サイバーコネクトツー松山氏らが思いを熱弁!『プロジェクト レイヤード』ステージリポート【TGS 2016】
2016-09-17 10:41 投稿
みんなでゲームを作ろうプロジェクト第1弾始動
千葉・幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2016。2016年9月16日、バンダイナムコエンターテインメントブースにて、新規タイトル『プロジェクト レイヤード』が発表された。ここでは、本タイトルのステージイベントの様子をお届けしよう。
⇒『プロジェクト レイヤード』バンナム新作はユーザーも制作者のひとりに!
⇒『プロジェクト レイヤード』公式サイト
『プロジェクト レイヤード』とは?
バンダイナムコエンターテインメントは、プロアマ問わずいっしょになってアニメとゲームを作っていくUGCを活用した企画、”みんなでゲームをつくろう”プロジェクトを始動。
同プロジェクトの第1弾となるのが、ユーザー参加型のオリジナルIPを使ったアニメ&ゲームアプリ『プロジェクト レイヤード』だ。
※UGC(User Generated Contents)とは?
電子掲示板、ブログ、Wiki、動画投稿サイト、イラスト投稿サイト、各種SNSなど、Webサイトを利用しているユーザーによって投稿・書き込みされたコンテンツの総称。
著名な会社がずらりと名を連ねる
本イベントのMCは、お笑い芸人アンタッチャブルの柴田英嗣。そして、本プロジェクトに携わる主要な会社の代表者たちが登壇した。メンバーは以下の通り。
●バンダイナムコエンターテインメント
プロジェクト総合プロデューサー手塚晃司氏
●サイバーコネクトツー(企画・原案)
代表取締役・松山洋氏
●ポリゴン・ピクチュアズ(アニメーション制作)
代表取締役社長・塩田周三氏
●ドリコム(アプリ制作)
代表取締役社長・内藤裕紀氏
“みんなでゲームをつくろう”プロジェクトって何?
まずは手塚氏から、本プロジェクトでやりたこと、目指すことの説明が。
手塚氏「いろいろな要素アイデアを皆さんから募集したいと思っています。そうやって集まったアイデアを、今回のプロジェクトに参加するプロが組み立てていきます。それに対しても皆さんからさらに意見をいただきつつ、ドンドンいいものを作っていきたいです。」
今回登壇している以外にも、プロジェクトに参画しているメンバーはおり、シナリオはシナリオ工房 月光、楽曲は『アイマス』などでおなじみのバンダイナムコスタジオが協力する。
“みんなでゲームをつくろう”プロジェクト発足の経緯
続いて、本プロジェクト発足の経緯について手塚氏と松山氏を中心に語られた。プロジェクト発足については以下の3つがポイントとなっている。
新しいIPの立ち上げ
松山氏「企画の発端は、いまから3年くらい前ですかね。作品を作るにしても、ゲームやアニメ、映画、マンガ、小説などいろいろな商品がありますが、いまは1個の商品に夢中になるのではなく、同時多発的に楽しんでいると思うんです。その作品が楽しいから、ゲームも遊ぶしアニメも見るわけです。大きいくくりで、新たなIPを作らなければいけないなと思いました」
続けて松山氏は語る。
松山氏「うちの20代の若いスタッフを中心に、新しいものを作り上げていこうと。向こう10年商売できるような作品を作ろうと思いまして。土曜や日曜に有志を募り部活動的な感じで集まって話していたんです。あ、うちはブラック企業じゃないですよ。ブラックを越えたダークマター企業なので(笑)」。
そういった企画を考えていたタイミングで手塚氏と話したところ、バンダイナムコエンターテインメント内でも同様の企画が出ていたという。タイミングが見事に一致したこともあり、本企画はスタートした。
配信アニメとゲーム
手塚氏「3年くらい前、スマホが出始めたころ。テレビではなくスマホでアニメを見るという人たちが出てきました。そうした中で、我々もいままで通りにゲームやアニメを作ってはマズイのではないかと。新しい表現を新しところでやるという意味で、アニメとゲーム両方を作ろうと思ったんです」
松山氏「こういった企画を3年もやっていると、けっこう膨大な資料ができるんです。そこで、1年半~2年目くらいにシナリオを整理したり、プロジェクトを説明するためにプロのマンガ家に、関係者向けのマンガを描いてもらったりもしてるんです」
プロジェクトに参画してもらうため、プロが描いたマンガまで用意したというのだから、松山氏の熱の入れ具合がわかる。
インターネットの可視化
手塚氏「世の中には、アイドルが好きな人もいればロボットが好きな人もいる。皆さんのいろいろな思いを取り入れるための土壌はどうしたらいいのかを、松山さんとも話し合っていたんです」
