【注目アプリレビュー】シューター必携!? 人気シューティングが4in1の『Raiden Legacy』インプレッション
2012-12-14 18:55 投稿
●1本あたり120円以下という破格の価格設定!
本作は、1990年代にリリースされたセイブ開発の縦スクロールシューティングがセットになったタイトル。収録タイトルは『雷電』、『ライデンファイターズ』、『ライデンファイターズ2』、『ライデンファイターズJET』の4本で、1本あたりのお値段は何と税込112.5円! ゲームセンターのプレイ料金と同じく、1プレイ100円で考えると、それぞれのタイトルを1回遊んだだけでほぼ元が取れる破格値だ。開発・配信元は、『R-TYPE』や『メタルスラッグ3』など、多数の和製ゲームをスマートフォン向けに移植しているDotEmu。フランスのメーカーであるため、デフォルトの自機数など一部海外版に準拠した部分はあるが、基本的には忠実に移植されている。オプションは独自のもので、スマートフォンに特化したタッチ操作や、指で画面が隠れにくいスクリーンサイズも用意されている。ゲームモードは通しでプレイするアーケードモード、アンロック済みのステージをプレイするミッションモード、練習用のトレーニングモードがある。
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▲どのタイトルも5機設定の3クレジットで固定。オプションは共通で、ボタンアイコンの位置調整や連射のオンオフが可能だったりと、かゆいところに手が届く作り。
●収録タイトルの『雷電』と『ライデンファイターズ』
収録タイトルは、英名で表記するといずれも『RAIDEN』の名を冠しているが、『雷電』と『ライデンファイターズ』は別ものである。ここではまず、それぞれのシリーズ作品を解説していこう。なお、◎のついたタイトルが本作の収録作品である。
■『雷電』シリーズ
メインウェポンとサブウェポンの武器アイテムを取り分けながら進む、ショット+ボムのシンプルな縦シューティング。武器アイテムはメイン、サブともに一定時間で切り替わり、同じ武器を連続して取るとパワーアップしていく。本作に収録されている『雷電』は全8ステージのループ制。敵弾の射出角度が比較的少なめで、結果としてボスの安全地帯(自機を停止させたままで敵弾が一切当たらない場所)が多めになっている。ショット+ボムでシンプルに楽しめる点や、ボムに無敵時間がなく着弾までに時間がかかる点、自機狙いの高速弾が多い点など、その作風にはケイブの前身である東亜プランの影響が見られる。2作目の『雷電II』以降はウェポンやボムの種類が増え、スコア稼ぎのフィーチャーも取り入れられていく。
基本的には小さな左右移動で弾を流していき、画面端で切り返すスタイルで進めるが、小型の地上敵に重なると弾を撃たなくなる“弾封じ”の適用範囲が狭く、加えて敵弾の弾速が全体的に速い。そのため、画面横や下から突然現れた戦車や小型艇の弾でミスしやすい。ここから派生して、特に画面下半分から出現したザコがいきなり放つ超高速弾のことを“セイブ弾”と呼称することもある。
▲国内版の『雷電』はミス時に特定の場所まで戻される“戻り復活”だったが、本作は海外版がベースなため、そのまま後続の自機が登場する“その場復活”方式だ。残機が多いこともあり、国内版より若干難易度が低い。
シリーズラインアップ
◎雷電 1990/セイブ開発
・雷電II 1993/セイブ開発
・雷電DX 1994/セイブ開発
・雷電III 2006年/モス、タイトー
・雷電IV 2007年/モス、PIC
■『ライデンファイターズ』シリーズ
