【BitSummit2015】VR童貞の記者がOculusブースのGear VRで初めてのVR体験
2015-07-13 19:39 投稿
ヘッドマウントディスプレイをはじめて被った日
2015年7月11日(土)~12日(日)の期間、京都みやこめっせで開催中のインディーフェスの祭典BitSummit 2015。本イベントのOculusブースでは、同社がSamsungと共同開発したスマートフォン装着型VRヘッドセット”Samsung Gear VR Innovator Edition”(以下、Gear VR)を試遊することができた。
今回は、VR童貞だった記者の初体験(※注:VRの)のプレイインプレッションをお届けしよう。
”Gear VR”って何?
本題に入る前に、Gear VRについて簡単に説明をしておきたいと思う。
Gear VRとは、OculusとSamsungが共同で開発を行ったヘッドマウントディスプレイのこと。
「ヘッドマウントディスプレイって何ぞ?」という方のために補足をしておくと、頭部に装着するディスプレイ装置の総称である。製品によってタイプもまちまちだがグーグルグラスのように視界が見えるものを“透過型”と呼ぶのに対し、今回紹介するGear VR は専用ゴーグルで視界を完全に覆う”没入型”と呼ばれるものになる。
ヘッドマウントディスプレイ自体が日本ではまだそれほど広く普及していないが、テレビやビデオデッキなどとともに使用して、より没入感を高めた状況で映画鑑賞などを楽しむのが一般的な使われかたと言える。
今回試遊をしたGear VRは、OculusとSamsungの共同開発デバイスということもあり、スマートフォンデバイスとの併用を前提とした仕様になっているのが最大の特徴。
ゴーグル上の本体の前方にふたつのレンズが付いており、使用する際にはSamsungから発売中のスマートフォン(GALAXY Note 4,、S6,、S6 edge)をそこに装着する形となる。
また昨今のヘッドマウントディスプレイとしては珍しく、本機には専用のタッチパッドも完備。
これまで同社から発売中のヘッドマウントディスプレイ”Oculus Rift”などでゲームをプレイするときは、ゲーム内容次第ではあるが、別途コントローラーが必要になっていた。しかもヘッドマウントディスプレイで視界が完全に覆われてしまって手元が確認できず、コントローラーでの操作は地味に難しいものになっていた。
しかしGear VRでは、デバイス右側面に設置されたタッチパッドがコントローラーの役割を担うことで、視界が奪われた状態でも直感的な操作が可能となる。
これによってゲームの世界とのリンクもより強固なものになるのだ。
Oculusブースでシューティングゲームを体験
今回のBitSummit 2015のOculusブースでは、『Answer Wars』と呼ばれる3Dシューティングゲームと、世界的エンターテイメント集団”シルク・ドゥ・ソレイユ”の舞台を、まるで会場にいるかのような感覚で体感できる『VR Introduction』の2タイトルが用意されていた。
どちらも体験してみたいと思ったのだが、せっかくなので今回はゲームジャンルの『Anser Wars』をプレイしてきた。
▼『Answer Wars』イメージイラスト
『Answer Wars』は、機体を前方に据えた三人称視点で描かれるシューティングゲーム。宇宙船のパイロットとなったプレイヤーは、障害物を回避しながら敵機やスペースデブリを破壊。敵機の討伐数を競い合う形となる。
前述したようにGear VRはコントローラーが不要なため、機体の操作は視線変更で行う。プレイヤー自身が頭を上下左右に移動させると、その視線の方向に機体が直進。攻撃はデバイスに備わっているタッチパッドをタップして行う仕組みだ。
VR初体験の身としては、純粋にその視野の広さに驚かされた。ふだんゲームをプレイするときは、当然モニターの画面サイズまでしか左右の広さを認識することができない。そのため一般的な人間の視野とされる、左右180~200度で映像を捉えることは不可能だ。
ここ数年で急速に普及が進むIMAXシアターでは、映画を観に来た観客の視界をモニターで覆うことで没入感を高めている。さらに上下(とくに下)の空間をより広く認識させることで、あたかも観客が宙を浮いているような体験をすることも可能になる。
一方ヘッドマウントディスプレイはというと、上下左右どこを向いてもゲームの世界が広がっている。さらに奥行きのある3D映像も相まって、”宙を浮いているような感覚”はもちろん、それどころか“自分がゲームの世界に存在している”ような感覚を体感できるのだ。
ひとつ『Answer Wars』に関して難点を挙げるなら、目線の方向に機体が直進するといった特性上、機体が旋回できる角度は首の可動範囲までとなる。そのため180度旋回しようとなると、必然的に身体全体を後ろに向ける必要があった。正直な話、これにはいささか不便さも感じられた。
とはいえ、”自身の視点の先にいる敵を撃つ”ときにに、妙なリアルさを孕んでいたのは印象的だった。
Gear VRの価格も2万7000円ほど(※店舗によって異なる)と比較的リーズナブルなため、もしVRの虜になってしまった人がいたら、実際に購入してみるのもありかもしれない。
これまでは明確に分断されてきた“現実”と“ゲームの世界”。両者のあいだに存在していた境界線が、“視野の拡大”といったシンプルな事象によって取り除かれてしまうというのは、これまたすごいことである。
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