松山氏「変な話ですが、私が企画を作るときの原動力は世の中に対する怒りです(笑)。世の中には美形もいればブサイクな人もいる。世の中は不平等なんですよ。そんな中、インターネットの世界の中なら理想の自分が作れるので、本当の意味の平等な世界ができると思ったんです。あ、頭がおかしくなったわけじゃないですよ(笑)」
会場でもずっとしゃべり続けそうな勢いの松山氏だったかが、打ち合わせの段階でもこの熱さで2~3時間は語っていたとのこと。
『プロジェク トレイヤード』の特徴
そんな企画の中生まれた『プロジェクト レイヤード』はいったいどんな作品なのか? 特徴についても以下の3つの要素立てで解説。
アニメとゲームの融合
手塚氏「2037年の渋谷が舞台になっています。渋谷を舞台にアニメで主人公とヒロインがいて事件が起こる。そしてアニメの配信が終わったその瞬間に、別の主人公とヒロインが渋谷で何かをするというような、同じ渋谷を舞台にした中で、違う話が相互に絡み合いながら展開するようなイメージです」
たとえば、アニメで渋谷に怪獣が出現。その後、ゲーム内でも怪獣が出現し、それを倒すと、つぎのアニメでは怪獣が倒された状態になっている、といった具合に相互リンクする展開を考えているとのこと。続いて、塩田氏がアニメの特徴についてコメント。
塩田氏「我々はデジタルでアニメを制作しているからこそ、同時多発展開やゲームとアニメの融合ができるのではないかと。最近リアルタイムエンジンの性能がよくなっているので、ワンソースマルチユースもいまなら可能になると思っていました。ゲームとアニメという別々のジャンルで、時間軸が相互にリンクしながら同時に展開するということが、本作のポイントです」
さらに塩田氏は、ゲームとアニメの融合を図るため、本来はゲームの開発に使っているアンリアルエンジンを使ってアニメを作っているということも明らかにした。
アプリゲームについては、ゲーム開発を担当する内藤氏より。
内藤氏「これだけの会社が集まったので、新しい体験を提供したいと思っていまして。従来は、人気のアニメがあればそれが終わった後にゲームになったり、その逆も多かったですが、今回はリアルタイムにゲームとアニメを提供したいと。じつはこれムチャクチャたいへんなんですが(笑)。さらに、お客さんからアイデアを集めることもやりたいということで。皆さんから集めたアイデアをもとに、いかに人気のあるキャラクターを生み出していくのか、という点も新しいチャレンジだと思います」
オーディション
『プロジェクト レイヤード』では、この世界で活躍する主人公とヒロインを、オーディション形式で募集する。
手塚氏「キャラクタ―デザインは、1~2年前出来上がっているものなのですが、今回はお客さんといっしょに作っていきます。プロ・アマも問わず、必ずしも絵がうまいから採用されるわけではありません。これはキャラクターとしておもしろいんじゃないかなといったいいアイデアがあれば、我々プロが仕上げていきます」
ラフのようなものでもいいので、絵を描いてアイデアとともに応募すれば、採用される可能性はあるとのこと。
オーディション第1弾はキャラクターデザインだが、第2弾は声優、第3弾ではボーカリストと、次々とオーディションが行われる予定だ。
オープンIP
アイデアを募集するだけではなく、完成した作品はオープンIPとして広く配布していく。
手塚氏「今回新しい世界やキャラクタ―を作っていきますが、せっかくみんなで作ったので、みんなで使っていこうぜと。個人であれば無料で、3Dモデルや世界設定を使っていただいて。お前らよりも俺のほうがおもしろいものが作れるという方がいればぜひ、ゲームとかアニメとか作ってほしいです」
ARやVRの先をいく技術がレイヤード
おつぎは、『プロジェクトレイヤード』のイメージを広げるためのPVが放映された。ここでゲストは、アニメの監督をやっている大橋聡雄氏に交代。
本作の世界2037年では、ARやVRがさらに発達した”レイヤード”という技術にとって代わられているという設定。
手塚氏「レイヤーは重なり合っているという意味ですが、現実にいろいろなものが重なり合っている。人によって違ったもの重なって見えているのが本作の世界です」と補足した。
PVでは女子高生がメインとして映っているが、もちろんこのキャラクターが主人公というわけではないし、デバイスとしてヘッドホンをしているがこれがレイヤードの形というわけではない。大橋氏が考えた『プロジェク トレイヤード』のひとつの世界が、その映像なのだ。この点について、大橋氏が補足する。
大橋氏「見たい映像が目の前に映っていれば、デバイスは、ベルトでも銃でも、何でもいいわけです」
キャラクターの最終仕上げはredjuice氏が担当
