【超会議2016】“超CG/VR研究会”で語られたCGの歴史と識者たちの想い
2016-04-29 18:25 投稿
識者が語るCGとVR
2016年4月29日~30日に開催の”ニコニコ超会議2016″。初日の“ドワンゴ超自由研究”ステージでは、映画監督やゲームクリエイター、CG研究者を集めたセッション“超CG/VR研究会”が行われた。”CGとVRの最先端技術”がどのようにエンターテインメントを変えていくのか、CGの歴史とともに識者たちの想いが語られた。
座談会では、CGの魅力やCGに携わるきっかけという話から始まり、CGが持つ課題、VRについて思うことがそれぞれ語られた。
CGの魅力について会場がいちばん盛り上がったのは”ワイヤーモデルこそがCGの魅力なのだ”という話をしていた一幕。樋口氏は昔のCGやワイヤーモデルをコンピューターでなく、実際に針金で作っていたことにも触れ、会場を驚かせていた。
また、驚く会場の様子を見て西田氏は「最近の学生はワイヤーモデルというものを知らないから、ワイヤーモデルでバックが透けて見えるものを見ると驚くんだよね。後ろが透けて見えるのを作るほうが難しいんじゃないの!?って」と語った。
CGが持つ課題について興味深かったトークは、インプットとアウトプットについての話。現場レベル、開発レベル両方からCGを見てきた橋本氏は、これについて以下のように語っている。
「アウトプットの表現技術はもうほぼ限界に来ている。あとはハードウェアの性能の問題だ。だが、インプットに関しては、まだほとんど研究すらされていない状態。例えば、この空間をそのままスキャンしてCGとしてインプットさせるなど、現代ではまったく不可能なのだ。これは研究する余地がある」
CGの歴史を見てきた者たちにとってのVR
続いてトークテーマとして挙がったのが、VRについて。登壇者それぞれがVRへの期待を語る中、またも西田氏が「僕たちはもう何十年もCGであったりVRといった技術に触れてきたが、VRというものは生まれた当時、グローブとHMD(ヘッドマウントディスプレイ)がセットになって初めてVRだった。だから、いまのHMDだけで成り立つVRというものには若干違和感があり、どこか寂しい思いもある」と興味深いコメントを寄せていた。
また、樋口氏は「近年、CGはそれ単体がもてはやされるような風潮があったが、VRという体験型コンテンツの登場により、またCGが道具として役立てるポジションに回帰したような気がする。これはこれでうれしいことだ」と述べてVRがCGに及ぼす影響を語った。
残念ながら時間の都合上VRについてはあまり語られなかったが、長年CGに携わってきた識者たちの非常に興味深い話が聞けた。気になる人はタイムシフト視聴するといいだろう。
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