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【個人開発者のやぼうとげんじつ】第5回:比類なき才能と配信力“RucKyGAMES”

2012-08-10 13:22 投稿

●奇才、変人と呼ばれながらも着実に結果を出してきた

連続企画の最後を締めるのは、多種多彩なアプリを出しまくり続ける“RucKyGAMES”氏。一風変わったシュールなゲームが多いことや、Twitterでの言動などから天才ではなく奇才と呼ばれることの多い同氏。現在は個人で活動しているが、じつは『なめこ』シリーズで一躍有名になったビーワークスに在席していた過去も持つ。そして最近では『ぐんまのやぼう』で群馬の知名度アップに貢献したとして、群馬県観光特使に任命されるなど、いまもっともノリに乗っている個人開発者のひとりだ。

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※【個人開発者のやぼうとげんじつ】連続インタビュー企画 アプリをひとりで作るって、実際どうなの? RucKyGAMES氏

 

――すでにネタみたいな数になっていますが、リリース本数を教えてください。

RucKyGAME(以下、RucKy) 全部で92本です!

――すごいですね……。そのなかでいちばんヒットしたタイトルってなんですか?

RucKy 『i大富豪lite』ですね。けっこう早い段階でリリースしたので140万本ほどダウンロードして頂きました。有料版で5万本くらいなのでけっこう差が大きいんですよね。

i大富豪lite

 

――そんなに差があるんですね! 配信本数からしてだいぶ古株な気がしますが、いつごろから活動されていたんですか?

RucKy 2009年の5月ごろに初めてアプリをリリースしました。

――iPhone 3Gのころからか……。やっぱりかなりの古参開発者ですね。いまは当然アプリ開発だけで生活しているんですよね?

RucKy そうですね。いまはアプリ開発だけで食べてます。外に出る用事がなければ、寝て起きてゲームやってから仕事してって感じですね。最近は夜中の3~4時には寝ています。いまはもう朝がめちゃめちゃ暑いので、起きてから1時間くらい布団でごろごろしてからようやく起きて仕事をしてますね。

――そもそもなぜ個人でアプリ開発をはじめようと思ったんですか?

RucKy 会社に属して働いていると、自分で企画を考えたりしてもそれを提出して、さらに実現するまでにいろいろと壁があるじゃないですか。自分で考えたものを出すには自分でやるしか方法がなかったからです。

――個人で開発されていてこれだけの本数をリリースしている訳ですが、実際どれくらい儲かっていますか?

RucKy なかなか答えにくいところではありますが(笑)。まず人件費はあってないようなものですし、生活できればそれ以上は全部利益になるんです。だから企業で働いていたころよりもぜんぜん儲かってはいますね。でも当たったときとそうでもないときの波が大きいですけどね(笑)。

――アプリはどういった手順で作られていますか?

RucKy 流れとしては、なんとなく企画を思いついて、なんとなく動くものを開発して、微妙だろうがなんだろうが出しています。

――なんとなくすぎる(笑)。では、どういったスキルがあればアプリ開発ができると思いますか?

RucKy ふつうのことを言ってしまえば、プログラム力とかそういったことになってしまいますが、いちばん必要なのはアプリを完成までもっていく“やる気や覚悟”ですね。あとは100%の作品なんて作れないと思うので、できたものをリリースできる“勇気”が必要です。

――個人でやっていると昼夜逆転することも多いでしょうし、怒られることもないし、誘惑も多い。開発し続けるモチベーションはどこにあるのでしょうか?

RucKy 僕の場合、仕事をしていない姿はニートみたいなものですよ(笑)。秘訣があるとすればそれは追い詰めることですね。「これをやらなければヤバイ!」というのをつねに心に感じていて、ゲームで遊んでいる時も「お前はなにをサボっているんだ」と考えながら遊んでいます。

――配信本数も月ごとの配信数も非常に多いイメージですけど、これくらいリリースし続けないと収入が確保できないのでしょうか?

RucKy 実際はここまで出さなくても大丈夫だと思います。特定の1本を長く遊んでもらえれば、安定した収入につながってくれます。ただやっぱりグラフ的には下がってくるので、つねに走り続けてなければならないとは思います。

――アプリのアイデアはどんなときに湧いてきますか?

RucKy 日常生活でふとしたときに思い浮かぶことが多いです。ほかのアプリはあまり見ませんが、触ったときに自分ならこうするのになって考えるときもあります。あとは自分の心境的に嫌なことが続いている場合は変なものが生まれます(笑)。『ヤダ ヤダ』なんかはリアルに仕事したくないなって感じたときにつくったアプリですよ。

――そ、そういうものなんですね(笑)。ではスマホアプリの開発でとくに意識していることはありますか?

