【注目アプリレビュー】『ファイナルファンタジーVI』時代の進化! オレのスマホが魔導アーマー!? 

2014-02-18 12:00 投稿

時代は巡り辿り着いた20年目の新生

1994年にスーパーファミコンで発売されて以降、プレイステーションやゲームボーイアドバンスなど他機種に繰り返し移植。ダウンロード販売(WiiやPS3など)を含めると、なんとビックリ、7ハードを巡ってきた『ファイナルファンタジーVI』。

時代はかわり、スマートフォンへ進出した今作は先行配信されたAndroid版に続いてiPhone版にも登場した。


さて、レビューを始めるまえにおっさんのトラウマを聞いて欲しい。

最初のオリジナル版からじつに20年の年月。
当時夢中になった世代が我が子に与え、語り継いでいてもおかしくない。

わたくし深津庵も当時夢中になってプレイした身。
そう、あれは今作が発売された94年夏のこと――。

弟が友達から借りてきたのがこの『FFVI』だった。
夢中になってプレイする弟の後ろ姿を優しく見守り、クリアーしたタイミングを見計らって兄は呟く。

「おれもやりたい」と。

快くハードごと席を譲ってくれた弟に心から感謝。優雅なひとときにマジ感謝っ。

これまでのシリーズとは様子の違う今作に速攻で魅了され、連日コツコツと物語を進め、1ヶ月後にやっとこラストダンジョンまで到達。ラスボスは1回で倒したい性分のオレは、それから数日のあいだレベル上げに没頭した。

そんなある日の夕方、最悪の日を迎える。
なんの前触れもなく訪れた弟の友達。

「返して」のひと言。

自分の友達ではない年下の相手に無理も言えず、泣く泣くソフトを返却。
その悪夢を忘れられず、以降7ハードに渡って移植されるも怖くて1度も触れられなかったのがこの作品なのだ。

つまり、知らないんですよ、エンディングを!
さらに言うと、あまりの個人的出来事が影響してか、あんまり今作の物語を覚えていない……。

しかし、あれから20年。

徐々に老いてくるであろうゲームセンス。
(注:本人は現役だと信じています)

元気なうちに大海原を駆け巡りたい。オレも子供に語り継ぎたい!
(注:残念ながら独身です)

そしてわたくし深津庵は、先日配信されたiPhone版でリベンジを果たそうと立ち上がったのである! 

▲重厚なBGMに乗せて始まる壮大な冒険のプロローグ。この短な文章から溢れ出る世界の広さにワクワクしちゃう。
▲シリーズのモチーフでもあったクリスタルを廃して、機械文明を中心に始まったことが当時大きな話題となった。

魔導アーマー、雪原を駆ける!

20年前の苦い思い出のおかげで記憶が吹っ飛んでいても、魔導アーマーが登場する冒頭シーンは印象深く、当時はその迫力にテンションがあがったもんです。

スマートフォン版ではドットグラフィックをオリジナル版を手掛けた渋谷員子氏がすべてリファイン。懐かしのドットではなくなっているけど、色あせることなく進化を遂げていた!

▲BGMを聞いた瞬間、20年まえまでいっきにタイムスリップ。あのとき感じた胸の高鳴りがおっさんを刺激する!

そしてスマホの画面に現れる緑髪の少女“ティナ”

名前は覚えてるけど、どんな子だっけ?

魔法だか召喚に関する重要なキャラだった記憶が薄っすらと蘇るなか、2人の兵士がティナについて語りだす。

「生まれながらに魔導の力を持つ娘」
「魔導アーナーに乗った兵士50人を3分で倒した」

あ、そんな娘だったね!
それは思い出せた。
って左の魔導アーマー、いまにも落ちそうですがっ!

「頭の髪飾りで思考は止まっている」
「俺達の命令で思い通りに動く」

ダメ、思い出せない……。
オレの思考も止まっているよ!

