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目指すは『アベンジャーズ』!? 手塚治虫キャラクターの新作TCG『アトム:時空の果て』開発秘話

2016-09-27 11:30 投稿

『アトム:時空の果て』開発秘話に迫る!

アトムTCG

『アトム:時空の果て』は、いまなお高い人気を誇る手塚治虫作品のキャラクターたちが同じ舞台に集結する、全世界注目の新作トレーディング・カードゲーム(TCG)。

▼ゲームの詳細はこちら
手塚治虫作品に登場するキャラを大胆リメイク!対戦TCG『アトム:時空の果て』

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注目点は、『鉄腕アトム』をはじめ、『ブラック・ジャック』、『三つ目がとおる』、『火の鳥』などといった名作の登場人物たちが、トップクリエイターたちの手でリメイクされること。さらには、作品の枠を飛び越えたオリジナルストーリーまでもが盛り込まれるということで、大きな注目を集めている。

▼TCGでのステージリポートはこちら
サイバーコネクトツー松山洋氏も登場『アトム:時空の果て』ステージ

今回、監修を行った手塚プロダクション取締役の手塚眞氏と、開発を手掛けたイバイ・アメストイ氏に本作の開発の経緯から、作品に抱いた想いをお伺いした。

アトム_手塚眞氏
▲手塚眞氏:手塚プロダクション取締役。ヴィジュアリストとして、映画やアニメの監督、イベント演出など、さまざまな映像制作に携わる。最新映画『星くず兄弟の新たな伝説』を監督。
アトム_イバイ氏2
▲イバイ・アメストイ氏:本作のプロデューサー。日本のゲーム、アニメ、マンガのローカライズを手掛け、世界に発信するアクティブゲーミングメディアの代表取締役。

『アトム:時空の果て』公式サイトはこちら

目指したのは日本版『アベンジャーズ』

――『アトム:時空の果て』開発のきっかけをお聞かせください。

イバイ・アメストイ氏(以下、イバイ) きっかけを正直に話しますと、最初はカードゲームではなく“手塚治虫”でした。我が社はゲームだけでなく、日本のマンガやアニメなどもローカライズを行って海外に発信しているのですが、私もスタッフも、マンガやアニメ、特撮など、日本には魅力ある多様なキャラクターがたくさんいるのに、“なぜ日本には『アベンジャーズ』や『X-MEN』のような圧倒的なスケールのIP(知的財産)が存在しないのか”という議論をずっとしていたんです。

――言われてみれば、作品をまたいだ大きなIPはなかなか思い浮かびません。

イバイ もちろん、ゲームキャラクターに限れば『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズがありますが、もっと広いジャンルでできないかと、とりあえず企画を立てることを試みました。ですが、版権の問題などがあり、いっしょに何かを作るというのが難しかったんです。

――確かにキャラクターものは、それぞれに明確な版元が存在しますね。

イバイ そんな状況だったのですが、別の機会に誰かが「手塚治虫先生ならキャラクターはたくさんいる。しかも物語のあらゆるジャンルを制覇しているクリエイターだ」と言ってくれたんです。その言葉でハッと気付いて、さっそく企画書を作り手塚プロダクションに持ち込みました。

手塚眞氏(以下、手塚) 正直、私自身はゲームのことはあまりよくわからないのですが、手塚治虫の作品にはさまざまなヒーローがいますから、それが一堂に会するのは、おもしろい設定だなと思いました。自分では、あまりそういう見かたをしたことがなかったので、なおさら。

イバイ ゲームのジャンルは、それぞれのキャラクターの新しいデザイン、リメイクを丁寧に見せるためにはショールームのようなものが必要と考え、TCGがぴったりだなと、キャラクターありきで提案させていただきました。

手塚 キャラクターの部分は当然チェックはさせていただきますが、基本的にすべてお任せしています。とにかく手塚治虫キャラクターが集まって、ひとつのストーリーになるということであれば、見てみたいなという好奇心が先に沸きましたね。

――キャラクターリメイクの話は企画の初期段階から決まっていたのでしょうか?

手塚 イバイさんと手塚プロダクションのスタッフが企画を詰めて、具体的な形になったときに僕のところにお話が来たのですが、その時点でそういう形にすることはある程度決まっていました。

――アトムなど手塚キャラクターをリメイクして使用することに対する抵抗はなかったのでしょうか?

