRを使って身体(スキャンしたデータ)の内部を見れるため、手術計画をイメージするのに役立っているとのこと。

360度動画の配信を手掛けるLittle Star Media, Inc.のMugavero氏は、テレビで編集されたナレーションや映像で情報を得るより、360度動画で見たほうがダイレクトにその場の雰囲気を感じ取れると、ジャーナリズムの分野での有用さを紹介。

同じように360度動画を配信する360Channelを展開しているコロプラの馬場氏も、「360度動画と体験系は相性がいい」と語っており、実際に360Channelでは、熊本地震での震災の模様やANA機体工場見学などの体験系の動画を配信していることを明かした。

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Niantic Inc.の野村氏は、『ポケモンGO』の医療、地域振興の分野で活用例を紹介。

小さな子どものフィジカルケアを行う際に「もう少し腕を上げるとポケモンが捕まえやすくなるよ」という感じで『ポケモン』を解することで、楽しみながら行えるようになったり、『ポケモンGO』をきっかけに自閉症の子どもがみずからの意思で外に出かけるような事例が挙がっているとのこと。

また、現在、東北地方で開催している“ラプラス大量発生のイベント”のような、地方の地域振興の動きも積極的に行っている取り組みだそうだ。

スペシャリストたちが見るVR/ARの未来とは

以上のように、これからでなく、現時点でさまざまな分野で活用されているVR/AR。

その後のセッションでは、VR/ARは今後どのような分野でさらなる活用がされるのか、どの分野と相性がいいのか、というVR/ARの未来について、登壇者それぞれの見解が語られた。

大前氏は、プロトタイプの作成をVR空間で試せることで、如実にコスト軽減の効果が見込める建築、製造関連の方々のVRに対する熱量の高さはかなり感じているとのこと。

そして、大きな例としてNASAを挙げ、作成コストが非常に高い火星に持っていく機械を、実際に作る前に検証できる環境としてVRが活用されていることを明かした。

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Mugavero氏は、アナリティクス(分析)の分野で大きく活用されていくと考えていると述べ、たとえば、野球チームの試合を見ている人がいて、その人たちがスタジオのどこの広告を見ているのか、広告がうまく機能しているのか、試合をちゃんと見ているのか、などをトラッキングしてテストできることは、広告業界にとって非常に大きな意味があると言う。

「ARの未来は明るく、無限に応用できると思う」と語る野村氏は、家具、建築や医療などさまざま分野での展望に期待を寄せた。

「Skypeで会話するよりVRで会話しているほうが話している感じがする」と、“VRとコミュニケーション”の相性のよさに注目していると語る馬場氏は、コミュニケーション分野での発展について自身の考えを述べて、本セッションは終幕を迎えた。

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