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【TGS2014】中国大手メーカーKongZhongがノーコストで中国進出をサポートする理由とは?

2014-09-21 19:05 投稿

スマートフォンブースに出展するKongZhongとは一体!?

東京ゲームショウのスマートフォン/ソーシャルゲームコーナーに、オレンジを基調したひと際目立つ中国企業KongZhongが出展していたため、突撃取材を敢行! タイミング良く日本支社の代表と本社No.2がブースに来ていたため、いったいどのような企業でどのようなビジネスをしているのか話を聞いてきたぞ。

▲KongZhongJP 代表取締役 Bin Yang氏(写真左)、KongZhong 副社長 Tao Zhang氏(中央)、KongZhongJP 執行役員 木村優氏(右)。

底知れないポテンシャルを持つ中国市場への進出をサポート

KongZhongは、2014年にナスダックに上場した企業で現在世界展開をして急成長を続けるオンラインゲーム会社。今回日本のゲームショウにブース出展をしたのは、自社で展開するコンテンツを日本でも触ってもらいたいといった意図以上に、BtoB、日本企業とのパートナーシップを求めてでの意味合いがあるという。

というのも、KongZhongが展開している主要サービスには、PCオンラインゲーム事業、スマートフォンオンラインゲーム事業、モバイルサービス事業の3点があるのだが、その中のスマートフォンオンラインゲーム事業を日本国内でも広く展開していこうという戦略があるそうなのだ。そのために、KongZhongは2014年の6月に日本支社をオープン。これまでの期間は準備期間であったが、今回の東京ゲームショウを皮切りに本格始動をしていくそうだ。では、その日本支社は、どのような事業を展開していくのだろうか?

「日本は現在世界1位のアプリ市場を誇っているが、中国も最近になって急激に市場を大きく成長させている。そもそも中国は人が多く、スマートフォンユーザーもそれに比例して多い。市場調査会社の見立てでは、数年後には中国市場は今の2倍以上に拡大。世界1位の市場になる可能性を十分に持っている。私たちは、その巨大成長を遂げるであろう中国に、日本企業が進出するお手伝いをしたいんです」と語るのは取材に対応してくれたKongZhongJP執行役員の木村優氏。木村氏は続けて「同じアジアとは言え、中国人が求めるコンテンツと日本人が求めるコンテンツには差がある。日本のゲームコンテンツは中国でも人気だが、やはり日本のコンテンツをそのまま中国に輸出するより、中国人の国民性に、消費意欲に合わせた展開をしたほうが成功はしやすい。私たちは中国の企業なので当然そのノウハウを持っている。これから市場での争いが激化し、企業の知名度が上がりにくくなる前に、日本の企業のみなさんには、ぜひ早めに中国市場に参戦して成功をしてもらいたい」ともコメント。

そこで気になるのは、パートナーシップを組むことで、日本企業にどのようなメリットが生まれるのか? そして両国の消費者の大きな違いとは何か? である。その点も話を聞いてみた。

これに関して答えてくれたのはKongZhong副社長のTao Zhang氏。

「まず一番の違いは、消費の速度です。日本人のゲームプレイヤーは、じっくりキャラクターを育てて、じっくり楽しむというスタンスが主なプレイスタイルになっています。その一方、中国人のゲームプレイヤーは、一気に課金をして一気にゲームを楽しむというスタンスが好まれています。コンテンツの消費が速いという表現もできますが、クオリティのゲーム性能のよさがあれば、中国でも長期にわたって1位を獲得し続けることは可能です。『パズル&ドラゴンズ』がそのひとつですね。やはりクオリティとゲーム性能のよさが求められるという点においては日本も中国も変わりありません。ただ、消費の速度の違いはあるので、そこをどうカルチャライズするかがポイントになります」

木村氏も「先述したとおり中国はユーザーがものすごく多いです。なので、サーバーがかなり強くないといけません。それに、中国人はコンテンツに対する見切りがかなり早いです。もしなんらかのサーバートラブルがあり、ゲームが遊べない期間を作ってしまうと、ユーザーがあっという間に離れていってしまいます。それを防ぐためには、中国国内に大きなサーバーを所有しなければなりません。私たちに委託していただければ、そういったコストを抑えられるので、ぜひ企業のみなさまには私たちのお話を聞いていただきたいです」とそれに呼応している。

KongZhongは、このような国によるニーズの差を埋め、中国での事業の成功をサポートするためにローカライズはもちろん、カルチャライズ、中国国内での運営、中国国内でのPRをノーコストで請け負ってくれるという。つまり、日本のゲームメーカーは、KongZhongにゲームデータを渡すだけで、あとはすべてKongZhongが動かしてくれるということだ。この話を聞くだけでは、あまりにKongZhong側のリスクが高いようにも思える。そうまでして日本のコンテンツを中国展開する理由とは何なのか? KongZhong側が抱えるリスクはどのようにして払拭されるのだろうか?