手塚 ゲームなので、とくにないですね。アニメやマンガになるとストーリーが中心になりますから、かなり細かく確認します。でもゲームの場合は、いままでいろいろな手塚キャラクターの作品が出ていますが、よほど原作をねじ曲げたり、方向性を変えない限りは、あとは自由にやっていただくようにしています。

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手塚治虫作品で譲れないものとは?

――手塚さんが監修した作品となると、『鉄腕アトム』の“地上最大のロボット”をリメイクしたマンガの『PLUTO』(作画:浦沢直樹)が有名ですが、こちらと同じスタンスで監修を行っているのですか?

手塚 いや、今回のリメイクは、だいぶ違うんじゃないですかね。やはり僕らの中で、ゲームはどちらかというと プレイヤー側というか、ユーザーが主体のものだと思っているんですよ。一方マンガやアニメは、作家が主体になって読者が受け手側として楽しむものと、厳密に分かれている。極端な言いかたをすると、ゲームはグッズのかなり高級版という、感覚なんです。

――遊びかたを、プレイヤーに委ねるということですか?

手塚 それに近いですね。いい意味でキャラクターの“おもちゃ”と思っていますので、同じ監修でもマンガのときとは、スタンスは違います。

――では、ここだけは譲れないポイントなどはありましたか?

手塚 キャラクターの性質ですね。たとえば、アトムがものすごい悪人になってしまうと、困るんですよ。そういう前提さえ崩さなければと思って、細かい部分はお任せしています。

――オリジナルストーリーの部分も同様のスタンスなのでしょうか?

手塚 そうです。まずイバイさんから、あらすじをいただきまして、「おもしろいんじゃないですか」という話をして。それから詳細な脚本を全部読んで、気になるところを指摘した形です。本当にいわゆる“監修”ですね。

イバイ 作品とキャラクターをリスペクトしながらも、かなり自由にやらせていただいています。とはいえ、手塚治虫先生の作品には、運命とともに生きているキャラクターが多い気がします。シナリオ上で原作と同じストーリーすることにはできませんが、なるべく彼らが持っている運命のようなものを出せるように心掛けています。たとえそれが、悲しい運命だとしても。

――キャラクターのリメイクに関して、気をつけているのはどのあたりなのでしょうか?

イバイ リメイクに関しては、まずサイバーパンクの世界に合うようにデザインし、その中でキャラクターの残したほうがいい部分、変えたほうがいい部分を精査し、制作しています。

手塚 リメイクされたキャラクターも、絵を見せていただいて、それで気になったところをアドバイスするような形で関わっています。監修時のスタンスとして、「絶対こうしなきゃいけない」というよりは、「このほうがいいんじゃないか?」、「ここはファンの方が見たら、こういう風に思いますよ」とお話しするだけで、「ここを守ってくれ!」と言うようなことは何も言ってないですね。

イバイ 私自身が手塚治虫先生のファンなので、もともと作品は知っていたのですが、今回改めて原作を振り返って研究させていただきました。私の捉えかたに間違いがないか、それを確認していただいているような感覚です。

手塚 イバイさんは本当に研究熱心な方で、驚きました。これは『PLUTO』のときの浦沢さんの話になりますが、最初は浦沢さんも原作の絵の通りに行きたいみたいなニュアンスだったんです。でも逆に抵抗があるので、 浦沢さん自身の絵でやってほしいとリメイクをお願いしたんですが、やはり絵を変えるということに対して、浦沢さんの中にすごい抵抗は最初あったみたいですね。

――それはどういうことでしょう?

手塚 「つまらないものを作ったら怒られる、誰にいちばん怒られるんだろう」と考えたときに、ご自身だと。自分が“いちばんきびしい手塚ファン”だから、自分に怒られないように制作に取り組んだようです。変な言いかたですが、イバイさんとお話ししていく中で、多分そんなスタンスじゃないかなと感じたんです。

――なるほど、イバイさんが熱心な手塚治虫ファンであることに信頼を置いたのですね。

手塚 最初にお会いしたときに、思いのところを随分語っていただいて、ゲームについてもいろいろと説明を聞いたんですが、それよりもイバイさんの人柄と今回のプロジェクトに対する想いの強さがすごくいいなと思ったんです。 単純にキャラクターを使ってなんとなく作りますというのではなく、自分のビジョンをきちんと持っていらっしゃって、実現したいという意志もすごく感じたので、そのお手伝いはできるかなと思い、オーケーを出させていただきました。

イバイ 想いが伝わってよかったです!

