
【プレゼントあり】King『キャンディークラッシュ』の仕掛け人に訊く
2014-09-25 17:00 投稿
海外と日本のKING(トップ)が揃う
『キャンディークラッシュ』や『ファームヒーロー』を手掛けるゲームメーカー KingのCMO(最高マーケティング責任者)アレックス・デール氏が、東京ゲームショウ2014開催に合わせて初来日した。
30年来の日本ゲームのファンで、来日初日にパチンコを体験したという。親日家のデール氏は、文化や嗜好が異なる世界各国で数々のゲームをヒットさせてきたマーケティングのプロフェッショナルだ。その彼とKing Japanの代表取締役である枝廣 憲氏に、日本市場の特徴やKingが放つ、つぎの一手について聞いてきたぞ。
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マーケティングのプロが見た日本市場の特徴
――まず初めに、来日して感じた日本の印象はいかがでしょう?
デール ベリークール。イケてます(笑)。
――ありがとうございます。では、本題ですが、Kingは日本市場をどういう風に捉えています?
デール 非常に重要だと考えています。その中で『キャンディークラッシュ』がDAU(デイリーアクティブユーザー数)ランキングで4位と、ゲームを多くの人に遊んでいただいて、たいへんありがたく思っています。あと『キャンディークラッシュ』ユーザーの60パーセントが女性ということも満足しています。(App Ape調べ)
――海外市場と日本の違いはありますか?
デール 『キャンディークラッシュ』自体は同じゲームなのですが、マーケットで言うとほかの国と非常に大きな違いがあります。具体的には3点あり、ひとつ目は、ゲーム中のイベントです。海外ではあまり重視されていませんが、季節や時期ごとのプロモーションやイベントというのが日本では欠かせないですね。ふたつ目はカスタマーサービスです。ユーザーに対してきめ細かな対応ができるように、Kingは万全な準備をしています。そして最後が、マーケティングの違いになるのですが、日本ではテレビCMがとても重要だと思います。
――それは実際にテレビCMをやられて実感したのでしょうか?
デール はい。すごく効果あるな、と感じました。
――最初はすごく苦戦したと聞きましたが?
デール はい、現地法人を作り、Ken(King Japan代表 枝廣氏)の力を借りることですべてが変わりました。
――King社は、日本で行ったように現地法人を作って海外展開していくのが基本姿勢なのでしょうか?
デール わが社はアメリカやイギリス、ドイツ、韓国などいろんな国でゲームを配信していますが、じつは海外展開の方法や戦略は、国ごとにまったく異なります。東アジアを例に挙げると、日本では現地法人を作って直接マーケティングをしていますが、韓国ではカカオトークと、中国ではSNSテンセントと組んで行っています。
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良質パズルを生み出すKingのいまとこれから
――パズルゲームは世界中でいろんなモノが溢れていると思うのですが、その中で『キャンディークラッシュ』や『ファームヒーロー』など、ヒット作を出す秘訣は何でしょう?
デール わが社のゲームは、“フリートゥプレイ”を大前提にグラフィックから音楽まで、コンシューマーゲームと同じクオリティーのモノを作ることを心掛けています。とくに、“難易度”、“達成感”、“手応え”を感じるゲームバランスには徹底的にこだわり、かなりの時間を掛けていますね。
じつは『キャンディークラッシュ』や『ペットレスキュー』などをプレイしている人たちの中には、お金を払わないで最後まで到達している人も多いのです。私自身も『ペットレスキュー』では無課金で、終盤の678ステージまで進んでいます。『ファームヒーロー』では使ってしまいましたが(笑)。
――自社で数多くのパズルゲームを手がけていますが、『キャンディークラッシュ』のライバルが『ファームヒーロー』になったりと、ユーザーを奪い合う心配はないのでしょうか?
デール そもそも日本では、『キャンディークラッシュ』のようなマッチ3パズルをはじめ、ゲームチョイスがたくさんありますね。その数多くあるゲームの中で、日本のユーザーがわが社のパズルゲームを、どれかひとつでも遊んでくれればと考えています。
――日本では今後どのくらいのペースでタイトルを配信していく予定ですか?
枝廣 わが社ではおもしろい作品ができて、適切なローカライズができたタイミングが、そのまま配信日となります。今回東京ゲームショウの開幕に合わせて配信した『ペットレスキュー』は特殊な例ですが、アレックスが直接配信を発表するという形で、いいスタートが切れました。
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――パズルゲーム以外のジャンルを手がける予定はありますか?
デール いいえ。カジュアルゲームひと筋で、パズルの要素をすべてのゲームに入れます。リラックスしながら楽しく遊べるゲームをこれからも作っていきたいですね。
――では、御社タイトルのグッズ化などの商品展開はありますか?
デール それは可能性があります。じつは、イギリスでは本物のキャンディーを作ったり、女性用の服を作ったりと、ほかの国ではすでにグッズ展開は行っています。
枝廣 近いうちに日本でもと考えていますので、お待ちください。
――最後に日本のゲームファンに向けてメッセージをお願いします。
枝廣 ひとりでも多くの人たちにKingのゲームを届けて、日常生活の隙間時間があるときに触れてもらえればと。そして、それが友だちどうしのコミュニケーションになったり、ちょっとした楽しい時間潰しになったりと、つねにユーザーの傍にいる存在になれれば、たいへんうれしいですね。
デール わが社が日本でできることはたくさんあると思っています。その一方で日本から学べることも、またたくさんあると考えています。たとえば『スーパーマリオ』シリーズや『ソニック』シリーズは、わが社の社員や、私の家族も全員遊んでいます。なので、 すでに日本から非常にインスパイアされている部分があるなと感じています。これからも日本からたくさんの部分を吸収し、より楽しいパズルゲームを作っていくので、よろしくお願いします。
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