これに対して木村氏は「私たちは、日本のメーカーさんから頂いたゲームを中国展開し、そこで生まれた利益の一部をもらうことで収益を確保しますので、実はそこまでリスクが高いというわけではありません。ゲームを作るという過程がない分、リスクも抑えられるんです」と回答。

なぜ日本のコンテンツを扱おうとしたのかということに関してはTao副社長が回答。

「私たちの企業は中国国外のオンラインゲームの展開がベースになっています。今回の事業もその一端であり、こと日本のコンテンツだけをピックアップしているというわけではありません。今ここに展示しているゲームも、ヨーロッパから委託を受けて当社が中国内で展開しているものです。本来でしたら、現在世界1位という規模を誇る日本のマーケットにも我々のほうから参戦していきたいところなのですが、日本のマーケットは特殊でノウハウを持っていないと成功は難しい。そこで、まずは日本メーカーのみなさまと提携を組ませてもらい、双方でノウハウを共有したいという思いもあって、今回このようにゲームショウ出展をして、日本のメーカーさんたちにアピールをしています」

どうやら、中国のユーザーが持つ消費のスピードに対抗するため世界中からコンテンツを集めて運営。その数の多さで収益を確保する事業形態のようだ。

この事業展開とパートナー探しに関して、木村氏は「日本支社を設立してまだ3ヶ月ほど。それにこれまでの活動期間は準備期間だったので、まだ日本国内のパートナーさんも少なく、日本メーカーさんの成功例も提出できません。なので、私たちも契約という面ではまだ試行錯誤の段階です。クリエイターの方々がどういった意図でコンテンツを作ったのかなど、こだわる面もあると思いますので、こういった所に関してはフォーマットに則った対応をするのではなく、細かく話をして、契約内容を柔軟に変更しながら対応したいと思っています」と括った。

ヨーロッパのメーカーでは、すでに数社が成功例を出してはいるものの、日本国内での展開はまだスタートラインに立ったばかり。それに関する不安は、話を重ねていくことで解消し、メーカーのニーズにあった展開をしてくれるようだ。

IPライセンス事業と共同開発事業

KongZhong日本支社が展開する主要事業はあと2点ある。IPライセンス事業と共同開発事業だ。これに関しても話を聞いてみた。

IPライセンス事業では、日本国内に展開されているIP(アニメ、マンガ、ゲーム、その他版権)を日本企業と提携の元中国で展開。そこで生まれた収益を規約に乗っ取ってLicenseFeeを獲得するという事業だ。しかし、海賊版による著作権侵害が多いというイメージの中国の企業にIPを任せるというのはいささか不安が残る。こういった不安に関しては、どのように対応していくのだろうか?

木村氏「最近になって、中国でも著作権に関する規制は厳しくなっています。しかし、それでも海賊版の横行など、皆様が不安に思われる点が多々あることは承知しております。そのため、契約に関しては日本の法に準拠したNDAを締結することを前提にお話をさせていただき、こちらも形式的な対応ではなく、ニーズに合わせて柔軟な対応をさせていただく所存です」

中国国内で係争事案が発生した場合やIPの取り扱い範囲など、調整する部分は多岐に渡りそうだが、予想されるリスクを低減できるのならば、この事業はプラスに働くのかもしれない。これからどのような展開がなされるのかには、いち消費者としても注目をしていきたいところ。

共同開発事業に関しては、日本メーカーとKongZhongが協議を行い、世界を視野に入れたコンテンツ開発を行うというもの。日本メーカー主体での開発になるのか、KongZhong主体での開発になるのか、それとも日中共同開発になるのか、グラフィックの作成は日本、プログラミングは中国といった分業になるのかなどは、協議の末決定されるという。しかし、どういった場合でも双方が持つ強みを活かした体制を作ることを前提に協議を進める予定だという。

最後にKongZhong副社長のTao氏は「日本文化と中国文化は若干違う部分があります。私たちは、自社でコンテンツを開発できる環境は持っていますが、やはり日本のユーザーのみなさんに対しての理解度がまだ足りていません。それと同様に、日本のメーカーのみなさんは、中国のユーザーに対しての理解度はまだ足りていないと思います。ぜひ、我々と提携をしていただいて、双方にメリットがある関係が組めればと思っていますのでよろしくお願いします」と日本メーカーに対してアピール。

日本支社代表取締役のYang氏も「KongZhongは、これまで10数年成長し続けてきた企業で、中国国内ではネームバリューのあるコンテンツプロバイダです。ですが、やはり国外展開を考えると、現地の企業とのパートナーシップが非常に重要です。日本のメーカーさんは優秀なところが多いのですが、海外展開という点に関しては、同じく現地のパートナーが非常に重要だと思います。なので、ぜひ私たちと長期的なパートナーシップを結んでいただき、いい関係を築かせていただきたいです」と締めくくった。

日本での第一歩を踏み出したKongZhongだが、中国という巨大市場で成功したという大きな実績を持っている。ここ1年ほど、海外メーカーの日本進出が激化してきているなか、KongZhongが日本国内でどのような展開を見せてくれるのか、注目していきたい。

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