アトムをスピルバーグに依頼

――今回、手塚治虫のキャラクターのリメイクを、『GANTZ』の奥浩哉氏など、数々のトップクリエイターが手がけていますが、こちらの選定はどちらが行ったのでしょうか?

▼現在判明している参加クリエイターはこちら
手塚治虫作品に登場するキャラを大胆リメイク!対戦TCG『アトム:時空の果て』

手塚 イバイさんたちからのアイデアを聞いたうえで、こちらからも何人か提案させていただきました。イバイさんは、アトムを誰に描いてもらうかをいちばん悩んでましたよね?

イバイ アトムはやはり誰もが知っていて、いちばん愛されているキャラクターですから。浦沢さんの『PLUTO』があれだけしっかりできていて支持を得ているので、二番煎じもできないし、リメイクしていただくにはそれこそ浦沢さんぐらいの力がないと、描けないんじゃないかと。

手塚 かなり有名な方にもお声がけしたのですが、やはりファンの方ほど、そこは触りたくないみたいですね。「アトムだけは勘弁してくれ」と断られたりしました。そしたらある日、イバイさんに「たとえばスピルバーグやルーカスだったらどうですか?」と聞かれたんです。「それ本当に頼めるんですか?」と言ったら、イバイさんが翌週スピルバーグ事務所に連絡したらしいんですよ。

――フットワークが軽いですね!

イバイ 連絡はしたのですが、忙しい方なので当然すぐには無理で、受ける受けない以前に「2年待ってください」と言われました。さすがにそれは待てなかったので諦めたのですが、そのときスピルバーグの事務所から「『鉄腕アトム』はもちろん知っています。スピルバーグ本人も、映画『A.I.』ではアトムを非常に参考にしてました。子どものデザインを使って大人向けの作品を作るのは非常に難しいことなので頑張ってください」と、メッセージをいただきました。そんなこともあり、アトムを描いてくれるクリエイターの選定には、けっこう苦戦しましたね。

――苦戦したということは、もうアトムのリメイクを担当する人は決まっているんですね?

イバイ はい。

――どなたが担当されているのでしょうか?

イバイ それはまだ申し上げられないんですが、楽しみにしていてください。ただ、やはり象徴的なキャラクターなので、もうダントツで難しかったです。単純にかっこよく作ればいいわけでもないですし、本当に何を残して、何を変えるのか、その見極めがものすごく困難でした。アトムに関しては、恐らく何をやっても、受け入れられないファンの方がいらっしゃると思うんです。我々は大事な部分を残して、見たときに“ひと目”でアトムだとわかっていただけるものにしたいので、そこは慎重に制作しているところです。

――ちなみに、担当されている方は日本のクリエイターなのでしょうか?

イバイ はい、そうです。

――現在公表されているクリエイターは日本の方ばかりですが、今後海外のクリエイターもキャラクターリメイクに参加するのでしょうか?

イバイ 大勢いらっしゃいますね。登場キャラクターの数がサービス開始時点で150枚のカード(そのうちキャラクターが100枚)以上、その後配信予定の“エキスパンション”を含めれば おそらく2年以上かけて1000キャラクター以上を出すことになります。なかなかひとつの国だけではまかなえないのと、本作をワールドワイドで受けるような作品にしたいと考えていますので、アメリカやヨーロッパ、東南アジアなど、さまざまな国や地域のアーティストにも参加してもらっています。

キャプチャ
▲公式ホームページ上では、リメイクされたキャラクターの姿が順次公開されていく。

『アトム:時空の果て』公式サイトはこちら

――ストーリーもアップデートされるのでしょうか?

イバイ 本作ではストーリーモードも重視しているので、もちろんアップデートしていきます。また、マップの中を自由に行き来できる機能を搭載し、好きなキャラクターと会話を楽しめるのですが、これはいままでのTCGではなかったシステムだと思います。

――確かにこれまでマップ移動があったTCGは聞いたことがありません。

イバイ また、ストーリーを単に楽しむだけでなく、つぎの“エキスパンション”のティザー(予告)的な使いかたも考えています。たとえば、会話の中でまだカードとして登場してない『三つ目がとおる』の主人公写楽保介の武器“赤いコンドル”が映っていたりしたら……、原作ファンがおそらくその映像を見たときに、「つぎのエキスパンションで写楽が追加される!?」となりますよね。そのようなファンの方がニヤリとできる演出も入れられたらいいなと考えています。

――ふたりVSふたりの対戦も行えるようですが。こちらはどのようなシステムですか?