RucKy こだわってるのは縦持ちであることですね。電車やバスなどの移動中に横持ちだと持ちにくいし、操作しづらいんですよ。

――いままで作ったアプリで、自信作だけど売れなかった作品はありますか?

RucKy 『ふりーだむふぃっしんぐ』ですかね。かなり時間をかけて売れるであろう要素を詰め込んだのに予想の半分以下しか売れなくて、もうちょっといって欲しかったなと泣けてきましたよ……。ある程度狙って作ったアプリがそんな感じだったのに、もっと適当に作ったようなアプリがその3~4倍くらい売れたりしますので、App Storeは怖いですね。

ふりーだむふぃっしんぐ

――またちょっとお金の話になりますが、どうしたらアプリ開発1本で食べていけると思いますか?

RucKy やっぱり継続することですね。ずっとリリースし続けたほうがヒットする可能性があがるので、諦めないことです。じつは僕も実際にお金になるアプリを作ったのは、10本ほどリリースしたあとでした。それくらい時間がかかるものだと思ったほうがいいです。開発に関しては最低でも月に1本、最高で月5~6本はいまでも出してます。もちろん1発で当たる人もいるかもしれないですけど、そういうすごい人はこっちにきてほしくないですね(笑)。

――では、いま企業から引き抜きで声をかけられたらどうしますか?

RucKy メールだったら無視します(笑)。 絶対なにか裏がありそうですし、通勤しなきゃいけないんで断ります。基本的に僕は家にいたいので!

――そうですか(笑)。92本ものアプリをリリースしてきて掴んだ、自分なりのAppStore攻略法はありますか?

RucKy 攻略法は正直まったく見えないです! 攻略法があればもうちょっと安定した収入が手に入るはずですし。いまだに手探り状態ですね。

――いま注目しているゲームアプリはありますか?

RucKy いまならソーシャルアプリやApp Storeのトップセールスの上位を暴れまわっているアプリですね。あそこのアプリはもうすでに稼げる仕組みができてるわけじゃないですか。僕にはこういうのは作れないので、そういうノウハウだけうまく自分のアプリに落とし込めたら最高だなと、遠目で眺めてます。おもしろさというよりは仕組みに注目しています。

――うーん、あくまで開発者目線ですね。Androidでも配信されていますが売れ行きはどんな感じですか?

RucKy Androidでは有料アプリをリリースしてないのですが、売れ行きとしてはiOSと同じくらいです。ただ、売れ行きのカーブは違っています。iPhoneアプリは一気に数が売れて終わるんですが、Androidアプリは緩やかに時間をかけて同じくらいの数が売れてます。最終的に着地が同じくらいになるので、利益としては単純にiPhoneとAndroidで2倍になります。開発はものすごくめんどくさいのですぐにでもやめたいのが本音ですが(笑)。

――ダウンロード数が同じくらいになるというのはおもしろいですね。

RucKy 理由はわからないですが、そうなってしまいます。『ぐんまのやぼう』なんかもそうでしたね。

ぐんまのやぼう

――ところで、“群馬県観光特使”ってなんですか?(笑)

RucKy じつはまだ観光特使として正式に任命されていないんです(※)。ただ、実際は任命されるだけでとくに活動はないと思います。群馬県の宣伝ボランティアみたいなもんですよ。地元の新聞に載ったのが大きな影響をよんだかわからないですが、リリース2ヵ月で観光特使任命は怖いくらいですね。

※2012年8月7日に正式に委嘱されました。

――任命された感想は?

RucKy 何したらいいかわからないです。なんだかもう引き下がれないところまできている気がして逃げられないですね!(笑)

――では『ぐんまのやぼう』第二弾もありそうですか?

RucKy なにかいい素材が集まればありえると思います。ただ、もしあるとすれば最初から丁寧に作り直さなきゃまずい気もしますし、どうかなあ……。

――以前は『なめこ』のビーワークスに勤めていたとのことですが、独立して後悔していませんか?(笑)

RucKy いやー、後悔はしてないです。僕は僕で自分の居場所を確保できましたし、向こうもしっかりと稼げているし。正直安心しました。

――つぎはどんなアプリを出す予定でしょうか?

RucKy じつは今回また心がすさむことがあったのでまたちょっとかわったアプリを出します(※)。

※配信されました。

出る杭は打たれる

――なんですかそれ(笑)。では最後にファンの皆さんにむけて一言おねがいします!

RucKy みなさん見捨てないでください。何をやっていても優しく温かい目で見ていてください。

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