第1弾のオーディションは、主人公、ヒロインのキャラクターデザインナー。送られてきたデザイン、アイデアをもとに、キャラクターの最終仕上げを担当するのが、イラストレーターのredjuice氏。
自信がキャラクタ―デザインをするときは、どういう気持ちで行っているかという質問に対して、redjuice氏は以下の答えを。
redjuice氏「絵のうまいへたより、キャラクターのコンセプトをいかに詰め込んで伝るかですね。たとえば、時代劇に登場するなら時代背景や性風俗とかも調べてデザインに反映し、わかりやすく伝えられるデザインにすることが大事。アバターだったりメカニックだったり、自分の得意分野で応募してもらえればと思います」
さらに、第2弾の声優オーディション、第3弾のボーカルオーディションについての情報も明らかになった。
イベントの最後は、大橋氏、redjuice氏、手塚氏のコメントで締めくくられた。
大橋氏「今日のムービーは僕のただ妄想したものです。皆さん次第で作品はどんどん変わっていきますので、アイデアがあればどんどん送ってください」
redjuice氏「キャラクターデザインの審査員、最終仕上げの形で参加します。キャラクターデザインに関しては皆さんと同じ立場、ライバルになるので、お互いにがんばりましょう」
手塚氏「ゲームやアニメは作るのは本当に楽しいです。最後に皆さんの名前がスタッフロールに載ったらさらに楽しことになると思います。いっしょにスタッフとして参加していただきたいと思っていますので、よろしくお願いします」
『プロジェクト レイヤード』ミニインタビュー
――現在展開が決まっている内容は?
手塚氏「いま決まっているのは、アニメ&ゲームのアプリ配信で、2017年中にやろうと思っています。それ以外のプロジェクトはタイミングは未定ですが、なるべく近いタイミングでやりたいです」
――IPを自由に使えるということですが?
手塚氏「個人で使っていただく分に関しては、自由に使用できます。法人様に関しては、弊社でカタログIPプロジェクトというのをやっておりまして、それに倣った形でご案内する予定です」
――このタイミングで発表することになった狙いは?
手塚氏「お客様からキャラクターデザインを募集して3Dモデルを作り、それを作品に反映させる。それを2017年中にお届けするスケジュールを逆算してこのタイミングになりました」
――東京ゲームショウという場所で発表した理由は?
手塚氏「やはりゲームが好きな人に、いろいろ考えていただきたいという思いが強かったからです!」
――プロジェクト実施の狙いは?
手塚氏「アニメもゲームも、いままでとは違う形で、お客さんが楽しんでいる世の中になってきている。我々としても、新しい物の作りかたでお届けしたいというのが命題です。おもしろい世界で考えること自体がおもしろいから、これをお客様とともに考えていければいいなと」
松山氏「今日の発表ではオーディションという言いかたをしていましたが、基本的な思想は音楽における初音ミクだったり、映像におけるMMDというツールだったり。そういう形でお客さんといっしょにコンテンツを育てていければいい、というのが根幹です」
手塚氏「アイデアはもちろんですが、いっしょに作品を作る仲間を募集しているイメージですね」
松山氏「ゲームは遊ぶのおもしろいじゃないですか。作るのはもっとおもしろいですよ。それをもっとたくさんの人に体験してほしいと思っています」
――『プロジェクトレイヤード』は”みんなでゲームをつくろう”プロジェクト第1弾とのことですが、第2弾、第3弾と続くていくのでしょうか?
手塚氏「もちろん、成功したら続けていきたいと思います。プロとアマの垣根は低くなっているいて、いまプロの方も、かつてアマチュア時代に応募したりしているわけです。才能発掘も本プロジェクトの命題のひとつです」
――サイバーコネクトツーはゲーム作らないのでしょうか?
松山氏「今回我々は企画原案という形で参加しているので、アプリは専門のドリコムさん、映像はポリゴン・ピクチュアズさんにお願いしています。ゲームをもし作っていくのであれば、どこかのゲーム会社さんと組んで作るかもしれないし、そのうちの一社がうちかもしれない。それはこれからバンダイナムコエンターテインメントさんと相談しながらやっていきます」
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~みんなでゲームをつくろう~プロジェクト レイヤード
- メーカー
- バンダイナムコエンターテインメント
- 配信日
- 未定
- 価格
- 未定
- コピーライト
- (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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