イバイ 我々は本作を1年前から開発していまして、必ずほかのTCGとは違ったものにしたいと、最初から思っていました。そこで導入したのが、ふたり体制でもプレイできる機能でした。配信開始後の来年の3月に導入できればと、いま鋭意開発しています。

――どのようなシステムなのでしょうか?

イバイ チェスと同じように、TCGは ルールを知らない人たちにとって、遊ぶには敷居が高いじゃないですか。でもチェスは、遊んでみたらそんなに難しくなかった、やっておもしろい、という流れを多くの人が経験していると思うんですよね。

――なるほど、チェスですか。

イバイ 一方、いままでのTCGはルールが難し過ぎて、試しにプレイしても楽しむところまでたどり着けなかったユーザーがすごく多かったと思うんです。より多くの人に遊んでもらいたいので、チュートリアルの代わりじゃないのですが、友だちなど、経験者とペアを組んで人いっしょに戦える、2人対2人という4人プレイの仕組みを考えました。

――それは画期的ですね。

イバイ これは開発当初から考えていたわけではなくて、ユーザーからのフィードバックをいただいた中で、これは実現可能だなと、いま必死に取り組んでいます。東京ゲームショウ2016のステージに上がる前に、「これ言っていいよね?」と開発陣に2、3回確認していますので、たぶん大丈夫だと思います。発表したのにできなかったら大問題になるので(笑)。

手塚 僕も、いま初めて聞きました(笑)。

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▲TGS2日目のステージで4人同時プレイの発言が飛び出した。

▼4人同時プレイの発言はこちら
サイバーコネクトツー松山洋氏も登場『アトム:時空の果て』ステージ

――2017年1月にPC版のサービスがスタートするとのことですが、開発状況は?

イバイ かなり順調ですね。ただ、TCGはでいちばん難しいのはバランスだと思いますので、これからバランス調整に入って、そこが勝負だと思います。気合いを入れて取り組もうと思っています。

――アプリ版のリリースは、いつごろになりますか?

イバイ 現時点で詳細はお伝えできませんが、PC版からそう遅くない時期に配信されると思っていてください。

――楽しみにしています! 最後にファンの方に向けて、メッセージをお願いします。

手塚  手塚治虫は、アニメをはじめいろいろなことにチャレンジをして、その都度ファンに「なぜ、そんなことをするんだ」と怒られていました。『鉄腕アトム』がテレビアニメになったときも、当時の熱心なマンガファンから「アニメにしなくていいのに」と、お叱りの言葉を受けていたりします。でもご存じの通り、テレビアニメになってアトムの可能性が広がり、そして普遍的なキャラクターになっていきました。手塚治虫自身が、自分の作品を何が何でも変えてはいけないではなく、時代とか状況に合わせて変化させることに対して臆病にならない。つねに“自分がチャレンジャー”であることを頑張ってきた人なんです。そういう意味では、今回のような企画は、 手塚ファンの中には「ちょっと心外だ」と言う人がいるかもしれませんが、僕は“手塚治虫らしい”考えかただと思っているんです。ですので否定的に捉えず、ここから発展していき、ワールドワイドなIPコンテンツになっていくところを、いっしょに味わって体験してほしいなと思います。

イバイ 今回はTCGのゲームとなりますが、ほかのTCGを見ることはせず、影響を受けないように心がけてきました。そして、手塚治虫先生の素晴らしいキャラクターたちにもう一度出会う感動を、どうやってユーザーに与えるか、どうやっておもしろいゲーム体験を提供できるかを考え抜いて制作しているところです。ちょっと騙されたと思って、1回遊んで見てください。数年に渡って長い期間楽しんでいただけるような作品に仕上げていきますので、原作を読みながら遊んでいただけると有り難いです。

アトム_手塚眞氏_イバイ氏

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サイバーコネクトツー松山洋氏も登場『アトム:時空の果て』ステージ

tgs 2016 情報まとめ

アトム時空の果て

ジャンル
トレーディング・カードゲーム
メーカー
アクティブゲーミングメディア
配信日
今冬予定
価格
無料(ゲーム内課金あり)
対応機種
iOS / Android ※PC版も開発中

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