混乱するなか、魔大戦で氷漬けになった1000年前の幻獣を目指してティナを含む魔導アーマー3機が荒れる雪原を歩み出す。

手のひらサイズに収まった名場面。

当時、ブラウン管テレビのまえに座り、まるで映画のようだと感じたこのシーンがスマホで動く。ゲーマーとしては本当にいい時代の流れを経験しているなと感じた。

氷漬けの幻獣、そして廻り出す運命

“あやつりの輪”と呼ばれる髪飾りの力で思考が止まっていたティナと氷漬けの幻獣が出会ったことで物語は動き出す。

氷漬けの幻獣との接触後、気を失い倒れていたティナを救った老人は、帝国の追手から彼女を護るために炭坑へと導き、そこでトレジャーハンターの“ロック”と出会う。

▲氷漬けの幻獣と出会い、ティナは何らかの現象を経験。帝国の兵は消え去ってしまう。
▲道中で過去の記憶がよぎるティナ。そして、奇妙な笑いかたをするケフカとガストラと演説。正直、このへんの展開はまったく記憶にないので、ティナと同じ立ち位置で「こ、こんなこと、あったか?」と自問自答しながら展開を楽しむ。
▲ロック登場! 名前は覚えているがどんなやつだっけと友達に問うと、「こいつティナを守るとか言っときながら浮気するからな!」と激おこ。盛り上がってまいりました。
▲そんなロックとの逃走劇のさなか、クポーの声。わかる、分かるぞ!『FFXI』を続けて12年目のオレにも分かる、こいつはモーグリだ!

一新されたバトルインターフェイス

これまでのストーリーを確認できるアルバム機能や、アチーブメントを集める新要素はもちろん、特に驚かされたのはバトルに関するインターフェイスだ。

『ファイナルファンタジー』のバトルと言えば、誰もが思い浮かべるのが、ゲージのある“アクティブタイムバトルシステム”だよね。

もちろんスマホ版にも採用されているのだけど、インターフェイスがまったく異なっていてビックリ。ゲージのかわりに各キャラクターごとにコマンドウィンドを新設。画面が下からせり上がって上限に達するとコマンドを選ぶことができるのだ!

観ておわかりのとおり各種コマンドが小さい。

一般的なスマホへの移植タイトルだと、ボタンを連打して戦闘コマンドを選ぶ感覚が失われてしまい、「昔のようにAボタンで”たたかう”を連打できないorz」とガッカリさせられることが多かった。

しかし、今作は違う。

最後に選んだコマンドにカーソルが固定され、以降が画面の適当なところをその都度タップすれば、そのコマンドを入力することができちゃうのだ!

▲コントローラがないんだから完全再現とはいかないけど、可能な限りあの当時の感覚を体感できる。できることなら、すでに移植済みの『FFIV』もこれにしてほしいぞ!

エドガー登場、そしてケフカ襲撃!

2人目のイケメン“エドガー”の登場。「こいつもチャラいのか……?」と不安になっていると、それを察した友達が「エドガーはいいやつだから!」と力説してきた。

オレにはそれが死亡フラグにしか聞こえず、とっても心配になってきちゃったけど、彼がどうなるかは実際にプレイして確認します!

1度は撤収したケフカが魔導アーマーを引き連れて大暴れ。

あー、こんなやつだったな、と過去の記憶を徐々に取り戻すなか、砂漠の城フィガロがまさかの超変形を開始。

さすが機械文明! エドガーさん、っぱねぇな。

▲砂漠の城フィガロに火を放ち、ティナを寄こせと暴れるケフカ。しかし、エドガーには秘策があったのだ。
 
▲フィガロ潜航モードセットオン! 両サイドの塔(?)を格納して砂漠に潜ってしまったー。っすがのケフカもお手上げかと思いきや、同伴していた魔導アーマーで追撃。
 
▲オレが思いつきでティナにファイアの魔法を使わせると、それに驚くエドガーとロックのイベントが発生。これ、オレが使わなくてもそうなったのか、偶然ファイアを選んだのが正解だったのか? っと気になるので、あとで確認しなきゃ!

迷子特性のあるプレイヤーも安心

長くなってしまったけど最後にこれだけ言わせてほしい。フィールド探索中、画面左にワールドマップが表示される。なんと、そこには赤いマーキンが! そう、向かうべき場所が標されているのだ。

▲「ナビの登場で道を覚えなくなった」と車を運転するひとがぼやく時代ですが、やっぱりあると便利なので頼ってしまう。

もうこれがあれば迷子になる心配もないし、久しぶりにゲームを再開したとき、「どこ行くんだっけ?」と目的を忘れちゃうRPGあるあるに苦しむこともない。さらに、上記でも触れた“アルバム機能”を確認すれば、ストーリーの流れを再確認できる。

わけあって未クリアーのプレイヤー諸君。または、若いゲーム世代のみなさん。
シリーズのなかでもファンの多い名作なので、興味があるひとはぜひ遊んでみて欲しい。
オレも20年の呪縛を打ち破ろうと思います!

そして、ロックがチャラい理由と、エドガーとティナの未来を確認だ!!

P.N.深津庵

ファイナルファンタジーVI

ジャンル
RPG
メーカー
スクウェア・エニックス
配信日
配信中
価格
1800円[税込]
対応機種
iOS 7以降のiPhone(4S以降) / iPad (2以降)/ iPod touch(第5世代以降) / Android 3.2以上、4.0以降推奨

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