ショット+ボムという仕組みや基本的なルールは『雷電』シリーズを踏襲しているが、自機の種類が非常に多く、ゲーム展開が非常にスピーディ。武装にメイン、サブのカテゴリ分けはなく、一定時間おきにMとLが切り替わる武器アイテムでパワーアップしていく。新たな攻撃手段として溜め撃ちが追加されたほか、自機を敵弾にかすらせると高速でスコアが加算される“かすりボーナス”や特殊な方法で勲章を育てる“10万点モード”等、よりマニアックなスコアシステムを搭載。タイムリリース+隠しコマンドで出現する隠し機体も存在し、同社の『雷電』シリーズや『バイパーフェイズ1』の自機、隠しキャラのミクラスやフェアリー、オプションのスレイブなどが使用可能。ただし、本作では入力デバイスの関係からか、すべての隠しキャラを使うことは現在ではできないようである。
全3作が登場しているが、最終作の『ライデンファイターズJET』で一部のシステムが大きく変化。この作品の前半ステージは訓練用のシミュレーターという設定で、プレイ内容によっていくつかのルートに派生していく。そのため、ステージの種類が非常に多いのが特徴のひとつ。最後の2ステージが実戦ステージとなっている。
▲『ライデンファイターズ2』まではミッションという大きなくくりがあり、各ミッションにステージが内包されていた。『ライデンファイターズJET』はミス数などを参照してステージレベルが変化。多彩な展開を楽しめる。
シリーズラインアップ
◎ライデンファイターズ 1996/セイブ開発
◎ライデンファイターズ2 1997/セイブ開発
◎ライデンファイターズJET 1998/セイブ開発
●『ライデンファイターズ』シリーズの稼ぎフィーチャー
『ライデンファイターズ』シリーズはスコアシステムが洗練され、よりマニア向けの内容となっている。スコアやその他の要因で残機が増えることはないため、クリアーを目指すだけであればスコア稼ぎはまったく必要ないが、一定のスコアを取得することで解除される実績がある。やり込み派のユーザーにとっては、スコア稼ぎは必須項目だ。特に1億点の実績は、スコア稼ぎのシステムを完全に理解していないと実現は不可能。巨大な10万点勲章を取得しまくるのは単純に爽快なので、余裕があればチャレンジしてみよう。ふつうに遊んでいるだけでは気づきにくいフィーチャーもあるので、ここでスコア稼ぎに関係するボーナスをまとめておこう。
・かすりボーナス
敵弾を自機の周囲ギリギリにかすらせると、スコアが加算される。これをこまめに行えばかなりのスコアを稼げるが、ほかのボーナスを確実に取得することが先決。中型戦車やボスなど左右への動きが少ない敵の砲塔の真下から少しずれた場所に位置し、垂直方向に弾を撃たせてかするといい。
・速攻破壊ボーナス:QUICK SHOT!
中型以上の決まった敵を、出現から一定時間以内に破壊するとボーナス加算される。加算スコアは敵の種類によって異なる。
・同時破壊ボーナス:DESTROYED AT A TIME!
本作では中型機や中型戦車など、耐久力のある敵は複数が組として設定されている場合がある。これらの敵をほぼ同時に破壊すると10万点が加算される。狙いにくい場合は、ボムを使用すれば確実だ。
▲速攻破壊と同時破壊をいっしょに獲得できる場面も多い。
・民家破壊阻止:DEFENDED THE HOUSE!
『ライデンファイターズ』のミッション1の森林ステージのボスは、出現後に左右にある4つの民家を砲撃して破壊する。ここで、民家に放たれた弾をスレイブで吸収したり、ボムで消すなどして破壊を阻止すると10万点ボーナスが加算。
▲民家は4つあり、向かって右→左→左→右の順に破壊していく。
・フェアリー:DISCOVERED THE FAIRY!
エリア内の中型機をすべて速攻破壊してボーナスを取得する等、決まった条件を満たすと出現する空中の隠しキャラクター。一定時間後にボムアイテムをひとつ出し(例外あり)、画面下へと飛び去っていく。取得すると10万点が加算されるので、ボムを出現させてから捕まえるのがセオリー。ショットを撃ち込むと倒すこともできるが、ボーナスはわずか10点(KILLED THE FAIRY!)。
▲『ライデンファイターズJET』のステージ2では、上に移動する欄干すべてに触れるように左右に動くと多数のフェアリーが出現。ここは例外的にボムは出さず、上に逃げていく。
・ミクラス:DISCOVERED THE MICLUS!
某カプセル怪獣を思わせる地上の隠しキャラクター。出現ポイントに一定時間自機を合わせる等、決まった条件を満たすと出現する。ショットを撃ち込むと勲章を9個落とし、その後破壊されて10万点が加算される。『雷電』では地上敵を破壊すると出現する勲章が、一定の法則でミクラスとなっていた。
▲10万点モードになっていれば合計で100万点加算されるが、それ以上に10万点モードに突入するための下準備に重要なフィーチャーだ。
・倍率ボーナス
『ライデンファイターズJET』のみに存在。上記ボーナスを取得後、一定時間内に別のボーナスを取得すると倍率が1倍から2倍、3倍とアップしていき、最大9倍になる。一定時間が経過するとコンボが切れて1倍に戻る。ちなみに、下記の10万点勲章は対象外。
・10万点モード
特定の敵を倒すと出現するスコアアイテムの勲章は、連続で取得することで加算スコアがアップ。最終的に1つ10万点まで育てられる。注意してほしいのは、画面内に勲章が存在していると、新たに出した勲章は成長しないこと。そのため、勲章出現後は不用意にショットを撃たず、急いで取得することを心がけよう。
『ライデンファイターズ』と『ライデンファイターズ2』では、スレイブ(Sアイテムで装着されるオプション)の装着数で勲章のスコアテーブルが変化。内訳は0個/10~90点、1個/100点~900点、2個/1000~9000点というふうに育っていき、すべてをMAXまで育てると1万点勲章が出現する。この1万点勲章を画面内に9個以上同時に存在した状態になると、すべてが消滅して10万点モードが発動。以降は逃がさないように取り続けることで、1万点勲章が最大10万点まで成長する。
『ライデンファイターズJET』では、スレイブを取得すると勲章を吸い寄せてスレイブの近くに停滞させることができ、勲章を重ねて重ねるたびに成長していく。これをMAXまで育成してから取得後、画面内に勲章を9個出現させると消滅して10万点モードがスタートする。なお、特定条件でスレイブの配置スタイルが変化し、引き寄せ効果が発生しなくなるので注意。
▲いかに手早く10万点モードに突入できるかがスコア稼ぎのカギ。どの作品もステージ2を目標にしよう。
●移植度は十分! 今後のアップデートにも期待
本作の収録作品のうち、とりわけ『ライデンファイターズ』シリーズは、アーケード版発売当時もかなりの歯ごたえがあったタイトル。正直言って難易度は高めだが、ゲームテンポが軽快で、楽曲との相乗効果もあって独特のトリップ感を味わえる。また、敵弾は弾幕シューティングのように細かく避けるのではなく、大きくかわすかボムで対処するのが基本。その意味ではスマートフォンの操作スタイルと好相性のタイトルと言える。昔を知る人もそうでない人も試す価値のある作品に仕上がっている。
▲弾速が速く、自機の当たり判定も大きい。敵弾は見てから避けるのではなく、危険な攻撃を覚えてボムで乗り切ろう。
タッチスクリーンによる操作は新たなゲーム性を与えている部分もあるが、逆にそれゆえに気になった点もある。いちばん大きいのは先述したとおり、隠しコマンドで出現させる隠し機体が使えないと思われることだ。そう判断した理由は、出現コマンドにレバー入力、ショットボタン、ボムボタン、スタートボタンの複合入力が含まれるためである。また、『ライデンファイターズJET』の実績“RFジェットシップマスター(すべての機体でプレイした)”は、スレイブとフェアリーの2機を未使用でも解除できた。これも判断材料のひとつである。特殊なデバイスならば可能かもしれないが、スマートフォンでそのままプレイする限り、選択する方法はわからなかった。アーケード版の『ライデンファイターズ』シリーズは、最終的にスレイブ(およびフェアリー)を使うプレイヤーが多かったことを考えると、これらが事実上封印されてしまった(と思われる)のは少々残念な点だ。
また、非常に細かい点だが、『ライデンファイターズJET』にあったプレイ開始直後のネーム入力が省略されている。スマートフォンの場合はアカウントがネームのようなものであり、入力方式もタッチスクリーンにはそぐわない。ここを省いたことでスムーズに始められるようになったのは、むしろ好判断であると思う。
実績は全部で15項目。スコア系(1億点)と最終ステージノーミスクリアー(『ライデンファイターズJET』以外の3タイトル)が難関。全解除はかなり難しい。
とはいえ、価格と内容を考え合わせれば十分すぎるほどお得なタイトルであるし、ゲーム部分の移植は申し分ない。最後に少し苦言を呈してしまったものの、古参ゲーマーの戯言と聞き流していただければ幸いである。実際のところ、ソフト連射の速度が若干上がるなど、アップデートで解消されている部分もある。隠し機体についてもアップデートでの解決を待ちたい。(バロンマサール)
Raiden Legacy
- メーカー
- DotEmu
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 450円[税込]
- 対応機種
- iOS 4.3以降/Android 2.3.3以上
- コピーライト
- (c) DotEmu
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